【卓球】第83回全日本大学総合選手権 (個人の部) 3回戦で全選手が姿を消す悔しい結果に…
第83回全日本大学総合選手権 (個人の部)
2016年10月27日(金)〜29日(日)
長野市真島総合スポーツアリーナ
秋季リーグ戦では、入れ替え戦に勝利し1部残留を決めた法大卓球部。今季の集大成として長野で開催されたインカレ個人の部。法大からも多数の選手が出場し、好成績が期待された。しかし、最高成績が3回戦進出とふるわず今大会を終えることとなった。
試合結果
ダブルス部門試合結果
選手名 | |
---|---|
2回戦敗退 | 阿部雄太(営4)・瀬川賢矢(国3)ペア |
村井桂(国4)・南波裕輝(営3)ペア | |
青山昇太(営1)・高取佑史(法1)ペア |
シングルス部門結果
結果 | 選手名 |
---|---|
3回戦敗退 | 大槻周瑛(法2) |
青山 | |
高取 | |
2回戦敗退 | 阿部 |
村井 | |
南波 | |
1回戦敗退 | 瀬川 |
今井智也(人1) |
戦評
全日本学生選手権(個人の部)が行われ、法大からはシングルスに8人、ダブルスには3ペアが出場した。ダブルス部門では、青山昇太(営1)・高取侑史(法1)ペアを含む出場した3ペアが2回戦で敗退してしまう。
気持ちを切り替えて迎えたシングルス部門。2回戦には6選手が勝ち上がった。高取は1セット目を4-11で取られるもののそこから立て直しセットカウント3-1で勝利。今大会の目標を「ベスト8」と語った青山。1・2セット目をデュースで取るとそこからは波に乗り3セット目は11-5とセットカウント3-0で勝利した。また、大槻周瑛(法2)もストレート勝利と調子の良さを見せた。
一方で4年生の阿部雄太(営4)は今大会が法大卓球部として最後の試合となった。相手のドライブからのカウンターが冴えわたるもフルセットの末、2-3で敗北。「負けたことに対しては悔しいがそれ以上に(1回戦)で勝てて嬉しい気持ちが大きい」と振り返った。主将の村井は同じく専大4年の北原大輝と対戦。観衆が静まり返り、拍手が送られるほどのプレーを見せるも2-3と惜敗した。これで村井は阿部と同じく今大会で引退となった。来季はチームを引っ張る立場となる南波裕輝(営3)の相手は守備を主なプレースタイルとするカットマンだった。1セット目からループドライブを中心にプレーする。1セット目ではコースを狙い11-3でセットを取るも、この戦術に相手が慣れてきたのか接戦となる。先ほどまで決まっていたコースの打ち分けが決まらなくなり、4セット目以降、短いボールを積極的に出すものの惜しくもフルセットの末敗れた。
3回戦に進んだ高取は今季関東大学リーグで準優勝した専大のエース田添健と対戦。相手のドライブからのカウンターが何度も決まり一時は勝利を予感させたが相手はやはり上手だった。セットカウント1-3で敗戦した。同じく青山もこの試合に勝てば、明大のエースで今大会2連覇中の絶対王者森薗への挑戦権が得られるという状況で3回戦へ。対戦相手は野田学園時代の先輩にあたる埼工大の千葉悠平。しかし、相手の積極的なプレーに押され、フルセットで敗戦した。法大勢で残るは大槻のみ。スタンドからの応援が会場に響き渡る中、ドライブの攻防を中心としたプレーのハイペースで試合運びをする。2・3セット目を取るも、粘り負けしフルセットの末敗戦。これで法大勢の戦いに幕が下りた。
今大会では1・2年生の活躍が目立つなど法大は若い層がチームを結果で引っ張った。絶対的なエース村井が引退する中、これまで以上に厳しい戦いが待っているだろう。それでも歓喜の春を迎えるために各選手がそれぞれにレベルアップすることが市場命題であろう。4年生が残してくれたものを胸に。法大卓球部は次代へと歩みを進めていく。(京岡寿々乃)
選手コメント
村井桂主将
ー本日のシングルスを振り返って
相手も4年生で何回か対戦したことのある相手だったので、お互い手の内を知っていて、その中で相手は自分のサーブの特徴を知っているので、先に仕掛けないといけないところで、それよりも先に相手が攻撃的にきて、最後競って負けてしまいました。今までは練習やチームカップ等でやっていて、今回初めて負けてしまいました。
ーダブルスについて
自分たちはシードで、相手は2戦目で、自分たちは初戦だったのですが、自分たちが緊張をしていた中で、向こうが思いっきりきたという印象があり、勢いにやられた感じです。
ー今大会の目標は
シングルスは優勝を狙っていて、ダブルスはランキングに入ろうと南波と話していたのですが、目標が達成できずに残念です。
ー今大会通して振り返っていかがですか
あっさり終わってしまいました。4年連続出場していて、今までで一番悪い成績が4年目で残念です。相手も自分がサーブで先手を取るタイプというのを知られ、研究されていたりするのですが、それの対策を出せなかったのがだめでした。
ー1、2年生が3回戦まで進出しました
今回出ているメンバーは来季のリーグ戦で主力になる人たちで、下級生にはランキングに入って欲しい気持ちはありましたが、最後のつめが甘いというのを感じたので詰めていって欲しいと思います。
ー4年間を振り返って
人間的にも技術的にも両立して高められた良い部活でした。1年生の春は1回も出させてもらえない状態から、リーグ戦では特別賞ももらい、入学できたのも監督やOBの方々のおかげなので、とても感謝しています。
ー今後の競技予定は
日本の実業団に加入する予定です。実業団は大学でやっていた人も一握りしかいけない舞台なので、さらにレベルが高い大会が多くあり、個人的な目標はないですが、チームが今2部なので1部昇格を目標にやっていきたいです。
阿部雄太
ー今日の試合を振り返って
負けて悔しいという気持ちはありますけど勝てて嬉しい気持ちの方が大きいです。
ー最後の試合をどういった心境で迎えたのか
前回のリーグ戦が終わって4年生は引退ということだったのですが今日に向けて練習してきました。
ー4年間を振り返って
先輩も後輩も強い人がいたのでそこはすごく恵まれていたかなと思います。それを生かしきれなかった感じがありました。
ー同期の村井選手について
入学した時は僕の方が強かったのにな。でも、(今の活躍をみて)すごいなと思います。
ー法大卓球部のいいところ
比較的他大と比べて自由なので仲がいいところですね。その分自己管理が必要だとは思いますけどね。
ー後輩に向けてのメッセージを
リーグ戦頑張って欲しいです。
大槻周瑛
ー率直に今の気持ちを聞かせてください
ランクを狙っていたので負けてしまって悔しいんですけど、新たな課題が見えたのでまた次に繋げられればと思います。
ー今日の2回戦の試合を振り返って
結構強い相手だと聞いていたので前半から思い切って自分の持ち味の攻撃的なプレイを前半からやっていきました。相手に流れをつかませなかったというのが勝因だと思います。
ー最終セットはデュースまでもつれ込みました
最終セットはリードしていてちょっと次の試合のことも考えてしまい、少し油断してしまったところはあります。でもそこは立て直すことができ、勝つことができたのでよかったです。
ー3回戦の試合を振り返って
1セット目はうまく相手の戦術にはめられてしまいましたが、2、3セット目はそれに対応し、逆に自分のいいところを出していけました。だけど4セット目には自分の得意なプレイに相手が慣れ始めて、そこから焦りが生まれて逆転されてしましました。
ー得意とするプレースタイルとは
台から離れないで攻め続ける前陣速攻というプレイスタイルです。
ー対戦相手(船本選手)の印象は
対応能力が高く、うまく相手に合わせながら穴を見つけてくる選手なのでとてもやりづらかったです。
ー最終セットでのタイムアウトで南波選手にどのようなアドバイスを受けましたか
流れが悪いので何かを変えていかなくてはいけないということを話し、相手のバック側にラリーが 集まっていて、それを相手に待たれていたのでフォア側に流していくようにしました。
ー観客席ではチームメイトの応援が目立ちましたが
ちゃんと聞こえていました。とてもリラックスできて力になりました。
ーご自身の調子は
結構よくて、船本さんとの試合も勝てそうな調子でした。でも相手にスーパープレーをされてしまった面などで精神的に押され、流れを持っていかれてしまいました。
ー今大会にはどのような気持ちで臨みましたか
僕は大学にきてあまり全国大会などでいい成績が残せていないので、ランクに入り、今年抜ける村井さんや阿部さんの穴を埋める役になりたいと思ってこの大会に臨みました。
ー秋季リーグでは1年生が活躍する中で出場できない事もありましたが
1年生だけに負担をかけてしまうのは申し訳なかったです。だから今大会でランクをとり、中心選手になりたいという思いがありました。
ー高校の時の成績は
東京選手権という全国大会で5位。インターハイでは団体5位でした。
ー現在の1年生については
高校の時から活躍してきている選手なのでとても心強いです。普通に負けちゃいけないと思わせてくれ、競争心を刺激してくれるのでいい存在です。
ーご自身の反省、改善点はありますか
自分の得意な攻めるタイプのプレイを得意とする選手もいるので、そういう選手に対しては自分のプレーを押し通すのではなく、戦術を柔軟に合わせていくことができたらと思います。
ー4年生が今大会で引退となります
リーグ戦などでも活躍してくれていたので、抜けてしまうのはチームにとってはとても痛いんですけど、それを追い越せるようにこれから頑張っていきたいです。
ー来年の目標は
リーグ戦はAクラス、個人戦でも16位以上に入りたいです。
青山昇太
ーシングルスを振り返って
2回戦の相手は去年の関西チャンピオンで、向かっていく気持ちで行ったのが良かったんだと思います。3回戦の千葉(悠平、埼工大)さんは同じ高校の先輩で、お互いが手の内を分かり合っていました。その中でどう工夫して戦っていくかを相手の方が工夫して来たので、こっちの作戦不足だと思いますね。
ー今回の対戦に当たって考えた作戦とは
とりあえず、相手のやりづらそうなところをひたすら攻めていくというものでしたね。
ー千葉選手の印象は
サーブレシーブがとてもうまくて、ラリーが強い、とてもやりづらい相手です。
ー高校時代との違いは
高校時代は僕が勝つことが多かったです。ただ、大学に入ってからプレースタイルも変わって、今回は負けたので、1からやり直していきたいです。
ー試合前後や大会前などに交流は
大会前に練習試合をさせてもらって、自分の作戦通りに勝てました。今回は自分の作戦が読まれていて、こっちの作戦ありきの作戦を相手に取られてしまったので、自分の作戦を実行しない方が良かったのかなと思いました。
ーダブルスを振り返って
相手が格下でしたが、自分の力を出し切れずに負けてしまったという感じです。自分の実力以下の相手に負けてしまったので、来年以降を見据えて練習していこうと思います。
ー力の出しきれない原因は
相手の選手は緩急を使ってくるのがとてもうまかったです。速いボールと遅いボールを織り交ぜまれて、ゆったりとしたボールに対応できなかったのが原因です。
ー2日間を通して
合計で5試合で、全て内容は良かったです。今までずっとシングルスは勝ててなくて、内容もすごく悪かったです。でも今回は負けてしまいましたが、内容はすごくよかったので、自信の持てる結果になったと思います。
ー初めてのインカレの雰囲気は
高校のインターハイと比べるとすごいルーズですね。高校の時は応援の熱気がすごかったですけど、この大会は応援や熱気というものを感じない中で戦わなければならないです。応援を力にすることができないので、個々の力が出やすい大会だと思います。
ー青山選手と同じく、法大内最高成績となった大槻選手はどういう選手か
大槻さんは非常に打球点が高くて、スピーディーな卓球をする選手です。相手にもよりますが、現代卓球というか最先端の卓球をやっていると思います。
―今後に向けて今回負けた原因は
サーブレシーブで先手を取られたことです。戦術の幅を広げるためにも日頃から考えて、練習することが重要だと思います。やり慣れた相手にも勝てるように練習をしていきたいです。
―目標は
来年の春リーグに向けて、また1からやり直して行こうと思います。
高取侑史
ー今日の試合を振り返って
最初の試合は自分から攻めることを意識して、1セット目は詰められなかったですけど、2セット目以降自分の展開に持って行けたのは良かったかなと思います。次の試合では、相手が格上だったので向かっていく気持ちで臨みました。そこで、自分でも結構詰められていて、良いプレーもあったのですが、あと一本のところで取れなかったので、もったいなかったなと思います。
ー3回戦では田添健太選手と対戦しましたが
やったことなかったので、どういうプレーをする選手なのかわからなかったのですが、法政の選手にはないプレーをする選手だなと感じました。
ー法政にはないプレーというのは
法政はレシーブからガンガン攻める選手が多いのですが、田添選手はサーブレシーブで緩急をつけてきて、上手くかわしてくるという印象が強かったので、そういうところで対応しないといけないなと思います。
ー今大会の目標は
ランク入りでした。まあでも自分はその前に田添さんに勝つことでした。でも勝てなかったことは実力不足だと思います。
ーダブルスを振り返って
負けた相手には、丁寧にコースをついてくる選手だったので、緩急のあるボールに対応できずに負けた感じです。
ーこの1年で感じたことは
大学卓球は、パワーが必要な世界だなと思いました。高校とは違って、速さだけでなくその中にパワーがあって、さらにそこに緩急をつけてくるとい感じです。
ー来年にむけての課題は
この一年で決定力をつけることが必要と感じたので、トレーニングで基礎を作って、卓球につなげていきたいなと思います。
ー来季への意気込みを
春リーグに向けて基礎からやって、下級生も入るのでお手本になれるような先輩になりたいです。
フォトギャラリー
- 惜しくも4回戦進出を逃した大槻
- 集大成のプレーをみせた阿部
- 得点を奪い気合の入った表情を見せる青山
- エースの村井はフルセットの末敗れた
- 悔しさをにじませる南波
- 法大の特長である応援も盛り上がりをみせた
- 高取は強敵相手に奮闘するも敗れた
- 4年間法大を支えた阿部㊧と村井