【陸上競技】第96回関東学生対校選手権 1、2日目 金井が自己新&大会新で優勝!
第96回関東学生対校選手権
2017年5月25日(木)、26日(金)
日産スタジアム
今年も4日間にわたる関東学生対校選手権(関東インカレ)が開幕した。1、2日目は雨風など天候に恵まれない種目もあったが、男子10000mの坂東を皮切りに男子走幅跳、女子100mHで入賞。そして男子110mHの金井は大会新で優勝を果たした。
試合結果
男子1部総合成績(2日目終了時点)
順位 | 大学名 | 得点 |
---|---|---|
1位 | 日大 | 82点 |
2位 | 東海大 | 53点 |
3位 | 順大 | 46点 |
4位 | 筑波大 | 42点 |
5位 | 中大 | 23点 |
6位 | 法大 | 22点 |
7位 | 東洋大 | 20点 |
8位 | 国士大 | 17点 |
種目別結果
種目 | ラウンド | 組 | 選手名 | 記録 | 順位 |
---|---|---|---|---|---|
男子100m | 予選 | 2 | 伊深愛生 | 10秒88 (-0.3) | 4着 |
4 | 勝瀬健大 | 10秒86 (-1.5) | 4着 | ||
5 | 平山裕太 | 10秒99 (-0.6) | 8着 | ||
男子400m | 予選 | 2 | 片山雄斗 | 48秒59 | 7着 |
3 | 白幡大輝 | 47秒73 | 4着 | ||
4 | 本間大介 | 48秒96 | 7着 | ||
準決勝 | 1 | 白幡 | 48秒68 | 6着 | |
男子1500m | 予選 | 1 | 増田蒼馬 | 3分50秒97 | 6着 |
2 | 糟谷勇輝 | 3分58秒11 | 9着 | ||
男子10000m | 決勝 | 狩野琢巳 | 30分37秒35 | 29位 | |
坂東悠汰 | 28分44秒87 | 5位 | |||
佐藤敏也 | 29分33秒47 | 17位 | |||
男子110mH | 予選 | 1 | 金井大旺 | 13秒91 (-0.4) | 1着 |
2 | 吉間海斗 | 14秒72 (-2.1) | 6着 | ||
3 | 川島滉平 | DNS | – | ||
準決勝 | 1 | 金井 | 13秒77 (-0.7) | 1着 | |
決勝 | 金井 | 13秒63 (+0.4) 大会新 | 1位 | ||
男子3000mSC | 予選 | 1 | 田辺佑典 | 9分32秒77 | 14着 |
青木涼真 | 8分56秒89 | 4着 | |||
2 | 阿部泰久 | 9分14秒35 | 11着 | ||
男子走幅跳 | 決勝 | 松添基理 | 7m69 (+1.0) | 5位 | |
坂田銀次郎 | 7m39 (-0.1) | 9位 | |||
佐久間滉大 | 7m76 (+0.7) | 3位 | |||
男子砲丸投 | 決勝 | 天野光汰 | 13m40 | 16位 | |
男子やり投 | 決勝 | 望月雄太 | 66m84 | 12位 | |
前田秀悟 | 56m54 | 26位 | |||
男子4×100mR | 予選 | 1 | 平山裕太 | 40秒29 | 5着 |
勝瀬健大 | |||||
小林圭介 | |||||
村瀬翔太 | |||||
女子100m | 予選 | 3 | 田植晶子 | 12秒35 (-1.7) | 6着 |
4 | 鈴木志保 | 12秒91 (-1.0) | 7着 | ||
女子100mH | 予選 | 2 | 鈴木美帆 | 14秒20 (-1.8) | 2着 |
準決勝 | 2 | 鈴木美 | 14秒07 (-0.1) | 5着 | |
決勝 | 鈴木美 | 14秒11 (+1.9) | 8位 | ||
女子4×100mR | 予選 | 2 | 田中芹奈 | 47秒61 | 7着 |
田植 | |||||
石井菜摘 | |||||
鈴木美 | |||||
女子2部(大学院)400m | 決勝 | 川端涼夏 | 57秒47 | 1位 |
戦評
今大会最初の種目は男子1500m予選。1組に登場した増田蒼馬(経2)は、スタート直後から先頭の後ろにぴったりついてレースを進める。しかし800m過ぎにポケットされるとラスト1周のスパートに対応できず6着。自己ベスト更新も決勝進出とはならなかった。2組の糟谷勇輝(1)は1周目こそ4番手で通過するも、ハイペースについていけず後退。ずるずると集団から引き離され9着に終わった。
ルーキー2選手が出場したのは女子100m予選。3組の田植晶子(スポ1)はスタートで上位争いをするも、後半に伸びを欠き6着。4組の鈴木志保(1)はスタートから出遅れると、着順争いに加わることができないまま7着に終わった。
2枚看板が抜けた男子100m予選。2組の伊深愛生(経1)は中盤まで先頭に食らいつくも終盤で離され4着。4組の勝瀬健大(社2)は好スタートを切るもじわじわと差をつけられ、こちらも4着。5組の平山裕太(経3)は見せ場を作れないまま8着に沈んだ。
男子110mHには金井大旺(スポ4)と吉間海斗(1)が出場。吉間は強い向かい風に煽られる形で失速し予選で姿を消したが、金井は危なげない走りで予選通過。準決勝では二度のスタートやり直しがあったものの集中を切らすことなく、向かい風ながら13秒77をマーク。そして決勝では得意のスタートで飛び出すと、後ろからの猛追を振り切って大会新記録で優勝を飾った。
大会新で優勝した金井
女子100mHの鈴木美帆(スポ3)は予選で向かい風1.5mのなか自己ベストに迫る14秒20を出すと、準決勝では自己ベストを更新する14秒07。タイムで拾われ初の決勝進出を決める。決勝では追い風1.9mだったが「追い風に押されて(インターバルが)上手く調整できなかった」と悔しい8位。それでも、13秒台を持つ選手たちと決勝で肩を並べたことは自信になっただろう。
初入賞を果たした鈴木美
男子400mの片山雄斗(スポ3)は冬季のケガの影響もあってか、スタートから持ち前のスピードは影を潜め予選敗退。同じくマイルで主力の本間大介(スポ4)も実力を発揮できないまま予選で姿を消した。対照的に白幡大輝(経3)は自己ベストを更新し準決勝に駒を進めたが、準決勝では実力を発揮できずに終わった。
女子4×100mR予選では2走、3走に田植、石井菜摘(1)のルーキー2選手を起用するも7着に沈んだ。
男子4×100mRは「新生法政」を見せつけるべく、1走平山裕太(経3)で飛び出すも2走勝瀬健大(社2)と3走小林圭介(3)のバトンパスが間延びし失速。40秒00切りもかなわず予選敗退となった。
男子10000mには坂東悠汰(スポ3)、佐藤敏也(社2)、狩野琢巳(社3)が出場。坂東はスタートから先頭近くに位置どり、佐藤と狩野は集団後方で様子をうかがう。3000m過ぎに集団が大きく二つに分かれると佐藤と狩野は第二集団で取り残されてしまう。坂東は先頭集団の8番手でレースを進めると、レース折り返しの5000mで先頭集団は9人にまで絞られる。7000m手前で先頭の5人の抜け出しに反応できなかったものの、6位争いをしながら上位を追いかける。ラスト1周の鐘を27分44秒で聞くと、残り300mを過ぎてから猛スパート。最後の1周を60秒で駆け抜け、4秒自己ベストを更新する28分44秒で5位。前回大会では5000mで9位に終わっただけに、ゴール後にはガッツポーズも飛び出した。
5位でフィニッシュし笑顔を浮かべる坂東
男子3000mSC予選1組目にはルーキーの田辺佑典(1)と箱根駅伝で活躍した青木涼真(生命2)が出場。田辺は中盤以降先頭から離されてしまい、ほろ苦い対校戦デビューに。一方の青木は終始先頭を引っ張り、最後こそ刺されたものの4着で順当に決勝進出を果たした。2組目に出場した阿部泰久(理工3)はベストに迫る走りができず、予選敗退に終わった。
フィールド種目では、男子やり投の望月雄太(経4)、前田秀悟(1)はともに不完全燃焼に終わり、トップ8に残れず。
期待のかかる男子走幅跳決勝には、実力者3人が出場。 全体の9位で惜しくも坂田銀次郎(経4)が4回目以降の試技に進めずも佐久間滉大(スポ3)、松添基理(スポ3)は順当にトップ8に駒を進める。橋岡優輝(日大)が8m04の大会記録をマークするハイレベルな展開の中、両者ともにベストに迫る跳躍をみせ佐久間が3位で表彰台、松添も5位と見事に入賞を果たした。
佐久間は日本選手権の標準記録を突破した
松添は5位も悔しさをにじませた
男子砲丸投には、天野光汰(経2)が出場。しかし自己ベストにも迫れず、全体の16位に沈んだ。
大会前には2部降格が危ぶまれていた法大だったが、蓋を開けてみれば2日目終了時点で総合6位につけた。残り2日も加点を重ねて前回大会越えを目指したい。(小島雄太、濱口隆太)
選手インタビュー
坂東悠汰
ーレースを振り返って
チームの目標である1点でも多く取ることを自分で出来たので、良かったと思います。
ー試合前に考えていた作戦は
練習はしっかり積めていて、坪田(智夫)監督からも日本人トップを狙えと言われてたので積極的に先頭集団に食らいついていこうと思ってました。 今シーズン初めてのレースで、きついかなと思いましたけど、中盤以降の粘りが大事だと思ってたのでそこをしっかり意識して走りました。
ー序盤はスローペースとなりました
練習であれよりも速いペースでやっていたので、少し足が詰まったり走りにくいところもありましたけど、リズム良く走れてたと思います。
ー7000m程で先頭集団から離されて苦しい展開となりました
自分的には5000m過ぎからきついかなと思っていて、先頭集団に食らいつくのが必死だったので、7000mのところで先頭の5人が出たときは苦しい走りになりましたね。
ーその場面で粘れた要因は
1点でも多く取ろうというのが、気持ちの中であったので、それが前にと繋がったと思います。
ー自己ベスト更新となりました
自己ベストを出せるような練習は積めてたので、そんな驚きはないですね。
ー箱根駅伝が終わってからどういった調整をしましたか
冬季はしっかりトラックシーズンを意識してスピード練習を取り組んできましたので、スピード強化は行えてたと思います。
ー昨年のリベンジを果たせました
自分は5000mを1番に考えてるので、そっちで目標を達成するまで気が緩めないです。
ーゴール時にはガッツポーズが飛び出してましたが
最後のゴールするまで、必死に走っていたので自然と出た感じです(笑)。
ー日本人では3位となりましたが
坪田さんから日本人トップを狙えると言われていたので、それが達成出来なかった悔しさはありますけど、嬉しいと思います。
ー全日本駅伝予選会に向けてもいい結果となりました
今年も最終組で走る予定になると思いますので、それに向けた留学生についていくレースができたので繋がると思います。
ーこれで法大は今大会初の得点となりました
1500mの2人や100mが予選通過出来なくて、ここは自分が最初に得点取る気持ちで臨みました。
ーチームの雰囲気は
昨年の大瀬戸(一馬,平28年度卒=現安川電機)さん、長田(和也,平28年度卒=現富士通)さんという大きな2人が抜けた穴は大きいですけど、逆にそれで他のメンバーが取る意識で取り組めていると思います。
ー坂東選手自身はエースの意識はありますか
他大学の選手と張り合えるようになってきましたけど、次の5000mでしっかりと走れてこそエースと言われると思うのでそこに向けて2日間で調子を上げていきたいと思います。
ー5000mでのライバルは
東海大学の鬼塚(翔太)、關(颯人)の2人だったり、順天堂大学の塩尻(和也)などを意識しています。
ー5000mでの目標は
日本人トップと表彰台です。
ー最後に入賞の報告と5000mへの意気込みをお願いします
今回はスタンドからの応援がありましたし、学校での声をかけて頂いたお陰で5位という結果を出すことが出来ました。次は5000mがありますので、そこに向けて日本人トップと表彰台目指して頑張りたいと思います。
松添基理
―記録について
シーズンベストではあるんですけど、別にそんなに高い記録ではないので悔しさのほうが大きいです。
―コンディションがよさそうでしたが
記録は安定して飛んでいたんですけど、ハムのほうに違和感があってそれがちょっと不安材料としてはありました。
―試合に影響は
影響はなかったんですけど、気にはなっていました。
―練習で工夫したことがあれば
特にいつもと変わったことはしていないのですが、スピードを殺さずに跳躍することは意識していました。
―日大の選手が1位2位を独占する形になりましたが
やはり、終わってみてここは勝たなければいけなかったなと思います。
―関東インカレの位置づけは
チームとして2部落ちの可能性があったので、まずは自分が決勝で戦わなければという思いがありました。
―ライバルであり仲間でもある佐久間選手が3位という結果でしたが
シンプルに悔しいって気持ちが大きいです。
―今後、ターゲットになってくる試合は
2週間後に学生個人にあるので、8m台を出してユニバーシアードに出場したいです。
鈴木美帆
―初めての入賞となりましたが、今の率直な気持ちを
プラスで拾われるかなって思っていて、(プラスに)入れてすごく嬉しかったんですけど、自分の走りがなかなかできなかったかなっていうのはあります。
―決勝で肩を並べた他7選手は全員13秒台の自己ベストを持つ選手たちでしたが
スタートラインに並べたのがすごい嬉しくて、この大会で(13秒台を)出せたら良かったんですけど。次につなげていきたいなって思います。
―決勝では中盤で硬くなったように見えましたが、レース内容については
13秒台の選手はスタートも速いので、なかなか最初ついていけなくて、後半頑張ったんですけど。硬くなったというよりは、追い風に押されて自分で上手く調整できなかったかなっていうのがちょっとあります。走りとしてはそんなに悪くはなかったと思うので、スタートは改善していかなきゃいけないなって思います。
―今季は向かい風のレースが続いていましたが
最初の記録会の時から調子も良くて、最初の記録会だけプラスの風だったのですが、あとは向かってしまっていて。プラスの風で走れていなかったので、プラスの風で走れていたら今日のレース展開も違ったかなとは思います。
―準決勝の14秒07(自己ベスト)も向かい風でしたが
-0.1mだったのであまり気にならなかったんですけど、最後競った時に一歩前に出れたら良かったなと思います。
―同じ神奈川で同学年の堀池香穂(国士大)が3位でした
中学の時から追っている存在なので、もうちょっと一緒に競れるような力をつけたいなと思います。
―今大会はマイル(4×400mR)も出られますか
マイルも出る予定です。明日頑張りたいと思います。
―リレーでは1年生もいますが、どのような選手たちでしょうか
1年生は100m、200mで速い子たちが多いので、4継ももちろんなんですけど、マイルもしっかり走れる子たちが多いので、戦力になると思います。まだまだスピードが上がってきていないので、今後が楽しみだなって思います。負けないように頑張ります(笑)。
―最後に、次回100mHに出場する日本学生個人選手権に向けて意気込みを
今回13秒台が出せなかったのと、日本選手権の標準記録(13秒80)を切ることができなかったので、学生個人で13秒台を出すことと日本選手権の標準を切るのにつなげられるような走りをしたいと思います。
※金井選手、佐久間選手のインタビューは5/28公開予定の次記事に掲載します。
フォトギャラリー
- 大会新で優勝した金井
- 初入賞を果たした鈴木美
- 5位でフィニッシュし笑顔を浮かべる坂東
- 佐久間は日本選手権の標準記録を突破した
- 松添は5位も悔しさをにじませた
- 片山はケガの影響か本来の姿とは程遠かった
- 新体制の男子4継は厳しい船出に
- 男子400mで唯一準決勝に進んだ白幡