【バスケ】新人戦インタビュー ~「復権世代」の挑戦~
2017年6月5日(月)
法政第二高等学校
春のトーナメントを15位で終えた法大。筑波大や青学大といった強豪相手に経験を積んだスターティングメンバーのほとんどが新人戦でも主力として残る。今回はその中から5人をピックアップし、インタビュー取材を敢行した。
※このインタビューは新人戦前の6/5に行ったものです。掲載が遅くなり申し訳ございません。
監督・選手インタビュー
佐藤俊二 監督
―トーナメントを振り返って
何しろ江戸川に勝てたのが大きいかなと思います。あと青学大や筑波大とやれて、今後自分たちがどこを目指さないといけないかがわかったと思います。自分自身はメインで指揮をとるのがはじめてだったので、すごく勉強になりましたね。知識の浅さがよくわかりました。
―3部上位校である明星大に大差で勝利したことが、おごりや油断という面で、逆に悪い方向に作用するという可能性も考えられますが
そうですね。ただ哲(植村)がいますからね。相当しっかりしているので。
―専大戦で一番脅威となるのは
フィリップですかね。日によって調子にばらつきがあるのもこわいですね。
―ここ数年の結果を見ても、新人戦での成績は今後のチームの躍進を占うものになると思われますが
選手の自信にもつながってほしいですしね。自分が学生のときは新人戦で優勝をして、結果4年生のときにインカレ準優勝をしたと。そのときも新人戦を優勝したということがかなり自信になっていましたし。
―今回の新人戦では、トーナメントの主力のほとんどが残っており、そこがアドバンテージになると思われます
そこが他のチームと違うところなんですよね。うちはプレータイムも長くとれてて、それでいて筑波大とかの選手だったりとやりあえているので。
―新人戦の目標と抱負
目標は優勝です。とにかく自分たちのできることに集中して積み重ねていけば勝てると思うし、トーナメントのときも言いましたが、今年の法政は違うということを知らしめるためにも、いい結果を残したいと思います。
鈴木悠介(法2)
―鈴木悠選手は少し変わった経歴をお持ちとのことですが、詳しくお聞かせいただけますか
小さいときアメリカに住んでいました。小5で帰ってきたとき、日本は一つしかスポーツをできないので、中学時代は部活はバスケをやって、土日に硬式野球をやっていました。
―アメリカにいた頃からバスケットはしていたのですか
春夏は野球、秋冬はバスケやアメフトをやっていました。
―日本では競技の両立は厳しいと思いますが、中学時代はいかがでしたか
やはり野球中心になってましたね。上級生になってから練習が増えはじめて、バスケ部の方には行けてませんでした。
―そういった状況の中で、洛南高という名門でのプレーは容易なものではなかったのではないでしょうか
先輩が優しかったので、緊張とかはなかったんですけど、今までと全然違うレベルのところでやってる感じがして、最初の方は何やっていいか全然わからないという感じでした。
―高校3年時のウインターカップでは、明徳義塾高、近大附属高と戦いました。ともにインサイドの強いチームとの対戦でしたが
明徳は森下(魁=現筑波大)やジャガニー(=現江戸川大)がいて、自分より大きい選手との対戦でしたが、東山のパトリックとよくマッチアップしていたのでそんなに違和感なく試合にはのぞめました。
―近年、京都府バスケ界は洛南高一強から東山高との激しいライバル関係に変わりつつあります。東山との試合はやはり特別な思いがありましたか
試合前にもかなり注目を浴びましたね。インターハイは開催地枠の関係で京都から2つ出れたんですけど、ウインターカップは1校しか出れなかったので、そのときの京都府予選は今でも強く印象に残っています。
―近大附属高出身で現専大の西野選手とは今大会対戦する可能性がありますが、印象は
彼は走れて技術もある選手なので、ウインターカップのときは向こうの勢いにやられた感じだったんですけど、特別止められない選手ではないと思うので、マッチアップできたらなと楽しみです。
―大学のルーキーシーズンだった昨年はミスが散見されましたが、今季一気に頼れるセンターとして成長しました。その要因は
塚本さん(前HC)の考えるバスケに対して考えすぎちゃってた部分があって、攻める姿勢の部分とか、初歩的なミスが多くて。ただ今年は自由にやれと言われてるので、去年教わったことを自分の中で整理しながらやったらいい感じでできるようにやりました。冬の間にも個人的にワークアウトをやったので、それも生きてるかなと思います。
―フィジカル面ではどういったことに取り組みましたか
下半身を中心にやって、ジャンプ力やスピードの面で自分の思うように動けるようになったので、冬に取り組んでよかったなと思います。
―今季は積極的にリングにアタックしていますが、その要因は自由にできるというチーム方針からか、または自身のトレーニングの成果からくる自信のどちらでしょうか
どちらもありますね。自由にできているというのもあるし、やってきたことが結果に出ているという自信もあります。
―トーナメントを振り返って
江戸川大に勝てたことは大きかったですけど、1部のチームとなると実力差があったかなと。あと駒澤には勝ちたかったです。自分もファウルがかさんでしまったので悔しかったです。
―リーグ戦では3部での圧勝が目標と思いますが、仮に実力で圧倒した場合、格下の相手に合わせてしまうことも考えられます。今後上位のリーグで戦うことを見据えて、その点どうお考えでしょうか
でもそれをしていたら仮に昇格してもまた降格してしまうと思うので、気を抜かずに全勝優勝できるようにがんばりたいと思います。
―リーグ戦ではスタッツ面でも圧倒的な成績が期待されますが、具体的な目標などはありますか
全試合で得点とリバウンドのダブルダブル(ともに2桁を記録する)は目指したいと思います。これはトーナメントのときも狙ってたんですけど、何試合か達成できなかったので。具体的には20得点10リバウンドですかね。
―新人戦、そして今季の抱負
新人戦は今年は優勝を狙えると思うので、1戦1戦しっかりがんばっていきたいと思います。
水野幹太(営1)
―U-19ワールドカップのメンバーに選出され、試合も行われましたが、率直な印象は
アジア大会を既に経験していたので、外国人選手と試合することは慣れていたのですが、チェコはプロの選手がいて、そういう選手と試合できたのはいい経験になりました。ただしっかり抑えることができたので、自信は持てたと思います。
―チェコ戦勝利の要因は
ディフェンスからの速攻ですかね。そこは日本の武器だと思うので、徹底していけば世界大会でも通用すると思います。自分はディフェンスメインで起用してもらっているので、そこで貢献できたらと思います。
―日本を代表する同世代の選手とプレーできたことは大きな収穫になったのではないでしょうか
八村選手はレベルが違いましたね。あの人は世界で通用する選手なので、そういう選手とやれたことはいい経験になりました。
―対戦が予想される専大の重冨兄弟の印象は
やはり負けたくないというのはあります。代表でもガードは彼らが1番手で僕が2番手なので。(―特に驚かされる部分は) やはりスピードですね。
―今季の自身のシックスマンでの起用にはどういう印象をお持ちですか
シックスマンは流れを変える人間なので一番大事だと思っています。そういうところで自分が流れを持っていければいいと思うんですが、逆に流れを悪くしてしまったときもあったので、そこは気を付けていきたいと思います。
―今季は3部リーグでのプレーで気の緩みが出る可能性もあります
でも哲(植村)さんがそういうところで気を緩めるなと、自分たちはこのレベルじゃないことを示そうと言ってくれていたので、気を緩みはないと思うんですけど、勝つにつれて少し天狗になる部分は出てくると思うので、そこをしっかり正せば2部に上がっても戦えると思うので、謙虚にやりたいと思います。
―スタッツ面での具体的な目標はありますか
自分はチームが勝てれば点数とかはどうでもいいので、チームに貢献できるようにがんばりたいとしか思ってないです。
―新人戦、そして今季の抱負
新人戦はしっかり勝って上のレベルでできるようにしたいですし、リーグ戦は3部を大差で勝って、2部でも自分たちが上のレベルでやれるということを示したいです。
濱田裕太郎(文1)・千代虎央太(法1)・戸井堅士朗(営1)
―チームに加入して数ヵ月がたちますが、現状は
濱田:先輩たちのおかげで、縛られずに自分のやりたいプレーができるので、やりやすいです。
千代:(中村)太地さんはじめガードが安定してて、自分は好きなようにやるだけなのでやりやすいです。
戸井:先輩たちが点とってくれるので、僕もスクリーンとかに徹することができるし、丁寧に指導もしてくれるのでいい感じでできています。
―千代選手は光泉高時代、1年時から主力としてプレーしていますが、やはり大舞台に慣れている印象を受けます
千代:いや、でも試合前はやっぱり緊張します(笑)。
―法政二高時代は国体選手になるなど、チームの柱としてプレーしていた戸井選手ですが、法大進学を決めた理由は
戸井:高校受験のときに、大学のことを考えて法政二高を選んだので、その時点で(法大進学を)決めていました。
―法政二高は昨年のウインターカップには惜しくも出場できませんでしたが、そのときの心境は
戸井:予選決勝で負けてしまったんですけど、その敗戦が大学でバスケをやる決意にもつながったかなと思います。
―ペイントではどういったかたちで貢献したいですか
戸井:鈴木悠介さんとかパワーのある選手がいるので、僕は外からのシュートや、パスで貢献できたらなと思います。ただそれはパワーが無いからそうなっているだけなので、もっとトレーニングしてパワフルなプレーもできるようになりたいです。
―育英高時代からシューターとして活躍した濱田選手ですが、その地位を確立したのはいつ頃ですか
濱田:スリーは中学校の頃から得意だったんですけど、高2の夏からフォーメーションが変わって、役割が確立するようになって、そこからですね。
―対戦が予想される専大の注目選手、西野選手の印象は
濱田:大きいし、外からもプレーできて、何でもできるなという印象です。
―同じく専大の注目選手である重冨兄弟はスピードを武器にした選手ですが
千代:僕、小さくてスピードのある相手につくのは苦手なので(笑)。
―同じく専大のフィリップ選手の印象は
戸井:高校時代からかなりやられちゃってるので、ボール持たせないとかだったり、少しは止められるようにがんばりたいです。
―新人戦に向けて、そして今季の抱負
濱田:3Pだけではなくて、ドライブとかでも点とれるように、あとあまりディフェンスが得意ではないので、ディフェンスがんばってチームに貢献できるようにしたいです。
千代:得点を求められてるんですけど、とれないときはディフェンスとかをがんばりたいです。(―長い手足を生かしたブロックも期待されていると思いますが)跳ぶことと走ることは得意です。
戸井:センターが多いので、前よりはプレータイムが減るとは思うんですが、自分のできることをやって、相手の体力を削って他の人に受け渡せたらなと思います。
フォトギャラリー
- 2年目にしてチームの「柱」となった鈴木悠
- 1年間で複数のスポーツに取り組んだと話す鈴木悠。まさにアメリカならではのエピソード
- 水野はU-19代表遠征の疲れも残るなか、取材を快諾してくれた
- 今季早くもプレータイムを得たルーキーたち。彼らはそれぞれ高校時代、チームの核としてプレーしていた(左から濱田、千代、戸井)
- 練習には上級生も交じり、チーム一丸となって勝利を目指す