【ラグビー】第7回関東大学春季大会 Bグループ 対中大 「ほっとした」 攻撃が機能し7トライで開幕戦白星発進!
第7回関東大学春季大会 Bグループ 対中大
2018年4月29日(日)
法大ラグビー場
快晴となり、最高気温は26℃と汗ばむ気候のなか行われた法大の春季大会初戦。法大ラグビー場には大勢の法大ファン、OBが観戦に訪れた。相手は同じ関東大学リーグ戦1部の中大だ。秋のリーグ戦に向け、相手に嫌なイメージを植え付けておきたい法大は47-28で完勝。開幕戦を白星で飾った。主力にケガ人が多いなか、新戦力の台頭もあり、今後に向けて弾みがつく一勝となった。
試合結果
トータル試合結果
47 |
26 |
前半 | 7 | 28 中大 |
---|---|---|---|---|
21 | 後半 |
21 |
ポイント詳細
4/3 | T | 1/3 |
---|---|---|
3/3 | G | 1/3 |
0/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:根塚聖、山下憲(2)、萩原一/長利、根塚聖、塩見 G:金井(3)/金井(3) |
※前半/後半
※記録は公式試合記録による
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 稲田壮一郎 | 社1 | 中部大春日丘 |
2 | HO | 川越藏 | 現4 | 高鍋 |
3 | PR | 菊田圭佑 | 経2 | 仙台育英 |
4 | LO | 安達武志 | 経2 | 報徳学園 |
5 | LO | 大澤蓮 | 現1 | 長崎南山 |
6 | FL | 山下憲太 | 社2 | 長崎海星 |
7 | FL | 橋本陸 | 社2 | 東京 |
8 | NO.8 | 山下太雅 | 現2 | 東福岡 |
9 | SH | 中村翔 | 経3 | 東福岡 |
10 | SO | 金井大雪 | 経4 | 深谷 |
11 | WTB | 山根雄矢 | 経3 | 尾道 |
12 | CTB | 長利完太 | 経4 | 桐蔭学園 |
13 | CTB | 萩原一輝 | スポ3 | 茗溪学園 |
14 | WTB | 根塚聖冴 | 経4 | 京都成章 |
15 | FB | 古屋優樹 | 経3 | 城西川越 |
16 | Re | 濱野隼也 | 社2 | 秋田工 |
17 | Re | 栗原世地 | 経3 | 法政二 |
18 | Re | 後藤久貴 | 人3 | 高鍋 |
19 | Re | 中村海斗 | 社1 | 日本航空石川 |
20 | Re | 塩見伊風 | 社4 | 長崎北 |
21 | Re | 隠塚翔太朗 | 経1 | 東福岡 |
22 | Re | 坂口匡平 | 社1 | 大阪産業大学附属 |
23 | Re | ジョーンズ杏人竜 | 経2 | 札幌山の手 |
交代選手
時間(分) | 退 | 入 |
後半15 | 山下太 | 塩見 |
後半16 | 長利 | 坂口 |
〃 | 中村翔 | 隠塚 |
後半27 | 川越 | 濱野 |
後半29 | 橋本 | 中村海 |
後半35 | 稲田 | 栗原 |
〃 | 菊田 | 後藤 |
春季大会Bグループ 法大の今後の日程と結果
日付 | 対戦校 | 会場 | 結果 |
4月29日(日) 12:00 | 中大 | 法大ラグビー場 | ○47-28 |
5月13日(日) 13:00 | 日大 | 法大ラグビー場 | – |
5月20日(日) 13:00 | 早大 | 早大上井草グラウンド | – |
5月27日(日) 12:00 | 筑波大 | 法大ラグビー場 | – |
6月3日(日) 13:00 | 日体大 | 日体大健志台グラウンド | – |
戦評
秋に向けて、重要な実践機会となる春季大会。昨季より上のグループBに組み分けされた法大は、同じ関東大学リーグ戦に属する中大と戦った。秋にいいイメージを持つためにも、そして春季大会で良い流れに乗るためにも絶対に勝利をつかみ取りたいところだ。
法大のキックオフで始まった前半。序盤は両校とともに、ゴールラインまで攻める場面が見られるが、あと一歩でトライを逃す。先制したのは法大。前半20分、自陣22mライン付近で法大がターンオーバーをするとボールを外に送り、正面にディフェンスがいなかったWTB根塚聖冴(経4)が独走。そのまま真ん中にトライを決め5-0。さらにSO金井大雪(経4)のゴールも決まり7-0とする。その後同点となるが、同36分に相手の反則から法大はゴールラインまで10mのところから左ラインアウトの好機を迎える。法大はラインアウトをきっちり成功すると、ゴールライン手前でフェーズを重ね、最後はFW陣がゴールラインに押し込み勝ちこしトライを奪う。さらに、法大の勢いは止まらない。同39分には相手の反則から速攻を仕掛けると、BKの展開で抜け出したCTB萩原一輝(スポ3)が、そして同43分には法大が再び自陣でターンオーバーすると、FL山下憲太(社2)が持ち出しそのままトライを決めた。わずか、法大は7分間で3トライも決める理想の展開で26-7とリードして前半を折り返す。
ゲインラインをきる攻撃をみせるFL山下憲太
迎えた後半。最初のトライを決めたのも法大だった。後半9分、自陣10mラインから中大のパスをインターセプトしたCTB長利完太(経4)がそのまま左中間にトライを決める。頼れるリーダーのトライで勢いづいた法大は同12分相手の反則から速攻を仕掛けるとSO金井が抜け出し、SH中村翔(経3)、FL橋本陸(社2)とつなぎそして再びWTB根塚聖がトライを決めた。ゴールも決まり40-7とさらに中大を突き放す。一方、ラインアウトからBKの内に返すパスにディフェンスが反応できず、トライを決められ、40-14とされる。しかし、同24分に敵陣22mラインで法大はスクラムから右に連続攻撃をし、途中出場のNo.8塩見伊風(社4)がトライを決め47-14と中大を寄せ付けない。最終盤には中大に2トライを奪われるも結局47-28でノーサイド。法大が快勝した。
攻撃の手を緩めなかった法大
ラインアウトの成功率、ペナルティからトライを奪われるなど課題はあるが、法大のトライも相手のペナルティから生まれた理想的なもの。ケガ人が多く、初の公式戦出場となったメンバーも多いなか、見事ケガ人の穴を埋め勝利をつかんだ。島津久志監督も春季大会初勝利に「ホッとした」と安堵の表情を浮かべながら、満足そうに試合を振り返った。頼れるリーダー陣をはじめとした4年生たちがトライを決めるなど結果でチームを引っ張りリードした場面を作ることで、初出場となった下級生が臆することなのびのびとプレーすることができた。島津監督もリーダー陣は口をそろえて「下級生がのびのびとラグビーに集中できる環境を作りたい」と環境改善に努めてきた。早速その効果が練習でもプレーでも少しずつ表れているのではないか。次戦は同じリーグに所属する日大だ。昨年の春季大会、秋のリーグ戦と勝利した相手に敗戦は避けたい。法大フィフティーンは今日の勢いそのままに連勝といきたいところだ。(藤原陸人)
The Featured Hoseirugby Player
根塚聖冴(WTB,経4)(2トライを決める。弟・洸雅の活躍刺激にSHでの出場も虎視眈々と狙う)
『最初の10分』。前後半それぞれの『最初の10分』はラグビーにとって重要な10分間だ。ペナルティの多発やトライを決められたりした場合、序盤で相手に傾いた流れを打開することはなかなか難しい。終始相手が有利の展開となってしまうこともある。「『最初の10分』は120%の力を出せ」高校生のときラグビー部に所属していた記者も顧問からよく言われていたことだが法大の島津久志監督も「『最初の10分』をより意識してもらえると良い」と試合後チームの課題を言っていた。
その『最初の10分』は両校ともに相手のペナルティから好機をもらうも、トライを取り切れない緊迫した展開。流れをつかめず、接戦が予想された重苦しい雰囲気を吹き飛ばしたのはやはり4年生だった。先制トライを決めたのは『WTB根塚聖冴』(経4)。法大ラグビー部を応援している人にとって、少し違和感があるかもしれない。そう、普段はSHで出場し、ブレイクダウン付近から相手FWを快足と華麗なステップで交わし、ビッグゲインを生み出すアタックが持ち味のSHがこの試合はWTBで出場した。前半20分法大のターンオーバーからパスで展開し正面に中大のディフェンダーがいない状況でボールをもらった根塚聖。「(ゴールラインまで)走り切ると心のなかで決めていた」という根塚聖は独走で相手ディフェンダーを寄せ付けず、ゴール中央に飛び込んだ。さらに後半にも中大を突き放す貴重なトライを決めた。持ち味の俊足を活かした2トライの活躍でチームの勝利に貢献した。
2年前は根塚聖のスタメンが多かったSHは現在主に中村翔(社3)が務めている。さらにこの試合はルーキーの隠塚翔太朗(社1)が途中出場するなどライバルは多い。根塚聖は昨季リザーブの機会も多かった。ただ根塚聖は本職のスタメンをあきらめていない。チーム状況で現在はWTBを務めているが、「多分SHをやる機会はある。WTBの目線も分かってよかった」と本人はWTBで得た経験を好意的にとらえている。
弟・根塚洸雅(経2)はU20日本代表候補メンバーに選ばれ、法大ではWTBのスタメンを獲得するなど活躍。弟の活躍に兄も刺激を受けている。最終学年になった現在、『兄弟で一緒に出場する』という根塚聖の思いはより強くなった。し烈になったSH争い。果たして、誰が9番のジャージに袖を通すのか。今後とも目が離せない。(藤原)