【サッカー】総理大臣杯全日本大学トーナメント決勝 法政大1-2明治大 立ちはだかった”明治”の壁 先制するも後半に逆転を許しあと一歩のところでタイトルを逃す
総理大臣杯全日本大学トーナメント決勝 法政大ー明治大
2019年9月7日(土)
ヤンマースタジアム長居
ついに迎えた決勝。相手は今季圧倒的な強さを誇る明大。試合は序盤、一進一退の攻防が続くも22分、末木裕也のコーナーキックに大西遼太郎が頭で合わせ先制する。しかしすぐに明大の主将の佐藤亮にゴールを決められ試合は振り出しに。その後は精彩を欠き、互いにゴールを奪えないまま前半を終えると迎えた後半、明大が逆転に成功する。69分、中村健人のコーナーキックを小野寺健也が頭で合わせ、試合は1-2に。何とか追いつきたい法大であったが思うように攻撃を組み立てられず試合終了が刻々とせまる。そして法大の最後のコーナーキックをクリアされ試合終了のホイッスル。昨年のリベンジを果たす戦いは準優勝という形で終わった。
試合結果
トータル試合結果
1 法政大 |
1 | 前半 | 1 | 2 明治大 |
---|---|---|---|---|
0 | 後半 | 1 |
試合スタッツ
時間 | 経過 | 大学 | 選手名 | 得点経過 |
---|---|---|---|---|
22分 | 得点 | 法政大学 | 大西遼太郎 | 1-0 |
25分 | 得点 | 明治大学 | 佐藤亮 | 1-1 |
60分 | 交代 | 法政大学 | 田中→紺野 | |
65分 | 交代 | 法政大学 | 長谷川→平山 | |
69分 | 得点 | 明治大学 | 小野寺健也 | 1-2 |
70分 | 交代 | 法政大学 | 松澤→佐藤(大) | |
89分 | 交代 | 法政大学 | 平山→飯島 |
スターティングメンバー
背番号 | ポジション | 選手名 | 学部・前所属 | |
12 | GK | 中野小次郎 | 経済3・徳島ヴォルディスY | |
23 | DF | 関口正大 | 現福3・新潟明訓高 | |
4 | DF | 蓑田航大 | 現福2・青森山田高 | |
2 | DF | 森岡陸 | 現福3・ジュビロ磐田Y | |
3 | DF | 高木友也 | 経済3・法政第二高 | |
7 | MF | 末木裕也 | スポ4・ヴァンフォーレ甲府Y | |
6 | MF | 大西遼太郎 | 社会4・ジュビロ磐田Y | |
14 | MF | 森俊貴 | 情科4・栃木SCY | |
28 | MF | 田中和樹 | 社会2・浦和学院高 | |
13 | MF | 長谷川元希 | 現福3・大宮アルディージャY | |
9 | FW | 松澤彰 | 現福4・浦和レッズY | |
サブメンバー | ||||
---|---|---|---|---|
1 | GK | 山岸健太 | 経済4・前橋育英高 | |
24 | DF | 宮部大己 | 経済3・法政第二高 | |
32 | DF | 村上秀斗 | 社会4・西武台高 | |
8 | MF | 紺野和也 | 現福4・武南高 | |
10 | MF | 下澤悠太 | 社会4・柏レイソルY | |
11 | MF | 橋本陸 | 経済4・西武台高 | |
19 | MF | 平山駿 | 経済3・三菱養和SCY | |
30 | FW | 飯島陸 | 経済2・前橋育英高 | |
20 | FW | 佐藤大樹 | 経済2・コンサドーレ札幌Y |
マッチレポート
夏の大学日本一へ。そして昨年のリベンジを果たすべくヤンマースタジアム長居にたどり着いた法大イレブン。その相手は宿敵”明治”。勝ったチームだけが見ることのできる大臣杯の頂へ。試合開始のホイッスルが鳴った。
立ち上がり、最初にチャンスを得たのは法大。4分、末木のコーナーキックから森岡陸がフリーでヘディングシュートを放つもバーの上を超える。法大は松澤彰をターゲットにボールを集め、セカンドボールの回収を徹底。開始10分、思うようにボールを握れない明大はポゼッションの徹底を図り、徐々に試合の流れを落ち着かせる。その中で最初に試合が動いたのは22分、末木裕也のコーナーキックを大西遼太郎がファーサイドで頭で合わせ先制。勢いに乗り、追加点といきたいところだった矢先、明大がすぐに追いつく。25分、中村帆高のクロスに今大会すでに3ゴールを挙げている佐藤亮に合わせられ1-1に。その後、法大は森俊貴を中心に左サイドを起点に攻撃を組み立て決定機を演出。対して明治は森下龍矢を起点にショートパスを繋ぎながらボールを前に運び、攻撃を活性化。しかし、互いにゴールを奪えないまま前半を終える。
後半、落ち着いた入りの中、ファーストシュートは明大。佐藤亮が法大の右サイドを突破しシュートを放つ。法大は58分に相手のクリアミスを松澤が拾いシュートを放つも枠の外へ。早めに勝ち越しゴールが欲しい法大は60分、田中和樹に代えて紺野和也を投入し、右サイドを起点に攻撃のチャンスをうかがう。しかし、次にゴールを奪ったのは明大だった。69分、中村健人のコーナーキックに小野寺健也が頭で合わせついに明大がリードを奪う。これで一気に劣勢に立たされた法大はすぐに松澤に代え佐藤大樹を投入する。だが、スコアで優位に立った明大が前からプレッシャーに来る法大を巧みなパス回しで上手くかわし、主導権を握る。時間の経過につれ疲れが見え始めたのか徐々に法大が前からボールを終えなくなりタイムアップが迫っていく。そしてアディショナルタイム最後のワンプレー。GKの中野小次郎もコーナーキックに加わり奇跡のゴールを奪いに行くも相手がクリア。そして試合終了のホイッスル。総理大臣杯奪還に挑んだ法大であったが最後の最後に宿敵明大の前に屈することとなった。
悔しさの残る準優勝となった法大。しかし戦いはこれからも続く。1週間後には関東大学リーグ、そして18日には大学の看板を背負ってヴァンフォーレ甲府との一戦に挑む。勝負に敗れた悔しさを改めて感じ、また一歩、進化する法大イレブンを私達に見せてくれるであろう。(草野慧)
監督・選手コメント
長山一也監督
―試合を振り返って
まあ、こういう力なのかなって。いい試合をしても勝たないと意味無いからね。 そこに尽きると思います。
―前期リーグ戦で明大に負けた事や去年の総理大臣杯など多くの悔しさを晴らす機会でしたが、試合前の選手達にどのような言葉をかけましたか
勝たないと意味無いという事です。来てくれた人達がどんなに「いい試合だった」と言ってくれても、何年か後に結果を見て法政が準優勝じゃ何も残らないから。優勝が欲しかったです。
―先制逃げ切りが多い今年の法大ですが今日は先制直後に追いつかれてしまいました
そこが隙だったと思います。後半チャンスがあった中で決めきれなくて、相手は少ないチャンスをものにして。そういう所がまだ弱いのかなと思います。
―総理大臣杯の課題と収穫は
収穫は優勝しないとほとんどないと思います。課題というか、天皇杯でJリーグのチームを相手にしても内容が伴って勝てる中での収穫はタイトルしかなかったです。それが獲れなかったので。まだ運も含めて優勝するに相応しいチームではなかったという事でしょうね。何が足りなかったかを彼らは分かっていると思います。そして今後それを示してくれると思います。
高木友也
―試合を振り返って
先制できたのは良かったんですけど、すぐ失点してしまって1-1で後半に入って最初のセットプレーで点を取られてしまって、そこで声を掛けたりもう少し対応出来たんじゃないかという所を悔やんでます。
―何度も対戦してきた明大相手の決勝でしたがどのような気持ちで試合を臨みましたか
今日は絶対に(リーグ戦と合わせて)2連敗してはいけない試合だと思っていました。前回よりはうまく行く所もあったんですけど、勝ちきれなかったのは自分達の弱さかなと思います。
―サイドの攻防がキーになったと思いますが、中村帆高選手とのマッチアップはどうでしたか
縦に速い事とか特徴は分かっていたのでサイドハーフの(森)俊貴と話し合ってうまく対応できた所もあって良かったかなと思います。
―優勝に足りなかったものは
1本目のセットプレーのような勝負の分け目になる場面での部分が自分達に一番足りなかったと思います。
―今後に向けて
今日の事は今日だけ悔しがって、明日からは切り替えてリーグ戦や天皇杯に向けて準備していけるように頑張りたいです。
大西遼太郎
―今日を振り返って
ゲームプランとしては前半0-0でも良かった中で先制できて、そのまま折り返せれば良かったんですけどすぐに追いつかれてしまって。後半は1点勝負で最後に追いつければ良かったんですけど、今の法政にはその力がなくてこのような結果になってしまったと思います。
―明大相手に意識したことは
プレッシャーが速いことは分かっていましたし、その中で相手の3バックにFW1枚を当てて上手くいくシーンは何回かあったんですけど、それをゴールに結び付けられないといけなかったと思います。
―久々に末木選手とコンビを組みました
ずっとやっていたのでやりにくさはなかったですし、そこは良かったと思います。
―先制に成功できれば逃げ切る展開が多い法大ですが、今日は先制した直後の失点でした
明治さんには取り返す力があって法政にはなかったというのが全てです。
―得点シーンについて
大事な先制点でしたが、負けてしまったので意味が無いと思います。
―今後に向けて
この試合を引きずらない事が凄く大事で、次の流経大戦が勝負だと思うのでチーム一丸で準備していきたいです。
フォトギャラリー
- 森はゲームキャプテンとしてチームを牽引
- またしても大舞台で魅せた「お祭り男」大西だが悔しい結果に
- 田中はスピードを活かしてピッチを駆け回った
- 関口はオーバーラップから大チャンスを演出
- 紺野は何度もサイドを切り裂いたが粘り強い明大DF陣に手を焼いた
- ラストプレーではGK中野までもがゴールを狙ったが及ばず
- この悔しさをバネに更なる飛躍を!