2020年8月7日(金)
法政大学野球部合宿所(オンライン)
8月10日に開幕する東京六大学野球春季リーグ戦。『夏開催』、さらに『1試合総当たり制』と、例年とは違う形式での開催となる今季だが、選手たちは来る開幕に向けて黙々と練習に取り組んでいた。そんな開幕を直前に控えた選手たちの『今』を伺うべく取材を敢行。今回は投打の要編、鈴木昭汰(キャ4)、村田雄大(人4)のインタビューをお届けする。(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、取材はオンラインで実施)
選手インタビュー
鈴木昭汰 投手
ー現在の調子は
オープン戦は全部終わって、最初は(調子が)落ち気味だったんですけれど、リーグ戦の開幕直前に向けてしっかり状態が上がってきているので、いい感じだと思います。
ー4月にリーグ戦の延期が決まった時の心境
まさかこういう感じで自分らの最後の春がこのような形になるとは思っていなかったですし、なった時はとてもショックでしたね。
ー自粛期間はどこに
実家です。
ーそこではどのような練習を
僕の実家が母校の常総学院のグラウンドが近いので、そこでほぼ毎日練習していましたね。
ー昔の同級生などとですか
いや、現役の子達に混じってやっていましたね。
ーどのようなトレーニングを
法政でやっているような練習内容よりも多くやっていて、(その時点で)夏にリーグ戦をやるということは決まっていたので、しっかり体力作りと、投げない期間がずっと続いてしまうと投げる体力が落ちてしまうので常にボールは触っていましたね。
ーそのような先の見えない中でどのようなことを意識して日々を過ごしていましたか
リーグ戦があるということを信じて、それだけを信じてやっていましたね。あとは自分の力でプロ野球選手になるためには、この時期にしっかり練習をやっておかないとなとは思っていました。
ー練習に復帰してからの手応えは
常に練習はしてきていたので、なまった感じはなく割といい状態では練習をスタートできたんじゃないかなと思ってます。
ー投手責任者から見て、復帰後の投手陣は
久しぶりだったので、新鮮だったのでそんなに重い雰囲気とかも無くいい雰囲気でやれたかなと思います。
ー短期開催ということで起用法も変わってくると思います
そうですね。1試合総当りなので、絶対に負けが許されない戦いなので、もちろん常に重いんですけれど、一戦一戦の重みが(普段とは)違ってくると思います。初戦の入りを大事にしていこうと思ってます。
ー短期決戦への意気込みを
どんな形でリーグ戦が開催されようと、リーグ戦をやれることに感謝して、まずは最初の東大から優勝目指して1戦1戦戦っていきたいなと思います。
ー背番号『1』に込めた思い
去年宇草(孔基、令元年度卒=現広島東洋)さんが付けていて、特に宇草さんから引き継いだということでは無いんですけれど1番が空いていて、僕のラッキーナンバーも『1』だったのでみんなにも「1付けろよ」みたいな感じで付けました(笑)。
ー実際に背番号『1』を付けてみて
投手で(背番号1を)付けたのが山中(正竹、昭44年度卒=現全日本野球協会会長)さんしかいなくて、すごい重みのある番号だなと思っています。高校時代も1番を付けていたんですけれど、大学で1番を付けるとちょっと新鮮だなと思ってますし、今まで1番を付けてきた先輩たちに負けないような活躍をしたいなと思っています。
ー地元では高校球児達と汗を流したということで、苦難に置かれている高校球児たちにエールをお願いします
この頑張ってきた3年間というのは、大学野球とか今後に必ず生きて来ると思うので、悔しいと思うんですけれどしっかりと前を向いて頑張ってほしいですね。
ー高校時代の同期でもある主将・中村迅(営4)選手にひと言お願いします
毎試合打ってください!
ー自身の目標は
5試合なので、どの試合投げるか分からなくてハードになってくると思うんですけれど、チームの勝利に貢献できるようにして、最終的に最優秀防御率を取ることができればいいかなと思っています。
ーリーグ戦に向けて意気込みをお願いします
この変則的なリーグ戦になったんですけれど、法政としてやれることをしっかりやって、必ず優勝したいと思います。
(取材:加瀬航大)
鈴木昭汰(すずき・しょうた)
キャリアデザイン学部4年 1998年9月7日生まれ
茨城県出身・常総学院
175cm81kg 左投左打
昨年度成績:13試合 37回2/3 被安打41 奪三振34 与四死球13 自責点16 防御率3.82 1勝2敗
『イニング数に匹敵する三振を奪うドクターK。直球と変化球の緩急を駆使し、今季も神宮で吠える。』
村田雄大 外野手
ー来週からリーグ戦が始まりますが今の気持ちは
コロナの影響もあって2回くらい先延ばしになって、ようやく来たなという感じがしますね。
ー延期が発表されたときの心境というのは
最初の時は「またかよ」みたいなことは思ったんですけど、後々振り返ってみると先延ばしになったことで自分自身が成長できたと思います。逆に自分にとって良い期間になったんじゃないかなと思ったので、今振り返って見ればそういう感じがします。
ー自粛期間には地元に帰られる選手もいたと伺いましたが、村田選手は
自分は寮に残ってました。家が近いんですけど、そっちの方が自分にとって良い練習ができると思ったので、寮に残りました。そこで(銚子利夫)助監督と一緒に練習を河川敷でしたこともありました。本当に自分のレベルアップに繋がった期間になったと思います。
ーどのような練習を
場所が限られていたので、河川敷に行って体を動かしてキャッチボールをしたりとか、近くのバッティングセンターに自分で行って、バッティング練習をしたりとか、あとはトレーニングを限られたスペースで行っていましたね。
ー他にも寮に残っていた部員は
そうですね、4年だと佐藤(勇基、法4)が残っていたり、小谷(敦己、文4)と落合(竜杜、法4)が残って、(自分含めて)4年生4人で練習してました。
ー銚子助監督から師事を受けたとおっしゃっていましたがどのようなことを
助監督は主に、自分にスローイングと守備の基礎的なことを教えてもらいました。自分はあまり守備が得意じゃなかったんですけど、しっかり鍛えた甲斐があって、自分なりに多少うまくなってるなと思いますね。
ー自宅に帰られた部員もいるということで、彼らとのコミュニケーションは
なんだかんだで2か月くらい顔を合わせていないやつもいたので、帰ってきた時どうなるかなと思ってたんですけど、そんなこともなくていつも通り仲良くて、戻ってきた後も良い意味で仲の良さが継続されてました。チームとしてのまとまりは非常に良いなと思います。
ー改めて、自粛期間とは村田選手にとってどのような期間でしたか
本当に自分自身の個人のレベルアップに繋がったと心から思える期間になりました。
ー夏季オープン戦が行われてますがコンディションの方は
オープン戦でもしっかり自分の力というものを発揮できている場面が多くあったので、そういった意味ではこのオープン戦の期間というのは自分の中で自律した期間になったと思います。
ー自粛期間の練習の成果というのは
自分の持ち味はバッティングなので、バッティングでもチャンスでの一本であったり、確率が以前よりも格段に上がっているというのは肌で感じることも多かったです。守備でも前まで取れていなかったような打球が取れていたりとか、とても試合で成長を感じる部分がありました。
ー今年は夏開催ですが暑さ対策などの夏対応は
夏の試合というのは公式戦に限ってですけど、高校生の時以来の公式戦なので、相手と暑さと敵が多いですけど、しっかり水分摂ったり、しっかり休養をとって試合に臨めたら良いなと思います。
ー今年はさらに短期決戦の総当たり戦となります
試合というのは基本的には負けちゃいけないものだと思うので、しっかり「一戦一戦全て勝ちに行く」、より強くその思いをもって試合に臨むことが大事じゃないかなと思います。
ーついに始まるシーズンですが今季の目標は
個人的にもリーグ戦には過去あまり出場できていなかったのですが、今年は出るチャンスが巡ってきたので、チームの役に立てるような活躍をしたいです。なおかつ自分もその中で、良い結果を出せれば良いなと思います。
ー個人として数字など、具体的な目標は
ホームランですね。本数というよりもたくさん打ちたいですね!
ー開幕を待ちに待っている法大ファンへ
今まで長い間、先延ばしになっていたリーグ戦がようやくできます。野球界も観客を存分に入れることが出来ない状況が続いているので、自分たちのプレーで少しでも日本の力になれればとても良いことだと思います。しっかり自分たちが良い野球をして、ファンの皆さんに良いもの届けられるように頑張りたいです。
(取材:須藤大樹)
村田雄大(むらた・ゆうだい)
人間環境学部4年 1998年4月30日生まれ
神奈川県出身・横浜
185cm95kg 左投左打
昨年度成績:2試合 5打席 3打数 0安打 0本塁打 0打点 2四死球 1三振 打率.000
『実績は無いもののセンスと実力を十分兼ね備えた大型外野手。神宮ではチームに貢献する一打を放つ。』