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【硬式野球】優勝潰えるも負けられない伝統の一戦 5年ぶり『血の法明戦』勝ち点で最終カードを飾れるか/東京六大学春季リーグ戦 対明大戦展望

東京六大学野球2024春季リーグ戦 対明大
2024年5月25日(土)、5月26日(日)
神宮球場

リーグ戦第7週、法大は今季最終カードの明大戦を迎える。慶大、早大とのカードを落とし、8季ぶり優勝の可能性は潰えたが、明大に連勝すれば、3位タイ浮上。また、第8週の早慶戦で慶大が敗北すれば最終結果は2位となる可能性も残されている。明大から最後に勝ち点を奪ったのは2019年秋のこと(新型コロナウイルスの影響から1試合総当たり制となった2020年春季は2勝先取での勝ち点制ではなかったため除く)。5年ぶりの『血の法明戦』勝ち点獲得なるか。

明大・直井宏路 外野手(4年)

今季リーグ戦結果(第6週 5/19現在)

明大戦展望

現在リーグ2位・明大の戦力を分析していく。

投手陣は昨季まで大車輪の活躍を見せた村田賢一(現ソフトバンク)、蒔田稔(現JFE東日本)、石原勇輝(現ヤクルト)が抜けフレッシュな面々に。中でも特に警戒すべきは今春、大学日本代表候補に選出された最速154㌔右腕・浅利太門(4年)だ。今季は序盤こそ不調だったが、第5週の立大戦では2日連続でリリーフ登板。それぞれ無失点に抑えるなど状態を上げてきている。

さらに、慶大打線を5回無失点に抑えた高須大雅(3年)や、今季リーグ戦デビューし、ここまで計14回2/3を自責点2に抑えている松本直(2年)ら、第2先発、リリーフ陣は強力だ。規定投球回に乗っている選手は0も、チーム防御率は早大、法大に次ぐ3位に位置している。この3投手を打ち崩せるかがポイントとなるだろう。前カード・早大戦にて2試合2得点と攻めあぐねた反省を生かしたい。

明大・松本直(2年)

一方の野手陣は4番・横山陽樹(4年)に警戒だ。2023年は1試合のみの出場にとどまったが今年は全試合で4番起用。ここまで2本塁打、リーグ3位の11打点と好調ぶりを見せている。ここまで全試合で安打を記録中の新・主砲を抑えられるか。

さらに、明大打線は正捕手・小島大河(3年)、リーグ屈指の瞬足・飯森太慈(4年)らをはじめ、打率ランキング10位以内に5人が名を連ねている。今春、侍ジャパンにも選出された主将・宗山塁(4年)がコンディション不良で不在も、大学球界屈指の厚い選手層は健在だ。

対する法大のキーマンは、5月12日の対東大2回戦から4番で起用されている松下歩叶(営3=桐蔭学園)だ。前回カードは9打数0安打に沈み打率.264と急降下も、2本塁打はリーグの三塁手で1位(本塁打数は慶大・本間颯太朗(4年)と並ぶ)の数字。二塁手としてベストナインを獲得した昨季に続き、2季連続受賞へ向け、復調に期待したい。

投手陣は、リリーフでの出場が待たれる153㌔右腕・山城航太郎(キャ4=福大大濠)に注目だ。ここまで対慶大2回戦で0回1/3、球数にして3球のみの出場にとどまっているが、その潜在能力は一級品。今春のオープン戦でも、エース・篠木健太郎(営4=木更津総合)に劣らぬ直球を投げ込み三振の山を築いた。ここまで全試合でベンチ入りも、3球のみの登板となっているのは来る対明大戦に備えてのことだったのかも知れない。ラストイヤーを迎えた法大の『秘密兵器』が明大打線を封じ込む姿を見たいものだ。

山城航太郎

またこのカードでは注目対決として、𠮷安遼哉(法4=大阪桐蔭)VS明大・藤江星河 投手(4年)の“大阪桐蔭対決”、安達壮汰(営4=桐光学園)VS明大・直井宏路 外野手(4年)の“桐光学園対決”を挙げたい。𠮷安と藤江は中学時代はボーイズ日本代表として世界一、高校時代はバッテリーを組んだ仲であり両者とも対戦を熱望していたものの、ここまで3年間交わることはなかった。両者とも前週のカードで出場しており、実現可能性はとても高いと言える。

さらに“桐光学園対決”については、4年目でリーグ戦初出場の安達と1年春から活躍する直井という正反対の3年間を過ごしてきた2人の勝負となる。実は両者は同じジムに通っており、普段から連絡を取り合うなど今でも大変仲が良い。ここまでは安達が防御率1.32、対する直井はリーグ6位の打率.357と好成績を収めており見ごたえのある対決となるだろう。

ここまで210勝230敗30分となっている『血の法明戦』。優勝とは別に「明大だけには負けたくない」。そんな法大ファンも多いはず。激戦必至の第471回戦は5月25日、聖地・神宮球場で幕を開ける。

(嘉藤大太)

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