【ボクシング】第69回関東大学ボクシングリーグ戦 対駒大 4勝あげるも、僅差で悔しい敗戦…1部最下位で入れ替え戦へ
第69回関東大学ボクシングリーグ戦
最終戦 対駒大
2016年7月9日(土)
後楽園ホール
ここまで全敗の法大。最終戦の相手は同じくここまで全敗の駒大だ。この試合で負ければ入れ替え戦となる。まさに負けられない大一番となった。
法大は序盤から齋藤優雅(法4)、榊原達也(営2)らが連続で白星を獲得。また高山涼深(法2)が今季2勝目をあげ、ルーキー佐藤眞男(法1)がリーグ戦初勝利を収めた。
試合は4対4までもつれ込み、M級決戦に。現在全勝中で階級賞を期待される森脇唯人(法2)は、同じく全勝中の鬼倉(駒大)に惜敗。チームとしても4-5で敗れ、1部2部入れ替え戦行きが決定した。
試合結果
トータル試合結果
4 法政大学 |
5 駒沢大学 |
試合結果
階級 | 勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|---|
LF | ○ | 齋藤優雅(法4) | 2-1(29-28,29-28,28-29) | 杉山広将 |
F | ○ | 榊原達也(営2) | 2-1(29-28,29-28.28-29) | 市川春希 |
B1 | ● | 田中風雅(営4) | 0-3(26-30,26-30,26-30) | 南出仁 |
B2 | ○ | 高山涼深(法2) | 2-1(29-28,28-29,29-28) | 重里侃太朗 |
L1 | ● | 鎌田稔生(文4) | 0-3(28-29,28-29,27-30) | 平川優貴 |
L2 | ○ | 佐藤眞男(法1) | 2-1(28*-28,28*-28,27-29) | 齊藤陽二 |
LW | ● | 中原隆太郎(文3) | 0-3(27-30,27-30,28-29) | 保坂剛 |
W | ● | 河津光貴(文1) | 0-3(27-30,27-30,27-30) | 沖島翼 |
M | ● | 森脇唯人(法2) | 1-2(28-29,26-30,29-28) | 鬼倉龍大 |
戦評
リーグ戦最終戦、まだ勝ち星のない法大は同じく1部残留を狙う駒大との試合に臨んだ。また、ここまで全勝の森脇唯人(法2)は階級賞のかかる試合となった。
LF級には齋藤優雅(法4)が出場した。齋藤は持ち前のスピードを生かしたボクシングでポイントを奪う。最終R終了間際には打ち合いとなり大きな声援が送られた。結果は2-1の判定勝ち。最終戦にして嬉しい初勝利をあげた。
F級の榊原達也(営2)は1Rこそ慎重な立ち上がりを見せたが、2R以降左フックを中心に攻撃を組み立て判定勝ちを収めた。
B級には田中風雅(営4)と高山涼深(法2)が出場。田中は長いリーチを使い距離をとってのボクシングを展開するが、相手の積極的なボクシングの前にダウンを喫するなど苦戦し、判定負け。
高山は序盤からカウンターを巧みに使いポイントを奪っていく。3Rは逆転を狙い前に出てくる相手と打ち合いとなるも、またもカウンターを中心に有効打を決める。ダウンこそ奪えなかったものの、結果は2-1の判定勝ち。
続くL級、主将の鎌田稔生(文4)と期待の新人佐藤眞男(法1)が登場。ここ数試合勝ち星を挙げられていない鎌田はなんとしても勝利が欲しい試合だったが、手数で上回った相手に敗戦。
一方、前回の東農大戦で敗れはしたが鮮烈なデビューをした佐藤。この試合でも1Rから積極的に攻めていく姿勢を見せ、2-1の判定勝ち。
LW級とW級は、健闘するも判定で敗れてしまう。
4勝4敗で迎えたM級。勝てばチームの一部残留と自身の階級賞が懸かる森脇は同じく全勝の鬼倉(駒大)と対戦した。
緊張した雰囲気での1Rは両者ともに左ジャブから流れを掴もうとするが、どちらも掴めない。このまま1R終了かと思われた残り10秒、鬼倉のパンチが森脇の顔面を捉えダウンを奪われてしまう。2R、3Rと逆転を狙いパンチを繰り出していく森脇。徐々に相手の顔面を捉えていく。
激しい打ち合いに、会場のボルテージは最高潮となった(写真:森脇㊧、鬼倉)
しかし、ダウンまでは奪えず決着は判定へ。結果は1-2の判定負け。
4-5で敗れた法大は入れ替え戦へ向かうことになった。
あと一歩の所で残留を逃した法大。チームとして1勝を挙げることはできなかったが、個人の勝利数の増加や1年生の台頭など多くの収穫を得た今季のリーグ戦。この経験を生かし、次週中大との1部2部入れ替え戦に臨む。(山崎志馬)
監督・選手コメント
頴川德夫 監督
―今日の試合を振り返って
1年生がデビュー戦の者がいたり、2回目でやっと勝利をおさめられた者がいたり、そういう戦いぶりがあったので、若手が頑張ってくれたかなという感じですね。戦い方がもう1息というところで勝ち星を逃してしまった試合もありました。本当はここで勝たなくてはいけなかったんですけど…。関東大学リーグの緊張感を来週の入れ替え戦まで持ち越したいと思います。今はもう全体を振り返るタイミングではなくなったので、前向きに。1番つらいのは学生の中でも特に4年生でしょうから、前向きな気持ちで入れ替え戦を頑張りたいと思います。
―今試合は序盤から白星が続きましたが
早い段階で勝ちを取っていかないと厳しいということが分かっていたので、LF級、F級で勝ち星があげられたのは非常に良かったです。B1級が取れなかったので、ここが踏ん張りどころだったと思います。
L1級も鎌田くんも相手がいい試合をして抑えられなかったのですが、次の佐藤くんが止めたので、この辺のところは先に希望をつなげることができたと思います。ですが最後それを生かし切れることができなかったと思います。
―4年生の齋藤選手は今季初白星をあげましたが
最後は齋藤くんの4年間の思いが勝利につながったかなと思います。日頃から良いボクシングをしている訳ですが、そこにもうひとつ、自分の体が苦しい中でも動かそうとする気持ちがあったので勝ちにつながったのだと思います。
―勝利した榊原選手、佐藤選手、高山選手について
F級の榊原くんも大変センスのあるボクサーです。過去は打ち終わった後パンチをもらってしまったりとか、そういうシーンが心配されたんですけど、今日は最後の最後まで気持ちを切らさずに最終Rはしっかり打てたんじゃないかなと思います。
L2級の佐藤はリーグ戦に挑む段階で少しケガによるトラブルもあって、入院するようなこともあったんですけど、乗り越えて、前回デビュー戦を果たしました。今回の最終戦も黒田虎之介(キャ2)で行くのか、佐藤で行くのか最後まで悩みましたが、黒田が肘を故障していたので、大事を取って佐藤で行かせました。ただ佐藤自体も気持ちでボクシングをするところがあるので、十分通用するだろうなと思いました。執拗に攻撃していくというその姿勢が評価されたんじゃないかなと思っています。
高山くんは非常にいいボクシングをしますし、パンチ力があります。前の手の右手がしっかり使えると彼の良さが出ると思います。普通ボクサーは後ろの手が強くて、前の手はあまり強くないんです。けれど高山くんは地味でも前の手の小さなパンチがすごく威力があるんです。接近戦になったときでも自分に有利にもっていけるような強いリードパンチが持ち味なので、その展開を今後も期待していきたいなと思います。
―1年生の河津選手について
彼はデビュー戦でした。相手は沖島翼(駒大)という強い選手で、私は正直ゴングがなった瞬間から右手にタオルを握りしめていました。何かあったらすぐタオル投げなきゃいけないなと思ったんです。けれど思いのほか、日頃から体を鍛えているので体幹が強くて、クリンチの瞬間相手を持ち上げたり、そのくらいのパワーがあって。1年生とは思えないくらい堂々とした戦いぶりでした。その気持ちを大切に今後もさらに成長してほしいと思っています。
―中原選手はかなり惜しい判定でしたが
彼は打って動くということではなく、打って走って打つというリズムに変えました。打って打って走るのリズムだと打って逃げているように誤解されることがあったんですけど、動いた後もう1度打ちに行くので、攻撃をするために動いているという評価を得られるようになったかなと思います。減量に苦しみながらも、自分の体を動かすハートの方が伴ってきたかなと思います。ずいぶん良かったです。彼は埼玉の国体の代表にもなって、そちらでも頑張っているので、これからも活躍してほしいと思います。
また今日の悔しさをもって、入れ替え戦では絶対に勝ってほしいと思います。国体の予選では拓大と日大に勝っているので、次は必ず勝ってくれると思います。
―ここまで全勝していた森脇選手は初の黒星となりましたが
戦い方に少し課題があったかなと思います。集中力だけでなく、少し気が強いところがあるので、打ち合いになった瞬間それを受け流して自分のペースで戦っていくていう狡さが必要だと思うんですけど。彼は生真面目に真向から打ち合いに出るので、どちらかというと身長差は森脇のほうがあったんですけど、その辺のところを生かし切れなかったと思います。より長身と手のリーチを生かしたボクシングが、常にどんな状態でもできるように、メンタルの部分も含めてもう1度やり直していきたいと思います。
―今回が最終戦となりましたが、今年のリーグ戦について
2部リーグで勝ち続けて1部リーグにチャレンジするときよりも、おそらく強豪の中で戦っていくというのは厳しいことだと思います。ただコーチや私で戦術を考えるときに、法大は勝ちのシナリオを描けるようなチームになってきたというのがあると思います。今までは正直1部リーグの中でも他大学と距離を置く存在であったんですけど、今の法大は本当に僅差で、もしかすると今日の最終戦も駒大を倒してもおかしくないくらい実力をつけてきたと思います。ここで満足することなく、Aクラス入りを狙うとい言葉を嘘にしないように、ここをしっかり踏ん張って、来年こそAクラス入りを目指したいと思います。
―入れ替え戦に向けて
主将の鎌田くんは1年生のとき1部リーグで戦って最後入れ替え戦で2部に降格しました。その1年後、2部で勝って1部に復帰したということがあります。マネージャーの平岩佑梨(文4)さんも2部リーグで戦うということの辛さをよく知っているはずです。是非、そういう悔しい思いをさせたくない、笑って4年生を見送ってあげたいので、ここは全員気持ちを込めて勝ちにいきたいと思います。
勝たなければならないと全員が本気で思っていると思うので、その気持ちをまとめて、勝利をつかみます!
齋藤優雅
―試合を振り返って
自分が最初勝てれば、流れが出来てチームも勝てるかなと思ったのですが、負けてしまいました。悔しいです。
―2ラウンド目からペースを掴んだように見えました
そうですね。1ラウンド目はどうかなって感じでしたけど、2ラウンドで右が当たるようになって、返しもうまくはまったかなと思います。
―勝因を上げるとするならば
いやもう4年生っていう気持ちですね(笑)。
―副主将としても負けられない戦いでしたよね
絶対に入れ替え戦したくなかったので。4年間やってきて入れ替え戦は本当に嫌いなので、負けたくなかったです。
―敗れれば入れ替え戦というプレッシャーはありましたか
そこまでなかったですね。逆に連続で5個勝って帰ろうくらいの意気込みで行きました。それだけに、ショックも大きいですね。
―このリーグ戦を振り返っていかがですか
自分は1勝4敗ということでしたけど、勝ったような試合もあったので悪くはなかったかなと思います。
―チーム全体としては昨年よりも勝利の数は増えたと思いますが
そうですね。そこまで差はないのかなと。駒澤相手にも勝てた試合がもっとあったと思いますし、かなり自信になっていると思います。
―4年生として、入れ替え戦に向けて後輩にはどんなことをしていきますか
1年生とかは緊張すると思うので、メンタルの部分で色々アドバイスはしています。先に打つパンチを決めておくとかですかね。
―入れ替え戦に向けて
絶対勝ちます。
高山涼深
―今日の試合を振り返って
高校の時に1度試合をしたことがある選手でしたが、その時は負けていたので、リベンジしようという気持ちでやりました。なので昨日の夜から寝れなかったです(笑)。
―高校時代と比べて相手の印象は
ずっとバンダム級でやっていたので、パワーでは負けないという気持ちでいました。
―試合で意識したことは
「勝とう!」ということしか頭に無かったです。
―勝因は
気持ちの面で上回れたのかなと思います。
―リーグ戦を3戦2勝で終えられましたが、ご自身のボクシングができてきているか
少しずつ形になってるかな、と思います。コーチにも良くなってきていると褒められたんですけど、調子に乗らずに頑張ろうと思います。
―他部員の戦いぶりについて
昨年よりも全体的にレベルアップしていると思うので、入れ替え戦は当たり前のように勝ちに行きたいと思います。
―1部リーグを振り返って
チームとしてここまで戦えると思っていなかったですし、自分もリーグ戦は勝ち越せて頑張れたので、来年はもっといい成績を残して、1部残留もそうなんですけど1勝、2勝くらいはしたいです。
―入れ替え戦に向けて一言
自分がメンバーとして選ばれたら、完璧に勝ちたいと思います!
榊原達也
―今日の試合を振り返って
大学入学以来勝ち星がなかったので、勝てて良かったです。しかし、課題が残る結果でした。なのでこれから課題を克服できるようにしていきたいです。
―その課題とは何でしょうか
スタミナが不足していることと、もう少し左のリードを使えるようにすることです。
―2R以降は打ち合いが続きましたが、監督の指示はどのようなものでしたか
「相手を倒す気持ちで行ってこい」と言われました。
―相手選手の印象は
高校時代の国体で準優勝したチームの選手だったので、とても強くいい選手でしたが、負ける気はしませんでした。
―他の選手の試合を見てる時の気持ちはどうでしたか
全部勝って欲しいという気持ちでした。今回はチームとして負けてしまいましたが、入れ替え戦に勝って、また来年1部で試合できるようにしたいです。
―今後について
入れ替え戦があるので全員で戦って1部残留をして、個人でも結果をだして全国に名前を売りたいです。
佐藤眞男
―リーグ戦初勝利の感想は
高校で引退してからの目標が、1年目でこのリーグ戦一部で勝つことでした。前回それがかなわなくて、今回は最終戦で後楽園ホールで勝てるチャンスはラストだったので達成できて良かったです。
―試合を振り返って
激しい打ち合いになって、相手のパンチが強くてそれで気持ちが押されそうになった時もあったんですけど、先輩たちの応援とか部員の応援とかもあったので、それでけっこう踏ん張れたっていうのがありました。
―勝因について
減点をとられても自分でひっくり返すくらいポイントを取らないと、という風に諦めないで最後まで打ち続けた結果かなと思いました。
―課題について
自分の方が身長が大きかったので、もっとリードをしっかり左手でついて自分の距離でやった方が戦いやすかったかなと思います。
―最後に一言
今年はまた入れ替え戦になってしまいましたが、来年は自分がポイントゲッターになれるように努力して、来年は絶対1部でAクラスになります。