東京六大学野球2021春季リーグ戦 第5週 明大2回戦
2021年5月9日(日)
神宮球場
前日の借りを返すべく今日の試合に挑んだ法大。先発の山下輝(営4=木更津総合)は走者を許しながらも要所を締める投球で9回2失点と好投。神宮初完投を記録した。打線は2回、海﨑雄太(文3=埼玉栄)の適時二塁打で先制に成功すると、4回にも中原輝也(人4=尽誠学園)の適時二塁打で1点を追加。5回には岡田悠希(人4=龍谷大平安)の1号ソロ、後藤克基(法4=滋賀学園)の2点二塁打で3点を奪った。8回は海﨑の犠飛で加点。今季最多の6得点で『血の法明戦』に勝利した。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 0 | 1 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 6 | 12 | 2 |
明 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0 |
(法大)○山下輝—大柿
(明大)●高橋、米原、磯村、石原、渡部翔—植田
[本塁打] 岡田悠1号ソロ(5回=高橋)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (8) | 岡田悠 | 5 | 2 | 1 | .258 | 三振 | 二ゴ | 中本① | 左安 | 一ゴ | ||||
2 | (7) | 宮﨑 | 5 | 1 | 0 | .200 | 二ゴ | 遊ゴ | 中安 | 一ゴ | 二ゴ | ||||
3 | (4)3 | 齊藤大 | 4 | 1 | 0 | .323 | 右邪 | 遊飛 | 中安 | 三ゴ | 四球 | ||||
4 | (9) | 小池 | 3 | 2 | 0 | .222 | 右安 | 右安 | 三振 | ||||||
9 | 神野 | 1 | 0 | 0 | .167 | 遊ゴ | 四球 | ||||||||
5 | (3) | 後藤 | 3 | 1 | 2 | .286 | 中飛 | 投犠 | 左2② | 遊ゴ | |||||
4 | 高田 | 1 | 0 | 0 | .167 | 遊ゴ | |||||||||
6 | (5) | 中原 | 4 | 3 | 1 | .304 | 右安 | 右2① | 三ゴ | 左安 | |||||
7 | (2) | 大柿 | 3 | 0 | 0 | .154 | 遊飛 | 左飛 | 中飛 | 投犠 | |||||
8 | (6) | 海﨑 | 3 | 2 | 2 | .192 | 左2① | 右安 | 左飛 | 犠飛① | |||||
9 | (1) | 山下輝 | 4 | 0 | 0 | .222 | 三振 | 三振 | 三振 | 遊直 | |||||
計 | 36 | 12 | 6 | .236 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
山下輝 | 9 | 125 | 35 | 8 | 5 | 1 | 1 | 1.93 |
計 | 9 | 125 | 35 | 8 | 5 | 1 | 1 | 2.31 |
ベンチ入りメンバー
10 | 三浦銀二(キャ4=福岡大大濠) | 27 | 村上喬一朗(法3=東福岡) | 3 | 小池智也(営4=八戸学院光星) |
11 | 平元銀次郎(営4=広陵) | 32 | 大柿廉太郎(法3=健大高崎) | 8 | 宮﨑秀太(営3=天理) |
16 | 尾﨑完太(キャ2=滋賀学園) | 2 | 中原輝也(人4=尽誠学園) | 9 | 神野太樹(キャ4=天理) |
17 | 杉下裕哉(営4=氷見) | 4 | 齊藤大輝(人3=横浜) | 25 | 野尻幸輝(営3=木更津総合) |
18 | 古屋敷匠眞(営4=八戸工大一) | 5 | 松田憲之朗(キャ3=龍谷大平安) | 28 | 樺嶋竜太郎(人3=福岡大大濠) |
21 | 山下輝(営4=木更津総合) | 6 | 佐野瞭太(人4=法政二) | 34 | 大本遼(経4=掛川西) |
47 | 武冨陸(営2=日大藤沢) | 31 | 海﨑雄太(文3=埼玉栄) | 38 | 田中悠我(キャ3=帝京) |
22 | 後藤克基(法4=滋賀学園) | 36 | 高田桐利(営3=広陵) | ||
23 | 舟生大地(文4=日大山形) | 1 | 岡田悠希(人4=龍谷大平安) |
戦評
昨日の第1戦では相手先発の前に打線が奮わず、痛恨の黒星を喫した法大。敗戦から一夜明け、スコアボードの文字がピンク色で表示される母の日ならではの演出も施される中で第2戦に臨んだ。
なんとしても『血の法明戦』で白星を勝ち取りたい法大は、山下輝(営4=木更津総合)に先発のマウンドを任せた。初回にわずか7球で相手を三者凡退に抑える上々の立ち上がりを見せた山下輝は、その後も巧みに変化球を織り交ぜつつ淡々と打者を打ち取っていく。
試合は法大が流れをつかんで離さなかった。2回に4番・小池智也(営4=八戸学院光星)がチーム初安打となる右前打を放つと、6番・中原輝也(人4=尽誠学園)も右前打で続く。2死一、二塁の状況で打席に立ったのは8番・海﨑雄太(文3=埼玉栄)。4球目をとらえた逆方向への打球は左翼の頭上を越す適時二塁打となり、1点を先制する。小池と中原、海﨑は4回にも安打を放ち、再び1点を追加した。
さらに5回、法大に最大の得点機会が訪れた。この回先頭の1番・岡田悠希(人4=龍谷大平安)がバックスクリーン直撃の本塁打でいきなり1点を追加し、続く2番・宮﨑秀太(営3=天理)、3番・齊藤大輝(人3=横浜)も中前打を放ち出塁する。1死二、三塁で打席に立った5番・後藤克基(法4=滋賀学園)の放った打球は、左翼線を大きく破る適時二塁打となりさらに2点を追加。打線が奮わなかった昨日から一転、この日はチーム計12安打6得点。中でもこの回の攻撃は、打線が噛み合った今日の試合を象徴する場面となった。
手厚い援護を受けた山下輝は試合終盤にかけても登板を続けた。最終回には味方の失策なども絡み2死一、三塁のピンチを迎えるも、明大のルーキー・宗山塁を7球粘らせた末に打ち取り試合終了。山下輝は125球を投げ、自責点1。自身初の完投勝利で2勝目を飾った。今季は無観客の中行われた『血の法明戦』だったが、互いに熱い戦いを繰り広げ、1勝1敗で終えることとなった。
政府発令の緊急事態宣言は5月末までの延長が決まったが、東京六大学野球については第6週以降の試合から再び観客を入れての開催となる。春連覇の夢はついえてしまったが、観客そして応援団の戻ったスタンドからの応援を背に、最終カードの東大戦を制し今季を締めくくってほしい。
(記事:相田遼介、写真:五嶋健)
クローズアップ:岡田悠希
昨日の試合でフェンスに激突し、負傷交代となってしまった諸橋駿(法4=中京大中京)に代わって1番には岡田悠希(人4=龍谷大平安)が座った。「諸橋の分まで」。そう意気込んで臨んだ明大2回戦。1,2打席目と凡退に終わったが決して焦ることはなかった。迎えた5回の第3打席。2ボール1ストライクからの4球目の甘い球を見逃さなかった。打球が上がった瞬間に声を挙げたように「いったと思った」と感触は申し分なかった。そして打球はバックスクリーンへ。これが今季第1号、そして貴重な3点目になる本塁打となった。そしてその本塁打をきっかけにさらにこの回2点を追加した法大。見事1番打者として求められる攻撃の火付け役となった。岡田悠の躍動はこれだけでは終わらない。6回の第4打席には左前打を放ち出塁すると、すかさず二盗を決め、得点にこそ至らなかったが好機を演出した。
終わってみれば2安打1打点とチームの今季3勝目に大きく貢献。見事に今季初の1番としての役割を果たしたと言っていいだろう。
2季連続の本塁打を放った岡田悠。今季は残すところ東大戦のみだが、この本塁打をきっかけとし、最後の最後に猛打を見せつけてくれるに違いないはずだ。
(大井涼平)
選手インタビュー
三浦銀二 主将
ー今日の試合を振り返って
終始いい雰囲気で試合ができたと思います。
ー昨日の試合よりもベンチに一体感があるように感じました
とても一体感がありました。
ー明大との2連戦を振り返って
初戦は負けてしまいましたが、借りは返せたと思います。
ー次のカードの対戦相手である東大の印象は
乗せると怖いチームなので法政のペースで試合をできたらいいなと思います。
ー次のカードに向けての意気込みをお願いします
このいい流れのまま次戦も勝てたらいいなと思います。
後藤克基 副将
ー今日の試合を振り返って
序盤からバットも振れており良かったと思います。
ー今日の調子は
変わらず良かったと思います。
ー5回の適時打の感触は
追い込まれていたのでなんとか食らいついたという感じでしたが良いところに飛んでくれて良かったです。
ー今日のチームの雰囲気は
昨日に比べても良くしっかりと全員で勝負できていたと思います。
ー東大戦に向けて
自分たちのできることをしっかりして勝ち切りたいと思います。
岡田悠希 副将
ー今日の調子は
普通でした。
ー1番に入ったことで気持ちの変化は
諸橋の分まで頑張ろうと思いました。
ー本塁打の感触は
芯に当たったのでいったとおもいました。
ー最終カードへ向けてひとことお願いします
2試合勝ちます。
山下輝 投手
ー今日の調子は
良かったです。
ーバッテリーでの事前の打ち合わせは
押せ押せでいくことでした。
ー序盤は際どい判定が多かったが
勝てたので良かったです。そういう時もあります。
ー終盤にかけて疲れは
全然平気でした。
ー好投の要因は
野手の打撃と守備のおかげです。
ー東大戦へ向けて
2連勝します。
中原輝也 内野手
ー今日の試合を振り返って
法政らしさが出た試合でした。
ー試合前の調子は
あんまりいい感触はなかったので心配でした。
ー今日は3安打の活躍でした
そうです。ありがとうございます。
ー昨日の試合を踏まえて何か調整したことは
インコースのバットの出し方です。
ー4回の適時打の感触は
芯に当たっていい打球が行くほどの感触は無かったです。
ー次戦に向けて意気込みをお願いします
後のカード2連勝できるように頑張ります。
海﨑雄太 内野手
ー今日の試合を振り返って
序盤から法政のペースでいい試合運びができたと思います。
ー2回表、先制の場面はどのような気持ちで打席に入ったか
考えすぎずにシンプルにいこうと気負わずに打席に入りました。
ー開幕からスタメンで出続けているが
毎試合変わらず自分のできることを全力でやろうと思っています。
ー今季ここまであまり当たっていなかったが今日は2安打・2打点。調子は上がってきているか
調子の良し悪しはあまり考えずに常にフラットな気持ちで打席に入っています。
ー今季は試合の中で華麗な守備が多く見られるが、守備に入る際に意識していることは
打者一人一人、一球一球に集中することです。
ー東大戦に向けて一言お願いします
チーム全員で2試合とも勝ち切りたいと思います。