東京六大学野球2021春季リーグ戦 第7週 東大2回戦
2021年5月23日(日)
神宮球場
7季ぶりの悪夢となった東大2回戦は、得点力不足にあえいだ今季を象徴するような試合だった。先発の山下輝(営4=木更津総合)は2回に先制を許すと、4回にも自身の失策から失点。一方の打線も東大3投手の継投リレーを前に散発4安打に終わり、無得点で完封負け。今季最終戦を黒星で終えた。17年秋に続き、またしても法大が東大の連敗を止めてしまった。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 1 |
東 大 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 2 | 6 | 1 |
(東大)○奥野、西山、井澤—松岡泰
(法大)●山下輝、平元、古屋敷—大柿
[本塁打] なし
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (8) | 岡田悠 | 3 | 1 | 0 | .278 | 四球 | 遊飛 | 三振 | 右安 | |||||
2 | (7) | 宮﨑 | 3 | 0 | 0 | .182 | 捕犠 | 一ゴ | 右飛 | 右飛 | |||||
3 | (4) | 齊藤大 | 3 | 1 | 0 | .342 | 三振 | 左飛 | 中安 | 四球 | |||||
4 | (9) | 小池 | 3 | 1 | 0 | .235 | 三振 | 左2 | 四球 | 中飛 | |||||
1 | 古屋敷 | 0 | 0 | 0 | 1.00 | ||||||||||
5 | (3) | 後藤 | 4 | 0 | 0 | .214 | 三振 | 中飛 | 三振 | 中飛 | |||||
6 | (5) | 中原 | 4 | 1 | 0 | .333 | 遊ゴ | 右2 | 遊ゴ | 右飛 | |||||
7 | (2) | 大柿 | 3 | 0 | 0 | .176 | 遊ゴ | 遊ゴ | 三振 | ||||||
H | 諸橋 | 1 | 0 | 0 | .400 | 遊ゴ | |||||||||
8 | (6) | 松田 | 2 | 0 | 0 | .143 | 二飛 | 遊ゴ | |||||||
6 | 海﨑 | 1 | 0 | 0 | .172 | 右飛 | |||||||||
9 | (1) | 山下輝 | 1 | 0 | 0 | .200 | 三振 | ||||||||
H | 野尻 | 1 | 0 | 0 | .000 | 右飛 | |||||||||
1 | 平元 | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
H | 高田 | 1 | 0 | 0 | .143 | 左飛 | |||||||||
9 | 神野 | 0 | 0 | 0 | .167 | ||||||||||
計 | 30 | 4 | 0 | .234 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
山下輝 | 4 | 46 | 17 | 5 | 2 | 1 | 2 | 2.25 |
平元 | 3 | 40 | 10 | 1 | 6 | 0 | 0 | 0.00 |
古屋敷 | 1 | 14 | 4 | 0 | 1 | 1 | 0 | 4.50 |
計 | 8 | 100 | 31 | 6 | 9 | 2 | 2 | 2.28 |
ベンチ入りメンバー
10 | 三浦銀二(キャ4=福岡大大濠) | 32 | 大柿廉太郎(法3=健大高崎) | 7 | 諸橋駿(法4=中京大中京) |
11 | 平元銀次郎(営4=広陵) | 2 | 中原輝也(人4=尽誠学園) | 8 | 宮﨑秀太(営3=天理) |
15 | 石田旭昇(文3=東筑) | 4 | 齊藤大輝(人3=横浜) | 9 | 神野太樹(キャ4=天理) |
18 | 古屋敷匠眞(営4=八戸工大一) | 5 | 松田憲之朗(キャ3=龍谷大平安) | 25 | 野尻幸輝(営3=木更津総合) |
19 | 扇谷莉(営3=東邦) | 6 | 佐野瞭太(人4=法政二) | 28 | 樺嶋竜太郎(人3=福岡大大濠) |
21 | 山下輝(営4=木更津総合) | 31 | 海﨑雄太(文3=埼玉栄) | 34 | 大本遼(経4=掛川西) |
22 | 後藤克基(法4=滋賀学園) | 36 | 高田桐利(営3=広陵) | 38 | 田中悠我(キャ3=帝京) |
23 | 舟生大地(文4=日大山形) | 1 | 岡田悠希(人4=龍谷大平安) | ||
27 | 村上喬一朗(法3=東福岡) | 3 | 小池智也(営4=八戸学院光星) |
戦評
昨日は終盤に打線がつながり、齊藤大輝(人3=横浜)の満塁本塁打などで10得点を挙げた法大。春季リーグ最終戦は、法大・山下輝(営4=木更津総合)、東大・奥野雄介の両先発で幕を開けた。
1回表に岡田悠希(人4=龍谷大平安)が四球で出塁すると、幸先良く1死三塁の好機をつくる。しかし、後続が二者連続三振に倒れ無得点に終わった。先制したのは東大。2回裏、先発・山下輝は2死から死球と盗塁でピンチを招くと8番・松岡泰希に右前適時打を浴び、先制を許してしまう。
追いつきたい法大は、3回表に2死から4番・小池智也(営4=八戸学院光星)がチーム初安打となる二塁打を放つ。しかし、あと一本が出ずまたもや得点機を生かせない。
4回表も1死一、三塁のピンチを招くと、途中出場の7番・阿久津怜生の投ゴロの間に三塁走者が生還し、2点目を奪われた。その後もピンチが続いたが、後続を抑え1失点でこの回を切り抜ける。山下輝は4回2失点被安打5でマウンドを降りた。
5回裏、2番手・平元銀次郎(営4=広陵)が今季2登板目のマウンドに上がった。今日の平元は、チームの重い雰囲気を感じさせない堂々の投球を披露。持ち前の変化球が冴え渡り、3回を投げ6奪三振。平元の好投が東大から流れを奪い取るかと思われたが、6回と8回の再三の得点機を法大は生かせなかった。
8回裏、3番手として登板した古屋敷匠眞(営4=八戸工大一)が先頭の1番・水越健太に四球を与えるなど、1死三塁のピンチを迎える。しかし、クリーンアップを抑えて9回の攻撃につなげた。
無得点で最終回を迎えた法大。最終回の攻撃に望みをかけたかったが、8回から登板した東大のエース・井澤駿介を前に得点を挙げられず。最後の打者となった諸橋駿(法4=中京大中京)が遊ゴロに倒れ、ゲームセットとなった。
今日の法大は3人の東大投手陣を前に4安打完封負け。なかなか得点機を作ることができず、また得点機ではあと一本に泣いた。三浦銀二(キャ4=福岡大大濠)の無安打完投勝利(ノーヒット・ワンラン)で始まった春季リーグ戦は、東大に屈辱の黒星という形で終了した。
東大の最後の勝利は2017年秋の法大戦。そこから東大は3分けを含む64連敗。東大に7季ぶりの勝利を献上してしまった。
勝負の世界では必ず勝者と敗者がいる。しかし、今日の1敗ををただの敗戦試合として終わらせてはいけない。この敗戦をどう捉え、成長できるか。この悔しさを胸に、秋に強くなって神宮に戻ってくる法大ナインに期待したい。
(記事:閏間咲稀、写真:五嶋健、大井涼平)
クローズアップ:平元銀次郎
前回登板は4月18日の立大2回戦。1ヶ月ぶりの登板は奇しくも2点ビハインドの緊迫した場面。「やれることをやろう」とマウンドに上がった平元銀次郎(営4=広陵)は、圧巻の投球を披露した。
代わった5回表は、4回までに5安打を放った東大打線を三者凡退に抑える。6回は初のイニングまたぎの投球となったが、持ち前の縦のカーブで空振り三振、直球で見逃し三振を奪った。
今日の平元は、得点圏に走者を置いても冷静だった。7回に初出塁を許したが、最後もカーブで三振を奪いピンチを脱した。
平元は3回1安打6奪三振の好投。今日の投球について「たまたまです」と振り返るが、試合中盤に希望の光が見えたことは言うまでもない。
しかし、平元の奪三振ショーに沸いたのはわずか一瞬。この好投がチームに勢いを与えるかと思われたが、東大優勢の中で平元の好投は報われなかった。
「投げるイニングが少なくて悔しかった」と平元。ラストシーズンとなる来季こそ悔いを残さず、今日のような圧巻の投球を見せ続け有終の美を飾ってほしい。
(閏間咲稀)
選手インタビュー
三浦銀二 主将
ー今日の試合を振り返って
実力不足です。
ー終盤にかけて球場も東大ムードでした。その中でベンチの雰囲気は
悪くなかったです。
ー今季を振り返って
チームとして機能してない部分がありました。
ーチームの課題は
得点力です。
ー来季に向けてひとことお願いします
優勝します。
岡田悠希 副将
ー今日の試合を振り返って
自分が打っていれば勝てたので悔しいです。
ー8回の打席(右前安打)について
特にありません。
ー今季の個人の成績について
自分が想像してた結果と違いすぎて悔しいです。
ーリーグ戦を総括して
悔しいリーグ戦でした。
平元銀次郎 投手
ー今日の試合を振り返って
悔しいです。
ーどんな気持ちでマウンドに向かったか
やれることをやろうと思いました。
ーリーグ戦で初のイニングまたぎでした
何も思いません。
ー3回5奪三振でした
たまたまです。
ー終始落ち着いているように見えたが
投げるイニングが少なくて悔しかったです。練習します。
山下輝 投手
ー今日の調子は
まあまあです。
ー春季で得た収穫は
沢山の課題が出たことです。
ーこの負けを生かすためには
夏、死ぬ気で練習します。
ー秋へ向けて
必ず優勝します。
中原輝也 内野手
ー今日の試合を振り返って
悔しいです。
ー最終戦に向けた準備は
いつも通り変わりません。
ー5回の二塁打の感触は
真っ直ぐ張りの変化(球)だったのでうまく力が抜けて打てました。
ー今季を振り返って
いい面も悪い面も全て出たシーズンでした。
ーリーグ戦を通して、個人として成長したことは
力の入れどころ抜きどころ。
ー個人の課題は
確実性です。
ー来季に向けて意気込みをお願いします
強いチームじゃなく勝てるチームになります。
小池智也 外野手
ー今日の試合を振り返って
悔しいです。
ー4回にはチーム初安打を打ったが感触は
なんとか塁に出ようと思った結果がヒットにつながりました。
ー全試合スタメン出場を果たしたが
結果が出ない時もずっと起用してくれた監督に感謝したいです。
ー試合を追うごとに三振が少なくなっていったが意識したことは
何としても塁に出る気持ちを持ちました。
ー今季見つかった課題は
勝負強さ、チャンスで打てる打者にならないといけないと凄く感じました。
ー夏に取り組みたいことは
また一から全てを考え直してやっていきたい。
ー来季に向けて一言
必ず優勝します。