【フィギュア】第90回全日本選手権大会　女子SP　渡辺倫果出場　SPは今季最高点！満面の笑みでガッツポーズ！

戦評

渡辺倫果（通経１）

自身4回目となる全日本選手権。昨年の渡辺はSP27位で、FSには進めず悔しい結果に。今年は出場予定だったユニバーシアード中止の知らせを受け、急遽全日本選手権へ照準を当て調整してきた。オリンピック最終選考会である今大会。注目選手が次々登場し、緊張感が高まる中、最終グループ1番滑走で渡辺は登場した。

最初のジャンプである２アクセルは、３アクセルを練習しているため高さと幅に余裕がある着氷となった。続く３ルッツ+３トウループは東日本選手権で失敗したジャンプだ。前回の反省点を活かし、直前の6分間練習では入念にジャンプの入りを確認していた。その成果が出て、加点の付く綺麗な仕上がりに。渡辺の顔からは笑顔があふれ、最後の3ループも流れに乗って華麗に成功。スピン・ステップも全てレベル４を取り、演技直後にはガッツポーズも飛び出した。結果は、65.07で全体8位。去年の悔しさをバネに、見事FSへ駒を進めた。

(写真・記事/佐々木みのり)

インタビュー

―SPを振り返って
去年の悔しい思いから、不安になる時期もあったんですけど、それ以上に自分の練習とかやってきたことを信じてきました。本当に良いイメージで会場に入って、良いイメージで演技をすることができたので、悔しい気持ちが晴れました。FSでは３アクセルなども含めてノーミスを目指しています。自分の演技・味を忘れずにお客さんに楽しんでもらえればと思っているので、またFSも頑張っていきたいです。

―ユニバーシアードが無くなってから、全日本選手権に向けてどのように気持ちを切り替えましたか
自分は最初(ユニバーシアードが中止になったことを)知らなかったのですが、SNSで流れてきて知りました。99％ユニバーシアードに行って、残りの１％で何かあった場合に全日本選手権に出られる、99％全日本選手権には出られないという考えでした。一週間ほど早く調整、体調管理などをしたのにも関わらず、中止のお知らせを聞いた夜は一晩中泣いてしまいました。ですが、色んな人が声をかけてくれました。中でもお知らせを聞いた次の日に、中庭先生が私のことを思って悔しいねとかは何も言わずに、「全日本選手権で暴れればいいじゃん」と言ってくださったので、気持ち的に楽になりました。本当に先生にたくさん助けられてきて、悔しい想いもたくさんあったんですけど、それよりも全日本選手権で良い演技をする、自分の演技をお客さんの前で見せるという楽しみのほうに切り替えて、全日本選手権に向けて調整することができました。

―最後にFSに向けて目標を
３アクセルが日に日に(成功する)確率が上がってきています。初めてを客さんの前で決めたいという気持ちもありますし、この大会で決めれば全日本選手権で３アクセルを初めて決めたということになるので、そうなれば嬉しいと思います。３アクセルにこだわり過ぎず、でも３アクセルにこだわってノーミスを目指して頑張りたいなと思っています。