新主将インタビュー
2022年10月11日(火)
悔しくもシード権を逃したインカレから1カ月。「男女シード奪還」を新たに目標に掲げ、新チームとしての活動も軌道に乗り始めた。1年間、主将を務めることになった西田大晟選手に話を伺った。
記事
西田大晟 主将
この夏、チームが味わった落胆は今でも忘れられない。西田大晟・新主将は「一番お世話になった4年生の先輩方に嬉し涙で終わって欲しかったのに、それができなくて悲しかった」。男女ともにシード落ち。「悔しがる4年生の姿を見て、来年は倍返ししてやろう、良い意味で驚く結果を残してやろう」と心に決めた。
インカレの個人成績を振り返ると、男子で実際に得点を稼ぐことができたのは山尾、神、荻野、丹保の4名。上位校との総合力の差が浮き彫りになった。「もっとワンチームで戦わなくては、一つのチームとしての一体感を出さなくては」と西田は感じた。
その切なる願いは、新たに掲げたスローガン『STRONG REVIVAL.』にも表れている。「今後10年とか長い目で見た時にまた法政に黄金期がやってきてほしい。強い法政を僕らの代から取り戻す」。選手らが共同生活を送る寮のエントランスには過去に総合優勝を達成した際の賞状が展示されているという。悔しさを心に留め、挑戦者として栄光への道筋を切り拓く意志を込めた。
個人としても、大学ラストイヤーで再起を図る。今年は4月に200m自由形で日本選手権初出場、6月には400m自由形で自己ベストを更新。夏に向けて順調に歩みを進め、「これまでよりも懸けていた」が2種目で予選敗退に終わった。やってきたことに間違いはなかった。ただ、実力を発揮できなかった。最後のインカレでは「200m自由形と800mフリーリレーでA決勝に残ってチームに貢献したい」ときっぱり。
新チーム発足から1ヶ月。主将の立場となり、「チームのことを優先して考えるようになった」という。「僕としては何よりも、このチームが優秀の美で締めくくることができれば幸せなので」。1年後必ずや仲間たちと、今年とは違う涙を流したい。(根本成)
選手インタビュー
西田大晟 主将
ー インカレの個人種目のレースを振り返ってどのように感じてますか
僕が目指していた目標には届かなかったので、悔しい気持ちでいっぱいです。今年は得点を獲ることを目標にしていました。実際の結果と自分のベストを照らし合わせると、ベストを出していれば達成できていたので、実力を出せなかったことが悔やみます。直前にコロナが流行り100%練習ができていたわけではありませんでした。そういった意味で複雑な思いがあります。
ー 春先は日本選手権に出場したり、法明立の400m自由形でベストを更新したりと力を伸ばしている印象でした
今年はベストを更新しながら、比較的順調にインカレに向かって練習が積めていました。シーズンを通して上手くいっていて、僕的にも3年目はこれまでよりも懸けていたので、結果を残せなかったのは心残りです。
ー 順調に力を伸ばせた要因は
1、2年生の頃は試合で安定して成績を残せず、調子に波がありました。今年は大きく変えたことはありませんが、普段の練習から調子の波を抑えることを意識してできていたので、春先上手く泳ぐことができていました。
ー インカレでは男女ともにシード権を落とす結果になりました
1、2年生の時に感じた4年生に対する思いと、今年最上級生の1つ下の学年の立場で感じた4年生に対する思いには違いがありました。自分はリレーにも出場させて頂きましたが、本来なら引っ張る立場でなければいけないのに、流れを作ることができなくて、1番お世話になった4年生の先輩方に嬉し涙で終わって欲しかったのに、それができなくて悲しかったです。
ー 次期主将の立場としては最終日が終わった時どんな気持ちが湧いてきましたか
シード落ちが決まった時は他に何も考えられないくらい悔しかったです。悔しがる4年生の姿を見て、来年は倍返ししてやろう、良い意味で驚く結果を残してやろうという気持ちが湧いてきました。
ー 西田選手はどんな主将になっていきたいですか
もちろん結果でも普段の練習でも背中で率いていきたいと思っています。それに加えて、チームから「あいつなら大丈夫だろう」と僕に対して信頼してもらえるような主将を目指していきたいです。
ー 新チームのスローガンに込められた思いを改めて教えて頂けますか
『STRONG REVIVAL.』は僕の方から提案させて頂きました。今年100周年を迎えた水泳部は、過去にインカレ総合優勝を達成していて、その時の写真や賞状は寮に飾ってあります。そういったものを見ると自分たちの代でも総合優勝を達成したいという気持ちが湧いてきますが、シード落ちをしている今の状況では現実的な話ではありません。ですが、今後10年とか長い目で見た時にまた法政に黄金期がやってきてほしいなと僕は感じて、僕たちの代から黄金期の道筋が始まったと後々言ってもらえるように、強い法政を僕らの代から取り戻すんだという思いを込めてこのスローガンにしました。
ー 西田選手自身は、最後の1年間どういった目標を立てましたか
僕は200mの自由形がメインの種目になります。来年のインカレでA決勝に残ってチームに貢献することが1つの目標です。もう1つは800mフリーリレーで僕が流れを作ってチームをA決勝に導けるようにしたいと思っています。
ー その目標を達成するために必要なことは
僕は比較的後半型のタイプなので、今は前半で遅れをとってしまうことがあります。来年に向けてはスピードを強化して、周りに遅れをとった状態で後半を迎えるのではなく、前半から勝負に絡んでその上で持ち味の後半の泳ぎが出せるようにしたいです。
ー 大学ラストイヤーどんな1年にしていきたいか意気込みをお願いします
主将という役職に就いてからは、個人のことよりもチームのことを優先して考えるようになりました。もちろん、個人の結果も大事にしたいですが、僕としては何よりもこのチームが優秀の美で締めくくることができれば幸せなので、主将としてチームのことを第一に思って活動していきたいです。