【バドミントン】第75回全日本学生大学対抗戦 女子 激戦の末、準優勝で大会を終える

バドミントン

2024年11月15日(金)〜17日(日)
ALSOKぐんまアリーナ

王者奪還を目指し、全日本学生大学対抗戦(インカレ)に臨んだ女子団体。1回戦、2回戦、3回戦はメンバー全員で戦い抜き、危なげなく駒を進める。迎えた準決勝の相手は筑波大。関東リーグでは五部五部の成績だが、ここではチームの底力を見せ勝利を収めた。決勝では西の強豪・龍谷大と接戦を演じるも、勝ち切ることができず敗戦。準優勝で今大会の幕を下ろした。

試合結果

詳細結果

試合 対戦校 試合詳細(後者が対戦相手)
1回戦 安田女子大 S1○中澤里奈 2-0 上原真姫(21-10、21-10)
S2●櫻井理湖 0-2 宮里紗羽(16-21、18-21)
D1○竹澤みなみ・橋村羽奏 2-0 田中咲桜乃・藤川由梨奈(21-5、21-6)
D2○森山紗帆・上岡美月 2-0 上原・宮里(21-11、21-16)
S3  内田 – 藤川
2回戦 立教大 S1○内田美羽 2-0 長谷川未来(21-7、21-11)
S2○八木美帆 2-0 鈴木優芽亜(21-16、21-15)
D1●森山紗帆・上岡美月 0-2 長谷川・鶴田彩乃(16-21、18-21)
D2○竹澤みなみ・橋村羽奏 2-0 佐藤陽菜・森川すみれ(21-15、21-13)
S3  中澤里奈 – 福田眞由子
3回戦 九州国際大 S1○内田美羽 2-1 石崎明衣(21-5、16-21、21-19)
S2○八木美帆 2-1 松本柚希(18-21、21-13、21-14)
D1●森山紗帆・上岡美月 0-2 川島菜々・八色舞(18-21、16-21)
D2○竹澤みなみ・橋村羽奏 2-0 石崎・松本(21-15、21-14)
S3  中澤里奈 – 川島(7-6)打切り
準決勝 筑波大 S1○内田美羽 2-0 長廻真知(21-19、21-17)
S2○八木美帆 2-1 青木もえ(9-21、21-12、21-12)
D1○竹澤みなみ・橋村羽奏 2-0 神山和奏・須﨑沙織(21-19、21-18)
D2●森山紗帆・上岡美月 0-2 中原鈴・広瀬未來(8-21、9-21)
S3  竹澤 – 須﨑
決勝 龍谷大 S1○内田美羽 2-0 小林優花(21-18、21-8)
S2○竹澤みなみ 2-1 中出すみれ(21-17、16-21、21-16)
D1●森山紗帆・上岡美月 0-2 竹内真那・藤井史穂(12-21、11-21)
D2●竹澤・橋村羽奏 0-2 中出・田邉裕美(17-21、19-21)
S3●八木美帆 1-2 金廣真季(7-21、21-13、13-21)

 

戦評

決勝・龍谷大戦

前日の勢いそのまま迎えた決勝の相手は、近年勢いを増す龍谷大学。最終日は決勝しか行われないため、前日にベスト8が確定した法大男子も応援に駆けつけた。

チームを勢いづける一本を取った内田

チームを勢いづける一本を取った内田

第一シングルスは内田美羽(営4)が出場。対戦相手には今年のインカレ女子シングルスで優勝した小林優花を迎えた。第一ゲームは一進一退の攻防が続き、内田は時折苦しそうな表情を浮かべたが、最後は緩急をつけたショットで相手を翻弄し21-18でこのゲームを先取する。第二ゲームは、そのまま勢いに乗りストレート勝ちを喫した。

隣のコートで同時進行で行われていた第二シングルスには、竹澤みなみ(国1)が出場。相手のミスを誘い出すプレーで得点を重ねていく。相手も負けじと猛攻を仕掛けるため点差は開かなかったが、最後は連続得点で第一ゲームを勝利で終える。第二ゲームは先程ギリギリで粘ったところを押され、あと一歩のところでこのゲームを明け渡した。後がない第三ゲーム。序盤は第二ゲームの流れをそのままに相手ペースで試合が進んだが、9-9で追いつき逆転すると、一気に竹澤が流れを掴んだ。観客全員が固唾を飲んで見守る中、最後は冷静に仕留め21-16で勝利を収めた。

ダブルスで健闘を見せた森山

ダブルスで健闘を見せた森山

続く第一ダブルスでは、森山紗帆(人4)・上岡美月(人3)ペアが粘り強い試合を展開した。試合は押され気味で進むも、甘くなった球を見逃さず堅実に得点を重ねる。しかし、シャトルがラインを越えるミスが続き第一ゲームを落とすと、第二ゲームも一度開いた点差を縮めることができず敗北。

勝敗がかかった第二ダブルスと第三シングルスは、ほぼ同時でスタートとなった。最初に試合が終わったのは、竹澤・橋村羽奏(経1)の一年生ペアが躍動を見せた第二ダブルス。相手は今年のインカレ女子ダブルスで竹澤・橋村ペアを破った筑波大のペアに勝利し、準優勝を果たした中出・田邉裕美ペア。竹澤は中出と本日2度目の対戦となった。第一ゲームは、強気なプレーが魅力の竹澤・橋村ペアらしく果敢に攻撃を仕掛ける。しかし、ネット際の駆け引きで負けるシーンが続きこのゲームを落とす。第二ゲームも、文字通りの激しい撃ち合いを見せるも、最後は小さなミスが重なり、19-21で試合終了。勝利を手にすることはできなかった。

一年生ながら重役を担った八木

一年生ながら重役を担った八木

その頃、八木美帆(人1)が出場した第三シングルスは第三ゲームに突入していた。第一ゲームでは、緊張からか、いつものようなプレーを見せることができずコーチから「昨日を思い出せ、リラックス」と声がかかっていた。第一ゲームは落としてしまうが、第二ゲームは打って変わって八木のペースで試合が進んだ。序盤から攻めた姿勢で得点を重ねると、8-511-6とそのままリードを守り、第二ゲームを獲得した。そして迎えた第三ゲーム。この時点で法大と龍谷大のスコアが2-2で並んでいたため、第三ゲームを獲得した方の勝利が確定していた。7-17の土壇場から3連続得点をし、八木が流れを手繰り寄せたかと思われたが、初優勝がかかった龍谷大の底力に押され、最後は点差を離され13-21で敗北を喫した。

選手インタビュー

内田美羽 主将

―インカレでの自分のプレーを振り返って
インカレの個人戦では優勝目指してた中で3回戦負けですごい悔しい思いをしたんですけど、今回の団体では今までやってきたことを全て出し切って、結果的に準決の筑波大戦ではインカレ2位の選手を倒して、決勝でもインカレ優勝した人を倒したので自分的にはよかったなって思います。

―決勝の龍谷大戦のチームとしての出来を振り返って
本当に今までこの大会を迎えるのでいろんなことがあったんですけど、やっぱり最後の一体感だったり、みんなが全力で応援してて、選手も全力で頑張ってて、そういう姿を見てるとほんとにもうそれでよかったと思います。

―2年前のインカレ団体優勝した時と、現在の試合に対する気持ちの変化は
その時はやっぱりチャレンジャー精神が自分の中でも強くて、下級という立場で自分だけのことに集中して、自分が1本取るっていう気持ちが強かったんですけど。最後のインカレは主将としてもそうだし、エースとしてもプレッシャーもあったんですけど、自分が絶対1本撮るのも大事だけど、その中でもチームのことを考えて、チームのみんながどうやったら気持ちよく試合できるかとか、一体感作れるかとか、そういう周りを見るところに対する意識は、今回はすごく大きかったなって思います。

―後輩へのメッセージをお願いします
自分と森山以外全員3年生以下が出てたオーダーなので、本気で日本一目指せば来年は取ってくれると思うので、 また新しいキャプテンで新しいチームの元で、みんなで頑張ってほしいなと思います。


主将として、エースとして、法大を背負って戦った内田
苦楽を共にした四年生との一枚(左から、森山、内田、櫻井理湖(国4)、堤みほろ(理4))

竹澤みなみ 選手

―シングルスとダブルスで出場した龍谷大戦を振り返って
シングルスは2面展開で、最初は次の試合に流れを持って行かないといけない、そういうプレーをしなきゃいけないって入る前から思っていて。いざ1ゲーム取って、2ゲーム取られて、ファイナルは出だし負けてたんですけど、やっぱり観客席からはみんな応援してくださったので、その応援の力で結果的にシングル1本取れたので、それで流れを作れたのはよかったです。第2ダブルスは相手は格上のペアで、去年インカレ優勝してて、今年もインカレ準優勝してるペアだったので、向かって行く気持ちだけだったんですけど、やっぱり最後負けてしまって、チームの負けに繋がってしまったんですけど、1年生から出させてもらってたので、すごいいい経験になったと思います。

―シングルスとダブルスの連戦に疲れはあったか
疲れがないわけないんですけど、でもやっぱりチームのために勝ちたい気持ちが強くて、やっぱアドレナリが出ていて疲れが吹っ飛ぶ感じでできたので感じなかったです。

―部員や父母からの応援は力になったか
きつい時、負けてる時でも、上から声聞こえたり、後ろから先輩たちが声かけてくれたおかげでシングルスは勝てたし、応援はすごい力になりました。

―来年への意気込みを教えてください
今年優勝できなかったので、 内田先輩っていう確実な1本をとってくれる先輩がいなくなっても、それを補ったチーム力で、 私も2本、団体ではシングルスとダブルスで確実にとって、来年のインカレ優勝に導けたらなって思います。


喜びをあらわにする竹澤
大活躍を見せた一年生ペア(左から、竹澤、橋村)

(記事・写真:石橋知花、大草拓馬、山口晴暉)

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