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【バドミントン】第74回全日本学生選手権 団体戦 女子 準決勝で明大に惜敗し、インカレ連覇は叶わず

バドミントン

【バドミントン】第74回全日本学生選手権 団体戦 女子 準決勝で明大に惜敗し、インカレ連覇は叶わず

2023年10月7日(土)、8日(日)
稲永スポーツセンター、パロマ瑞穂アリーナ

昨年、9年ぶり4回目の優勝を果たし、ディフェンディングチャンピオンとして全日本学生選手権(インカレ)に臨んだ女子。1回戦、2回戦をストレートで勝ち上がると、3回戦では東日本学生選手権(東日本インカレ)準優勝の北翔大にも勝利し、今年もベスト4に進出。準決勝の明大戦は5番手までもつれたが、惜しくも敗戦。目標としてきたインカレ連覇は成らなかった。

試合結果

詳細結果

試合 対戦校 試合詳細(後者が対戦相手)
1回戦 松山大 S1〇内田美羽 2-0 伊藤るな(21- 7、21- 3)
S2○櫻井理湖 2-0 大森星空(21- 9、21-12)
D1○三輪朋香・牧野美涼 2-0 大森・伊藤(21-12、21- 7)
2回戦 早大 S1○内田 2-0 宇都智加(21-15、21-19)
S2○宮﨑淳美 2-0 岡本萌奈未(21-18、21-19)
D1○三輪・牧野 2-0 石橋結子・尾﨑羽音(21-10、21- 8)
3回戦 北翔大 S1○内田 2-0 高橋沙弥(21-12、21-16)
S2●宮﨑 0-2 江見日和菜(17-21、19-21)
D1○八角実侑・堤みほろ 2-0 高橋・深田百香(27-25、21-17)
D2○宮﨑・三輪 2-0 甲斐穂野香・竹澤知穂(21-12、21-13)
準決勝 明大 S1○内田 2-0 高橋千夏(21-18、21-12)
S2●中澤里奈 0-2 杉山凛(18-21、18-21)
D1●八角・堤 0-2 中村優希・本田胡桃(17-21、16-21)
D2○三輪・牧野 2-0 松元みなみ・宮下彩奈(21-13、21-11)
S3●宮﨑 1-2 田代葵楓(21-15、24-26、17-21)

 

戦評

インカレ2連覇に向けて幸先の良いスタートを切りたい初戦の相手は松山大。
第1シングルスは、内田美羽(営3)が有無を言わさぬ試合運びで快勝を収めた。第1ゲームは序盤から相手の甘い返しを逃さず決定機に変え、好スタートを決める。着実に得点を重ねていき、21-7で勝利を収める。続く第2ゲームは、インターバルまでに8点のリードを奪い、11-3で折り返す。その後も緩急を使い分けたショットで相手を動かし、追加点を許さず、21-3で圧倒的な力を見せつけた。
第2シングルスは櫻井理湖(国3)が起用された。第1ゲームは序盤、ペースを掴めず相手に連続得点を許す。しかし、6-6で追いつくと主導権を奪い取り、11点を先取する。その後も得点を重ね、21-9でゲームをものにする。第2ゲームは、第1ゲームの流れをそのままに、冷静に相手のミスを誘う。最後まで安定したプレーを見せ、21-12でストレート勝ちを収めた。

第1ダブルスは三輪朋香(人3)・牧野美涼(営1)ペアが出場。第1ゲームは、力強いスマッシュと息の合ったコンビネーションで相手を引き離し、11-2でインターバルを迎える。相手の猛追に得点を許すも、リードは譲らず21-12で勝利を収める。続く第2ゲームは、相手の隙をついたショットが光った。緩急をつけたラリーでゲームを思いのままに動かし、21-7で試合を終えた。

2回戦の相手は早稲田大学。今秋関東2部リーグで優勝し、勢いそのまま入れ替え戦も制し1部復帰を決めた難敵である。
第1シングルスは内田が先陣を切る。第1ゲームは相手を前後に揺さぶり翻弄。中盤に大きく点差を広げる。終盤に連続失点もあったが危なげなく先取する。第2ゲームはいきなりスーパーレシーブが飛び出すなど主導権を握る。しかし徐々に慣れてきた相手のネット際のショットに苦戦もみられたが、最後は力を見せつけ、21-19でストレート勝ち。
第2シングルスは主将の宮﨑淳美(営4)が登場。第1ゲームから互いに点を取り合う、1歩も引かない激しいラリーが続く。なかなか点差を広げられない苦しい展開も、強烈なスマッシュや技ありのショットが決まり流れをつかみ21-18で先取。さらに第2ゲームも一進一退の攻防が続くも、相手を前後左右に揺さぶりミスを誘う。17-19の劣勢からスマッシュで19-19の同点に追いつくと、さらに相手のショットはアウトとなりマッチポイント。最後は相手の届かないラインギリギリに決め切り接戦をモノにし王手をかける。
第1ダブルスは、三輪・牧野ペアが活躍を見せた。第1ゲームは、序盤から息の合ったプレーを見せ、試合の流れを引き寄せる。終始リードを保ったまま21-10で勝利を手にした。続く第2ゲームも、勢いそのまま着実に得点を重ねていく。返球の難しい力強いスマッシュで相手を翻弄すると、21-8でストレート勝利。2戦連続となる3連勝で続く3回戦に弾みをつけた。

3回戦の相手は北の強豪・北翔大学。東日本インカレでは関東の強豪を次々に破り準優勝に輝いている。
第1シングルスは、ここまで法大のシングルスで唯一フル出場の内田。第1ゲームは、コートの端から端まで相手を動かす多彩なショットを打ち分け、得点を重ねる。相手のミスや運も味方につけ、21-12と危なげなくゲームを収める。続く第2ゲームは、内田のミスで得点を与えてしまう場面も見られた。しかし、重要な局面ではショットの正確さとラリーの粘り強さを見せ、リードは譲らない。11-7でゲームを折り返すと、その後も順調に得点を重ね21-16で勝利を手にした。

第2シングルスは宮﨑が挑む。第1ゲームは相手の好プレーもあり点差を広げられる苦しい展開。前後左右に揺さぶられ、ミスも続きリズムに乗れない中でも、力強いプレーで流れを呼び込む。しかし序盤の点差が響き17-21で第1ゲームを落とす。続く第2ゲームは一進一退の攻防で点を取り合う。強烈なスマッシュや相手のミスを誘う多彩なショットで食らいつく。終盤まで接戦の互角の勝負も最後は相手のスマッシュが決まり19-21。悔しい今大会チーム初敗戦となった。
第1ダブルスは、八角実侑(人4)・堤みほろ(理3)が激戦を繰り広げた。第1ゲームの序盤、相手ペースで一気に畳み掛けられ、1-5と点差を広げられる。しかし、徐々に流れを掴み11-9でゲームを折り返す。その後は一進一退の攻防が続き、最後は長く続いたラリーからスマッシュを決め、デュースに突入した長期戦を27-25で勝ち取った。第2ゲームも押される展開となったが、体勢を崩しながらもシャトルを拾い、ラリーを続け、得点に繋げる局面が何度も見られた。この粘り強さが流れを引き寄せ、21-17でゲームは終了。北翔大戦の勝利に王手をかけた。

第2ダブルスは宮﨑・三輪ペアが躍動した。抜群のコンビの2人は序盤から相手を圧倒。宮﨑の好レシーブから甘くなった球を三輪が強烈なスマッシュで得点を重ね21-12で第1ゲームを奪う。続く第2ゲームも鉄壁のディフェンスからの強烈ショットは相手を苦しめる。互いに積極的に仕掛ける攻めの姿勢は最後まで崩れず。21-13でストレート勝利。
観客も息を飲むような緊張感のある熱戦を制し2年連続の準決勝進出。連覇へ負けられないプレッシャーを背負いながらも3連勝を収め、チームとしてより一層団結した。

法政大学バドミントン部女子団体史上初インカレ2連覇へ向け“あと二つ”と迫った中での準決勝。先月行われた秋季リーグで惜敗した明大との再戦となった。

第1シングルスはここまで無傷の仕事人・内田。序盤から明大・高橋千夏によるバック側をねらったショットに手を焼き、シーソーゲームを展開するもリードを奪い、第1ゲームを先取。第2ゲームはさすがの修正力を見せ、相手のミスショットを誘発し、ストレート勝ちを収めた。
第2シングルスを託されたのは今大会初出場の中澤里奈(営2)。序盤はクリアとカットを効果的に放ちリードする。相手の緩急のついたショットに翻弄されず、力強いスマッシュで押し返す。だが、終盤のミスショットが響き第1ゲームを落とし第2ゲームは相手に押し込まれ粘りを見せるが惜しくも敗戦。

第1ダブルスの八角・堤ペアは相手ペアとのドライブ合戦を演じ両者譲らぬ一進一退の攻防を繰り広げる。だが終盤に相手にたたみかけられ第1ゲームを落とす。第2ゲームも相手ペアのペースに飲み込まれまいと力強いドライブで応戦するもストレート負けを喫した。
第2ダブルスは三輪・牧野が登場。相手ペアが前後に揺さぶって陣形を崩そうと試みるも冷静沈着にゲームを進め、終始ゲームを支配し勝利を収める。法大女子団体の“屋台骨”ミワマキペアの活躍によりスコアを2-2とし、勝負のゆくえは第3シングルスに委ねられた。

勝負の第3シングルスは主将の宮崎と明大・田代葵楓の埼玉栄高の先輩後輩対決。
危なげなく第1ゲームを取り、第2ゲームもそれに続きたいところだったが中盤以降、田代が反撃に出る。宮崎は田代に追われるメンタル的にも苦しい展開。相手ボディを狙った素晴らしいスマッシュやクロスに鋭いスマッシュが何本も決まり第2ゲームはデュースにもつれ込む。だが手に汗握る展開を制したのは田代だった。振り出しに戻され迎えた最終ゲームは勢いに乗った田代を宮崎が止めることができず逆転負け。3位となり惜しくもインカレ団体2連覇とはならなかった。

主将・宮崎が最後まで部員や応援している人々の思いを背負って戦い、敗戦後にはコートに崩れ落ちた光景が印象的だった。敗れたものの後輩はその主将の姿を見てその意志を継ぎ、必ずや我々に成長した姿を見せてくれるに違いない。(記事・写真:石橋知花、矢吹大輔、山口晴暉)

選手インタビュー

宮﨑淳美 主将

―今大会を振り返って
昨年団体戦で優勝したこともあって2連覇というプレッシャーがキャプテンとしてもあったので、結果にこだわるというのもありましたけど、私自身学生最後のインカレで楽しもうということを第一に考えていたので、負けた試合もありましたけど最後まで楽しく試合をすることができて、4年間で一番良い大会だったなとは思います。

―インカレに臨むにあたって昨年との心境の違いは
去年は一個上の先輩がチームを引っ張ってくれていたので、私は団体戦で単複出るということで先輩のために一本できれば二本取って優勝に貢献したいという気持ちで、まだチームのことを考えることが少なかったのでちょっと気楽だったんですけど、今年はシングルスに専念するというのもあったんですけど大事なところでは単複兼ねて出るという形で、その二本を取るというのとチームのことも考えるというので、自分的には考えることも多くてでも試合には勝たないといけなくて結構気持ちに余裕のない部分があったのでかなり大変だったなと思います。

―足の状態はいかがでしたか
インカレの前にもう一度病院に行ったときにレントゲンを撮ったらまだ完治していなくて、でも痛みは結構減っていたのでもうこのまま行くしかないと思って臨みました。

―団体戦の準決勝は高校の後輩・田代選手との対戦でした
(第2ダブルスの)三輪・牧野が快勝してくれたのでその勢いに乗って第1ゲームは自分のペースで行けたんですけど、第2ゲームになって相手はまだ2年生ですけど4年生の思いを多分背負ってすごい力を出してきたので、それに対して自分がそれ以上の力を出し切れなくてその相手の勢いに呑まれてしまって最後押し切られてしまいました。後輩とかちょっと気にしちゃった部分があったので気持ちの部分で自分の方が弱かったなと感じます。

―個人戦の結果についてはいかがですか
実業団チームに就職するんですけど、その実業団ではシングルスをメインでやるということを伝えられています。監督からはシングルスでベスト8に入って全日本総合に出場しろと言われていたので、シングルスで結果を残せなかったのはすごく悔しいです。だけど、その分ダブルスで全日本総合に出場することができて、全国大会でダブルスでベスト4に入るのが初めてだったので素直にすごく嬉しいなと思います。

―主将を務めた1年間を振り返って
主将になって練習のことだったりチームの環境だったりをすごく考えることで、自分にこれが合っているのかとか皆どう思っているのかとかすごく不安になってちょっと同期に相談したりすることが多かったんですけど、同期もですし後輩も明るく接してくれたので自分なりに明るくチームをまとめるってことができたのかなって思いますし、そんなに良い結果は残すことができなかったんですけど、チーム力としてはどこにも負けていないんじゃないかなって思うので、良いキャプテンができたんじゃないかなって自分では思います。

―4年間を振り返って
高校で結果を残してそのまま大学1年目からインカレで上位を狙っていこうという気持ちだったんですけど、1年目はコロナで何もできなかったのでそれがやっぱりすごく悔しいなって思いますし、今自分が4年生になって1年生がインカレで結果を残しているのを見るとやっぱり悔しいなって思うので、大学4年間をコロナとかなく過ごしたかったなっていう気持ちはあります。それでも、卒業後に実業団に進めたっていうのはそのコロナ期間もトレーニングとか自分なりに頑張ってきた努力だと思うので、大学でここまで頑張れたっていうのはすごく自信になったので、そのまま実業団にも自信を持って進めるなっていう、自分なりに良かった4年間だったと思います。

―後輩へのメッセージを
インカレの団体戦終了後にも皆に伝えたんですけど、皆結構仲良いしすごく明るくて、昨日(10月24日)も練習に行ったんですけどやっぱりキャプテンの内田がすごく意識が高くて、あまり言葉では伝えないんですけど背中で後輩に見せているなっていうのがすごく伝わってきました。内田を筆頭にもっとチーム力を上げていって、内田は全国でも全然活躍する選手なのでその背中を後輩が見てもっとレベルアップしていけば必ず来年のインカレは優勝してくれると思いますし、男子も今年優勝して多分勢いに乗っているはずなのでアベック優勝もいけると思うので本当に応援しています。

三輪朋香

―インカレにはどのような気持ちで臨みましたか
自分の出る試合は必ず1本取るという気持ちで試合をしました。

―団体戦で一番印象的だったゲームは
北翔大との試合です。相手も強い中で、はじめから自分たちのプレーをすることができたところが良かったと思います。

―宮﨑選手との個人戦ダブルスについてはいかがですか
個人戦でベスト4に入れたことが自分は初めてだったのでうれしい気持ちもありますが、準決勝で相手のプレーに対応することができなかったことは悔しい部分です。

―この冬はどのような練習をして過ごしたいですか
この冬にフィジカル強化をして、春リーグから優勝できるように頑張っていきたいです。

牧野美涼

―インカレにはどのような気持ちで臨みましたか
昨年度の優勝校というプレッシャーもありましたが、それ以上に自分もその優勝を経験したかったし、4年生の先輩にもう一度優勝してほしいと思っていました。

―団体戦で一番印象的だったゲームは
印象的だったのは早稲田との試合です。高校で全国2位だった相手と戦って、勝てるか不安でしたが、大差をつけて勝つことができて良かったです。

―この冬はどのような練習をして過ごしたいですか
インカレでチームとしても個人としても課題が見つかって、トレーニングも増えてきたので、その課題を克服できるように練習を頑張りたいです。

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