【フェンシング】学生王座決定戦 女子フルーレ初出場初優勝!リーグ戦・王座の2冠に輝く
学生王座決定戦
2014年6月15日(日)
中央大学第一体育館
関東と関西のリーグ戦で上位に進出した大学が、日本一をかけた戦いを繰り広げる学生王座決定戦。法大女子からはリーグ戦で優勝したフルーレが初出場を果たした。勢いに乗る彼女たちは宿敵との激戦を制し、大きな舞台で最高の結果を残す。
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
女子フルーレ |
大石栞菜(法4)久良知美帆(法3)真田玲菜(キャ2)緒方渚(国2) |
準決勝○法大45- 30朝日大 決勝○法大45-38日大 |
優勝 |
戦評
5月に行われた関東学生リーグ戦で優勝に輝いた女子フルーレは、この王座でも頂点を目指し、またリーグ戦で唯一黒星を喫した日大にリベンジを果たすべく戦いに挑んだ。
初戦となる準決勝の相手は朝日大。1セット目に登場した久良知美帆(法3)が5-1と序盤から流れを作ると、続く大石栞菜(法4)の場面でさらにリードを広げる。2年生ながら主戦として戦う真田玲菜(キャ2)も着実に得点を重ねる。その真田に代わり7セット目に出場した緒方渚(国2)も役目を果たし、全員の活躍で45-30と勝利を収めた。
日本一をかけた決勝は宿敵・日大との顔合わせとなる。主導権を握りたい法大だったが、久良知がいきなり1-5とビハインドの状況を作ってしまう。しかし、大石、真田が相手に完全にはペースを渡さず粘りを見せると、1セット目の悔しさを晴らすかのように久良知が4連続得点を奪い同点に追いつく。朝日大戦では途中交代となった真田がこの試合で躍動。強気のアタックを仕掛けると5セット目で20-19とし、この試合初めてリードを奪う。拮抗した展開が続く中、次に登場したのは絶対的信頼を得る大石。力みからか直後に逆転を許すも、崩れないのが法大のエース。ここから圧巻の7連続ポイント。スピードある攻撃を見せ、1セットの間に10点と得点を量産し30-25で終盤を迎える。
真田がさらにリードを広げ、続く8セット目だが久良知が日大の粘りに遭う。優勝が見えてきた場面で「緊張と相手の勢いに押された」と中々思い通りにアタックが決まらない。5連続で日大に得点を献上してしまう。それでもベンチ、観客席からの声援を受け何とかリードを守り抜く。そして最終セットには大石が上がる。日大に勝って優勝ー。仲間、そして大石自身が強く抱くこの気持ちを胸に剣を構える。焦りの色が見える日大に対し、「伸び伸びとやろう」と、大石はプレッシャーを感じないような動きを見せた。順調にポイントを重ねていき、そして見事45点目を決め大きくガッツポーズ。法大女子フルーレが、王座初出場にして優勝に輝いた瞬間だった。
リーグ戦で頂点に立った直後、選手が口にしたのは「日大に勝って優勝したい」。
この目標を達成するために挑んだ王座決定戦。序盤は日大にリードを許す厳しい展開となったが、同じ思いを抱いたメンバーは一丸となって戦い抜き、ライバル日大を倒しての日本一を獲得した。次は秋に行われる、関東学生選手権と全日本学生選手権での優勝が期待される。昨秋制している大会であり目指すは2連覇だ。女王フルーレ陣の勇姿からますます目が離せない。(宮城風子)
選手のコメント
大石栞菜
ー日大戦を振り返って
1巡目でもう少し(点数を)取れると思っていたんですけど、思ったより取れなかったです。自分的にはそこから逆転して勝つ、というイメージしていたことができなくて、本当にやばいなと思ったんですけど、久良知がしっかり取ってきてくれて2巡目からチームで点を取り出して盛り上がってきて。後半に助けられた試合だなと思いました。
ー大石選手がリードを広げた第6セットについて
最初ポンポン取れたんですけど、相手がプレーを変えてきて簡単に取られてしまったので、もっと点差を広げて後輩たちにリラックスしてやってもらいたかったです。自分的にも気を抜いているわけではないんですけど、そういうところが課題かなと思います。
ー優勝を決めた最終セットを振り返って
相手はもう焦っていると思っていたので、自分が逆にもう相手の嫌がることをしていって伸び伸びやろうと思っていて、それがハマってくれたので良かったです。
ー王座の2試合にはどのような気持ちで臨まれましたか
リーグが終わってからずっと調子が悪くて本当に今週だけでも2、3回心が折られていて、試合になったら気持ちも切り替えられると思ったんですけど、朝日大戦の時はそれがうまくできなくて。それでも力の差はあったので勝てたんですけど、日大戦ではそううまくはいかなくて。1巡目が終わってから皆の気持ちが切り替わって、やっと本気になったという感じでした。
ー他のメンバーの試合はどのようにご覧になっていましたか
自分が不調だからこそ頑張ってほしいと思っていて声かけとかもすごく大事にして、自分がだめな分後輩たちを盛り上げて取り返してもらおうと思っていました。
ー秋に向けて
春はリーグ、王座と(優勝を)取れたので秋も昨年みたいにしっかり優勝していきたいですね。
久良知美帆
ー優勝した今のお気持ちは
初の王座で優勝できて嬉しいです。
ーリーグ戦とは違う優勝の味でしょうか
リーグ戦は日大に勝てなくて、3チームが1敗で並んで優勝が決まったんですけど、今日は(日大に)勝って終われて気持ちが良いですね。
ー日大との試合を振り返って
出だしのひと回り目が、自分も含めみんなつまずいてしまって、もう少しロースコアで抑えるつもりが点差が離れてしまって、スタートが自分の中で心残りです。途中から修正できたんですけど、最後の1セットは緊張と相手の勢いに押されてしまって自分の思うような動きができなかったので、それは秋に修正したいです。
ーご自身最後のセットは仲間から何か声は掛けられましたか
自分が何回も同じことをして、それを後ろから(アドバイスを)言ってくれたんですけど、自分では分かっていても気持ちと体が合ってなくて、そういう場面が多くなると今後勝つことは厳しくなると思うので練習して勝てるようにします。
ー王座に向けて取り組んできたこと
リーグの日大戦は、チーム力で負けた感じがしたんですけど、今回は今日出たメンバーは同じ練習場で一緒に練習してきました。今まではバラバラで練習してきたんですけど、団体戦とかも組んでもらって王座に向けて準備ができていたと思います。
ーそれが自信につながりましたか
そうですね。この練習が大きかったと思います。
ー秋に向けて
リーグ戦、王座と連覇してきたので関カレ、インカレ、全日本としっかり取って5冠を目指して頑張りたいと思います。
真田玲菜
ー優勝した今のお気持ちは
本当に嬉しいです。ずっと優勝したいと思っていたので良かったです。
ー朝日大戦から日大戦までに修正した点は
朝日大の試合のときは緊張して体が動かなくて、がちがちだったんですけど、それをリラックスして楽しんで試合をしようと思いました。
ー日大とはリーグ戦でも対戦しましたが意識された点は
リーグのときは最初の1セットしか出てなかったんですけど、自分のミスで点を取られることが多かったので、しっかり修正していこうと思いました。
ー終盤の7セット目はリードを守り切りましたが
強気で攻めていこうと思いました。途中、中々アタックが決まらなかったんですけど、それでも相手の剣の対処をしたり、とにかく突きたいという気持ちが大きかったです。
ー王座までに取り組んできたこと
自分の試合の組み立て方をもう少し上手くやっていきたいと思って練習しました。
ー今日の試合では思い通りの組み立て方はできましたか
最初の方は緊張してしまって良い試合はできなかったんですけど、最後は自分のやりたい試合ができたかなと思います。
ー秋に向けて
秋も優勝できるように、これからも練習を頑張ります。
フォトギャラリー
- 今大会も大活躍のエース大石
- 大石は決勝戦で45点目を奪った
- 両試合で1番手を任された久良知
- 日大戦で力を発揮した真田
- 歓喜の瞬間に盛り上がる法大の選手たち