【陸上】第91回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会 2分50秒の差、届かなかった本戦出場・・・坪田駅伝監督コメント他
第91回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会
2014年10月18日(土)
陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街~国立昭和記念公園
箱根へのリベンジは叶わなかった。10月18日(土)に行われた箱根駅伝予選会で法大は12位となり、10位までの大学に与えられる箱根駅伝への挑戦権を惜しくも逃す結果となってしまった。
試合結果
チーム順位
順位 | 大学名 | 総合タイム |
---|---|---|
1位 | 神奈川大学 | 10時間7分11秒 |
2位 | 國學院大學 | 10時間7分18秒 |
3位 | 東海大学 | 10時間7分31秒 |
4位 | 山梨学院大学 | 10時間7分57秒 |
5位 | 中央学院大学 | 10時間9分17秒 |
6位 | 上武大学 | 10時間10分20秒 |
7位 | 中央大学 | 10時間11分37秒 |
8位 | 順天堂大学 | 10時間11分55秒 |
9位 | 城西大学 | 10時間12分9秒 |
10位 | 創価大学 | 10時間14分3秒 |
11位 | 東京農業大学 | 10時間14分52秒 |
12位 | 法政大学 | 10時間16分53秒 |
13位 | 東京国際大学 | 10時間18分24秒 |
14位 | 平成国際大学 | 10時間22分19秒 |
15位 | 国士舘大学 | 10時間25分28秒 |
※上位10大学が本戦出場(白抜き文字)
※各大学12名が出場、上位10名の合計タイムで争う
※今年度関東インカレポイントは不採用
選手個人成績
チーム内順位 | 選手名 | タイム |
---|---|---|
1位 | 佐野拓馬④ | 1時間1分4秒 |
2位 | 中村涼③ | 1時間1分12秒 |
3位 | 坂田昌駿② | 1時間1分26秒 |
4位 | 森永貴幸④ | 1時間1分27秒 |
5位 | 田辺良磨② | 1時間1分36秒 |
6位 | 有井渉③ | 1時間1分37秒 |
7位 | 足羽純実② | 1時間2分3秒 |
8位 | 佐藤和仁③ | 1時間2分4秒 |
9位 | 藤井翔太③ | 1時間2分5秒 |
10位 | 藤井孝之③ | 1時間2分19秒 |
11位 | 木村優志② | 1時間2分32秒 |
12位 | 関口頌悟④ | 1時間3分57秒 |
※丸数字は学年
戦評
秋の晴天、スタート時刻が近づくにつれ気温がぐんぐんと上がるなか、9時35分に号砲が鳴った。チームの絶対的エースである主将の西池和人(スポ4)をケガで欠く法大は、同じ4年生の関口頌悟(社4)、佐野拓馬(経4)の2人がスタートからチームを引っ張る。「前半は余裕を持って入り、後半の10~15キロ地点で勝負」と言う監督の指示通り、中間地点である10キロ地点では10人通過の順位は15位であったが、後半15キロ地点では13位とジャンプアップ。中盤以降チームを引っ張っていた関口は大きく遅れたものの、チームは構想通りのレース展開をみせ、エース不在の穴を感じさせない。結果10人のフィニッシュを9番目で終え、結果発表の時を待った。
張り詰めた緊張感が漂う中、順位発表が始まる。次々と箱根への出場権を手にした大学の名が呼ばれていくが、残念ながら法大の名前を10位までに耳にすることは出来なかった。法大は12位、箱根駅伝初出場を決めた第10位創価大学から2分50秒遅れた10時間16分53秒という結果で予選会を終えた。シード権を逃した、前回大会のリベンジを果たすチャンスをつかむことはできなかった。
OB、関係者、そして熱い声援を送り続けた法大ファンに向けてのあいさつで坪田智夫駅伝監督は、言葉に詰まりながらも「この悔しさを忘れず、来年は必ず予選会を突破する。」と力強く語った。昨年の第89回大会にシード権を獲得したのも、前年に本戦出場を逃した悔しさをバネにして勝ち得たものであった。今回味わったこの悔しさがまた一回り彼らを成長させ、再び箱根路を駆け抜ける力へと変わることを願うばかりである。(藤田大輝)
佐野が関東学生連合チームに選出
予選会終了後の20日、関東学生陸上競技連盟は第91回東京箱根間往復大学駅伝競走に出場する「関東学生連合チーム」の選手、監督らを発表した。法大からはチーム1位の結果を残した佐野が選出。また、コーチに坪田駅伝監督が就任することも発表された。チームは東京農業大学の岩瀬哲治駅伝監督が指揮を執る。
今年度から新設された「関東学生連合チーム」。チームとしてオープン参加であり、記録そのものは有効であるものの順位はつかない。また残した記録は参考記録としての扱いになるなど、以前の「学連選抜」よりも規模は縮小されたものとなっている。
しかし佐野にとっては、昨年に続き2年連続、また学生最後の箱根への挑戦権を個人として獲得することとなった。今後は選出された16名の中での選考を経て、最終的な出場の可否が決定するとみられる。(佐藤康平)
試合後挨拶
坪田智夫駅伝監督
朝早くからの応援、本当にありがとうございました。選手たちは力を出し切ってくれたと思います。すべては指揮官である私の、年間の計画や今日のレースプランが甘かったことが、負けに繋がってしまったと思っております。この悔しさを忘れず、来年必ず、まずは通過できるようにまた今日からチーム作りに励み、ここに帰ってきたいと思います。また、1年間長い期間ですが、皆さんのご声援があれば必ず本選で戦えると思っております。また、法政大学の陸上部の応援を、どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。
西池和人駅伝主将
みなさん応援ありがとうございました。自分が今年の1月3日に主将になってからあっという間に時は過ぎ、今日を迎えました。夏に怪我してしまい、この予選会を走れず、他のメンバーに夏からいろいろなことを頼みっぱなしになってしまいました。自分の走りに夢中になることで、チームのみんなのことを見ることができていなかったのかなという反省が、この結果に表れてしまったのだと思います。今こうして前に立っている(出場メンバーを始めとする)4年生の涙を見ると、自分も堪えるものがあります。1年生はまだ、あまりこの敗戦がなにを表すかまだ理解できていないと思います。しかし、2年生3年生は今年初めに箱根3位という目標を掲げながらも、出場すらできない。自分たちがそういった目標を掲げるチームですらなかったということをもう一度肝に銘じて、来年の子の予選会は必ず通過してほしいと思います。どのように自分たちを高めていくのか、どのように競技力を高めていくのか、その点から一人ひとりがもう一度見つめなおし、その一人一役をこなすことができたときに、箱根駅伝の目標達成や予選会の通過がかなうと思うので、下級生のみんなにはこの経験を活かし、頑張ってほしいと思います。みなさんの応援が必ず自分たちの力になるので、長い一年になると思いますが、これからもどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
コメント
坪田智夫駅伝監督
‐予選敗退という結果について
チーム全体として非常に悪い結果となりました。目標タイムはかなり低く見積もって10時間13分くらい、うまくいけば、後半をしっかり走ることができれば10分11分台も狙えると思っていました。誰が悪いというよりも、全体的に悪かったということになります。そして、1月の箱根が終わってから総合3位という目標を立てていましたが、それも箱根というものをなめていた、甘く考えていたという私の責任です。その考えが下の選手たちに伝わってしまい、その結果が12位という結果になってしまったのだと思います。決して今回の結果というのは力がなかったということではなく、3年、4年前には痛感していた箱根の予選会の怖さを忘れていたという部分が指揮官の私にありました。
‐レース自体早いペースで進んで行った
最初の入りうちの選手たちは最初の5kmまで悪いペースではありませんでした。しかし、その後それ以上にほかの大学が後半早いペースで押し切れる力があった、それを可能にする準備をしてきており、そこについていくことができなかったということだと思います。
‐西池選手が抜けていたことについて選手たちに動揺はあったか
それはないと思います。今年の箱根も不出場でしたし、そういった部分はなかったと考えています。(西池選手の欠場はいつ決まった?)8月いっぱい練習ができていませんでしたので、その時点で使うということは考えていませんでした。
‐選手たちのコンディションは
悪くなかったと思います。
‐関口選手の結果について
夏の練習はこなしていましたが、9月に入ってから仕上がり切れていなかったというのはあり、そこが影響したと考えています。
‐通過タイムも早まってきているが、以前と比べて予選会へのイメージは変わった
昨年は気温が低いのであれくらいのタイムだったのかなと考えてはいました。しかし、今日のようなコンディションで、確かに10㎞位までは涼しかったですが、この通過タイムでしたので、今後はもう一度10時間10分、7分8分ほどの設定に上げていかないと通過は厳しくなるかなと思います。
‐通過のためには今後チーム力の向上、そしてハイレベルな選手の育成が必要となる。その点についてどうお考えか
両方とも必ず必要となると思います。来年は関口と西池もぬけますし、エースづくりというものは必要となると思います。そして、底上げというのももちろん必要です。両方、突き詰めていかなければ厳しいかなと思っております。
‐エースづくりに関して、監督が期待をかける選手は
今の2年生三枚、坂田、田辺、足羽に関してはスピードもありますし、早いレースでも勝負できると思います。また、3年生もロードに強い選手が多いですし、彼らを中心にチーム作りができればなと思います。
‐当日エントリーに関して
(事前の)想定通りです。
‐高い目標に対して練習に負荷をかけすぎた
正直、最初に私自身が力が入りすぎたという面は否めませんでした。反省材料としては故障者を出してしまったことにあります。第1次合宿は非常に良い練習がつめましたが、そのあと尻すぼみの練習になってしまったので、その点に関しては合宿を含め年間の計画を立てて行かないといけないと思います。
‐来年に向けて
根本的なところから考え直さなければと思っています。練習もそうですし、生活もそうですし。いろいろな面を洗いなおして、すべて変えていかなければいけないです。
‐西池選手は将来のある選手だが、今後彼にはどのようなことを期待するか
非常に悔しい思いをした4年間だったと思います。けがをして走れない時期が多かったですし。ですが、ここで終わる選手ではないので、しっかりまずは体を作ってもらって世界で活躍する選手になってもらいたいと持っています。
成田道彦副部長
‐予選会を振り返って
少し厳しかったですね。途中の地点で見てましたけど、情報が入ってくるたびに上がってきていなかったのと、引っ張るべき関口が一番後ろになってしまったりしていましたから。
‐事前の想定から大きくずれてしまった
普通に走ってくれれば通る設定だったので。ただ、それがレースで一発勝負の難しいところだと思います。
‐今後の長距離陣への期待を
とりあえず立て直していくしかないです。新しいチームになってやっていくしかないわけですから、頑張っていくしかないですね。悔しさをばねにできるか、ズルズルいってしまうのか。みんなで奮起していくしかないですね。
苅部俊二陸上部監督
‐予選会を振り返って
残念ですね。皆さんに応援していただいたんですが、期待に沿うことができず申し訳なく思っています。こういう言い方をするとよくないですが、いけるんではないかという気持ちが我々にあったので、なかなか結果を受け止められないところもありますね。ただ、そうは言っていられないので、来年に向けて根本的に見直していかないと、毎年同じことを繰り返すだけになってしまうので、今回の結果を分析して抜本的に改革していかないと厳しいですね。
‐長い一年になると思うが
どうやって作っていくかですね。いままでとは違う作り方をしなければいけないですし、かなり今年の(予選通過)タイムも早かったですしね。選手づくりをしっかりしていかないといけないです。しっかり分析して、今回の結果を無駄にしないように来年へ生かしたいと思います。今年の4年生は残念でしたけど、2年生3年生を中心に頑張っていってほしいです。今日から来年に向けてスタートしていきます。
フォトギャラリー
- 欠場した西池(左)と泣き崩れる関口
- 挨拶を行う坪田監督
- 西池駅伝主将
- 西池は最後、各選手と握手を交わした
- 首脳陣は神妙な面持ちでスクリーンを見つめた(左から成田副部長、苅部監督、坪田駅伝監督)