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【陸上競技】第100回東京箱根間往復大学駅伝競走 復路出走選手インタビュー

第99回東京箱根間往復大学駅伝競走
2024年1月2日(火)、3日(水)
東京・大手町-神奈川・芦ノ湖-東京・大手町

チーム目標を総合5位以内に掲げた法大が東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根)に挑んだ。往路、復路ともに法大はミスのない走りを見せ、昨年の順位を一つ上回る総合6位でフィニッシュ。復路は4位と健闘を見せた。今回は、復路出走選手へのインタビューをお届けする。

試合結果

総合成績

順位 大学名 記録
1位 青学大 10時間41分25秒
2位 駒大 10時間48分00秒
3位 城西大 10時間52分26秒
4位 東洋大 10時間52分47秒
5位 國學院大 10時間55分27秒
6位 法大 10時間56分35秒
7位 早大 10時間56分40秒
8位 創価大 10時間57分21秒
9位 帝京大 10時間59分22秒
10位 大東大 11時間00分42秒
11位 東海大 11時間01分52秒
12位 国士舘大 11時間01分52秒
13位 中大 11時間01分58秒
14位 立大 11時間03分04秒
15位 日大 11時間06分06秒
16位 日体大 11時間06分30秒
17位 順大 11時間06分42秒
18位 駿河台大 11時間06分58秒
19位 中央学院大 11時間07分26秒
20位 明大 11時間07分28秒
21位 神奈川大 11時間07分37秒
22位 東農大 11時間09分16秒
23位 山梨学院大 11時間11分11秒

 

個人成績

区間 選手名 記録 区間順位 総合順位
1区(21.3㎞) 宮岡幸大(スポ3) 1時間02分03秒 14位 14位
2区(23.1㎞) 松永伶(経4) 1時間07分33秒 11位 13位
3区(21.4㎞) 野田晶斗(社1) 1時間04分07秒 17位 12位
4区(20.9㎞) 小泉樹(現3) 1時間02分48秒 12位 10位
5区(20.8㎞) 細迫海気(社4) 1時間12分32秒 8位 9位
6区(20.8㎞) 武田和馬(社3) 58分02秒 1位 区間賞 7位
7区(21.3㎞) 矢原倖瑛(経2) 1時間03分44秒 9位 8位
8区(21.4㎞) 清水郁杜(社2) 1時間05分21秒 9位 6位
9区(23.1㎞) 稲毛崇斗(社4) 1時間09分51秒 6位 6位
10区(23.0㎞) 宗像直輝(社4) 1時間10分34秒 14位 6位

選手インタビュー

6区 武田和馬

ーチームとして総合6位という結果でした
チーム目標としては『総合5位』を掲げて1年間やってきたので、そこに一歩届かなかったという部分ではすごく悔しさもあります。来年に向けて、さらに今年のチームを超えるという取り組みが必要だなと思っています。ただ、最低限シード権を獲得して、99回大会から1つ順位を上げられたことに関しては、収穫があったのかなと思います。

ーご自身の走りを振り返って
今回で3回目の山下りだったんですけど、目標にしていた区間賞をやっと取ることができて、すごく嬉しいです。タイムはあと3秒速ければ57分台だったので、そこについての悔しさは結構あります。

ー6区のスタートは16校と非常に多い中でした 走りづらさは
一斉スタートのチームの中で、昨年の経験者の方が結構いて、「自分がマークされるんだろうな」と思っていました。利用されないように、1人で行くというよりは集団で行って、みんなで上がっていくということを意識していました。下りに入ってから抜け出そうという作戦で臨んで、実際自分の力を利用されることなく、集団の力で上って下ることができました。そのあたりはすごく良かった部分だと思います。

ー前日の箱根は雨が降っていて寒い中でした 当日そのあたりの影響はいかがでしたか
当日は過去2年に比べて暖かいなと思っていて。ですが前日に雨が降っていたので、3日の朝練習の時点では路面が凍っていました。本番も凍るかもしれないとは思っていましたが、実際は凍っているところもなかったので、思い切り走ることができました。

ー途中で集団から抜け出していました その際にマークされているという感覚はありましたか
最初は一斉スタート組で、横1列で走っていたんですけど、結構周りの選手たちがチラチラ見ている感じがあって「マークされているな」とは思いました。ですが下りに入ってからは自信があったので、特にどこかのチームを意識するのではなく自分のペースを意識して、どのチームが前に来ても関係なしで走ることを心がけました。

ー「区間賞を取れるかもしれない」というのはどのあたりで考えていましたか
僕自身、最初5㌔の上りを苦手にしていたのですが、上ったあたりで沿道から「今はここ(法政)が区間賞だぞ」とチラッと聞こえてきて。苦手な上りで区間賞ペースで行っていることが分かりました。「下りに入れば勝てるな」と思っていたので、下りの時点で一斉スタートの集団を抜ければ区間賞だと考えていました。なので自信を持って下りをスタートすることができました。

ー5㌔の苦手な上りを克服するために練習されたことはありますか
箱根に向けてというわけではないんですけど、昨年の夏合宿が新潟の妙高と長野の菅平で。妙高はアップダウンの多い合宿所で、常に朝練習も本練習も坂を使って走っていました。そこで自分の苦手な上りを克服できるようにしていました。チーム内では決して速い方ではないんですけど、頑張って前に食らいつくような気持ちで合宿を乗り越えてきました。

ー事前取材では志望区間に1区と6区を挙げていました 6区に配置された時の心境は
3回目ということで、チームや監督から期待されているということはすごく感じていました。自分がチームの準エースとして、求められるのは区間賞や流れを変える部分だと認識していました。プレッシャーはあったんですけど、過去2回の経験を生かして、自分らしい走りをしたいと思っていました。

ー以前期待の選手として矢原選手を挙げていました たすきをつないだ時の心境は
期待していた後輩とたすきをつなげたことはすごく嬉しいですし、矢原自身も7区を希望していて「武田さんとたすきをつなぎたいです」と言っていて。前日に矢原にLINEで「頑張れよ」みたいな感じで話したんですけど、すごい緊張していて。ここは自分が先輩として貯金を作って矢原にたすきを渡したいなと思ったので、後続と引き離すような走りをして、矢原が安心してスタートできるようにすごく頑張りました。

ー武田選手ご自身の緊張はいかがでしたか
前日はあまり緊張がなかったんですけど、当日になってからすごく緊張してきて。特に中継所に入った時に、陣地の近くに駒澤大学さんだったりとか強い学校がいて、雰囲気にのまれる部分はありました。ですが自分の走りやペースは崩したくないなということで、マイペースにスタートするまでを過ごせたのかなと思います。

ー見事区間賞を獲得したことで、テレビのインタビューもありました インタビューをされた時はどのような心境でしたか
過去2回、走り終わったあとに陣地のすぐ隣とかでインタビューされているのを見て、すごく羨ましいなとずっと思っていました。なので区間賞インタビューを受けられたというのはすごく嬉しかったです。またテレビで中継されるということで、昔の友達や応援してくださっている方が見てくれて、メッセージもくれたので、日本全国に感謝の言葉や頑張っている姿を見せられたのが良かったと思います。

ーえこぴょんを手に持っていることを最初に聞かれていました もともとえこぴょんを持つことは決めていたのでしょうか
昨年主将の宗像さんが8区で区間賞を取った時に、えこぴょんを持って取材を受けていて、話題になっていて。法政大学の中では「取材がある時は基本的にえこぴょんを持とう」みたいな雰囲気なので、僕も区間賞を取った時に持ちました。あとは事前に取材の打ち合わせみたいなのがあって、その時にえこぴょんを持っていたら「最初にこれについて語ってもらっても良いですか」みたいな感じの話になって(笑)。思い切り、カメラの前でえこぴょんについて話しました。

ー3年間6区を経験されています 改めて箱根の山下りとはどのようなものですか
僕は小学校6年生から陸上を始めてきたのですが、その中で1番きついコースだなという、それだけですかね。昨年上尾ハーフや学生ハーフなどさまざまなハーフマラソンを経験してきたんですけど、その中でもずば抜けて6区が1番きついなと思います。今回区間賞を取れたので、6区はもう走らなくても良いかなって思っています(笑)。

ーちなみに現時点での志望区間は何区になるのでしょうか
来年は3区を走りたいなと思っています。僕の同期に宮岡(幸大)と小泉(樹)がいて、僕含めての3本柱で今年1年間やっていきたいなと思っていて。宮岡は次のチームからエースとして2区を走ってもらいたいなと思っていますし、小泉に関しては入学の時点から1区を走りたいと言い続けています。1区小泉、2区宮岡、3区武田の3人で往路のエース区間をつないで、往路1位を取りたいなと思っています。あと今年の3区はめちゃくちゃスピードのあった区間で、そこに自分が1番対応できる能力があると思うので、適した場所だと思っています。3年生の3人で主要区間をつないでみたいという思いがあるので、監督にもお願いして走りたいなと思います(笑)。

ー「3本柱にしたい」とおっしゃっていた宮岡選手、小泉選手の走りをご覧になって
正直まだまだだなと思っていて(笑)。樹は今回走ることはできましたが、けがで彼本来の力が発揮できていないと思います。来年樹には区間賞レベルの走りを求めていますし、2人で高いレベルで走れたら良いなと思っています。宮岡に関しては、普段の練習や直前の合宿で、僕と松永さんと3人で先頭争いをする練習が多くありました。ですが1区で競り負けてしまったというのは、宮岡にしてはダメだったのかなと僕は思っているので、来年以降は3人が区間上位で走るのが必須だなと思っています。

ーさまざまなことがあったシーズンだったと思います 改めて1年間を振り返って
今年の1番大きなこととしては、後輩の(高橋)彰太が亡くなってしまったということです。その報告を受けたのが夏合宿中で、すごくショックは受けました。ですが彰太のためにも、『走れなかった箱根路を自分たちが代わりに思いを背負って走る』ということが彰太に唯一できることで。法政大学がみんな笑顔で楽しく走って、結果を残す姿を絶対に届けたいと思いました。チームとしては元々まとまりがあまりなかったのですが、夏合宿を通してまとまりました。過去3年間で1番、陸上に対しての熱意があった年だったのではないかと振り返っています。

ー今の4年生はどのような存在でしたか
入学してからの3年間一緒にやってきたので、仲も良いですし、お互いを知っているという感じです。今回の箱根駅伝も、後半の9区10区に副キャプテンとキャプテンがいたので、すごく信頼がありました。エースの松永さんへの信頼もすごくあって、後輩から信頼を得ている代だなと思っています。その代が抜けるというのはチームとしてダメージが大きいんですけど、先輩たちがシード権を残してくれたので、恩返しをするためにも「4年生を超える」というのが残されたものなのかなと思います。先輩たちがいなくなるのは寂しいですが、それを超えられるようなチームを作っていきたいと思います。

ー武田選手はどんな4年生になりたいと思い描いていますか
僕自身、怒ったり厳しくするタイプではないので、後輩たちと仲良くしていきたいなと思っていて。あと過去3年間は先輩に頼りながら走っていた部分があったので、僕が4年生になった時は下の3学年に「武田さんが走ってくれるなら」と思ってもらえるように力をつけたいです。チームのエースとなって、走りでチームを引っ張っていきたいです。

ーオフの期間で楽しみにしていることは
美味しいものをたくさん食べたいなと思っています。特に甘いもの、スイーツをたくさん食べてリフレッシュして、帰省明けに練習を頑張りたいです。あとは地元の友達が箱根を応援しに来てくれていて、今も東京に残ってくれているので、ディズニーランドに行って楽しみながらリフレッシュしたいです。

ー応援してくださったファンの方へ
まずは箱根駅伝の2日間、応援していただきありがとうございました。今回も目標であった『総合5位』には届かなかったんですけど、前回の順位を超える6位を達成することができました。来年こそは自分たちが4年生となって、チームを引っ張って、先輩たちが成し得なかった総合5位を達成します。個人としては来年も区間賞を取って、チームに貢献していきたいと思います。

(インタビュー・芦川有)

 

7区 矢原倖瑛

ー初の箱根駅伝出走となりました 感想は
出走するだろうとは思っていたので、心の準備はしていたのですが、いざ本番となるとかなり緊張してしまいました。ですが、監督から「ひとりで走るのではない」という言葉をかけていただいたり、武田さんがいい位置でたすきを持ってきてくれたので、だんだんリラックスして走ることができました。

ー総合6位という成績について
往路が終わった段階で9位だったので、復路次第では目標である総合5位も見えると思って挑みました。あと一歩届かなかったのですが、去年の強い先輩たちよりも自分が走った上でいい成績だったので、目標達成とはなりませんでしたが、今年の出雲駅伝や来年の箱根駅伝の出場権を得られたので嬉しく思います。

ー復路は4位でした
完全に、武田さんが流れを作ってくれたと思います。自分はその流れに乗るだけでした。

ーチームの課題について
来年は、主要区間を走った四年生がいないので、チーム力の底上げが課題かなと思います。

ーどう課題に取り組みますか
故障者を出さないことや、中間層のレベルの引き上げや、メンバー争いの熾烈化をするために記録を出すことが大事だと思います。

ーレース展開について、ご自身で振り返ってどのように考えますか
武田さんがいい位置で来てくれるのはわかっていたので、とにかく、その流れを崩さずに8区へ堅実に繋げようと思っていました。
また、後ろも迫ってきていたんですけど、監督からも「シード権内で自分の走りに徹しよう」と言われていたので、焦らずに21㌔でしっかりレースを組み立てようと思ってました。

ーレースの組み立てはどのようなことを考えていたのですか
アップダウンが激しいコースなので、前半は突っ込まずに、後半15キロを超えてからもしっかりと勝負ができる足と余裕度を残しておこうと考えていました。

ー区間9位で、7区の法大記録を塗り替えました 何かしらの記録を出すことは狙っていたのですか
走る前に「区間5位、最低でも法大記録」と監督からは言われていたのですが、区間順位はなんとか一桁で持ち堪えることができ、最低限の仕事を果たせたと思います。

ー初出走同士で同期の清水選手とのたすき渡しがありました 何か言葉は交わしましたか
ちょっと忘れてしまったのですが、「総合5位見える!」みたいなことを言ったと思います。

ー今大会で得た成果は
やはり甘くない世界だなと思いました。走る前はかなり自信もあり、監督にも強気な発言をしていたんですけど、実際走ってみるとつなぎの走りになってしまいました。ただ、集団を引っ張り最後に勝ち切れたことはよかったと思います。成果だけではなく、課題も見えた試合だったので今後に生かせたらなと思います。

ーシーズン全体を振り返って
春先は故障があって出遅れてしまったのですが、夏以降はけがなく質の高い練習を積めた結果、箱根駅伝に出場することができたと思うので、自分の力量を見極めながら練習の強度も上げていけたらなと思います。

ーオフはどのように過ごしますか
実家に帰省してゆっくり過ごしたいと思います。

ー地元の友人、家族にも良い報告ができるのでは
出場できたことは、嬉しいのですがまだまだ満足のいく結果ではなかったので来年はもっといい報告ができるようにまた一年頑張りたいと思います。

ー高橋選手とは同期です、どのような思いがありましたか
普段からとても仲が良く、同期の中でも1番仲が良かったので、かなりショックでした。一次合宿と二次合宿の間に監督に無理を言って練習を止めてもらい、彰太の実家に行かせてもらいました。簡単に彰太の分まで頑張るとは言えなかったのですが、一緒に追ってきた箱根駅伝という目標の舞台で一緒に走ろうという気持ちでした。レース中キツくなる場面もあったのですが、彰太が一緒に走っていると思い、なんとか持ち堪えることができたと思います。

ー来季の抱負を教えてください
まずは、全日本大学駅伝予選会を通過し、三大駅伝全ての出場権を得たいです。
個人としては、チームの主力として練習や試合でチームを引っ張ったり結果を残してチームに貢献したいです。

ーファンの皆さまへ
2日間、たくさんのご声援ありがとうございました。箱根駅伝のみならず、たくさんのご支援本当にありがとうございます。僕たちは、結果で返すことしかできないので、来シーズンは三大駅伝全て出場し、活躍する姿をお見せしたいです。そして新たなチーム目標に貢献できるような選手になります。

(インタビュー・吉門莉々菜)

8区 清水郁杜

―初めて箱根駅伝を走った感想を聞かせてください
今回初めて箱根駅伝を走ったんですけど、やっぱり応援がすごいなと感じました。最初から最後まで声を掛けてくれる人が必ず何人かはいて、声を掛けてもらっても何言っているかは分からないんですけど大声で「頑張って」とか言ってもらって、それで最初から最後まで全力で走ることができました。規模が大きいと感じました。

―8区を走ることを伝えられたのはいつ頃だったのですか
28日の午前中ですね。ミーティングの時に伝えられました。

―走ると伝えられた時はどんなことを思いましたか
自分の中で、もし走るとしたら8区が堅いんじゃないかなと思っていたので、聞いて自分の中で走れることにホッとして、そこから走るための準備をしっかりやってきました。

―往路は9位でした この成績はどう捉えていましたか
往路は10位以内に入ってくれていたら自分の中で嬉しいなと思っていて、復路で巻き返せると思っていました。往路で10位以内に入って復路で5位以内を目指そうということを耳にしていたので、そう思っていました。

―8区を走るにあたってどういった設定タイムやレースプランを立てていましたか
遊行寺(の坂)を上り切った後のアップダウンがかなりきついと聞いていたので、それまでに余裕を持って走りたいと思っていました。人がいたら人を使って走らせてもらって少しでも楽をするために最初はリラックスして入ることを心掛けて15㌔から力を使って走り切ろうかなというレースプランで考えていました。区間順位も記録もそこまで気にしていなくて、そのプランで走ろうと思っていました。

―矢原選手からたすきを受けた時は何か声を掛けられましたか
ちょっと緊張していて…(笑)。覚えているのは、矢原がなんか笑いながら渡しとったので(自分も)笑顔でゴールできるんじゃないかなと考えていました、走る前は。

―レース序盤は創価大の小池莉希選手と並走していましたが、その時に考えていたことは
少しでも楽をしようと考えていたので、とりあえずこの人に付いていこうと、それだけを考えて走っていました。

―10㌔と15㌔の給水はどなたが担当していたのでしょうか
10㌔は後輩の田井中(悠成)で、15㌔は同期の田中裕一朗です。田井中からは「区間新ペースだぞ」と大きな声で言われて、何でそんな興奮しているのかなとよく分からなかったんですけど…、区間新だからなんですかね?笑顔で言ってくれたので頑張ろうかなと思いました。15㌔はそこまで余裕がなかったので、とりあえず水飲んでこまめに水分補給をしっかりして、上り坂に向けて覚悟を決めろという感じで言われました。

―後半のアップダウンは走ってみていかがでしたか
かなりきつかったですね。足が止まっちゃって、良い走りが最後までできなかったですね。

―終盤は東洋大学の選手と差が縮まりそうで縮まらないという展開でした
最初はだんだんと近付いてきて、自分の中でも気持ちが入るというかスピードを上げたりしたんですけど、後半だんだんと差が広がってきてそれで萎えちゃって、結構気持ち的にもきつい展開になってしまいました。

―レース中の坪田駅伝監督からの声掛けで印象に残っている言葉は
言葉は忘れちゃったんですけど、最初の1㌔くらいまでは緊張で体がガタガタみたいな感じだったのが、監督の声掛けでリラックスできましたね。「7区と8区は2年生がつなぐから。信頼しているヤツを置くから」みたいな感じだったんですけど、なんか嬉しかったですね。「来年にもつなげるぞ」っていう感じでした。あとは「区間上位で走って彰太に良い報告するぞ」っていう言葉も心に響きました。

―戸塚中継所で稲毛選手にたすきを渡す時は何か言葉を掛けましたか
そんな考える余裕はなかったので、とりあえず早く渡そうという感じで。9区と10区は信頼している副キャプテンとキャプテンだったので、何も言わずにただ渡すことだけ考えていました。

―1時間05分21秒で区間9位、順位を二つ上げる走りでしたが、ご自身の成績を評価すると何点になりますか
自分の中ではこれ以上出し切れないので100点じゃないですかね。最後上げ切れなかったのはありますけど、やっぱり100点です。これ以上出し切れないです。

―家族や友人は今回応援に来ていたのでしょうか
家族はちょっと用事があって来られなかったんですけど、中1の時の担任の先生が平塚中継所に来てくれて「応援しに来たぞ」と言われたときはちょっと嬉しかったです。

―地元の友人からの反響はありましたか
なんかインスタとかLINEで勇気与えてくれてありがとうって感じで言われたので、これを聞いて走って良かったなって感じます。

―清水選手にとってこの一年間はどんな一年でしたか
結構刺激的な一年でしたね。最初の半年くらいは故障して、今まで故障はなかったんですけどそれを経験して故障者になる気持ちが分かったりして、そこから半年くらいで箱根に出走できるようになったのはうれしく感じますね。それから…大変な一年間でした。

―4年生への思いは
この一年間、2年生は結構やんちゃしてきたので(4年生は)大変な思いをしてきて、自分の中でもシードを獲れるか不安だったんですけど、シード獲れてうれしいと感じますね。しかも去年より1個順位を上げることができたので、さすが4年生という感じがしますね。

―箱根が終わったばかりではありますが、今年の目標は
今回の箱根は区間賞を目標にして走ったつもりだったんですけど、(区間)上位でゴールすることもできなかったので、今年も練習を積んで来年の箱根で区間賞を獲ろうという気持ちで挑んでいこうかなと思っています。

―応援してくれた人へのメッセージをお願いします
今回の箱根は応援に応えられる走りができなかったので、来年こそは応援に応えられるようにしっかり練習を積んで頑張っていきます。

(インタビュー・窪田真一)

9区 稲毛崇斗

ー総合6位という結果について
元々総合5位というのをこの1年間目標として掲げてきた中で、目標には一歩届かずというところではありましたが、とても収穫の多い、来年につながるような良い結果だったのではないかと思います。

ーご自身の希望していた9区で、当日変更での出走となりました いつ監督から伝えられましたか
12月の下旬の方に区間発表があって、そこで9区を走ってもらうということを全体的なオーダーとして提示されたという感じです。

ーチームは往路9位という結果でしたが、どうご覧になっていましたか
往路は他大学さんもかなり戦力を投入されていた中で、往路9位というという結果はかなり健闘した方じゃないかなと思っていました。

ー当日の脚の状態は?
結構調子が良くて、4年間で一番良かったんじゃないかなっていうぐらい脚が軽かったです。

ー去年はけがでエントリーメンバーに入れず、2年ぶりの箱根でした どのような気持ちで臨まれましたか
2年生の時に8区を走って区間13位ととても悔しい思いをしたので、最後は笑って終わりたいなっていうふうに思っていました。(2年前の)箱根の借りを返そうという気持ちで望みました。

ーご自身の9区での走りについて振り返って
國學院大学の選手と並走する場面があったなかで、僕が大体ペースを引っ張って、たまに國學院さんが引っ張ったりして切磋琢磨しながら、最後スパートで勝負して勝ち切ることができたのは非常に良かったかなと思ってます。

ー事前に監督からの指示はありましたか
結構良い順位でたすきが回ってきたので、國學院さんの力を使いながら、一緒に東洋さんを追いかけていこうという指示がありました。

ーレース中の監督の声かけで印象に残っているものはありますか
(高橋)彰太も一緒に走っているからっていうのはやっぱり印象に残りましたし、あとは4年間ありがとうっていうのも印象に残っています。

ー3㌔地点で國學院の吉田選手より前に出ましたが、どのような気持ちで前に出られましたか
勝ちたいっていう気持ちよりは、結構ペースがもどかしい感じだったのでペースを上げたいなという気持ちで前に出ました。

ー去年の8月に亡くなられた高校の後輩で、3年生の時には同部屋だった高橋彰太さんに対してどのような思いで走っていましたか
8月に彰太が亡くなって、やっぱり今回の箱根に関しては自分のためというよりは、彰太のために頑張りたいという思いが強かったので、彰太に対して少しでも天国に自分の活躍を伝えたいと思って走ることができたと思います。

ー今大会、稲毛選手から見た今大会のMVPはどなたでしょうか
武田はもちろん区間賞でいい流れを作ってくれたと思うんですけど、個人的には清水がすごい頑張ってくれたと思ってます。

ー清水選手を挙げた理由としては
本当に難しい局面で、8区で初の箱根ということもあって。矢原は結構力があったので、あまり心配はしていなかったのですが、清水は設定した目標タイムより早くたすきをくれて、想像以上に僕としてもすごく走りやすかったので、清水があそこまでいい走りをしなかったら僕の走りはなかったと思ってます。

ーこれから地元へ帰省されますか
このあと帰省して、あまりゆっくりする時間はないかもしれないですが、走ることは続けたいと思ってます。

ー高橋さんのお墓参りに行って、どのような報告をされますか
変な話ですけど、8月に亡くなってから4ヶ月間会えていないので、久しぶりに会って最初は「箱根駅伝頑張ったよ」って伝えて。その後は昔の思い出話でもできればいいなと思っています。

ー復路では6区で武田選手が区間賞を獲得するなど、後輩たちの走りが目立ちました 下級生で今後期待できる選手は
やっぱり7区を走った矢原はかなり力がある選手なので、来年は往路の主要区間を走ってくれるのではないかなと期待しています。

ー副主将として臨まれた今シーズンを振り返って
今シーズンはガタガタのシーズンで。全日本予選の敗退から始まり、出雲駅伝も9位で、正直箱根駅伝で戦えるか危うい状態だったのですが、やっぱりロード巧者といいますか、法政の走りをすることができたんじゃないかなと思ってます。

ー稲毛選手にとって箱根駅伝とは
最初は箱根駅伝ってしんどい場所とかきつい場所っていう感じだったんですけど、今回の箱根駅伝で、しんどくてきつい場所という認識から、すごい楽しい場所と切り替わったなと思います。

ーご家族、ご友人からは何か連絡はありましたか
結構連絡が来て、僕が走ってる姿を見てすごい元気をもらったというメッセージ多く頂きました。僕としても意外と反響があって、びっくりしてるところですね。

ー後輩たちにメッセージをお願いします
本当に僕らの代よりも全然力があると思うので、僕らの代より上の総合順位は絶対に達成できると思います。自信をもってチーム一丸となって頑張ってほしいと伝えたいです。

ーファンの皆様へメッセージをお願いします
この4年間、本当に駅伝を中心にあまりいい結果は出すことはできなかったとは思うんですけど、最後総合6位、9区で区間6位で後輩に何か少しでも良い姿を見せることができたのではないかなと思ってます。本当に4年間応援ありがとうございました。また、引き続き法政大学陸上競技部の応援よろしくお願いします。

(インタビュー・齋藤凌)

10区 宗像直輝

―総合6位、そして復路4位という結果について振り返って
5位が狙える位置で、自分が順位は下げなかったもののタイム差がぎりぎりになってしまったというのは少し悔しい気持ちが残るんですけど、去年の7位から1つ順位を上げて6位で終えることができたのは、1年間チームを作ってこられたこととしては良かった点なのかなと思います。

―個人としてご自身の走りについて振り返って
1年間通して、第99回の箱根駅伝が終わった後はあまりいい結果が出せなくて伸び悩んでいたんですけど、最後しっかり順位をキープして自分らしい走りをすることができたので、そこは良かったと思います。

―10区を走ることが決まったのはいつ頃でしたか
12月28日です。

―往路は9位でしたが、往路を終えた時点での心境はいかがでしたか
本当に青学さんが速くて。一斉スタートになるのは少し想定外でした。でも本当に5位が見える位置にいて、秒差があまりなかったのでそこは狙えるとは考えていたので、復路を走るメンバーには「狙えるからこそ焦らず突っ込まないように、冷静な判断をしよう」と伝えました。

―6区では武田和馬選手が区間賞を取りましたが、それを見ていて感じたことはありましたか
(区間賞を)取ると思っていたので、本当に実力通り、実力以上の走りをしてくれたのかなと思います。

―当日のご自身のコンディションとしてはいかがでしたか
冬場にかけてしっかり状態を上げてこられたんですけど、前回ほどの余裕度というか、自信がなかったので少し不安な部分はありました。もう少ししっかりコンディションを合わせられれば区間順位も上げられたかなという悔しさはあります。

―鶴見の時点では國學院大と見た目の順番で並ぶ形で、実際のタイムとしては50秒ほどの差で6位でした その心境としてはいかがでしたか
東洋さんか國學院さんどちらかを抜かなければいけなかったので、50秒差つけるか、前に追いついて50秒差をつけるかという少し厳しい戦況になりました。両方とも、特に東洋さんに関しては区間賞ということで実力のある選手で、途中からは監督からも6位を死守しようという指示があったので、 そこは6位をとってゴールするという目標にシフトしました。

―最終的には7位の早大と5秒差でしたが、早大が詰めてきているたいう情報は入っていましたか
常に入っていましたね。

―そこからラストスパートにもつながったという形でしたか
正直追い抜かれていると思っていたので、ラスト3㌔の時点で多分6秒差ぐらいあって、そこからあまり(ペースを)上げられていなかったので、正直ゴールした時点では抜かれていると思っていました。ゴールで受け止めてくれた部員たちが「(早大に)勝ったよ」と言ってくれました。

―監督からの言葉で、何か印象に残ってるものはありましたか
最後、「4年間ありがとう」というのと、「法政大学に来てくれてありがとう」というような、そういう感謝の言葉をいただいたのは本当にこれで最後なんだなという実感と同時にうれしさがありました。

―主将として過ごした1年間を振り返って
3年目で結果が出た反面、4年目で結果が出なかったので、主将として結果を出せなかったというのが大変な1年間だったんですけど、最後10区として、ゴールテープを切って、去年よりいい順位で帰ってこられたというのは本当に、1年間チームを作って、みんなと一緒にやってこられてよかったなと思います。

―4年間全体を振り返って
4年連続で箱根メンバーに入って、3、4年と出走することができたので、 これに関しては本当に悔いがなくやり切ることができたんですけど、出雲駅伝にだけは出られず、三大駅伝に出るという目標は全日本と箱根だけになってしまったので、少し悔しかったなと思います。

―4年生と後輩それぞれに何かメッセージがあればお願いします
4年生に関しては、本当に一緒にチームを作り上げてきてくれてありがとうと伝えたいです。後輩たちに関しても、自分は今までの主将よりだらしないというか、劣る部分が多かったんですけど、それでもしっかりついてきてくれて、最後、信頼して10区にたすきをつないでくれたので、そこも本当に1年間ついてきてくれてありがとうという気持ちを伝えたいです。

―最後に、応援してくださったファンの方々にメッセージをお願いします
沿道やテレビの前でのご声援、本当にありがとうございましたと伝えたいです。走っている時に、本当にオレンジ色の集団というのはすごく目に入りますし、声かけというのも本当に耳に入ってくるもので、実際それを聞いて自分も含めて選手は力が入るので、そういうところで、あとは4年間お世話になりましたと伝えたいです。

(インタビュー・岩瀬智悟)

 

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