【ハンド】2014関東学生ハンドボール連盟秋季リーグ入替戦 対立大 運命の入替戦、法大が見せた1部の意地!
関東学生ハンドボール連盟秋季リーグ入替戦 対立大
2014年10月26日(日)
日体大健志台
ついに迎えた入れ替え戦。2部優勝校・立大と1部の座を賭けて争う。立大とは毎年定期戦を行っており、その意味では互いに手の内を良く知る相手と言える。過去4年間の対戦成績は公式戦で2勝1敗、定期戦では1勝3敗とほぼ互角だ。なかでも入れ替え戦での対戦は1勝1敗、まさにライバルと呼ぶべき存在。はたして法大は勝利をつかみ、1部残留を決めることができたのかー。
試合結果
28 法政大学 |
18 | 前半 | 10 |
24 立教大学 |
---|---|---|---|---|
10 | 後半 | 14 |
戦評
気合十分で迎えた前半、リーグ戦とはまるで違う法大の姿がそこにあった。坂野翔也(社4)が先制点を奪うと、GK柿崎雅敏(デ工2)が好セーブを連発。一気に勢い付いた法大は次々と得点し、4-0と序盤からリードし幸先の良いスタートを切った。DFでは石川雄貴(経2)を中心に全員が声を掛け合い守り、相手が攻める隙を与えない。特にポストでは長谷川良介(社2)らが鉄壁の守りを見せ、立大のポストで攻撃の要である田畑好晴を完全に封じ込めた。OFでは坂野や河本憲汰(経4)を軸にできるだけ速攻で攻め、ほぼミスもなく毎回のOFで確実に得点。攻守ともに完璧ともいえるプレーを見せた前半の得点は18-10。大きく差をつけて後半へ。
後半は、前半と打って変わり、法大が苦手とする出だしでつまずいてしまう。ここまで攻守で活躍していた遠藤由陽(経3)が相手との接触で膝を痛め一旦コートを去り、さらに柿崎がゴールを守る際相手と接触してしまうというアクシデントで反則を受け2分間の退場を余儀なくされてしまう。その間ゴールを任されたのは中村裕貴(経3)。だが開始9分を過ぎるまで法大の得点はなく、気が付けば18-16と2点差まで詰められていた。この状況を打破したのは渡邉大貴(社3)と河本。2人の得点により、落ち込んでいたチーム全体の活気が戻る。ようやくDFも機能し始め、立大を追撃を許さない。北川誠人(経3)と河本のダブル退場の時間帯もあったが、前半の調子を取り戻した法大の勢いは止まらない。リーグ戦からずっとやってきた「DFから速攻」の形を何度も成功させ、再び点差を開かせた。終盤はシュートを決め切れない展開も続いたが、逆転を許さず雰囲気は良いままで試合終了。28-24、雲行きの怪しい時間もあったが逃げ切り、1部の意地を見せ勝利を手にした。
入れ替え戦を制した法大はこれで1部残留を確定させた。試合後半は危ぶまれる流れもあったが、前半のプレーは今季最高のものであったといえるだろう。この試合で掴んだものは残留だけではないはずだ。次は最後の集大成としてインカレの舞台に挑む。(宮下優希)
監督・選手のコメント
佐藤浩監督
―今日の試合を振り返って
とにもかくにも絶対に勝たなければいけない試合だったので、勝てて良かったです。
―速攻が良く決まっていた印象がありました
立大の怖いところをビデオで研究して、そこを潰してのDFからの速攻がうまくはまったなと思います。
―今日はDFも非常に機能していましたね
立大の怖い選手というのは、やはり真ん中の3人だったのでそこをいかに厚く守れるか、いかに潰せるかというところが練習通り動けていたので良かったです。
―前半は序盤から速攻での得点が多く見受けられましたが、後半はどうでしたか
まったく変わってしまいましたね。今年の法政は後半の出だしが1年通して悪いというのはのは私も彼らも自覚しているのですが、今日も出てしまいました。インカレはノックダウン方式ですのでそこはしっかり改善していかないといけないです。
―今日の試合一番良かった選手を一人あげるとしたらどの選手ですか
今日は柿崎ですね。DFも頑張っていましたが、どうしてもノーマークになってしまうような場面を柿崎が止めてくれていたので、それが最後に貯金として生きてきたかなと思います。
―次回の試合はインカレですが、抱負は
一つでも多く勝ち上がりたいです。今年はあまりチームの成績は残せてないですが、悪いチームだとは全く思っていないので、少しでも長くやって四年生に気持ち良く引退してほしいです。
河本憲汰主将
―今の率直な気持ちは
安心しています。入替戦にいくまではあまり考えていなかったのですが、やはり今の3年生以下の代に1部でプレーできるチャンスを僕らが潰すわけにはいかなかったので、絶対に1部に残留してバトンタッチ、それを最低限果たすことができたのかなと思います。
―試合を振り返って
前半が出来すぎという感じですね。いままでのリーグ戦等でも見たことのないような出来でした。DFの時は下がっていてコートの外から見ている場面が多かったのですが、見違えるような、やればできるじゃないかと。やはりこれをインカレに向けて継続させていくってことが大切ですね。もう一つはリーグの時から言っている後半の立ち上がりですね。具体的な改善策っていうのはないので、メンバーを替えつつやるしかないですね。
―前半は最高な調子でしたが、その要因は
この入替戦に向けて、ゲーム形式の練習を多くこなしたというのがよかったのかなと思います。そのときに緊張感をもって練習できたのが一つの要因かと思いますね。
―リーグ戦が終わって1ヶ月という長い時間があったが
他のチームから映像を借りたりして研究もしていたので、相手の特徴というのもある程度把握できていました。時間に結構余裕があったのでそういったことも綿密にできましたね。そして最後の1週間はゲーム形式で仕上げてきました。
―後半、河本選手ご自身を含めて退場者が多くなったが
僕の退場はいらなかったかなと思いましたね。ただその中でもチームは踏ん張れました。
―今日はカットインも何本か決めていました
ビデオを見ていて、相手のレフトバックがあまり1対1は強くないと感じたので、そこは狙っていました。
―シュートミスもほとんどなかったが
入らない日はとことん入らないのですが、今日は全員が満遍なく得点できたと思いますね。チームに流れがくるポイントでシュートを外さないというのもあると思うので、そういった意味でよかったです。シュートが入れば自然と盛り上がるので、チームも勢いに乗れました。
―インカレでの目標は
ベスト4を狙いたいです。最低でも初戦突破して、2回戦で東海にリベンジしたいですね。(1回戦は京産大、2回戦は東海大と高松大の勝者と対戦)。前回の初戦敗退は本当に悔しかったです。そういうことを考えるとリベンジという意味でも1回戦、対戦相手は違うのですが、なんとしてでも勝ちたいですね。
―インカレに向けての意気込み
今日の一戦でチーム力も上がったと思います。残り1ヶ月、最高のパフォーマンスができるようしっかり準備して、今日のような試合を岐阜でもしたいです。
坂野翔也
―率直な感想を
素直に今日勝てたことにホッとしています。
―試合全体を振り返って
前半は全員気持ちが入っていて、DFもOFも一人一人が強い気持ちでプレーできていたので、その戦いができればインカレでも上位を狙える、そのくらいいい流れでやれました。しかし、課題である後半の入りという部分でミスや消極的なプレーから相手に流れをもっていかれてしまったので、そこはインカレ向けて最後の課題だと思います。
―前半良い形にもっていけた要因は
秋リーグが終わった時点で、立教の対策として映像を観たり、一人一人がやるべきことをしっかり意識して練習に取り組んできたのでこういう結果が出せたんだと思います。
―後半は退場者も出し、苦しい場面もあったが
入替戦という異様な雰囲気の中で、相手に流れがいきかけている時に自分たちが熱くなってしまったりして、もったいないミスがありました。やはりそこらへんは一人一人が声を掛け合って、しっかりお互いの意思を統一するってことが大切だと思いますね。
―坂野選手ご自身、秋季リーグはけがに苦しんだが
秋はチームに迷惑をかけっぱなしでいたので、今日はスタートから全力でいくと決めていました。
―来年も1部でプレーできることについて
法政はもっともっと上位を狙えるチームだと思うので、後輩たちには自信を持って戦ってもらいたいです。
―この勝利はインカレに向けてもいい弾みになったと思いますが
今日勝てたことは法政にとって大きな勝利で、これを弾みにしたいですね。
―インカレに向けて
まずは先を見据えずに一つの試合に全力で戦っていきたいですね。そうすれば結果は自ずとついてくると思います。(インカレまで)残りの時間もあまりないので、1日1日を大切にして日々の練習に取り組んでいきたいですね。
渡邉大貴
―今日の試合を振り返って
今はこれが「勝つ」ってことなのかなという思いです。なんとしても勝とうという気持ちで戦いました。
―今日の試合DFが機能していました
今日は本当にDF100くらいの気持ちでした。安定して守れていたので出だしからいい展開でいけたと思います。
―後半の出だしはいかがでしたか
少し油断があったのかなと思います。相手が落ち着いていて気持ちの面でやられてしまいました。ただそこから修正できたのが勝ちに繋がったかなと思います。
―ご自身で良かったプレーはありますか
難しいですけど挙げるとしたらポストプレーです。相手のペナルティを取ったりして得点へ貢献できたのが良かったです。でもやっぱりみんなでDFを頑張れたのが一番です。
―今日の試合一番良かった選手はどなたですか
みんな良かったとは思うんですけど、(坂野)翔也さんですね。得点がほしいときにとってくれるし、マークがきついときでも相手を引き寄せての判断などとやってくれていたので本当最高でした。
―次回はインカレです。抱負をお願いします。
インカレは負けたら終わりですので。一試合ごとに一生懸命やりたいです。そうすれば結果もついてくると思います。
石川雄貴
―見事残留を勝ち取りましたが、今日の試合を振り返っていかがですか
立教はリスタートが早いってことで、リーグ戦が終わってから1ヶ月間ずっとAチームBチームとわけてリスタートの練習をやってきたんです。リスタートに対するDFだとか。前半はそれがうまくできましたが、後半は、法政の特徴である入りの悪さがでてしまい、そこから一気に前半できていたこともできなくなって、ああいう点差になってしまったのは悪かったです。インカレでは前後半通してできるようにしないと1勝っていうのは厳しいなと思いますね。
―石川選手はDFで大活躍でしたが
DFはリーグ戦よりもリーグ終わってからの1ヶ月間の方が、練習からコミュニケーションを多く取れていました。練習も悪いところあったら1回1回止めて「ここはこうだよね」って選手同士で話し合う機会も増えたので、その点ではうまくいきました。サイドでボールカットするなんてプレーもリーグ戦ではなかったのですが、今回はそれもできたので連携はうまく取れていると思います。
―今日はリーグ戦よりも声かわかなり増えました
練習中から話し合っていこうって意識してやっていたので。そういう点がDFもOFの成功へ繋がっていったんだと思います。
―DFの際に石川選手が色々と周りに指示をしていましたが
コートに入ったら学年関係なくリーダーシップを取っていこうと思っています。
―特に坂野選手への指示が多かったように感じましたが
翔也さんに言っておけば全体に伝わるので言っていました。(―どんなことを)点差詰められてるけど時間と点差見ろよ、というのと、向こうが焦っているからこっちは焦る必要はねえぞ、ということですね。あとは戻りだけ徹底して、それから退場だけしないようにということを言っていました。
―OFもかなり参加されていましたが
今度はOFでも貢献できるように頑張ります。自分はシュートを決めるとかじゃなく、相手を引き寄せてパスっていうのが特徴なので、それをうまく活かして、どんどん周りの良い選手を活かせればなと思います。
―来年も1部ということで
来年はもう入れ替え回避とかじゃなくて、1部上位の3.4位あたり目指していきたいです。今日の前半みたいな試合をやれれば、1部リーグでも通用すると思うので。メンバーもそれくらい良い人がたくさんいて、1部で劣っているなんてことも全くないと思っています。やることだけしっかりやって自分らが集中できれば来年も良いチームになるはずです。来年も頑張っていきたいです。
―今後の課題は
リーグの反省からなんですけど、流れが悪くなったときにいかに最小限にして悪い流れを止められるかっていうのが課題です。悪い流れでそのまま終わっちゃったのがリーグ戦の試合で、最後に良い形で終わった試合はたぶん1試合もないんですよね。前半良くても後半悪くなってそのまま試合終わっちゃった、みたいな。そこでいかに最小限に抑えて早く自分たちの流れに持っていけるか、っていうところまでが法政の課題だと思います。
―インカレに向けて
インカレは4年生とできる最後のハンドボールですし自分は中学からの先輩とか高校の先輩とかもいて、とても良い先輩たちなので最後は良い引退のしかたをしてもらいたいなと思います。自分は下級生としてできること、試合に出たらそこで発揮して、出なくても色々と自分のできることに集中してやっていきたいです。
フォトギャラリー
- 円陣で気合を注入
- 圧倒的得点力を見せつけた坂野
- 主将としてチームに勝利をもたらした
- 渡邉は攻守でチームをけん引した
- 後半、ピンチの場面でコートに立った猪俣淳三郎(経2)
- DFで大活躍した石川
- 2年生ながらチームの中心の長谷川良介(社2)
- 残留を決めた選手たち