【バレー】 リーグ戦直前!展望&選手インタビュー
2015年8月14日(金)
法政大学市ヶ谷総合体育館
ついに1瞬間後に迫った2015年度関東大学バレーボールリーグ戦(秋季リーグ)。昨年の秋季リーグでは、10年ぶりとなる4位進出を果たし、躍進を遂げた。今年はそれを超えるべく秋季リーグに臨み、4年生にとっては最後のリーグ戦となる。今回は開幕までの選手たちの心境に迫る。
展望
今春のリーグ戦で12チーム中7位(5勝6敗)に終わった法大。開幕前は入れ替え戦候補との呼び名も高かったが、セッターの長谷川優太主将(法4)を軸とするコンビバレーにより、最終的には昨春と同じ成績を残した。また、昨季とは異なり、個人技に頼りすぎずに勝利を重ねられたことは選手たちにとって大きな自信になったといえる。
加えて、選手個人でも大きな成長が見られた。ウィングスパイカーの千住治(営4)とオポジットの榎本京祐(法2)はそれが顕著だ。4年目となった千住はリーグ戦全戦に出場、攻守にわたり幅広い活躍をみせた。とりわけレシーブ面では中心といえる活躍をみせ、リベロの小林慎平(営2)とともに、法大のレセプション面において欠かせない選手となった。現在では、守備面だけでなく攻撃面においても軟攻を織り交ぜる練習を行い自身の攻撃に磨きをかけている。 一方、榎本はオポジットとして自身の能力を開花させた選手である。昨季は春季リーグ開幕戦を除き出場機会に恵まれなかったが、備わっていた高い攻撃力で春季は大ブレイクを果たした。
チームでも選手個人でも成長がみられたが、秋季に向け課題も多く山積している。その一つとして挙げられるのが、精神面での課題だ。春季リーグの早大戦などでみられたように、ペースを崩され試合が不利な展開になると、コミュニケーションが少なくなり、プレーに悪影響が出てしまうシーンもあった。だが、東日本インカレで敗退(ベスト16)して以降「きつい練習をしている」(長谷川)とトレーニングの増量やゲーム形式の練習ではレギュラーチームの点数をマイナスの状態でスタートさせるなど、新たな取り組みも行っている。これに加え、リーグ開幕前には実業団などとの練習試合も行い、秋季リーグに向けた精神面の改善つなげている。
秋季リーグ開幕戦の相手は春季に敗れた筑波大。エース高橋健太郎などを擁し、ブロックの高さやサーブ力の強さに定評があるチームで、法大が苦手とするタイプでもある。また、続く2戦目の東海大や4戦目の順大も高い選手を多く揃えている。これらのチームを相手に連勝を決めれば、法大は一気に上位へと近づくはずだ。開幕2戦は今後の命運を懸けた戦いだが、コンビバレーが最大限に生かされれば、勝機も十分にある。各チームとも力を付け臨んでくるため、厳しいリーグ戦になることが予想されるが、実力を発揮し目標である昨秋の成績(4位)を上回ってもらいたい。(松本凌太)
監督・選手インタビュー
濱口純一 監督
ーまずは前期(春季リーグ戦と東日本インカレ)を振り返って
リーグ戦は勝ち越しで終われるかと思ったのですが、最後負けてしまって非常に残念だったかなと思います。当初は入れ替え戦にいくようなチームだったんですけど、リーグ戦を通じて4年生が頑張ってくれて榎本も成長してくれたので、そこがリーグ戦を勝てた要因かなと思います。東日本インカレは私がユニバーシア
ードのコーチでいなかったので、山田(快)コーチが行ってくれましたけど、こっちからミスを出してしまって負けたと聞いています。秋はどの大学もチーム力が上がってくると思うので、今の時期と残り3週間でチーム力を上げられたらなと思います。
ー春リーグでターニングポイントになった試合などはありますか
最初はセンター線を変則的なかたちでやり、途中から小粥と田中という本来のかたちに戻して、さらに打つ専門のオポジットを置いたことでかたちができ上がりました。それで、点数を取れていったということが一番大きかったかなと思います。あとは途中長谷川がU-23の試合でいなかったときに残りのメンバーで総合力で戦ったところが良かったかなと。
ーリーグ戦終了時には「今後も全員の底上げを図る」とおっしゃっていましたが、今のところは
4年生はある程度力を発揮してくれると思うし、小林に関してもある程度の計算はできると思います。あとは、榎本、緒方、ミドルの控えの進藤、森川、佐々木というところがもう少し伸びてこないとリーグ戦は長いので何が起こるか分からないので、この練習時期にしっかりやってくれたらなと思います。今伸びている選手は1年生だと川村。緒方も上級生でレギュラーを取られたくないという気持ちがあると思うので、頑張っていますね。
ー秋リーグにキーマンとなる選手は
やっぱりまずはセッターの長谷川くんのトスワークである程度ブロックを少なくしてくれるので、あとはアタッカーが決めきれるようになれば今年に関しては良いゲームができるんじゃないかなと思います。
ーアタッカー陣の調子は
今は練習をやり込んでいるので疲れてパフォーマンスを発揮してないですけど、8月下旬から合宿を行ったりするので、そこら辺でつめてアタッカーというよりはチーム全体の調子を上げていければと。まずは、多摩で単独で合宿をして、そのあとは東レ、大同特殊鋼と試合をします。そういう意味では格上のチームとの対戦となります。こっちかどういう風な感じでできるのか指標を測るところなので、しっかりできればなと思います。
ー合宿を通して試したいことなどは
リーグ戦は長いので、やってきた練習の成果を発揮できるようにしたいです。みんな一緒に一日いるわけなので、生活からみんなでやっていくことですね。
ー「変則的なポジションを起用する可能性もある」とおっしゃっていましたが、それを試されたりなどは
それも頭には入れていたんですけど、まだ選手たちが対応するのは難しいと思っています。それだったらオーソドックスに自分の役割ができるチームを作っていくべきかなと。総合的にできるようになれば変則的なかたちであっても間違えではないと思っているので、それができるような選手を育てていきたいなと思います。
ー4年生にとっては最後のリーグ戦となりますが
彼らが入学したときは2部だったのですが、そこから1部に上がって、また2部に落ちて、そこから1部に上がってという流れで浮き沈みの激しいところを経験しています。なので、メンタル的には強くなり自分たちで2部に落としたくはないという思いはあるので、責任感はあると思います。
ー今後チームとして改善していきたい点は
他の大学に比べると身長が低いので、もっとレシーブを上げたり精度だったりを上げていかないと大事なとき1点が取れません。それを考えて残りの練習をできればなと思います。
ー秋リーグに向けて
去年の秋が4位という成績だったので、まずは4位を越えられるような成績にできれば良いかかなと思います。ただ、これは相手がいることで、初戦の筑波大と次の東海大はでかいチームなので、そこをしっかり勝ちたいです。毎回言ってますがスタートダッシュを切れば良い結果が出ると思ってます。
長谷川優太 主将
ー前期(春季リーグ戦、東日本インカレを振り返って)
春季リーグ戦の前はパスやつなぎの練習を良くやっていて、少しではあるんですけどその練習の成果が感じられたかなと思います。そんなに攻撃力のないチームなので、小さいことですけどそこら辺をやっていかないと勝てないので。
ー東日本インカレが終わったあとには「精神力の弱さが出た」とおっしゃっていましたが、そこら辺は現在いかがですか
あれから、キツい練習を始めましたね。キツくてもやらなければいけないことは同じなので、それをキツいなかでどれだけやれるかです。トレーニングも増やしたり、ゲーム形式の練習の時にAチームだけマイナスの点数からスタートして負荷が大きいような練習をしています。
ー夏休み中の練習や練習試合などは、いかがですか
4年生だと就活とかで人がいないことが多く、全員揃っての練習試合がまだできてないですね。
ー4年生の多くがコートに入っていますが、雰囲気としては
下級生に声をかけたり、チームを引っ張っていこうとするのは他の4年生からも感じられました。
ー主将としては
そんなに高いレベルのものを求めているわけではないので、そこら辺ができなければ言いますね。やることはやってもらわないと、みたいなことは言いますかね。
ーチームとして今取り組んでいることなどはありますか
チームとしては特にないですね。今は個人個人でやっています。一回チームとしての練習が終わって、そのあとに個人の練習をしています。それを合宿中とかに個人個人でやったことをチームとしてやっていく感じですね。合宿では始め多摩でやって、そのあと静岡、名古屋に行きます。そのあとも練習試合が続く感じです。
ー長谷川選手はセッターとしてはどのような練習を
僕が今やってることは相手を騙すことです。爆発力のあるスパイカーはいないので、ブロックを少なくして打たせるために相手のブロッカーを騙す練習をしてます。(具体的には)コート上で口で色々言ったり、相手見ながら上げたりですね。単調になったら負けるので。
ーそのなかでもキーマンになる選手は
千住とリベロの小林のサーブレシーブがけっこう返ってくるので、そこが崩れたらチームも終わりかなと。毎試合ですけど、その二人が我慢してくれているので、そこがキーマンですかね。
ー秋リーグに向けて課題などは
負けるときは僕たちが勝手にチーム内でミスをしてしまって、相手と戦っているという感じではなくなってしまいます。それをなくすためにやっぱりパスから正確に丁寧にやっていかないとですね。
ー最後の秋リーグに向けて
最後なので悔いの残らないように、楽しんで騙したいなと思います(笑)。
千住治 副主将
ー前期(春季リーグ戦と東日本インカレ)を振り返って
リーグ戦は思ったよりはできたかなと。以外と戦える力はあるんだなと思いました。東日本インカレに関しては弱点を全部あぶり出されたかなと思います。日体大戦では、榎本のストレート打ちが相手のリベロに拾われたりとか、ミスにつながったりとかしていたので、今それは修正しています。
ーご自身としては何か弱点はありましたか
4年生なので、榎本や安東、緒方が決まらないときにどれだけ普通に切っていけるかが秋のリーグではポイントになってくるのかなと思います。
ー今年はコンビバレーを念頭にチーム作りをしてきましたが、イメージ通りでしょうか
良くやった方だと思いますけど、すごく細かい部分で直すところがあります。チャンスボールを決めても、またチャンスボールで返ってきて焦るなかどれだけまた返せるかどうか、という部分に関してまだまだ下級生が足りていないので、そういったところが修正できれば完成度の高いコンビバレーができるんじゃないかなと思います。
ー春季リーグ戦では副主将として出場、かつ半分近く長谷川選手がいない状態でしたが
最初は神谷がどれだけできるかっていうのがあったのですが、以外とやってくれたので、そういったところでチーム力が落ちなかったのはプラスの発見でした。優太がいなくても戦えたことには自信が付いたと思います。
ーレセプションの要となっていると思いますが、何か意識していることは
とりあえず、リベロの(小林)慎平を成功率で抜かすことかな。春リーグのランキングであいつが3位で僕が5位だったので。いかんせん受ける本数が多くて…。二人でレセプションすると大体相手はリベロはずしてサーブを打ってきます。
ーやはり、法政はレセプション成功率は高いのですが
高いらしいですよ。春リーグで出たランキングだとサイドアタッカーで入ってたのはほぼ俺だけですし、1位~10位は大体リベロでサイドアタッカーは法政しか出てないので、上位10人に二人入っているは高いらしいです。
ースパイクとかでは意識していることはありますか
今は色々試していて、フェイントをしたりだとか遊びですね。表現悪いですけど、使えるものと使えないものを試しています。FC東京と練習試合をしたときに通用したものは、どこの大学でも通用すると思うので、今は強打よりもどれだけ軟攻を織り交ぜられるかです。
ー現在、課題などはありますか
何にしてもそうですけど、勝負どころのプレーというのは4年生がやらなければいけないことだと思います。少しはできていますがそれにおごらずに完璧を目指して。勝負どころでは上がってくると思うので、そういったところで決められるようなスパイカーになりたいなと。レセプションに関しても後ろになったときに狙われても淡々と返せるようにならなければいけないかなと思います。
ー秋リーグに向けて
どれだけ勝てるかというのは必要になってくると思うので、全部取れると思うぐらいの力はあります。先を見ずに一つ一つ勝って上位に入れれば良いかなと思います。大学に入ってから一番良い成績が取れれば良いです。
小粥圭祐
―春リーグ、東日本を振り返って
最初は新チームになって、形とかメンバーとかあまり決まっていなくて、探り探りやっていたところもあります。今こういう時期になってきてチームもそろそろ固まってくる時期になってきたので、秋リーグが楽しみっていう感じですね。
―現在のご自身の調子は
4年生なので就職活動とかで両立して大変なんですけど、練習の調子としては悪くない感じですかね。
―チームの調子の方は
最近ようやく実戦練習みたいな感じでやってきて、あとこれから合宿とかも控えているので、そこでどれだけチームが1つになっていけるかっていうのがポイントかなって思います。
―今は特にどんな練習を
ゲーム形式の連続性のある練習とかで、今は実戦に近い練習を多めにやっています。
―オフはありますか
明日オフがあって、そこからはほぼないですね、夏休み中は。
―息抜きの方法は
映画鑑賞で!(笑)。まあでも、普通にチームのメンバーと部活終わりにご飯行ったりとか、遊んだりするのが、そのままリフレッシュになります。
―仲が良いんですね
そうですね、仲は良いです。
―春リーグの後多くの選手が、試合中の雰囲気を改善点として挙げていましたが、改善できそうですか
コートの上で4年生が結構多めに出ているので、自分たちが声を出してどれだけ引っ張れるかっていうのも大切かなと思ってます。
―主将の長谷川選手の印象は
チームメイトでも上手いなっていうのが第一印象ですかね。スパイク打ってても優太(長谷川選手)のトスは打ちやすいし、安心してスパイクのフォームに入れるって感じです。
―後輩の印象は
1年生は入って大分経ちますけど、練習やってきて大分打てるようになってきましたし、頼りになる後輩も結構多いので、そこはあんまり心配してないですね。
―4年生として最後のリーグとなりますが、かける思いなどは
最後なので、ここで入れ替え戦にいくのは格好悪いので(笑)。しっかり上位目指して頑張っていきたいですね。
―秋のリーグ戦で特に手強くなってくる相手は
春は日体大にストレートで勝ったんですけど、東日本では負けてしまったので、秋はもう一度リベンジで、日体大には勝ちたいですね。
―目標は
とりあえず春よりは良い成績を目指して。…1位ですね!(笑)
―意気込みをお願いします
全カレは残ってるけど、やっぱりリーグ戦っていうのは大事です。4年間今までやってきたことをしっかり出せるように頑張っていきたいです。
小林慎平
―春リーグ、東日本を振り返って
春は、良い感じでした。キャプテンがいなかった分、みんなが頑張ろうとかそういう感じがありました。東日本がちょっと逃した部分があったかなと。東日本で、この夏の練習でやるべき課題が出たんじゃないかなって感じです。
―現在のご自身の調子は
普通です。
―チームの調子の方は
今は榎本の調子があんまり良くないです。夏後半に企業合宿とか多摩で合宿やったりするんで、そこで大分いい感じに上がってきてくれれば、チーム全体にもいい影響があるんじゃないかなって思います。
―今は特にどんな練習を
ゲーム形式を結構やってますね。実践に近い形でやってます。
―春リーグのサーブレシーブのランキングで3位でしたが
1年生の時に十何位とかで、今回の2年目で3位入れました。だんだん上がってきたので、焦らず、ちょっとずつ成績を上げていこうかなと。いずれかはちゃっかり……あるかなって感じです。
―東日本の時におしゃっていたインソールはまだ入れていますか
大分慣れました。(東日本の)試合の当日にしょっぱなで入れて、ちょっと慣れない状態でやってたんすよ。今は大分慣れてきましたね。
―入れていないときと、どんな違いが
分からないです。整骨院に連れて行かれて、入れろって言われたんで入れました。
―先輩の印象は
キャプテンは偉大で素晴らしいキャプテンだと思います。センターの小粥さんは明るいし。千住さんは高校から一緒なので何も思わないです。田中尚さんは頑張ってるなあって印象ですね。
―後輩の印象は
僕怒ってばっかりなんで。もうちょっと仕事やってほしいなって感じに思いますね。一昨日も(仕事のことで)すごい怒ったんですよ(笑)。
―期待できる後輩は
いないです!(笑)
―秋のリーグ戦で特に手強くなってくる相手は
中央大学じゃないですかね。東海大学は強いですけど、一番強いのは中央大学かな。あとは国士館とか、どこも手強いですね。今年はちょっと厳しいので。
―目標は
最低でも一部残留というのはあるんですけど、やっぱりやるからには上から4つくらいを狙いたいです。
―意気込みをお願いします
今回は多分どのチームもそろってきます。チームの順位も大事なんですけど、個人的にも賞を狙いたいなと思ってます。
(取材:南高節、野口愛優)
大会日程
【第1日】9月6日(日) 対筑波大 専修大学生田キャンパス総合体育館 11:00~第1試合
【第2日】9月12日(土) 対東海大 専修大学生田キャンパス総合体育館 11:00~第3試合
【第3日】9月13日(日) 対国士大 専修大学生田キャンパス総合体育館 11:00~第3試合
【第4日】9月19日(土) 対順大 専修大学生田キャンパス総合体育館 11:00~第1試合
【第5日】9月20日(日) 対早大 専修大学生田キャンパス総合体育館 11:00~第3試合
【第6日】10月3日(土) 対中大 町田市立総合体育館 11:00~第1試合
【第7日】10月4日(日) 対駒大 町田市立総合体育館 11:00~第1試合
【第8日】10月10日(土) 対東学大 日本体育大学健志台キャンパス米本記念体育館 11:00~第2試合
【第9日】10月11日(日) 対専大 日本体育大学健志台キャンパス米本記念体育館 11:00~第2試合
【第10日】10月17日(土) 対明大 日本体育大学健志台キャンパス米本記念体育館 11:00~第3試合
【第11日】10月18日(日) 対日体大 日本体育大学健志台キャンパス米本記念体育館 11:00~第2試合
※試合時間・会場等は変更となる場合がございます。
秋季リーグも会場にて『バレーボール号外』を設置予定!
秋季リーグも試合会場入り口にて「バレーボール号外」設置する予定です。毎週土曜に発行予定(秋季リーグ初回発行は9月12日)。
毎週2試合の展望記事を掲載しています。ぜひ、お手に取ってバレーボール観戦をお楽しみください!
フォトギャラリー
- 練習風景①
- 練習風景②
- 練習風景③
- 練習風景④
- 練習風景⑤
- 練習風景⑥
- 練習風景⑦
- 練習風景⑧