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【空手】第59回全日本大学空手道選手権大会 全国の舞台は3回戦に落とし穴・・・ 同大に屈し、ベスト16で今季最後の大会を終える

空手
 

【空手】第59回全日本大学空手道選手権大会 全国の舞台は3回戦に落とし穴・・・ 同大に屈し、ベスト16で今季最後の大会を終える

第59回全国大学空手道選手権大会
2015年11月23日(月)
大阪市中央体育館

今季の集大成として臨んだ全日本団体。法大は1,2回戦を勝ち抜き、ベスト16入りを決める。3回戦は同大と対戦した。この3回戦で、毎年、定期戦を行っているチームに対し、大将戦の山﨑主将まで回せず、0-2で敗戦。「勝てない相手ではなかった」と選手が口をそろえたように、悔しい結果で今季を終えることとなった。

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最後の大会となった山﨑

試合結果

男子団体組手

 回戦 対戦校   結果  試合詳細 
1回戦  愛知学泉大  ○4-1 

花車○6-0

小野田○5-1

林●0-6(反則)

岡本○3-1

山﨑 ○1-0

2回戦  拓大  ○3-1 

花車○4-2

林●0-3

岡本○4-3

小野田○4-1

福岡――― 

3回戦  同大  ●0-2 

花車△1-1

林●0-2

岡本△1-1

小野田●0-1

山﨑――― 

戦評

初戦は愛知学泉大との対戦。先鋒の花車勇武(国3)が6-0で幸先よくスタートを切ると、次鋒もこれに続く。中堅戦を反則負けで落としてしまうが、副将戦はしっかりとものにし、最後は大将として登場した山﨑祐樹主将(国4)が残り数秒のところで意地の突きを決めた。順調に初戦突破を果たす。

続く2回戦は花車が「一つのヤマ」と語った拓大との一戦。先鋒戦を勝ち取るが、次鋒戦は攻めあぐね落としてしまう。しかしその後は、中堅の岡本洸(生命2)が先制点を許しながらも中段蹴りで逆転し、王手をかけた。副将で登場した小野田守徒(文3)も開始早々に鮮やかな上段蹴りを決め3点を取ると、本人も納得の試合運びで、大将戦を待たずに3回戦進出を決めた。

定期戦などで交流があるという同大と相対することとなった3回戦。先鋒戦の花車は引き分けとすると、次鋒戦の林康平(スポ3)相手の中段蹴りが決まり敗れてしまう。中堅戦の岡本も引き分けとされ、迎えた勝負の副将戦は小野田に任された。「絶対に(大将の)山﨑先輩に回す」と挑むが、得意の蹴りで攻めたところを逆に相手に突かれ、ポイントを落としてしまう。最後まで気迫を見せたが、勝利には届かなかった。

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初戦で勝利を挙げた山﨑主将

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先鋒でチームを勢いづけた花車

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思うような結果を残せなかった林

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2年で唯一出場した岡本

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3回戦、小野田は「絶対に山﨑先輩に回す」と意気込むも惜敗

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敗戦後、山﨑主将はメンバー全員と握手、抱擁を交わした

ベスト16という昨年より上の成績で最終戦を終えた法大。まだまだ満足できる結果ではないが、そこには確実に成長が見られた。先月行われた関東団体では、残り数秒で勝負を決められてしまったことで涙をのんだが、今大会は最後まで集中を切らさずに攻め続けた。この短期間での成長があれば、来季以降もさらなる進化を遂げることだろう。4年生はここで引退となるが、山﨑主将も「来年はもっと良いチームになれると思う」と期待を寄せる。今季は「あと一歩」が遠くなってしまったが、次のステージへ旅立つ4年生の思いも背負って、「勝ち切るチーム」をつくりあげることができるか。来季へ希望を残して、今年の空手部の戦いは幕を閉じた。(向井知優)

監督・選手のコメント

手嶌重忠 監督

―ベスト16という成績を振り返って
同志社には勝つつもりだったので、残念だったと思います。近大と当たって思い切った技をかける、というのがうちの目標だったので。

―試合内容は
同志社は良く相手を研究していたなと思いますね。今までの同志社と違っていて、コンパクトにまとまった技を出してきていましたね。狙いを絞っていて、無駄な動きが非常に少なかった。それが、今年の同志社の良いところだったと思います。

―同志社戦の前は選手たちにどんな声をかけられましたか
その前の試合の拓大も、うちへの対応策を立てていました。うちの選手の多くは「イチ、ニ」という風に、一発じゃなく流れで技を出していきます。そこの「イチ」を狙われてポイントを取られるというのがありました。なので、同志社戦の前は「狙われているとわかったら、頭を切り換えろ」ということは言いました。

―それでも上手くいかなかったのか、それとも相手が上手かったでしょうか
相手は良く研究しているなと思いましたね。
全部僅差だったんだけど、向こうの方が的を絞れていたかな。

―強豪校にあと一歩及ばないという試合が続いています
選手もよくわかっていると思いますよ。やはり勝ちに対する執着心がまだ足りないですよね。それには練習量だと思います。自分たちにも良いところはあって、その部分では押せています。ただ、この前(関東団体)のように、粘りが無くてひっくり返されたりもする。勝ちに対する執着心が欠けているのかな。
気持ちの強さもそうですね。何かを仕掛けるとすぐ相手から目を逸らしちゃう。そういうところも精神的な弱さですよね。練習量と精神面。うちの課題ははっきりしてきました。
皆やる気もあるし、分かってきていると思います。そういった意味ではまとまってきていると思いますよ。

―技術的なところでは
やはり優勝するためには、力とスピードだけで勝てていても、これからは色々な選手に対応していかなくてはいけませんね。対応力が今はないです。そこで一つ踏ん張れれば、団体は勝てていけると思っています。

―主将を務めた山﨑選手について
もっと皆をどんどん引っ張っていっていいんじゃないかと思ってしまうくらい、性格なのかもしれないけど、ちょっと優しかったかな(笑)
でも4年は山本が起用しにくくなったという状況で、あいつ一人だったからね。ずっと、けがが続いていたんですけど、それでも一生懸命やってくれたと思いますね。

―来年について
練習量を増やすこと、対応力をつけることを3年生にしっかりと言って聞かせていきます。あとは、皆どうにか動いてから技を出していて、一発で決める技というのが不十分ですね。そういうところもレベルを上げていきたいですね。課題ははっきりしているので。

―そういう意味では意義のある一年でしたか
そうですね。次のステップへの年だと思いますね。今、3年生は3人出ていますしね。1、2年生もレギュラーを争える選手はいます。そういった意味では私自身、来年は懸けていますよ。もっと時間を割いて、練習量を増やしてやっていきたいと思っています。

山﨑祐樹 主将

―この大会を振り返って
自分は4年生なので最後の大会だったんですけど、関東団体で不甲斐ない負け方をしたので、今日は自分が勝って後輩を上まで連れていくというのが目標でした。ただ、今日も全体的に後輩におんぶにだっこの状態の試合展開だったので、後輩には感謝の気持ちだけですね。

―1回戦で肩を負傷されたということでしたが影響はありましたか
影響は少なからずあったとは思いますけど、それを言い訳にはしたくないです。やっぱり、気持ちが弱かったと思って反省しています。

―ベスト16という結果について
結果に納得は出来ないですね。同志社は強いんですけど勝てない相手ではないので、大事なところで勝てなかったというところはやっぱり満足出来ないです。

―3回戦は順番が回って来ないまま終わってしまいましたが
もちろん回って来てほしかったという思いはあります。ただ、2回戦も強い相手だったけど自分は出ていない中で後輩が勝ってくれましたし、後輩に言うことはないですね。感謝しかないです。

―後輩たちに対して声かけをよくされていましたね
4年生が団体のメンバーで自分一人しかいないので、安心して後輩たちが試合に挑めるように気持ちの面でサポートしたいなというのが自分の中にありました。関東団体のときから声かけとか、キャプテンらしいことがしたいという思っていたので。

―キャプテンとして感じたチームの成長は
4月の大会から見ると「勝ちたい」という執念というか、そういう思いはより強くなってきたと思います。勝ちに対する執着心というのは確実に強くなったのでそこは成長したと思いますね。

―今大会で引退となりますが、この4年を振り返って
4年間はあっという間で、すぐ終わっちゃったなというのが今の気持ちですね。印象的だった試合はやっぱり今年の関東団体です。悔しいのもそうなんですけど申し訳ないという気持ちが強くて、負けたけどすごく印象に残ってますね。

―後輩に対して思うことは
1年間通してキャプテンをやって来て、自分のスタイルとしては行動で見せて引っ張るというつもりだったんですけど、振り返るとあまり行動では示せていなかったかなと思って反省しています。今の3年は人数も多いので、来年は自分たちを反面教師にして、協力してやって欲しいですね。もっと良いチームになると思うのですごく期待してます。

花車勇武

―ベスト16という成績について
正直なところ同志社には勝って、去年の王者の近大と戦ってみたかったんですけど、いつも惜しいところで勝ちきれない部分があります。来年からは自分たちの代になるので、あと一歩をどうにかして踏み出せるように、これから練習を変えていったり、工夫していきたいと思います。

―同志社にはどのような印象を持っていましたか
毎年、同立法戦というのがあって実力を知っている相手ではありました。正直、実力を出し切れば、この試合よりはもっといい試合ができたと思いますし、勝てる相手だったと思っています。悔しさでいっぱいですね。

―1、2回戦を勝ち抜いて、チームの雰囲気はどうでしたか
拓大戦が一つのヤマだと思っていて、そこを突破できたので、「近大戦までいこう」という、良い雰囲気でした。でも負けてしまいましたね。

―今日の個人としての出来は
自分自身は調子が良かったです。反省点を挙げるならダッキング(上体をかがめて相手の動きをかわす防御)の時にポイントを取られてしまったので、前でしっかりダッキングする、ということを心がけていきたいです。あとは、2回戦の相手には中段を狙われていて、2回そこをやられたので、1回目で相手がどこを狙っているのかをしっかり気づいて対応できれば、もっといい試合ができると思います。

―4年の山﨑主将にとって公式戦最後の団体でしたが
同志社戦では結局、山﨑先輩の大将戦まで回せなくて、悔しさでいっぱいですね。

―どのような先輩でしたか
言葉というよりは、体で引っ張っていってくれる先輩でした。口数とかではなく自分がやってみせて、という感じだったので、その姿を目標に下級生は頑張ってきた一年だったと思いますね。

―来年は最上級生の年ですが、どのような年にしたいですか
自分が1年の時から強豪校に「惜しい試合」で負けていているので、来年は勝つしかないと思っています。

 小野田守徒

 ―今大会を振り返って
最後の団体戦で、3回戦は自分が負けて山﨑先輩に回せなかったので申し訳ないし、悔しい気持ちが強いですね。これから練習をもっと頑張らなければと思いました。

―どのような気持ちでこの大会に臨みましたか
4年生とやる最後の大会で、今年の集大成でもあるので、絶対に近大戦(準々決勝)まで行くという気持ちでやって来たんですけど、最後はだめでした。自分にとって良い経験になったと思うので、この経験を次に生かしていきたいですね。

―1、2回戦は調子が良いように見えましたが
自分なりには動けていたと思います。でも、突き技が出なくて蹴りにばかり頼っていたので、そこで大技ではなくて突きでコツコツ点を取れるようにしないといけないと思いました。

―3回戦は勝負の場面で回ってきましたが、その時の心境は
正直苦しかったですけど、絶対山﨑先輩に回すんだという強い気持ちを持って臨みました。でも結局負けてしまったので、これは自分の未熟さとか精神面の弱さが出たんだと思います。最悪引き分けでも持っていければ良かったんですけど。

―同志社の印象は
毎年、同立法(同志社・立教・法政)の定期戦があって交流があるんですけど、同志社はチームにまとまりがあって自分たちに無いものを持っていました。そういうところをすごく今日感じたので、相手の良いところを吸収出来ればいいなと思います。

―今大会での収穫や見つかった課題は
課題は逃げ回ってる相手に対してしっかり技を決めきれなかったこととか、突き技は1回戦以外はほとんど取ってないので、そこは強化していきたいです。良かったのは蹴りですね。自分の得意な技でもあるので、蹴りが決まった時は自分も気持ちに余裕ができて良い試合運びが出来ると思います。なので今日の2回戦は理想的な形で出来ました。逆にポイントを取られ始めると焦っちゃって、大技で攻めたところを突かれてしまうので、そこは改善しなければならないところですね。

―これで主将の山﨑選手は引退となりますが、チームではどんな存在でしたか
主将として練習でも試合でも頼れる存在でした。ここぞというところで決めてくれる人だったので、最後に回せなかったのは悔しいですね。3年間、一緒に同じチームで出来たことは本当に誇りに思いますし、来年は先輩たちの思いも繋げて、さらに上に行きたいと思います。

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