【ハンド】高松宮記念杯 第59回全日本学生選手権 1回戦 対大体大 離れた点差を埋めきれず、初戦敗退…
全日本学生選手権
2016年11月19日(土)
松茂町総合体育館
今年度の集大成の舞台であり、4年生現役最後の試合である全日本学生選手権(インカレ)。1回戦の対戦相手は関西王者大体大だ。秋季リーグ戦で課題となった、粘り強さが発揮できるかが勝利への鍵となった。前半を1点のリードで折り返し、迎えた後半。開始直後に同点に追いつかれ、そのままペースをつかむことができず。流れは悪いまま、最終的に3点の差がつき1回戦で敗戦となった。
試合結果
トータル試合結果
27 法政大学 |
15 | 前半 | 14 | 30 大阪体育大学 |
---|---|---|---|---|
12 | 後半 | 16 |
スターティングメンバー
選手名 | ポジション | 出身校 | 得点 |
---|---|---|---|
#20高間アミン(経3) | LW | 群馬・富岡 | 3 |
#35松岡寛尚(経1) | LB | 茨城・藤代紫水 | 3 |
#17山本晃大(スポ1) | CB | 大分・雄城台 | 3 |
#18内門竜之介(経3) | RB | 鹿児島・鹿児島工業 | 6 |
#14本田拓海(社1) | RW | 神奈川・法政二 | 4 |
#3長谷川良介(社4) | PP | 茨城・藤代紫水 | 2 |
#1柿崎雅俊(デザ4) | GK | 埼玉・浦和学院 | – |
交代選手
選手名 | ポジション | 出身校 | 得点 |
---|---|---|---|
#9山本祐輝(社1) | LB | 埼玉・浦和学院 | 5 |
#13福本直也(経1) | CB | 神奈川・法政二 | – |
#10黛祐貴(経2) | RB | 群馬・富岡 | – |
#6石川雄貴(経4) | RB | 神奈川・法政二 | 1 |
#5下條輝(スポ3) | RB | 神奈川・法政二 | – |
#12仲村充(社2) | GK | 茨城・藤代紫水 | – |
※LW…レフトウイング(レフトサイド)、LB…レフトバック、CB…センターバック、RB…ライトバック、RW…ライトウイング(ライトサイド)、PP…ピヴォットプレーヤー
戦評
今季のインカレ開催地は徳島県。相手は関西秋季リーグ王者の大阪体育大学だ。全勝優勝を果たした強豪相手に、関東代表として牙を向くことが出来るか。全国王者を決める戦いの火蓋が切られた。
リーグ戦と変わらぬ顔ぶれが並んだ法大。山本晃大(経1)のシュートで先制に成功するも、以降はシュートシーンで着地やラインクロスを取られ、思うように得点が続かない。するとペースは大体大に移り、5分が経過した時点で2-4とビハインドを負う。しかし守護神・柿崎雅俊(デザ4)が気迫の顔面セーブを見せると形成が逆転。高間アミン(経3)の速攻など、6連続得点でリードを4点に広げる。その間、柿崎と交代で入った仲村充(社2)も好セーブを連発。その後も着実に加点していき、21分の山本祐輝(社1)のカットインで13-7と6点差に。このまま一気に押し切りたい所だったが、関西王者も黙ってはいない。これまでは正面を突いていたシュートが徐々に決まりだし、残り3分を切ったところでリードは2点に縮まる。ここで法大はゴールキーパーを下げてコートプレーヤーを7人に増やすパワープレイを敢行。「練習通りだった」と内門竜之介(経3)が語るようにこの策がハマり、流れを相手に渡さない。しかし、終了間際に放たれたシュートがDFに当たってゴールに吸い込まれる不運な失点もあり、1点をリードして前半を折り返す。
来季から主将としてチームを率いる内門
開始早々にロングシュートを決められ、同点に追いつかれる出だしとなった後半。法大も内門と本田拓海(社1)の連携からサイドに流れた内門が叩き込んで、すぐさま勝ち越す。その後も秋季チーム得点王の松岡寛尚(経1)が強靭なフィジカルで相手を弾き飛ばしてシュートを決めるなど、ビハインドを許さずに試合は終盤へ。しかし、「4年間課題であり続けた」と長谷川良介(社4)が語ったように僅差の場面でミスを連発。敵陣でのミスから一気に速攻を食らい、残り10分で3点のビハインドを背負う展開に変わる。ここで法大ベンチはプレスを得意とする下條輝(スポ3)を投入。軽快なフットワークで相手オフェンスのリズムを狂わせ、試合は再び法大に傾く。24分に途中出場の山本祐が連続してロングシュートを決め、残り5分で26-27と点差は1点に。しかしここで勝ちきれないのが今年の法大だった。重要な局面でシュートが入らず、捨て身のオールコートマンツーも不発。本田、高間のループシュートも相手GKに弾かれ、万事休す。法大は初戦でインカレから姿を消すこととなった。
敗れはしたものの、ゲームプランは上手くいったと話す選手が多かったのは印象的だ。クロスを繰り返す大体大の流動的なオフェンスにしっかりと対応し、互角の勝負を演じたことは大きな収穫と言えるだろう。この試合で4年生は引退。新主将には内門が任命された。「細かいミスをもっと突き詰めてやっていく」と思い描くチーム像はハッキリと見えている。全国の舞台で感じた想いは、次世代に託された。(下田朝陽)
自らDFに切りこみ、渾身のシュートを決めた長谷川
監督・選手 コメント
佐藤浩監督
-試合を振り返って
十分チャンスはあったと思います。ただ、自分たちのミスで相手を楽にさせてしまったというのが敗因です。特に前半はあれだけ点差が開いていながらも追いつかれてしまったというのが痛かったですね。
-どこかターニングポイントがあって崩れたというよりも、試合全体でミスが多かったということですか
そうですね、コンスタントにミスをしていたということですよね。逆に相手はそういうところをしっかりやってきたのが差につながったと思います。
-今日のゲームプランは
向こうの研究はしっかりできていて、注意すべき選手への守り方というのを意識していました。前半はゲームプラン通りしっかりできていたと思うんですけど、1年生のエースが入ってきたところでそこを抑えきれなかったと。やられるのは分かっていながらも、それを止めることが出来ませんでした。
-判定に戸惑っている選手も見受けられましたが
関西の強い当たりの中で、いつもなら取ってもらえそうなものも流されたりっていうのはありましたね。そこは関東とは少し違うと感じた部分でした。ベンチからはとにかく落ち着けと、とにかく戻れと私自身は声掛けしていました。結局ほかの要素で自分たちのペースが乱れるのは避けたかったんですけど、そこは大体大が一枚上手だったと思います。
-監督は今季のチームをどのように見ていましたか
1年生がスタメンが出ることが多いってことで、彼らがどれだけ自信をもってやれるかというのが1つのポイントでした。試合に出ていた選手たちはしっかり活躍してくれて、チームの力になっているのでそういう意味では、出るべき選手が出ているなとは思います。ただ、出れる選手が増えてしまった分、チームのまとまりは希薄になってしまったと感じました。出れる選手が固まっていれば徐々にチームは団結するんですけど、そこが足りなかったところでしたね。
-今後に向けて
今年1年を通じて惜しかった試合がとても多かったと思います。去年から惜しい試合が多くて、勝利に持っていけない部分は実力なんだよと話していたんですけど、今年も結局惜しい試合ばかりになってしまいました。試合の中の1本とか細かいことが出来ていければ試合は全部ひっくりかえせると思うので、そこを重点的にやっていきます。
内門竜之介
-試合を振り返って
前半はいいペースでやれていて、油断が見えたところで付け込まれたなという感じです。
-かなり積極的に仕掛けていましたね
ポストを逆側に置いたときに、1対1を仕掛けるスペースが広がるのは分かっていたんで、チームとして意識を統一した中で、自分は積極的にいきました。
-試合全体としてはうまく戦えましたか
7人攻撃もミスは1回ありましたけど、それ以外は練習通りシュートで終われましたし、対策自体も悪くなかったと思います。
-リードしながらひっくり返されたという展開から学べた部分は
1年生の時からですけど、このチームは接戦に弱いので。リーグ戦でもそうですけど勝ち切る力がないとインカレでも勝てないんだなと痛感しました。
-次期主将とのことですが、現段階で思い描いている事はありますか
速攻が上手くいかないことが多いので、そこをまずは改善していきたいです。しっかり走れるチームに出来ればなと思います。
-今後に向けて
インカレで悔しい思いをしたと思うんで、そのミスに練習でももっと突き詰めていかなければなりませんし、そういうチームを作っていきたいです。
山本晃大
-今日の試合を振り返って
前半の出だしはとてもいい感じで攻められたんですけど、後半では脚が止まったり、自分も消極的になってしまったりして、シュートまでいけないという場面がありました。
-今試合の審判はチャージングなどを厳しくみていましたが
言い訳になるんですけど、審判の基準が関東のとはまた違ったので。みんな迷っているというところはありました。審判にもちゃんと対応していかないといけないと思いました。
-4年生が引退となる今大会でしたがどのような気持ちで臨みましたか
今は一年生でセンターという大事なポジションを任されていて、負けたら4年生が引退するということで、プレッシャーはすごいありました。でも、4年生が思い切ってやれと後押ししてくれたんで、その通りにプレイすることができました。
-主将である長谷川選手はどのような存在でしたか
試合前は後押しをしてくれて、試合中もミスした時に声をかけてくれたりしてくれて頼りになる先輩でした。ポストとセンターで近いポジションなんですけど、安心してパスを出せる大きい存在だったなと思います。
-あと一歩のところで勝てない試合が多く見られますが
最後のところでの詰めの甘さが理由だと思います。
-来季はどのようなチームに
とにかく勝ちにこだわりに行くチームにしたいです。
※4年生のコメントは後日掲載いたします
フォトギャラリー
- 3点差で敗れうなだれる選手たち
- けがから復帰した山本祐
- 得意のフットワークで、対戦相手を翻弄した下條
- ガードする石川(左)と高間
- フェイントをかける高間
- DFで指示を出す長谷川(中央)
- ナイスセーブを見せ、喜ぶ柿崎
- 1年生ながら、今大会も活躍を見せた山本晃