【自転車】第11回東京六大学対抗ロード(クリテリウム)大会/全日本RCS第8戦 浮城のまち行田ラウンド 荒井主将の活躍で六大学ロード連覇!2年連続で六大学対抗大会を制する!RCSでは山本がクラス3で2位!
第11回東京六大学対抗ロード(クリテリウム)大会
2016年度全日本ロード・レースカップ・シリーズ第8戦 浮城のまち行田ラウンド
2016年11月13日(日)
行田総合公園周辺周回コース
例年通り、今年も行田市総合公園周辺周回コースにて東京六大学対抗ロード(クリテリウム)大会が行われた。すでに、法大は今年8月に東京六大学対抗トラック大会で優勝しているだけに、完全優勝を狙いたいところ。結果は、昨年よりも圧倒的な差をつけ、総合優勝を飾った。また、その後に行われた全日本RCS第8戦では、優勝者こそ出なかったものの、山本がクラス3で2位に入り、クラス2昇格を決めた。
試合結果
六大学ロード 個人成績
順位 |
名前(学部・学年) |
最終着順 | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | 荒井佑太(営3) | 1着 | 45pt |
3位 | 加藤雅之(人3) | 2着 | 12pt |
4位 | 鈴木陸来(文2) | 3着 | 10pt |
8位 | 渡部将太(営2) | 11着 | 6pt |
16位 | 佐藤遼(経2) | 16着 | 0pt |
六大学ロード 総合成績
順位 | 大学 | 記録 |
---|---|---|
優勝 | 法政大学 | 21点 |
2位 | 早稲田大学 | 7点 |
3位 | 明治大学 | 7点 |
4位 | 慶應義塾大学 | 2点 |
5位 | 立教大学 | 0点 |
6位 | 東京大学 | 0点 |
※同点の場合は個人順位による |
RCSクラス1 結果
順位 | 名前(学部・学年) |
---|---|
6位 | 近藤翔馬(文1) |
DNF | 白垣良祐(人3) |
RCSクラス2A 結果
順位 | 名前(学部・学年) |
---|---|
13位 | 上野恭哉(営1) |
DNF | 江口彰志(文3) |
RCSクラス2B 結果
順位 | 名前(学部・学年) |
---|---|
25位 | 加藤雅之(人3) |
RCSクラス3A 結果
順位 | 名前(学部・学年) |
---|---|
15位 | 岩澤修平(人2) |
RCSクラス3B 結果
順位 | 名前(学部・学年) | 備考 |
---|---|---|
2位 | 山本光洋(文1) | クラス2昇格 |
戦評(東京六大学ロード)
今年で11回目となる本レースは各大学から5名以内の選手が出場可能となっている。30分+3周回、2周回毎の中間スプリントで与えられるポイントと完走周回数で最終順位が決定されるポイントレース方式のレースだ。さらに最終順位に1位9点、2位7点、3位6点…と大学対抗得点が与えられ、この多寡で大学対抗順位が決定される。
法大のメンバーは新主将の荒井佑太(営3)、ロード班新主将、加藤雅之(人3)、佐藤遼(経2)、渡部将太(人2)、鈴木陸来(文2)。荒井と渡部をポイントゲッター、加藤と佐藤がそのアシスト、鈴木が最終周回のスプリンターとして動く展開を狙い、レースに挑んだ。
序盤は明治大が積極的な動きを見せる。1周回から集団を飛び出し引っ張るが、荒井もそれを逃がさない。最初のポイント周回となる2周回では、前を走る明治勢3名をまくって荒井が見事1位通過した。6周回以降は早大がエース孫崎大樹を前に送り込み、トップ争いが起きるが、またしても荒井は1位通過を譲らない。メイン集団を加藤、佐藤らが抑え、9周回で荒井は1人逃げの独走状態に成功した。
荒井は逃げを成功させ、ポイントを荒稼ぎした
11周回の時点で30分が経過し、レースは残り3周回。6回目のポイント周回となる12周回では渡部も2位で通過し、優勝に向け王手をかける。集団はばらつき始め、いよいよフィニッシュへ。荒井は最初のポイント周回から最終周回までトップを守り抜く圧倒的な走りで堂々の1位ゴール。さらに集団から抜け出した加藤が2位、また作戦通り最後に足を残した鈴木が3位。法大のワンツースリーフィニッシュで、最後まで法大色に染め上げた。
狙い通りの展開を繰り広げた法大は、無事に六大ロード連覇を果たした。同時に今年連覇を飾った六大トラック選手権と合わせ、昨年から2年連続の「六大完全制覇」も果たしたこととなる。来シーズンに向け、新体制となったチームの幸先のいいスタートダッシュとなった。(野口愛優)
戦評(全日本RCS第8戦)
クラス1
白垣良祐(人3)、近藤翔馬(文1)が出場したクラス1。小林泰正(日体大)や現時点でRCSシリーズのトップである野本空(明大)らがエントリーし、白熱のレースが期待された。15周30kmで行われる。
最初の5周は逃げもできず、集団は一つであったが、石原悠希(順大)、森口寛己(日大)、武山晃輔(日大)、孫崎大樹(早大)、岡部祐太(日体大)が逃げをつくると、集団のペースも上がり白垣が遅れをとってしまう。逃げと集団の差は広がる一方で、約20秒もの差ができあがってしまう。集団内で近藤は様子を伺い、白垣は岩田宗也(早大)、塩田航平(早大)と集団に追いつくべくペースを上げる。レースは5名の逃げ、集団、そして白垣を含めた3名という形態が続いた。しかし13周を迎える前で白垣が足切りとなってしまい、完走はならず。最後は、近藤が集団の中でのゴールスプリント勝負に打ち勝ち、6位で終えた。
近藤は、集団スプリントを制し、6位入賞を果たした
クラス2A
クラス2は10周回で行われる。2Aには江口彰志(文3)、上野恭哉(営1) が出場した。
レースは沢田桂太郎(日大)の完全勝利となった。沢田はアジア自転車競技選手権の男子ジュニアTTで1分03秒561の日本新記録を樹立し、銀メダルを獲得しているスーパールーキーだ。そんな沢田が1周回目から先頭で集団を引く形でレースがスタート。3周回では原井博斗(中大)ら中大勢が加わり、速いペースに集団が伸び、早い段階で脱落者が出始める。6周回、5名の逃げ集団が発生した時点で江口は足切りとなった。上野は30秒程度タイムギャップの開いたメイン集団内を走る。
その後も沢田や原井をはじめとする日大・中大選手を主立って構成された逃げ集団とメイン集団の差は縮まらず、5名のゴールススプリントを勝ち抜いた沢田が優勝を掴みとった。上野はハイペースなレースを走りきったものの、13位でゴールとなった。
上野は完走したものの、13位に終わった
クラス2B
2Bには今年度ロード班主将を務める加藤が出場。六大ロードから少し時間を開けてレースがスタートした。
序盤からそれぞれのペースが拮抗し、細長い集団での周回が続く。加藤は落ち着いた様子でレース展開を見守った。7周回、加藤も含む5名ほどの逃げ集団が飛び抜けたと思われたがすぐに後ろに吸収され、再び細長い集団へ。9周回時点で、加藤は先頭付近の位置をキープし、上位ゴールが期待された。
しかし、最後の最後でチェーンが外れるメカトラブルが発生。すぐそこに見えた表彰台を逃し、25位という結果に終わった。
加藤は最終周まで好位置につけるも、メカトラブルで優勝争いから離脱した
クラス3A
全日本RCS第8戦は、このクラス3Aから開幕した。クラス3は、8周回で行われる。
このレースには、岩澤修平(人2)が出場。クラス2昇格に向けた戦いが繰り広げられた。
立ち上がりからペースはさほど上がらず、スローのまま一集団でコースを周回していく。岩澤は、先頭から5番手ほどの好位を維持し、勝機をうかがった。
しかし、残り周回が少なくなっていくにつれて、ポジションを下げていってしまう。最終周、前方ではスプリント勝負が行われていたが、そこには加わることができず、集団後方の15位でゴールした。
クラス3B
こちらもクラス3A同様、スローペースで周回を重ねていく展開となった。
山本光洋(文1)は、集団内でポジションこそ上下するも、集団から脱落することなく周回を重ねていく。残り2周回で数名が逃げの姿勢を取り、逃げが成功するかに思われた。
しかし、山本がすかさず捕まえに行き、団子のままゴールスプリントに持ち込まれた。最終コーナーを曲がり、先に中大の橋本が仕掛けると、続けて山本も応戦する。長い直線でのスプリントだったが、僅差にまで迫るも差すことはできず。惜しくも2位でレースを終えた。
RCSでは優勝者こそいなかったが、山本がクラス2昇格を果たすなど、成長を感じるレース内容でそれぞれがレースを終えた。最大の目標はインカレ総合優勝だが、そこに向けて最高の船出となった。もちろん課題は山積しているだろうが、オフシーズンで解消し、来年は個々のさらなる成長、結果に期待したい。来年のインカレに向けて、もう勝負は始まっている。(野口・宮下尚子・橋爪優典)
選手コメント
荒井佑太
―六大学ロードを振り返って
去年も六大学を制して、今年も圧倒的な力の差をつけて勝利しようということで、今年はやってきました。
―終始トップで走られていましたが、それは作戦でしたか
チームのみんなが前半からリードアウト積極的に行ってくれて。すごくポイントがとりやすいかたちでポイント周回を迎えられていましたし、前半力を使わない分、後半余力があったのでそのまま1人でいこうと決断しました。
―作戦を練る上での連携はいかがでしたか
前日にもミーティングを細かく行いましたし、それぞれの選手が自分の役割を持って臨めました。作戦を持ちながらも試合の中での判断というのは各自にまかせていたので、そういう意味では本当によく走ってくれたなと思います。
―メンバーについては
今回はポイントレース方式で距離も短いということで、トラックの選手を使用しようかなという考えが根本にあって。あとはスプリント力を重視したメンバーの選択だったり、試合の中で考えながら組み立てができるような選手を選びました。
―完成度としてはいかがでしたか
ここ最近すごく寒い中で練習も思うようにできないこともありましたけど、今回六大の中でチームとしても動けましたしクラス1、クラス2での勝利がなかったのは少し残念ですけども、春に向けてさらなるレベルアップができればなということを思いました。
―クラス1から3までのレースを見ていかがでしたか
六大まで、ギリギリまで乗り込んできて。随所にロードを乗り込んできたっていう効果はあったと思うんですけど、他の大学の総力に負けていた部分もあったので、そういう意味では冬場のトレーニングをしっかりと積んでチームとしてもレベルアップできればなと思います。
―トレーニングというのは具体的にどのようなものを行う予定ですか
持久力に関しては乗り込みしかないと思いますし、スピードの強化においてはトラック練習だったりロード班も積極的に取り組んでくれればなと思います。
―去年に引き続き六大学ではロード、トラックどちらも連覇しました
六大学というくくりで勝負を決しますけども、やはりチーム一丸とならなければ六大学も勝てないというふうに思っていますので、そういう意味ではインカレに向けて去年そして今年、六大学を勝利することができてチームが一丸になる癖がついているんではないかと今はそう思っています。
―現時点でのトラック班の状態はどうでしょうか
個人個人まだまだ足りないところは他の大学に比べても、ありますね。そういうところが見受けられるので、冬場しっかりとトレーニングを積んで自転車の基礎となるようなウエイトトレーニングだったり、心肺機能を落とさないようなトレーニングを行ってしっかりと春に向かって準備していきたいなと思います。
―荒井選手が描くチーム像としては
去年、青野先輩が創り上げた一丸魂という一つのテーマの中でチームづくりをしてきていたので、それを継承していきつつ、さらには下の学年上の学年みんなが切磋琢磨して常に上を狙っていけるようなチームづくりをしていきたいと思います。
―主将として心がけていることは
毎回の練習もそうですし、毎回試合のつもりで行っていますし、そのような背中を見て後輩たちがその熱意だったり練習に対する態度だったりを吸収してもらえれば、おのずと結果はついてくるものだと思うので、その姿勢はやめないで貫いていこうと思います。
―冬の間の目標
冬場といっても試合が細かく何試合かあるのでまずは試合勘というものを落とさずに、この冬場を乗り切りそして一人ひとりに合ったメニューをこなして春先になった時に個々がレベルアップしたなと実感できるような冬場の過ごし方をしたいなと思います。
加藤雅之
―東京六大学対抗ロードのレースを振り返って
任された役割が、荒井だったり渡部だったり、中間ポイントを取りに行く人達のリードアウトだったので、前半にその動きができて、荒井が逃げる前までリードアウトできたので、良かったかなと思います。その後、荒井が逃げた後から二人逃げになったときも、法政が4人で集団をコントロールして。何人か荒井を追う追走集団がいたと思うんですけど、そことの間合いも落ち着いて考えながらメイン集団をコントロールできたかなと思います。
―レース前、メンバーで話し合われたことは
荒井と渡部がポイントを取りに行って、そのアシストを自分と佐藤でやって、最後は(鈴木)陸来っていう感じです。
―RCSのレースを振り返って
最後の最後まで良い位置でいられたんですけど、最後メカトラブルでタイヤが取れてしまって、最後に絡めなかったです。しっかり機材の整備ができていなかったなと。言い訳でしかないんですけど。
―レース中、ご自身で意識されたことは
六大ロードはアシストの佐藤と上手く連携して、自分たちがリードアウトしているときにしっかり後ろがついているか確認しながら、なおかつリードアウトする時に自分もいっぱいいっぱいにならないように心がけながらやりました。
あとはメイン集団をコントロールして、間合いを考えたことですね。最後の最後、荒井が1人で逃げているときに、第2集団で4人居たところに自分がブリッジして最後ポイントを取れたので。
―今回の六大ロードのメンバー選考はどのように行われましたか
まず部員で誰を出したいかっていうアンケートを取って、それを元に荒井が誰と誰で行きたいって決めました。
―代替わりしてみてどうですか
最初はバタバタしていたんですけど、今は結構落ち着いて新しく取り入れてやっている部分もあって。六大では結果を出せて、RCSでも近藤がいい順位だったり、山本が2位だったりしたので、やる気のあるメンバーはしっかり結果を出して荒井についていってるのかなと思います。
―特にロード班の状態は
ロードのレースがあまりないんですけど、距離を乗り込んでいます。今回は出てないんですけど、後輩が入賞したりしてるので結果は出てるのかなと思います。あとは自分の結果だけです。
―今年のロード班の強みは
3年生が揃ってるので、3年生3人がいかに上位に食いこんでくるかっていう。3人ともそれぞれ自分のストロングポイントが違っているので、最後の場面で人数が絞れたときに、各々の長所を生かしながら、最後の最後自分と谷岡も含めて5人でチームプレーっていうのができるんじゃないかなと思います。
―逆に現時点での課題は
距離を乗り込むことですね。クリテリウムは出る選手と出ない選手と別れているので。シーズンに向けて180㌔のレースを走りきれる体力を、ゆっくりでも着実につけていくことが課題かなと思います。
―10月に行われた第2回アジア大学ロードサイクル選手権大会に出場された感想は
日本のレースの方がレベルは高くて、その前に行った欧州遠征を考えると、やっぱりアジアのレベルは低いなと思いました。その中で、自分でどうやって動いたらいいんだろうって考えて。結果は出なかったんですけど、初めての国際大会で積極的に動けたかなと思います。
―次に出場される大会は
今は全然考えてなくて。シーズン入ってからのレースか、RCSに出るか迷っているところです。
―来シーズンの目標は
インカレ入賞です。
鈴木陸来
―今日のレースを振り返って
自分の仕事というか任されたことが、最後のゴールスプリントで位置取るということだったんですけど、ずっと荒井先輩が逃げていて、そのまま荒井先輩がゴールしてくれて。あとは自分と加藤先輩が一緒にいたので、(優勝を)とるために、孫崎が横にいたので孫崎には勝つという気持ちで最後のゴールスプリントをしました。仕事としては結果オーライというか最後1位はとれなかったですけど、結果としては満足です。
―このクリテリウムに向けての練習はどのようなものをされていましたか
与えられたのが、ポイントレースなのに途中(ポイントを)とりにいかないということで、最後だけとりにいくために、途中は人の後ろで休むというのをしないといけないので、いつもは自分からいったりしちゃうんですけど、練習ではずっと1週間くらい人の後ろで休むという練習をしていました。
―この冬に取り組もうとしているトレーニングとしては
自分は短距離(専門)なので、筋肥大と瞬発系のはしないで、乗り込むことをメインにしていこうかなと。それでシーズンに入ったら瞬発系に、自転車競技に使えるように変えていってみたいな。とりあえず筋肉を大きくすることをメインにしていこうかなと考えています。
―荒井主将の新体制はいかがですか
すごくみんなが意識高い選手はすごく意識が高くて、荒井先輩とか加藤先輩とかその人が引っ張っていってくれているので、すごく来年期待していただければなと思います(笑)。
―この冬は行田ラウンドにはたくさん出場される予定ではないのでしょうか
出ないですかね、神宮(RCS最終戦・第11戦明治神宮外苑大学クリテリウム)くらいは出る感じで。出るかもしれないですけど、今のところは出ないって感じですね。
―この冬の目標としては
とりあえずバンクのレースにはいろいろ出ていきたいと思っているので、そこで経験も積んで来年に生かして何事にも積極的に頑張るぐらいですかね。
―全日本オムニアム選手権にも出場されるのはその一環ですか
練習として。自分はあんまりポイントレースとかだと強い人たちと一緒の土台で戦えないので、練習としてレース経験を積むという上で、「自分、短距離だから出ない」という偏見を持たないで積極的に(レースに)出ていこうという。荒井新主将の「レース経験を積む」という考えで、エントリーしてみました。
近藤翔馬
―今日のレースを振り返って
逃げを逃がしてしまったことが自分としては大きかったですね。
山本光洋
―今日のレースを振り返って
フォトギャラリー
- 荒井の個人優勝と総合優勝をチーム全員で祝った
- 渡部は荒井のリードアウト役として活躍した
- チームのために働いた佐藤
- 鈴木はゴールスプリントで3着に入った
- 江口はけがの影響もあり、DNFに終わった
- 逃げに乗ることができず、13位に沈んだ近藤
- ロード班主将として加藤はチームを引っ張る
- 流れの速いレースとなり、白垣はついていくことができなかった
- 六大学ロード個人表彰式
- 六大学ロード対抗 総合成績表彰式
- クラス3B表彰式