【バドミントン】全日本学生選手権 女子 個人戦 宮浦・勝俣ペア連覇かなわず…単複ともにベスト4進出ならず
全日本学生選手権 個人戦
2017年10月23日(月)~26日(木)
一宮市総合体育館
団体戦を3年連続のベスト8で終え、またしても悔しさを味わった女子。個人戦では昨年のダブルス王者である宮浦玲奈(国4)・勝俣莉里香(営3)ペアの連覇が期待されたが、波に乗る早大ペアの前に屈しベスト8で今大会を終えた。また、最後のインカレとなった前田悠希(営4)も強敵に敗れベスト8となった。
試合結果
詳細結果(男子)
選手名 | 結果 |
---|---|
前田悠希 | ベスト8 |
勝俣莉里香 | ベスト8 |
宮浦玲奈 | ベスト16 |
中静日向子 | ベスト16 |
東久留望 | 2回戦敗退 |
岡部天 | 2回戦敗退 |
ダブルス
試合 | 試合詳細(後者が対戦相手) |
---|---|
宮浦・勝俣 | ベスト8 |
甲斐妃美子・鈴木優香 | ベスト32 |
伊東佑美・清水一希 | 2回戦敗退 |
前田・工藤ひな子 | 1回戦敗退 |
戦評
シングルス
1回戦に出場した4選手がすべてストレート勝ちで2回戦へ。
最初に登場したのは岡部天(国1)。2回戦の相手は早大のエース、第1シードの中西貴映。苦戦が予想されるも、岡部は食らいついていく。シーソーゲームに持ち込むもそこは相手も実力者。最後に放されてしまいストレート負けを喫し、初めてインカレを終えた。しかし中西相手に善戦を見せ、今後へ期待を持たせる内容となった。
東久留望(法2)も早大の吾妻咲弥と対戦。これまで苦杯を舐めさせられてきた相手と対峙した。1ゲーム目は接戦に持ち込むも落とすと、流れそのままにストレート負け。2回戦敗退となった。
3回戦では宮浦玲奈(国4)が団体戦で法大を苦しめた香山未帆をストレートで下し雪辱を果たす。他にも勝俣莉里香(営3)、前田悠希(営4)が順当にここを突破した。さらに下級生では唯一、中静日向子(国1)が4回戦へと駒を進めた。 ここを勝つと全日本総合予選への出場権を得られる4回戦まで勝ち上がってきた中静。作新学院大の古川佳奈と対戦。1ゲーム目は競った展開に。高身長を活かしたプレーと強打で攻めていく中静。しかし最後は相手に振り切られ第1ゲームを落とした。何としても次のゲームを奪い返したいところであったが、一方的な展開に。相手の攻めに対応しきれずに大差で敗戦。ここで姿を消すこととなった。しかし団体戦に出場したことのない中静の躍進が光った。
勝俣、前田とシングルスを得意とする2人がストレート勝利と簡単に4回戦突破を決める中、宮浦は龍谷大の嶺井優希と熱戦を演じる。第1ゲームをデュースの末奪うと、第2ゲームでは相手に意地を見せられ奪い返され最終ゲームへ。力強いショットと緩急のある球で勝ち上がってきた宮浦。ここで勝てば前田との同校対決となる。だが相手の勢いを止められない。気づけば10-21で敗戦した。
準々決勝では、勝俣が中西と対戦。岡部の雪辱を果たしたいところであったが、相手の攻撃に対応しきれない。勝俣も強打で攻めの姿勢を見せるが中西に拾われてしまう。最後まで崩すことができずにストレート負け。それでも全日本総合予選への出場権を得る健闘を見せた。
シングルス最後の希望は、最後のインカレとなる前田。宮浦を敗った嶺井と対峙。絶対に勝利をつかみたい一戦となる。第1ゲームは前田ペース。相手をコートの端から端まで動かしミスを誘う。また浮いてきた球を確実に仕留め、このゲームを奪う。しかし第2ゲームは一方的な展開に。相手の正確なプレーに対抗できず、勝負は最終ゲームへ。第2ゲームの勢いそのままに嶺井がリードを奪う展開に。前田も何とか追いすがる。しかしマッチポイントを握られてしまい絶対絶命のピンチに。なんとか連続ポイントを挙げ追い上げを見せるも及ばず敗戦。それでも前田は「メダルは欲しかったが、総合の権利を得たので良い結果だった」と振り返った。
最後のインカレで快進撃を続けた前田だがメダルには届かなかった
2人が全日本総合予選への切符を手にした。また、若い力も出てきた。悔しい結果には終わったが確実に収穫もあった。来年の躍進、そして悲願のタイトル獲得に期待が持てる。(石川大悟)
ダブルス
個人戦女子ダブルスでは、法大からは4ペアが出場。前田悠希(営4)・工藤ひな子(人3)ペアの1回戦の相手は団体戦で快勝した関学大。だが、1ゲーム目から相手のペースに飲まれ、思うように攻撃を仕掛けることができない。リードを奪われたまま、ストレートで敗退となった。
普段からダブルスを組んでいるペアではないが、「もう少し勝ちたかった」(前田)と振り返ったように、思うような力を出しきれないまま1回戦で姿を消すこととなった。
続く2回戦には甲斐妃美子(人3)・鈴木優香(国2)ペアが1回戦を順調に突破して難敵、後藤にこ・西口涼子(明大)ペアに臨んだ。序盤からどちらも譲らぬ接戦を演じ、第1ゲームは20-20のデュースに。2人のコンビネーションを生かして、22-20でこのゲームを奪って見せると、そのまま流れに乗って第2ゲームも獲得。ストレート勝利で3回戦へと駒を進めた。
第1シードを獲得していた、伊東佑美(営2)・清水一希(人2)ペアと宮浦玲奈(国4)・勝俣莉里香(営3)ペアも相手を圧倒し、ストレート勝利で3回戦進出を決めた。 3回戦では宮浦・勝俣ペアと甲斐・鈴木ペアが共に、団体戦準優勝を果たした龍谷大と対峙。宮浦・勝俣ペアは昨年王者の貫禄を見せつけ快勝。甲斐・鈴木ペアも2回戦の勢いのまま、勝ち進みたいところであったが、点差を大きく離されて12-21で第1ゲームを奪われる。第2ゲームでは健闘するも18-21で惜敗し、悔し涙をこぼす結果となった。だが、団体戦で出場することができなかった甲斐・鈴木ペアが、ここまで勝ち進んだことは明るい材料となったに違いない。
同じく3回戦に出場した伊東・清水ペア。第1ゲームを奪われたが、苦しみながらも第2ゲームを獲得してフルゲームに。試合を終えた選手たちも、客席から2人の勝利を祈るように見つめる中、20-20と手に汗握る展開となる。相手にマッチポイントを奪われ、後がなくなった場面。相手の怒涛の猛攻をレシーブで防ぐが、ラインぎりぎりに攻め込まれたシャトルに足が追いつかず、無情にもシャトルは落とされた。これで2ペアが3回戦敗退となった。
法大でただ1組、日付を挟んだ女子ダブルス4回戦に勝ち進んだ宮浦・勝俣ペア。強敵、中西貴映・吾妻咲弥(早大)ペアと対戦した。迎えた第1ゲーム、相手の多彩な攻撃に流れを掴まれ、18-21でこのゲームを落としてしまう。第2ゲームでも勢いに乗った相手を止めることができずに、為すすべがないまま13-21とストレート負け。昨年のインカレ王者がベスト8でまさかの敗退となった。
難敵を相手に悔しいストレート負けを喫した
4年生の宮浦にとっては最後のインカレだっただけに、悔しさは計り知れない。 今大会で味わった悔しさ、流した涙をいつの日か嬉し涙に。目標を果たせなかった4年生の思いを胸に、その瞬間を手にするまでは彼女たちは成長を止めるわけにはいかない。(大平佳奈)
選手インタビュー
宮浦玲奈
ーダブルスを振り返って
いつも通りのダブルスができていなくて、ロビングが浅くなったり、レシーブの構えが遅かったり、お互いダブルスとシングルスを両方やっていたんですけど、そのシングルスをやった後の切り替えとかが全然できていなくて。同じような動きができなければいけないなとすごく感じました。
ー疲れが出た部分は
気持ち的には動けるとは思っていたんですけど、体が思うように動かなくて。足が出なかったり、次の球の準備ができてなかったというところがあったので、そこがまだまだ未熟だったかなとは思います。
ー中西・吾妻ペアとの試合はどういった気持ちで臨まれましたか
正直去年優勝ができて今年だったので、少しプレッシャーはあったんですけど、思いっきり向かっていくって気持ちを持ってやっていこうとは思っていて。でもやっぱりそこが思いっきりできないところとか、捨てきれないところもあったのかなと思います。
ーダブルスの2連覇とはなりませんでしたが、率直なお気持ちは
今の自分のレベルがこれくらいかなと思ったので、もうちょっと総合に向けてしっかり勝俣ともう1回一からやり直していきたいなと思います。
ー全日本総合はどういったものにしていきたいですか
自分たちより上のレベルの人たちがたくさんいる試合なので、こういうインカレとはまた別で、実業団の独特な雰囲気もあるし、球の感じも違うし、ラリーの仕方も全然違うので、そこにしっかり食らいついていけるように頑張っていきたいと思います。
ーパートナーの勝俣選手に声をかけるとすれば
私は最後なんですけど、勝俣はこれがインカレ最後ではないので、しっかり今回の試合でたくさんダブルスもシングルスも得られることはあったと思うので、来年につなげていけるようにしていきたいです。
ー今回の女子の個人戦の成績をキャプテンとしてどう見ていますか
それぞれ力を出し切ってのこういう結果となったので、そこに関してはみんなには言うことはないんですけど、男子は最終日まで残っているので、女子もそこまでしっかり残れるように男女で結果出せたらいいかなと思います。
ー最後のインカレを終えて
まだ自分は実業団に行くので、途中にある分岐点というか、そういう感じですかね。まだ続くので、ここで下は向かずにしっかり上を向いて頑張っていこうという大会になりました。
前田悠希
ー今大会を振り返って
最後になるので、悔いが残らないように楽しんでやりました。
ー最後の試合は接戦でしたが
ここまで来たのでメダル欲しいなと思って頑張ったのですが、相手は実業団に決まっている選手で、攻めてきたところを自分が引いてしまったのでそこが自分に足りなかったところだと思います。
ーベスト8でしたが
組み合わせ的には結構きつい山ではあったので、本当に最後で8以上になって総合は行きたいと思っていたので、まあ良い結果だと思います。ーダブルスはもうちょっと勝ちたかったです。相手がレシーブで散らしていて、こっちがスマッシュとか攻撃できるようなレシーブでなかったので、工藤が後ろであまり良い球を打っていなくて、自分も前で仕掛けたりとか、シャトルに触ったりできなかったのでもう少し自分たちから攻めていければ良かったのかなと思います。
ー最後のインカレでしたが
自分の為というよりは、教えてもらっていた宮さんや石岡さんとか両親の為に頑張って結果を残したいと思いましたね。
ー名古屋で何か食べましたか
味噌カツ食べました。美味しかったです。ひつまぶしはなあ。うなぎ食べられないから。あとはやばとん?手羽先食べたいです。
ー宮さんからは
総合あるから練習来いよみたいな感じですね(笑)
ー総合への意気込みを
総合は誰もが出られるような大会ではないので、実業団のレベルの高い選手とやるので、一個でも勝って上に行けたらなと思います。
勝俣莉里香
ーダブルスを振り返って
ダブルスは正直去年優勝していたので、優勝することがやっぱり目標だったので、ベスト8はちょっと…悔しいですね。
ー中西・吾妻ペアとの対戦はどういった気持ちで臨みましたか
相手は強いですが、成績は自分たちの方があるので、そこらへんで変にプレッシャーに感じていたというか、気持ち的な部分でやりづらさはありましたね。
ーシングルスについては
インカレ自体出るの初めてで、シングルス勝ちたいという気持ちはすごくありましたし、インカレに関しては今まで成績も残せていないので、ベスト8は良かったのかなって感じです。
ーシングルスでも中西選手に敗れましたがどういった印象ですか
本当にこの3年間めちゃくちゃいっぱい試合して、お互いどんな相手かっていうことも分かってて。勝ったこともありますが、相手の方が上なので、これだけたくさん試合やってきましたが、今回が最後だったので、とりあえず楽しもうと思ってやりました。
ー単複ともに総合出場を決めました
去年は本戦からだったんですけど今回は予選からなので、とりあえず本戦に行くことを最初の目標にして、格上の相手ばかりだと思うので、一戦一戦全力で戦っていきたいなと思います。
ー来季からキャプテンを務めるそうですが、どういったチームにしていきたいですか
自分たちの代が引っ張っていかないといけないし、総合力的に今4年生に助けられている部分はすごくあるので、それを補っていかなければいけないです。そういう部分で練習量も増やしていかないとまた同じ結果になってしまうと思うので、今回団体もダメだったので、それ以上にやらなきゃっていうことは多分みんな思っていることなので、そういう自分たちの代が一番に立って引っ張っていけるように頑張りたいです。
ーインカレを終えて
団体優勝を目指していたので、それができなかったのはベスト8という結果はとても悔しいんですけど、勝てるチャンスも全然あったので、この結果はこの結果として受け入れて。絶対に次につながる試合はできたと思うので、春リーグまでまだ時間はあるのでまたみんなで一からやっていきたいと思います。
中静日向子
ー初のインカレを振り返って
1年生なので逆に向かってプレーができたと思います。でも、できなかった部分や足りない部分がまだまだあるので今回のインカレで経験させてもらったことを生かして、今後の練習に取り組んでいきたいと思います。
ー具体的に修正点とは
自分は動きが遅いので、動ける体力と脚を使っていくことと前さばきが雑なのでそれをもっと丁寧にできるようにしたいです。
ー4回戦敗退という結果をどのように捉えていますか
ぶっちゃけ、自分の場所が良かったというのがあります。なのでチャンスをものにできたかなと思います。
ーリーグ戦では同級生が試合に出ている中で、もどかしさなどはありましたか
他の1年生が出ていて自分は出られていなかったので、この個人戦で結果を残せば自分も使ってもらえるということを意識して取り組んできました。
ー中静選手の持ち味
人より身長が大きいので、上からのショットのキレがを出していけるといいかなと思います。
ー今後チーム内でどんな役割を果たしていきたいですか
団体で前田さんや、勝俣さん、岡部の立ち位置に出られるように、自分が1ポイント取れるようになりたいと思います。
フォトギャラリー
- 今大会はベスト8と悔しい結果に終わった宮浦(左)・勝俣ペア
- 連覇とはならなかったが、チームにとって2人の存在は大きなものだ
- ラストインカレを「いい結果」と振り返った前田
- シングルスではインカレ初出場となった勝俣
- 宮浦はシングルスでも健闘を見せた
- 1年生ながらベスト16の結果を残した中静
- 明大のペアを打ち破った甲斐(左)・鈴木ペア
- 吾妻(早大)と3度目の対戦だが勝利を奪えなかった東
- 3回戦で惜敗となった伊東(手前)・清水ペア
- 強敵相手に堂々たる戦いぶりを見せた岡部
- 「もう少し勝ちたかった」という前田(奥)・工藤ペア