【ラグビー】関東大学リーグ戦 対関東学院大 「本当にミスだらけ…」 自滅で失点重ね、自力での選手権出場の可能性が消滅
関東大学リーグ戦
2017年11月3日(金)
上柚木公園陸上競技場
季節外れの暑さの中行われた関東学院大戦。昨季敗戦している相手に、雪辱を果たしたかったが、前半法大のペナルティやパスミスで拮抗したスコアとなる。後半は、法大が一時19点差まで拡げ勝利は確実かに思われたが、法大はシンビンで数的不利を強いられ、徐々に差を縮められる。
ついには、流経大戦同様、後半ロスタイムに逆転トライ、ゴールを許し惜敗。自力で選手権出場の可能性が消滅したあまりにも痛い敗戦となった。
試合結果
トータル試合結果
38 |
12 |
前半 | 5 | 40 関東学院大 |
---|---|---|---|---|
26 | 後半 |
35 |
ポイント詳細
2/4 | T | 1/5 |
---|---|---|
1/3 | G | 0/5 |
0/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:斉田,増田/斉田,山下憲,中井(2) G:萩原/尾崎(3) |
※前半/後半
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 黒田圭汰 | 社4 | 報徳学園 |
2 | HO | 川越藏 | 現3 | 高鍋 |
3 | PR | 金子崇 | 社4 | 東福岡 |
4 | LO | 山根陵 | 現3 | 大津緑洋 |
5 | LO | 増田和征 | 経4 | 京都成章 |
6 | FL | 吉永純也 | 経1 | 東福岡 |
7 | FL | 山下憲太 | 社1 | 長崎海星 |
8 | NO.8 | 斉田倫輝 | 経4 | 仙台工業 |
9 | SH | 中村翔 | 経2 | 東福岡 |
10 | SO | 奈良望 | 社3 | 秋田工業 |
11 | WTB | 根塚洸雅 | 経1 | 東海大仰星 |
12 | CTB | 長利完太 | 経3 | 桐蔭学園 |
13 | CTB | 東川寛史 | 経4 | 東福岡 |
14 | WTB | 中井健人 | スポ3 | 筑紫 |
15 | FB | 萩原蓮 | 経3 | 東福岡 |
16 | Re | 大澤翔舞 | 営4 | 長崎北 |
17 | Re | 李承記 | 経3 | 大阪朝鮮 |
18 | Re | 菊田圭佑 | 経1 | 仙台育英 |
19 | Re | ウォーカーアレックス拓也 | 社2 | 東福岡 |
20 | Re | 五反田拓巳 | 経4 | 法政 |
21 | Re | 根塚聖冴 | 経3 | 京都成章 |
22 | Re | 尾崎達洋 | 社4 | 桐蔭学園 |
23 | Re | 斉藤大智 | 現1 | 黒沢尻北 |
交代選手
時間(分) | 退 | 入 |
後半10 | 山根 | ウォーカー |
後半10 | 中村 | 根塚聖 |
後半11 | 萩原 | 尾崎 |
後半31 | 黒田 | 李 |
後半31 | 川越 | 大澤 |
後半31 | 金子 | 菊田 |
後半31 | 吉永 | 五反田 |
後半31 | 奈良 | 斉藤 |
リーグ戦 結果
日付 | 対戦校 | 会場 | 結果 |
9月10日(日) 15:00 | 流経大 | 浜川競技場 | ●49-52 |
9月24日(日) 15:00 | 東海大 | 秩父宮ラグビー場 | ●7-76 |
10月9日(月) 11:30 | 中大 | 上柚木公園陸上競技場 | ○47-21 |
10月22日(日) 11:30 | 大東大 | しらこばと運動公園陸上競技場 | ●14-29 |
11月3日(金) 11:30 | 関東学院大 | 上柚木公園陸上競技場 | ●38-40 |
11月18日(土) 14:00 | 拓大 | 御勅使南公園 | – |
11月25日(土)14:00 | 日大 | 江戸川区陸上競技場 | – |
戦評
太陽が照り付ける上柚木陸上競技場。法大のキックオフで、全国大学選手権出場を懸けた一戦が幕を開けた。
開始早々、自陣ゴールライン近くまで攻め込まれる。法大は焦ったのか、ペナルティを連発。自らのオフサイドにより、関東学院大ボールのラインアウトで試合が再開すると、モールから抜け出され、先制トライを奪われる。
前半18分、関東学院大のペナルティから法大のクイックスタート。順調にパスをまわし、敵陣ゴールラインに距離を詰める。No.8斉田倫輝(経4)がラックから左中間にトライし、5-5とする。
相手の強力なタックルにパスのミスが目立ち、横の展開に苦戦。ペナルティも連発し、思うように試合が進まない。その中で、自陣10mライン付近のラックを法大がターンオーバーし、着々と敵陣に攻め込み、LO増田和征(経4)のトライ。12-5で前半を終える。
前半勝ち越しトライを決めたLO増田はチームメイトと笑顔で喜びを分かち合った
後半3分、防御の隙をつかれた法大は、続けざまに関東学院大のトライをゆるし、12-19とされる。しかし13分、LOウォーカーアレックス拓也(社2)の途中出場後ラインアウトが安定しだすと流れが変わる。敵陣10mライン近くのラインアウトからフェイズを重ね、ゴール前中央のラックからSH根塚聖冴(経3)、SO奈良望(社3)と繋ぎ、No.8斉田が今試合2つ目のトライを決め、19-19。ここから法大の怒濤の得点ラッシュが始まる。19分、またも法大ボールのラインアウトから中央に運び、FL山下憲太(社1)がトライ。25分には、敵陣深くにボールを運び出し、ゴール前に形成されたラックから、最後はWTB中井健人(スポ3)がトライ。30分にも、中井がもう一度トライを決め、38-19に点差を広げる。
だが、現実は甘くなかった。島津久志監督も信頼を寄せるLOウォーカーが「危険なプレーをした」としてシンビン。直後、トライを決められ38-26。流れを戻そうと、法大は一度に5人の選手交代をするも、関東学院大の勢いは止められない。タックルを試みるも、スピードに追いつくことができず、一気に1トライ差にまで縮められてしまう。残り5分を切り、何とか逃げ切りたい法大であったが、試合終了直前、モールから抜け出され、同点トライを許してしまう。法大勢の祈りもむなしく、関東学院大のゴールが成功し、38-40でノーサイドとなった。
法大の全国大学選手権への自力での出場は不可能となった。試合後のミーティングにも重い空気が流れる。しかし、試合は2試合残っている。気持ちを切り替えて。後の2戦は絶対に落とせない。去年の屈辱を、もう味わわないために。(椛沢はるな)
インタビュー
島津久志監督
ー今日の試合を振り返って
今まで言ってきたことですが、本当にミスだらけでしたね。先程選手にも話したのですが、今日は特に今まで練習で出てきたミスが全部出た日でした。同じミスを繰り返しますし、試合にも出てくるしというところで、練習中でのミスに対する意識が足りないということなんでしょうね。
ー序盤からペナルティの多発が目立ちました
ノーペナルティをと言っていたのに、最初の5分で3つ4つ繰り返して、ゴール前までトライされて。ということでしたよね。最初の10分は大事だよ、ノーペナルティだよ、と言っているのに2つとも意識ができていないということは普段からの甘さ、意識の低さが出てきましたよね。
ーハーフタイムで選手に伝えたことは
とにかくミスをするなということですよね。それに尽きます。ボールをキープし続ければ攻撃に繋がるのに、やはり途中でポロっとミスしてしてしまったり、ボールを落としてターンオーバーされたりと、反省だらけの試合でしたね。
ー後半、1回目のメンバー交代後、自分たちのペースに持ち込めた要因は
やはりアレックスが入って、前半全く取れなかったラインアウトを取れるようになってからですよね。彼はそうやってどんどんリズムを変えることができるものを持っているので。そしたらそのアレックスがシンビンになってしまってその10分間でトライをどんどん返されてしまって。1人に頼りきってはいけないとは思いますが、アレックスはそれだけの力を持っている選手なのでこういったことが起こるんでしょうけどね。1人いない分、みんなでカバーをするとか戦い方を変えるとか、そういった意識がもっと生まれてもいいんじゃないかなとは思いますけどね。
ー最終盤にまさかの逆転トライ、ゴールを献上し2点差での敗戦となりました
(ペナルティゴールを)狙うかなとも思いましたが、(トライを狙いに)いきましたよね。でもそれは選手の前向きな気持ちなんでしょうからそれはそれで分からないことはないのですが。
ー試合後選手たちにかけた言葉は
もう結果は結果だから、気持ちは切り替えていくしかないということですよね。まだ2試合残ってますから。4年生ももう最後なのでね。その2試合で終わっちゃうのか、次の大学選手権にいけるのかということですよね。
ー選手権出場について
中央対関東で中央が勝っているので、(中大が残り全敗した場合)3校が4敗で並ぶので、今一応得失点差を考えるとまだチャンスはあるということになりますね。ただ自力の可能性は無くなってしまったので、他力にということになってしまいますが。目の前の試合に勝たないといけないと思うので、また週明け、しっかり気持ちを切り替えて、意識を切り替えてやっていくしかないですね。これは先週の筑波戦の後にも言ったことなのですが。チーム一つになって気持ちを切り替えてやっていくしかないです。僕たちもしっかり気持ちを切り替えたいと思います。
東川寛史(主将,経4,CTB)
―痛すぎる敗戦となってしまいましたが
練習で出てるミスがそのまま出てしまいました。後半の序盤にもあったんですが、ミスせずに自分達の攻めてれば、全然怖くないというか勝てたゲームだったなと思います。
―前後半ともに先制トライを許しましたが
特に前半の立ち上がりは毎回毎回(トライを)取られて、改善していこうと話しているんですけど、僕のミスですが、後半のトライ(インターセプトされたトライ)が痛かったです。やっぱり、「最初の10分」を集中できないところが、僕たちの弱いところで、そこから立て直して自分達のペースに持っていくところで、自分勝手になってますし、僕たちの弱いところが全部出たなと思います。
―ペナルティの多発を防ぐためには
試合中でも、意識の高いやつと低いやつの温度差が激しいことですね。そこをしっかり分からせないといけないと思います。分からせないと全然変わっていかないと思います。
―後半は法大のシンビンから流れが悪くなってしまったように見えましたが
まぁ、シンビンは仕方ないので、シンビンの後ですよね。14人で守りきれなかったら、15対15で勝てるわけないです。
―2季連続関東学院大に敗れてしまいましたが
やっぱり、去年負けた相手にもう一度負けると、今年やってきたことや、自分達の実力がそこまでだったんだなと思い知らされた感じです。
―ハーフタイムで話されたことは
12対5でリードして折り返したんですが、ミスも多かったので、「前半は前半で後半は後半で挑もう」と。「もう一回0対0の気持ちで挑もう」と言いました。
―試合後かなり長い時間ミーティングを行ってましたが何を話し合いましたか
遠藤さんも苑田さんも「練習が全部出てる」ということと、「メンバーのなかでも意識の差がある」ということです。
―「意識の差」を埋めるために、どういう練習をしていきたいと思われますか
やっぱり、言い続けるしかないですよね。指摘しないといけないレベルになってきてると思います。本人が分かってないので。
―選手権出場の可能性が厳しくなりましたが
やるだけなので、そこは何も考えてないです。
―次戦の拓大戦への意気込みを主将として一言お願いします
2週間でしっかり修正して、自分達のペースに持ち込んで、勝てるようにしたいと思います。
リラックスした表情を見せ入場する東川主将
増田和征(副将,経4,LO)
ー今日の試合を振り返って
完全に自分達のミスとペナルティで首を絞めるっていう、いつもの負けゲームのパターンなんで。結果を受け止めて、次戦に挑むしかないなって思います。
ー「選手権に向けて」というところでも大切な一戦でしたが
落とせない試合だったことは、チーム全体でも自覚していたんですけど、そこに対して個人の努力がまだまだ足りなかったので、結果が出なかったのかな、とは思います。
ー関東学院大への対策は
どの試合でもそうなんですけど、しっかりスカウティングして、相手がどういうことをしてくるのかというのは頭に入れてやってはいました。
ー今日はLOとして出場されていました
別にすることはそんなに変わらないので。ただ組む位置が変わるだけの話で。そこを特別意識するということはなかったです。
ーゴール前でのFWの防御が印象的でした
最終的にトライを取られてしまう場面もいくつかありましたし、あそこの緩慢さがやっぱり負けに繋がったんじゃないかな、と。
ーチームとしてはミスが目立ちましたが、ご自身はフォローに回られていました
特にフォローを意識してというのはなくて、普通に目の前のプレーをやっていこうという気持ちでした。自分の役割を設定してというのではないです。
ー前半の自身のトライについて
継続していく中で、向こうのチームが急いだり焦ったりしてしまった中で、ああいうスペースが生まれて、自分がトライすることができたのだと思っています。あれはあれで良かったのかなと。
ー後半、試合の流れが変わりましたが、ハーフタイムで何か話をされましたか
前半の時点でかなりミスが多くて、自分達の首を自分達で締めている状態だったので。そこをまず無くして、自分達のペースを作っていこうっていう話をしていました。
ー試合終了後、監督と主将と話をされていましたが
「負けたのは仕方ないから、次戦に備えてしっかりチームをまとめて話し合っていこう」と話をしていました。
ー次戦に向けて
あと2戦で。次落とすと入れ替え戦って話になってくるんで、絶対に落とせない試合にはなります。来年に繋げるためにもしっかり勝ちにこだわってやっていきたいな、と思っています。
チームメイトのミスを何度も救ったLO増田副将
斉田倫輝(副将,経4,No.8)
ー今日の試合を振り返って
結局自分たちのミスで相手にチャンスを与えてしまって、それをものにされたという感じです。完全に自滅です。こっちもやろうとしていたことが、出来ていたらスコアに出来たし、全部ミスで合わなくなってしまって、この結果です。
ーミスの原因は
FWに関してはセットプレーがやってきたことができないなか、相手が対応してきたところでこっちが対応できなかったところです。FWのミスでBKの流れも悪くしてしまいました。
ーFWのセットプレーをNo.8から見て
スクラムはこっちが優位に立てていたと思うんですが、大事なところでプッシュされたり、押されちゃいけないところで押されたり、出来るのに大事な場面で相手に優位に立たれてしまったかなと思います。
ー関東学院を相手に決めていたことは
アタックに関しては、今までやってきたことをやるだけでした。関東学院がワイドに振る攻撃をするので、ディフェンスを対応できるように練習してきたのですが、コミュニケーションミスで、ディフェンスの立つ位置をミスして抜かれてしまいました。
ーハーフタイムに話し合ったことは
まずFWのラインアウトがミスしていたのでサインのチョイスをどうしていくかなどです。BKがやりたいプレーを聞いて、FWがそれに繋げようとするのが理想ですが、それを目指しすぎてミスをしていたので、確実に取れるサインを選ぶことを話し合いました。
ー今日の試合から修正したい点はありますか?
FWのセットプレーと、いつも言われているんですが、タックルの成功率が低いので個人個人で練習しないといけないなと思います。
ー副将としてチームにどんなことをしていますか?
僕は口であまり引っ張る方じゃないので、プレーで、背中で、引っ張って行けたらなと思って、体を一番張るようにしています。
ー次の試合(拓大戦)に向けて決めていることはありますか?
特にないです。いつも通りやるだけです。
2トライを奪い、FW攻撃陣を引っ張ったNo.8斉田
フォトギャラリー
- 関東学院大学に決勝トライを決められ、肩を落とす法大フィフティーン
- 前半勝ち越しトライを奪ったLO増田副将
- ラインアウトは確実性を欠くものだった
- 攻守にわたり体を張り続けたSO奈良
- 大東大戦に続いてトライを決めたFL山下
- ゲインするHO川越
1年生ながら、力強いゲインするWTB根塚洸- 今日も2トライを決め、自分の持ち味を発揮したWTB中井