【硬式野球】他大学インタビュー 東京大学野球部② ~辻居新平選手、新堀千隼選手、濱﨑貴介選手~
2018年3月23日(金)
東京大学野球部グラウンド
第2回の今日は、浜田監督がキーマンに挙げる辻居新平選手、遊撃での守備力が光る新堀千隼選手、また投手として安定した活躍を見せる濱﨑貴介選手に話を伺った。
選手インタビュー
辻居 新平 外野手
ー昨年を振り返って
春はリーグ戦初出場、無事初安打を打つことができて良かったです。他大学のレベルの高さや、自分の目指すべきところを実感した良いシーズンになりました。秋は、打率が3割と見える結果で出てきたので、この1年間は自分やってきたことが合っていたんだなと自信が持てるシーズンになりました。
ー春から秋にかけて調整した点は
僕は中高で軟式をやっていたので、なかなか硬式に慣れないところがありました。六大学だと特に球も速くて、そこにいかに付いていくかという点で、バッティングのタイミングだったり、速い球に負けないスイングだったりというのを意識して取り組んでいました。
ー印象に残っている投手は
早稲田の小島(和哉)投手です。記録上の球速的にはもっと速い選手もいると思うのですが、僕の中で小島選手の球が本当に速く感じました。
ー慶大戦では本塁打を放たれました
自分のやるべきことをやるしかないと思いながら臨みました。自分の思った以上の結果が出たことは本当に自信になりましたし、自分のやりたいプレーができたので、良かったです。
ー卒業生が抜けて、戦力としては
楠田(創)さん、田口(耕蔵)さん山田(大成)さんの長打力というのが去年のチームでは核だったので、そこが抜けて、長打力が落ちるというのは否めないと思います。そこは僕だとか新堀(千隼)が補っていければと思います。
ー監督がキーマンに辻居選手を挙げられました
去年の秋に3割打てたのは、ある意味たまたまというか、無警戒だった分恵まれたヒットがあったことは間違いないです。その中で今季は厳しいところを攻められたりすると思いますが、自分が去年と同じく1番だったら、先頭でしっかり出て、中軸につなげられるように。足を有効に使って、得点に絡めていけたらなという自覚はあります。
ー昨季は法大から勝ち点を奪いましたが、反響などは
色々な方から「本当に凄いね」といった声を掛けてもらいました。法政は本当に強くて、メンバーを見ても、明らかに高校までエリートでやってきた人たちなので、確かにそこに勝てたというのは、大きかったです。ただ、次の明治戦が控えていたので、僕たちとしては(気持ちは)そこに向かっていました。
ー法大に勝った要因は
法政は、甲子園に出ていたようなメンバーがレギュラーやベンチにもごろごろいて。東大は、レギュラーメンバーで、ようやく田口さんや楠田さんといった六大学に通用し得る選手がいるものの、ベンチだと全然いなかったり、ピッチャーも足りなかったりという状況で。長期戦にならないよう、2連勝で決めるためには、勢いで押し切るというのが重要だと思っていました。個人としては、2試合とも出場して、2安打で、その役割を全うできたのは良かったです。僕が出塁したのを確実に楠田さん、田口さん、山田さんたちが返してくれて、打線として機能したことが良かったです。下位打線も、特に2年生はしぶとくヒットを打つなど、本当に9人が(先頭が)誰からでも点を取れるという状況だったので、良い形だったと思っています。
ー神宮デビューから2年目となる今季の意気込み
多少の警戒はされると思うのですが、自分としては、ようやく六大学で同じ舞台に立てるというか。東大だから舐められるじゃないですけど、他の強打者より甘めの配球になったりというのがなくなって、少しでも近づいたレベルでやれるのかなと思うと楽しみです。でも自分が打てないときは苦しいシーズンになると思うのですが、打てない中でもチームに貢献できるように。仕事は打つだけではないのでどんな状況でも、チームに貢献していけたらなという風に思っています。
ー今年の法大の印象
去年とほぼメンバーが変わっていないので、相変わらず強いということは間違いないですね。昨季東大が2連勝していて、法政も気合を入れてくると思いますし、その中でどれだけ自分たちが食らい付いていけるかだと思います。今回も挑戦者の気持ちで、思い切ってやっていけたらなと思っています。
ー今年の東大のキーマンは
投手は宮本(直輝)ですかね。宮台(康平=現日本ハム)さんが抜けて、圧倒的なエースがいなくなった中で宮本は今奮闘しているので、この春結果を残して欲しいです。打者は去年出ていた僕や、新堀が引っ張っていかなくてはいけないという自覚があるので、自分をキーマンに挙げるもあれなのですが、それくらいの気持ちでやっていきたいと思っています。
ー今年のチームの目標
去年は勝ち点1、単独最下位脱出という目標が達成できなかったので、最下位脱出というのを最大の目標として、勝ち点2というのを掲げています。そのためには、去年抜けた大きな穴を埋めていかなくてはいけないです。そこまで技術のある選手はいなくても、スローガンである『一丸』となって、一体感があるときの東大は本当に強いと思うので、そこを生かして頑張って最下位脱出していきたいと思っています。
(取材:大平佳奈)
辻居 新平(つじい・しんぺい)
法学部3年 1997年7月16日生まれ
神奈川県出身・栄光学園
177㎝75kg 右投右打
『昨春リーグ戦初出場を果たし、昨季は打率3割超えと新戦力として頭角を現した。東大打線の中軸を新たに担う存在として、今季のキーマンとなる人物だ』
新堀 千隼 内野手
ー東大に入学しようと思った理由は
野球がやりたいというその気持ちだけです。
ー昨秋、2本の本塁打を放ちましたが打撃は
正直期待されていなくて、相手に警戒もされていなかったので運良く打てたという感じですね。
ーオフの間、打撃に関してはどのような練習をされましたか
チームとして全員で狙った球を打てるようにというのを目標に練習してきました。
ーご自身の持ち味、アピールポイントは
守備ですね。守りの部分でチームに貢献できるようにしたいです。
ーメガネがトレードマークですが、コンタクトは使用しないのですか
処方箋も取って試したんですけど、目に合わなかったので(笑)。
ー東大の練習の頻度、時間の長さを教えてください
週6で練習しています。毎週火曜日が休みになっています。午前中が全体練習、午後が個人練習になっています。
ー個人の今季の目標は
守備でピッチャーやチームを助けられるようなプレーをすることですね。打撃では後ろにつなげられるように、流れを切らさないようにというのを目標にやっていきたいです。
ー昨秋は法大に2勝し、勝ち点を奪取しました。チームの雰囲気はいかがでしたか
その前までは勝てていなかったんですけど、慶応戦で1つ勝つことができてチームとしてのリラックスできたのかなと。打線も調子は悪くなかったので良い雰囲気で試合に入れていたと思います。
ー今季のキーマンには誰を挙げますか
岡俊希ですね。下級生ですけど、バッティングが良いので。打線の軸になってくれると思います。
ー目標にしている選手、選手像は
守備が堅実で、出塁率の高い選手が理想ですね。ポジションは違いますが、アストロズのアルトゥーベが理想像です。
ー今季のチームの強みは
去年の主軸が抜けたのでパワーは落ちるかもしれませんが、足を絡めて打線全体で点を取るという意識が強いことだと思います。
ーチームの現在の課題は
チャンスで1本が出ないというところですね。
ーオープン戦での調子はいかがですか
強いチームと試合をして良い投手が出てくるとそんなに打たせてくれないなと実感しています。日によって良い選手、悪い選手がいる中で、調子が良い選手を見て周りが引き上げてもらっているという感じです。
ー最後にリーグ戦への意気込みをお願いします
去年久々に勝ち点を取ることができたので、主軸は抜けましたが、それでも勝てるという所を見せたいと思います。
(取材:湯浅駿)
新堀 千隼(にいぼり・ちはや)
理科II類3年 1995年6月1日生まれ
東京都出身・麻布
180cm72kg 右投右打
『守備を持ち味としながらも、昨季は2本塁打とパンチ力の強さも見せた。3年生となる今季は攻守ともに中心選手としての活躍が求められる』
濱﨑 貴介 投手
ー昨季を振り返って
チームとしては勝ち点を取ることができたということで、すごく大きな1年だったと思います。個人としては少し悔しい気持ちの残る登板が多くて、バネにしたいシーズンだったかなと思います。
ー法大から勝ち点を取りましたが、振り返って
勝ち点を取った試合に先発したんですけど、2回途中で交代してしまうという悔しい投球だったので、チームの勝ち点というのはチームの一員としてすごく嬉しい事であったんですけど、悔しい気持ちがすごく大きかったです。
ーこれまでの調子は
自分的にはあまり良くないかなという感じなんですけど、徐々に上げて来ている感じです。
ー特に重視している練習は
ウエイトトレーニングと投げ込みに重きを置いてやっています。
ー監督からのアドバイスなどは
制球力をしっかりつけるように言われていて、それをつけるためにフォームの安定をしっかり獲得するように言われています。
ーご自身のアピールポイントは
球速はそんなに速くないんですが、球の強さとキレでしっかり差し込んでいけるようなストレートを投げるところかなと思います。
ー開幕に向けてどのように調整していく
今のところオープン戦ではリリーフで投げる機会が多くてリーグ戦も入りはそういう役割になっていくと思うので、連投がきくようにブルペン等で練習していきたいです。
ー今季の目標は
チームとしては最下位脱出を掲げていて、勝ち点を1個取ってそのあともう1つ狙うという形になっていると思います。個人としては、宮本(直輝)が投手陣の中心としてしっかり投げている状態なので、宮本に負けないようなピッチングをしたいなと思います。
ー法大の打者の印象は
強打者が多くて、飛ばせるバッターが並んでいるので甘い球を投げるとしっかり強打されてしまうイメージです。
ー法大の投手陣の印象は
菅野(秀哉、キャ4)投手が中心にいて、すごく良い球を投げているというイメージですね。
ー春季リーグ戦に向けて意気込みを
しっかり神宮で活躍できるような投球をしていきたいと思います。
(取材:中村祐吾)
濱﨑 貴介 (はまさき・きすけ)
医学部3年 1996年7月19日生まれ
170cm71kg 右投右打
『直球の強さとキレを武器に今季は中継ぎ右腕として防御率0.00。先発を支えるリリーフエースとして活躍を見せたいところだ』