【バスケ】第68回関東大学バスケットボール選手権 6回戦 対専修大 ベスト8の壁は厚かった。終始ペースを握られアップセットならず
『令和』のオープニングゲームとなったスプリングトーナメント6回戦。法大は初戦の勢いそのままに、昨季インカレ準優勝の強豪専大を打ち破りたいところ。
しかし、試合は終始専大ペース。#30アブ・フィリップを柱としたインサイドはもちろん、それぞれの選手の個人技もハイレベルな専大を前になす術なく、法大ORANGEはベスト16で姿を消した。
試合結果
トータル試合結果
63 法政大学 |
13 | 1Q | 20 | 85 専修大学 |
---|---|---|---|---|
13 | 2Q | 22 | ||
20 | 3Q | 21 | ||
17 | 4Q | 22 |
法政大学スターティングメンバー
選手名 | ポジション | 出身校 | 得点 |
---|---|---|---|
#6 中村太地(法4) | G | 福大大濠 | 7 |
#30 水野幹太(営3) | G | 福島南 | 8 |
#34 濱田裕太郎(文3) | G | 育英 | 10 |
#15 米山滉人(営4) | C | 湘南工科大附属 | 7 |
#24 鈴木悠介(法4) | C | 洛南 | 12 |
交代選手
選手名 | ポジション | 出身校 | 得点 |
---|---|---|---|
#31 戸井堅士朗(営3) | C | 法政二 | 5 |
#1 川島聖那(法2) | F | 福大大濠 | 4 |
#51 金本一真(文2) | G | 光泉 | 0 |
#14 小野怜史(文2) | G | 法政二 | 10 |
戦評
チームの目標でもあるベスト8をかけた一戦は、京王電鉄杯で敗れた専修大。格上を相手に、いかに法大のペースでゲームを進められるかが鍵を握った。
試合序盤、専大のシュートはリングに嫌われる場面が目立つ一方、法大は#24鈴木悠介(法4)、#34濱田裕太郎(文3)のコンビプレーでファストブレイクに成功するなど上々の立ち上がりを見せる。さらには前の試合で絶好調だった濱田、#15米山滉人(営4)が立て続けにスリーを沈め、主導権を握ったかに思われた。しかし、そこは流石インカレ準優勝の専大、簡単には突き放すことができない。逆に法大はミスも重なり、第1Q終盤に連続得点を許してしまい、追いかける展開となってしまう。
第2Qに入ると試合は完全に専大ペース。留学生センター#30アブ・フィリップがインサイドで猛威を振るい出す。マッチアップした米山、鈴木も勢いを止めきれず豪快なダンクを決められるなど、体格差で圧倒されてしまう。続く第3Q はほぼ互角。ゲームメイカー#6中村太地(法4)を軸に3Pシュートを中心に攻め立てる。中盤にはシックスマン#14小野怜史(文2)を投入し流れを取り戻しにかかるも、ここでこれまで積極的に声を出し続け、チームを精神的にも支えてきた米山が負傷し退場するアクシデント。勢いそのままに点差を少しでも縮めたいところだったが、それも叶わず17点差で最終Qを迎える。
第4ピリオド開始早々、素早いパス回しから小野がスリーを決めると、続いて鈴木もバスケットカウントを獲得するなど追い上げを見せる。一時13点差まで詰め寄るも、ここで専大の個人技が炸裂。#12西野曜がゴール下で上手さを見せるなど、個人スキルで勝る専大が法大の反撃をはね返し、着実に得点を重ねる。終了間際#30水野幹太(営3)の連続スリーもむなしく、打つ手のない法大はここで万事休す。最後までミスが続き、さらには専大インサイドを攻略することができず、京王電鉄杯のリベンジとはならなかった。
目標としていたベスト8にはあと一歩及ばず、悔しい敗戦となった法大。1部との力の差をひしひしと実感する試合となった。しかし、幸いにもリーグ戦まで数か月の時間が残されている。個人スキルはもちろん、チームのオフェンス、ディフェンスシステムも今一度見直し、専大をはじめとする強豪校と互角に渡り合えるチームになることを期待したい。(湯浅駿)
選手コメント
佐藤俊二監督
-今日の試合を振り返って
細かな所の差の積み重ねで力負けかなっていう感じですね。
-ゲームプランとしては
相手のインサイド、フィリップと西野(曜)の所は強いので、逆にこっちの強みであるガード陣が働いてくれればいい試合になるかなと思っていたんだけど、思ったより判断ミスが多くてこういった結果になったかなと思います。
-前半終了した時点で16点の差がついていました。後半どのような形で立て直していこうと考えていましたか
相手のハーフコートのオフェンスは比較的抑えられていたし、うちのオフェンスのミスからのトランジションで10点くらい決められていたので、オフェンスの組み立てが大事という話をしたんだけど、ミスが続いてしまったというのもあったし。相手のディフェンスの形を見て判断しなきゃいけない所を、ベンチの指示も含めて追いつかなかったという感じです。
-主力ガード陣とのタイミングのズレが目立ったように感じられました
(中村)太地も合流して二週間というのもあるし、多少のミスはしょうがないけど、太地の精度の方が高いわけだから、(中村の)判断ミスはあったけど、みんながそのレベルに合わせられるようになった方が強くなると思うから、継続してやっていくしかないかなと思います。
-インサイド陣もスリーを積極的に打っていました。これはベンチからの指示でしょうか
あれは相手のディフェンスに打たされていた感じかな。相手がビッグマンのスリーを捨てていたので。ただ基本的にはノーマークを作るためにオフェンスのシステムを作っているわけだから、全然打ってもいいと思っているし、シューティングもしっかりやっているから確率も悪くないし。ただもう少しガード陣がアタックして、相手ディフェンスをかき回してから打てたら良かったかなと。
-一時13点差まで追い上げましたが、すぐに個人技で離されたという試合展開でした。秋に向けてはどのような練習をやっていこうと考えていますか
個人スキルでやられるのはしょうがないけど、判断ミスでやられるのは良くないので、細かい所を詰めていかなきゃいけないし。うちのビックマンはそこまで器用なわけではないし、この年齢からスタイルを変えるのも無理な話なので、そこはバスケットボールのシステムで弱点をカバーできるようなチーム作りをしていきたいなと思います。
-1部の上位校との差を実感する試合となりました。秋に向けて一言お願いします
本当にベスト8に行こうという思いでやっていたのでかなり悔しいけど、この結果を無駄にしないように新人戦、秋に向けて準備していきたいなと思います。
中村太地(法4)
―今日の試合を振り返って
今日は僕のターンオーバーだったりミスが多くて、いつもより削られた分判断ミスが多かったので、そこをガードでまとめ切れず、うまくチームを回せなかった責任だと思います。
―専大の印象は
やはり能力が高くてイケイケドンドン的な勢いがあるチームだったので、とことんゴールに向かってきたし、僕らより強い気持ちでアグレッシブにやってきたと思うので、そこは専修大のタレントというかそこに圧倒された感じです。
―京王電鉄杯でも戦っていますが、チームで対策してきたことなどはありますか
僕は専修のときに出ていないので、皆からの話とかビデオを見たは見たんですけど、やっぱ1部のチームの強度にこのチームはまだ慣れていない部分があったので、そこは日々の練習の精度でやっていくしかないと思います。対策っていう対策はまだ春の段階なのでそんなに無かったです。
―では試合前のプランなどもあまり無かったのでしょうか
そうですね。まあそんなに緻密にやるっていうよりは自分たちのやることをまず徹底してやろうみたいな感じです。
―立ち上がりは良かったものの徐々に差をつけられてしまいました。その原因は何でしょうか
僕と水野のところに強く削ってきて、そこで最初はボールも回せてスムーズだったんですけど、だんだんインサイド陣がアタックできなくなって、まあそれで1on1も増えてゴール下のイージーなシュートも決め切れずに、みたいなまあいつもの悪い流れというか。そこはやってきたつもりではあったんですけど、いざやるとやっぱり相手のフィジカルの差だったりとかそういうところで差が出たと思います。
―16点ビハインドで前半を終えましたが、ハーフタイムに話し合ったことはありますか
もっとプッシュしてどんどんディフェンスもプレッシャーかけてやるっていうことしかなかったんで、基本的なできるところをやっていこうみたいな感じです。
―途中米山選手が接触で抜けてしまいましたが、チームの精神的支柱である米山選手が抜けるというのはキツい部分がありましたか
まあそうですね。やっぱこのチームを1番盛り上げてるのはアイツ(米山)だと思うんで、アイツのエナジーが無くなったというか、リバウンドもよく取るしよく走るし、そういう面では結構痛かったです。
―今後勝ち抜いていくために必要なものは
エナジーだったりチームの活力だったり、もっと足を動かして相手よりもハードワークするっていうことが一番だと思うので、そこにフォーカスしてやっていきたいと思います。
―秋のリーグへ向けての意気込みをお願いします
チームとしてもっといろんなところでの精度というか、戦略、戦術の面でもっと詰めていかないと勝てる試合も勝てないっていうのが続いてしまうと思うので、それを最後までしっかり詰めてやっていきたいと思います。
水野幹太(営3)
-今日の試合を振り返って
チームで今までやってきたことではないことをやらされてしまったのが追いつけなかったのと、チームディフェンスというか外国人選手のところを守りきれなかったというのが差をつけられたところなのかなと思います。
-専修大の対策は
外国人選手のところとリバウンドが強いのでそこを抑えようという考えでいたんですけど、そこが甘かったのが途中でずっと外国人選手にボールを繋げられてたので差が縮まらず、バーっといっちゃった感じです。
-ターンオーバーが多い気がしました
本当は自分と(中村)太地さんが攻めてそれで打つというシチュエーションが今まで多かったんですけど、それが今日は上手くいかないでドリブルが増えてパスを狙ってたらそこをカットされました。相手もスティールの能力が高いので、そこが狙われてターンオーバーとか最初の入りからそういうミスが今日は多かったです。
-ハーフタイムでの作戦は
差がついてきてチームが暗かったのでキャプテンの米山(滉人)さんが盛り上げようって言って、途中で米山さんがハードワークしてたんですけどそれに自分たちがついていけなかったのでそこがやっぱりダメだったのかなと思います。
-専修大に勝つためには
1個1個のプレーとやっぱターンオーバーが多いのが最近本当に目立つのとチームでディフェンス、リバウンドといった細かいところをまだできてないので、リーグ戦で外国人選手の抑え方とかをちゃんと練習すればそれなりの自分たちのリズムもつかめてくると思います。
-今後に向けて意気込みをお願いします
トーナメントはやっぱりベスト16で毎年終わってしまっているし、リーグ戦はこのままだと2部に降格する可能性も高いのでしっかりチームでもっと話し合って、個々の能力もそうなんですけどチームの力を上げていけるようにしていきたいです。
フォトギャラリー
- 留学生とのマッチアップで体を張り続けた鈴木。1部での戦いを見据え、さらなる進化が必要だ
- 中村は終始ゲームメイクに苦心するも、思うように噛み合わなかった
- 水野も中村と共に試合をコントロールしようと試みるも、専大を前に成す術なく
- ゴール下だけでなく積極的にシュートも放つ姿が見られた戸井
- 得意のスリーだけでなく、合わせのプレーも熟練度が増している濱田
- 主将として率先してハードワークする姿が印象的だった米山。まさに精神的支柱へ成長している
- シックスマンとして重宝される小野。試合の流れを変える個人技は目を見張るものがある
- 苦しい時間帯もスタンドと一体になって戦ったORANGE