【馬術】第54回関東学生賞典馬場馬術競技大会 杉村、衛藤ともに入賞を逃す 結果は振るわずも今大会を成長の糧に
第54回関東学生賞典馬場馬術競技大会
2019年6月21日(金)
山梨県馬術競技場
関東学生馬術競技大会(三大大会)2日目。今日は馬場馬術競技が行われた。法大から出場したのは杉村茉美(経3)と主将の衛藤みのり(経4)の2人。両者とも健闘したものの、改めて馬場馬術の難しさを痛感するような走行となり、入賞とはならなかった。これで法大勢としては今大会が終了。結果は振るわなかったが、各々の課題が見つかる貴重な大会となった。
試合結果
最終成績
順位 | 名前(学部・学年) | 馬名 | 最終得点率 |
---|---|---|---|
22位 | 衛藤みのり(経4) | ミルトス | 57.250% |
32位 | 杉村茉美(経3) | ヤマニンリンクス | 52.969% |
戦評
大会2日目、今日は馬場馬術競技が行われ、法大からは杉村茉美(経3)と衛藤みのり(経4)が出場した。
まず、最初に出場したのは出番が1番となっていた杉村。今日誰1人として使っていないまっさらな状態の競技場での走行となった。今回が初めての関東インカレとなる杉村は「自分を落ち着かせるため」終始笑顔で走行。手綱の持つ力が強くなり、馬とのリズムが崩れる場面が見られたものの、最後まで笑顔でやり切り、走行を終えた。
そして、主将の衛藤は22番目に出場。専門は障害馬術であり、馬場馬術は始めてから1年ほどという経験の浅い中ではあったが、昨年の全日本学生大会で入賞を果たしたミルトスとともに今大会に臨んだ。試合前の練習までは順調に調整していたが、試合では「馬と人間との約束事を自分が破ってしまった」と衛藤。馬に対する力の入れ具合に練習とのギャップが生まれてしまい、ミルトスが怒ってしまう場面も見られた。 最終的には杉村が32位、衛藤は22位という結果に終わり、入賞は逃す結果となった。
衛藤が語った通り、馬場馬術は「『ちゃんと』(馬に)乗らなければいけない」競技。人間と馬の緻密な連携の上に成り立つ同調性が鍵となり、馬が自然に動いていられる状態が理想とされる。今回は両者ともに、その難しさを改めて痛感する試合となったが、この試合はそれぞれが次のレベルに上がるための貴重な経験になったに違いない。今大会を振り返って「練習がやっぱり、一番大切」と語った衛藤。さらなる鍛錬を積み、次は『人馬一体』となった姿を見せてくれるだろう。
(山﨑有馬)
選手コメント
衛藤みのり 主将
—今日の試合を振り返って
今日の馬場は、練習は本当に良かったんですけど、試合に入ったら急激に馬の反応が悪くなってしまいました。そこで動かそうとしすぎて、馬が怒ってしまったところで減点されてしまったのかなと思います。
—原因としては
原因としては、緊張ではないんですけど、「しっかりやらないと」という気持ちが強すぎて、手を持つ力や、足の方も強くなりすぎてしまいました。そのような、馬と人間との約束事を自分が破ってしまったところだと思います。
—ミルトスの調子は
あまり無理はさせたくなかったので、大学の方ではあまり練習せずに、本番で頑張ってもらうという感じでした。今まで自分も馬場馬術をやったことがなかったので、(他の選手との)経験の差が出たかなと思います。
—昨年は大川空選手(平31年度卒)が主に乗っていましたが、アドバイスを受けたことは
かなりもらっていました。練習のビデオをラインで送ってもらって、「こうやって乗った方が良いんじゃない」というふうに話は受けていました
—具体的にはどのような話を
わたしは基本的に手(の力)が強いので、少し楽に乗ってあげたほうが良いということを言われることが多かったですね。
—馬場馬術は始めてから1年ほどということですが、難しさとして感じるところは
障害馬術と違って『ちゃんと』乗らないといけないところです。ミルトスはヨーロッパの馬で、馬場馬術のために生産されていて、ヨーロッパでは実力がある人が乗ってきたので、ちゃんとした指示をしないとやってくれないというのはあります。障害はおおざっぱに乗れるところがあるんですけど、馬場はちゃんと乗らなければいけないのかなと思います。
—その中で手応えというのは
馬場は、やってみてすごく楽しいなということはありました。ただ、試合となると経験の無さもありますし、まだ難しさがありますね。
—主将として今後心がけることは
馬のコンディションを考えることや、もうちょっといろいろと練習すべきことがあると感じます。練習がやっぱり、一番大切だと思います。
—今後に向けての意気込みをお願いします
個人の話になってしまうんですけど、2週間後に、長野県の代表として馬場をやらせてもらうので、そこでまずは頑張っていけたら良いかなと思います。
杉村茉美
—今日の試合を振り返って
今回は、人馬ともにほとんどデビュー戦でした。学生賞典という大会は今まで出ていた大会の2段階くらい上の大会で、数ヶ月でコーチと一緒に調教して持って行ったので、本当に、来年のためのデビュー戦という感じでした。結果としてはひどい結果かなと思うんですけど、デビュー戦としてはこんなものかなという感じで、あんまり深く考えずに受け止めています。でも、すごく楽しめました。
—出番が1番でしたが、それに関して何か影響は
1番はかなり見られますし、(地面が)真っさらなので、経路通りできていたかというのが見えてしまう部分があるので、最初はすごく嫌でした(笑)。でも、他のレベルの高い選手の後だと、(焦ってしまって)自分が駄目になってしまうとも思うので、1番で、他の選手に影響されずにできたというのは良かったのかなと思います。
—競技中には笑顔が見られました
私は結構、焦ってしまうタイプで、前回の試合でも焦りすぎちゃっていました。今回は、だいたい失敗するところも分かってはいるので、冷静になって、失敗したら次に訂正するということを意識できるようにやりました。自分を落ち着かせるように(という意味で)笑顔で走行しようという感じでやりました。
—具体的な失敗点は
試合前練習はかなり良かったんですけど、失敗した点としては、ハミ(馬の口につける馬具)をいつもと違う、口当たりが強いものをつけました。自分が(馬との)コンタクトとして、手綱を柔らかく持たなければいけなかったんですけど、持ちすぎて決まって、馬が苦しくなってしまった点だと思います。馬が焦ったり嫌がってしまったり、あとはリズムが崩れてしまったりもしてしまいました。
—ヤマニンリンクスは1年次から担当しています
最初は全然乗りこなせませんでした。もともと障害競技の馬だったので、1年生の時は障害をやっていて、2年生のときから馬場に切り替えました。調教から始まったので、なかなか難しかったんですけど、だいぶ馬のことはわかってきました。ランクとしても、今回で上のレベルにいけるようになってきたので、馬も人も成長してきているのではないかなと思います。
—最後にこれからの意気込みをお願いします
来年は4年になるので、またこの舞台に立つことがあると思います。今回はあまり良くなかったんですけど、次は入賞して全学に行けるようなレベルに持っていきたいと思います。
フォトギャラリー
- 1年次からコンビを組んでいるヤマニンリンクスと出場した杉村
- 終始笑顔で競技をこなした
- 競技終了後にヤマニンリンクスをなでる杉村
- 昨日に引き続き出場した主将の衛藤
- 衛藤は専門外の種目ながら健闘を見せた