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【陸上競技】天皇賜盃第89回日本学生対校選手権 主将総括&選手コメント

2020年9月21日(月)、9月27日(日)
オンライン取材

9月11日から13日にかけて、新潟・デンカビッグスワンスタジアムにて天皇賜盃第89回日本学生対校選手権(全カレ)が開催された。無観客や出場者数の制限など対策が取られる中で開催された今大会。選手たちに大会を終えての心境を伺った。(新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、取材はオンラインで実施)
※全カレの詳しい結果はコチラをご覧ください。

matsumoto
日本選手権への意気込みを語った松本

選手インタビュー

吉間海斗 主将 総括

全体の結果として、良かった人と悪かった人とに大きく分かれる結果となりました。四年生としてはとても悔しい結果となりましたが、最後のインカレの開催が危ぶまれていた中で、開催していただいた関係者の皆様には感謝しかないです。これからの試合も感謝の気持ちを忘れずに走りたいとそう思わせてくれる最後の全日本インカレでした。

田植晶子 女子主将 総括

個人種目では、スタートは反応良く出ることができましたが中間から体幹が入らずうまく加速ができなかったためラストまでまとまった走りができていなかったと思います。全カレに向けて体調面や関節可動域などは調整できましたが、1週間前の記録会に調整していたこともあり、練習量を極端に減らしすぎたことも敗因だと考えています。決勝進出を目指していたため予選落ちで悔しい気持ちもありましたが、決勝の結果を見て自分の力不足を実感しました。
4×100mRでは、私以外下級生ということで公式戦で走るのも初めてだったり緊張したとは思いますがしっかり走ってくれたと思います。バトンパスでロスがあったことと万全な状態でないメンバーもいたのでそこを直すことができれば45秒台は出すことができると思います。
4×400mRでは、4人中3人リレーの前に個人種目があり疲労がある中、最後まで粘って走ってくれました。私自身その日の個人種目がなかったため、自分のところで順位を上げなければならなかったのですが、自分が思った以上にハイペースで入ってしまいラスト失速してしまいました。関東インカレでも同じ様な日程なので、疲労回復など対策をメンバーで考えていきたいと思います。 今回の全カレでは全国で戦う厳しさを実感しました。また、応援してくださった方の期待に応えることができず申し訳ないです。
関東インカレでは反省点を活かしてより多くの選手が活躍できるよう頑張ります。 応援ありがとうございました。

樋口一馬

ー全カレ全体を振り返って
上位入賞と決勝にいけなかった人との差が目立った全カレだったと思います。前半シーズンの試合がなくなってしまったり、全カレの標準記録突破を目指す中で試合が少なかったりと、調整も難しかったと思います。 試合が延期や中止になっている中で、例年通りの時期に開催していただいたことにとても感謝しています。

ー先日200mで自己ベストを更新されていました。全カレに向けてのご自身のコンディションは
今ベストを出したレースで少し足を痛めてしまって、あまり練習できずに全カレを迎えたのでベストの状態にもっていくことができませんでした。

ー今大会の個人のレースを振り返って
入賞を目標にしていましたが、全然ダメでした。いいところがないレースでした。

ー4×100mRを振り返って
優勝を狙える走力があっただけに、決勝で失格してしまいとても悔しい結果になってしまいました。まだ日本選手権リレーで日本一を取るチャンスがあるので次こそは優勝できるように頑張ります。

ー決勝レースでのメンバー変更について
3走の江藤さんが予選のレース中に怪我をしてしまったということで、急遽3走を勝瀬さんに変更しました。

ー関カレへ向けての意気込みをお願いします
最後の関カレということで、悔いのないように全力で走りたいと思います。

松本純弥

ー全カレを振り返って
非常に大事な試合で勝ち切ることができて良かったかなと思います。大会記録も出せて良かったです。

ー全カレのレースプランは
(レース展開が)スローペースになると思っていたので、前半はあんまりいかない予定でした。先頭の人が随分飛ばしていて反応が遅れてしまったのですが、後半追い上げることができて良かったです。

ー自粛期間はどのような練習を
緊急事態宣言が出る前は砂浜とか地元の競技場で走り込みました。宣言が出てからは、そういったところは使えなくなってしまったので、人気の少ない時間に地元の坂とかで走り込みました。

ー監督とのコミュニケーションは
LINEなどで近況を報告したりしていました。

ー自粛期間で陸上以外にしたことは
ずっとNetflixかAmazonプライムで映画とかアニメとか、ドラマを見ていました。

ー昨年と比べて思うように練習を積めない日々が続きましたが、不安はありましたか
僕は春先に肉離れをしていて、春先の試合には不安がありました。むしろ自粛期間があったおかげというのはおかしいですけど、けがを治すことができて、しっかり練習もある程度自分で積めていたので、特に不安みたいなものは無かったです。

ー全カレは無観客での開催となりましたが、有客と無観客での違いは
やっぱり寂しい感じでした。あと、選手紹介した時とか静かですし、閑散としている印象を受けました。

ーセイコーGGPでは序盤から攻めた走りでしたが、全カレでは後半にスパートをかけました。どのような点を意識してレースプランを立てていますか
GGPではタイムを狙うつもりでいて、GGPはペースメーカーがレースを引っ張ってくれてレース展開が速いので、最初から前についていました。全カレでは選手権ということもあって、最後に勝つことが大事ですから、タイムを狙うというよりは順位を狙っていたので、できるだけ様子を見ながらレースを展開することを意識していました。

ーセイコーGGP、全カレと立て続けにベストを更新しました。今年は異例の年となりましたが、記録を伸ばせている要因は
トラックでの練習は積めていなかったんですけど、その分坂ダッシュでスピードにしっかり特化して練習していました。スピードが大幅に上がって、走力自体も伸ばすことができて、そういったことが要因かなと思います。

ー全カレで意識していた選手は
瀬戸口(大地、山梨学院大)さんと、金子(魅玖斗、中大)くんです。

ー金子選手はGGPで惜しくも敗れてしまった点から意識を
そうですね。元々、彼は高校の頃からかなり強くて強い敵になるだろうなと思っていたんですけど、GGPで負けたという点が1番大きいです。

ー日本選手権への意気込みをお願いします
今季ランキングトップということもあって期待がかかる状況ではあると思うんですけど、自分の力を出して精一杯頑張ろうと思います。

(取材・山岡菜月)

matsumoto
松本純弥
男子800m 優勝 1分47秒02

黒川和樹

ー全カレ、男子400mH準優勝おめでとうございます
ありがとうございます。

ーレース全体を振り返って
スタートがうまく決まらなくて前半からリズムを作っていけなかったんですけど、後半結構伸びて、最後食い込めたので良かったです。

ー予選は全体2番通過ということで決勝を迎えるまでのお気持ちは
「これはもしかしたら優勝できるかもしれない」という気持ちで(決勝に)挑みました。

ー決勝のレースはいかがでしたか
あんまり覚えてないんですけど、ホームストレートに入ってきたときに1番だったので、「行けるかもしれない」と思いました。10台目のハードルに当ててしまってそこで2番になってしまったので、それがちょっと悔しいです。

ー大会全体を振り返って
最初は嬉しかったんですけど、やっぱり2番になったというのが後々になって悔しくなってきました。

ー大会を通して見つかった課題は
前半もうちょっとリズム良くいければ後半もスムーズに進んでいくと思うので、その辺が課題だと思います。

ーそれではルーキーに必ずする質問ですが、法大を選んだ理由は
法政大学はハードルが強いのが有名だったからです。自分もそこに入って(周りに)引っ張ってもらえる感じです。

ー大学と高校の練習の違いは
雰囲気がやっぱり、高校の時は和やかな感じだったんですけど、大学になると試合前にピリついた空気感とかありますし、練習自体もかなり違います。

ー入学して早々はコロナ禍で全体練習もできない中、どのようなトレーニングを行っていましたか
走れない時にどれだけ自分で考えて練習するかというのを考えていました。言われてやるというより自分で進んでやるというのが多かったと思います。

ー主に重点的に力を入れた練習は
坂ダッシュは自粛期間中に結構やっていました。

ー自粛期間中のトレーニングの成果を感じた時はありますか
400mあるので後半走れる方が強いんですけど、坂ダッシュで結構長い距離を走っていたので、後半競り合って走れるようになりました。

ー今後4年間でどのような選手になっていきたいですか
オリンピックと世界陸上、日本代表になって4年間のうちに出たいなと思います。

ーインカレを踏まえ、日本選手権に向けて
1台目の入りが21歩だったんですけど、それを20歩に変えて、よりスムーズに入れるようにしました。

ー日本選手権でどのような成績を残したいですか
優勝したいですけど、3位以内を目標にしています。

ーファンの皆さんへ
応援していただいているからこそ、結果で残さなければいけないというのがあると思うので、しっかり結果を残して応援してくださるファンの皆様に恩返ししたいと思います。

(取材・須藤大樹)

kurokawa
黒川和樹
男子400mH 第2位 49秒19

横地大雅

ー今回の全カレを振り返って、良かった点は
セカンドベストが出たというのが、一番大きかったですね。

ー課題に感じた点は
スタートから出て前半がすごく遅いので、そこがいつも課題であると思っています。今回、特にスタートで出遅れたのが目立ってしまったので、そこが今後の課題かなと感じました。

ー全カレで目標にしていたことは
全カレが始まった時のランキングが2番だったので、優勝争いに食い込みたいというのが目標でした。結果としては2位でしたが、1位を狙って挑んだという感じです。

ー自粛期間の過ごし方は
今は寮に住んでいますが、自粛期間中は実家に戻っていました。競技場が開いていないといったこともあり、満足のいく練習はしてなかったです。自分で体づくりをしたりしていました。走りに関しては、日本一自粛していたんじゃないかなと思っています(笑)。

ー今強化していることは
そうですね、今は筋力強化が大事かなと思っています。走りに関してはかなりスピードが上がってきたので、それにつながるような体づくりをしていきたいです。実際、今回の全カレもレース後に自分の身体にダメージが出てきてしまったので、基礎的な筋力からもう一度アップしていければなと思います。

ーライバル選手や意識している選手は
同じ大学の樋口陸人さんや、今回の日本インカレで優勝した順天堂大学の村竹ラシッド選手ですね。これから先もレースで戦うことが多いと思うので、意識しています。

ー今シーズンの目標について
今シーズンは、このあと日本選手権があるのでしっかり自分の力を出し切りたいです。代表レベルの人たちもたくさん出てきますが、その中で決勝という舞台で戦えればなと思っています。

ー今後に向けて一言お願いします
今年は無観客試合であったり試合が満足にできないという状況ではありますが、そういった中でも他の選手たちはしっかり結果を出してきているので、自分も日本選手権の決勝の舞台に残れたらいいなと思います。というか、残ります!

(取材・岩田かおり)

yokochi
横地大雅
男子110mH 第2位 13秒86(-0.3)

樋口陸人

ー全カレの結果を受けて率直な感想は
3位入賞できてうれしい気持ちと、後輩や年下に負けて悔しい気持ちの半々です。

ー全カレに向けての調子は
春先にけがをしていて思ったように練習ができていませんでしたが、そこからしっかり練習を積んで、練習でもいいタイムを出せていました。結構良い順位やタイムで走れるかなとは思っていたので、そこは迷いなくレースをすることができました。

ー自粛期間のトレーニングは
近くの開放している競技場に行ったり寮の周りの坂道とかを探して練習していました。

ー重点的に行ったことは
競技場は毎日は使えなかったので練習量は少なくなってしまいましたが、器具もあったのでウエイトトレーニングを行ったり、何事も変わらず自粛期間の前から同じ練習を続けることができました。

ー全カレではイメージ通りの走りでしたか
春先にけがをしていたのもあって、全カレが今年初めてのレースでした。また、今まではスタートから1台目までが7歩だったんですけど、そこを8歩に変えて、それも初めての試みだったので不安もありました。予選は気負わずにしっかりゴールしようと思って走りましたが、試合の雰囲気とかにも慣れていなかったのでうまくいかず4着で「あ、ちょっとやばいな」と焦りもありました。動画を見ると改善点や修正点が結構あったので、監督やコーチと話し合って修正して、翌日の準決勝、決勝に臨むことができました。レースを追うごとに自分の理想の走りができるようになりました。

ー予選から具体的に修正したポイントは
重心が落ちて腰が引けていたんですけど、そこでロスがあったので、腰を高くするイメージで走るようにしました。

ー決勝レースは接戦でした
スタートが結構決まって、前半も自分の思ったイメージ通りに走れました。正直レース中は何も考えていないというか無心で走っていて、ゴール直前は結構いったかなと思ったんですけど、終わってから動画を見ると後半すごい周りに追いつかれていて抜かれてしまっていました。再来週に日本選手権がありますが、その点を修正してまずは自己ベストを出して、決勝も狙えないわけではないので全カレでやったことを生かしていきたいです。

ー昨年に引き続いての日本選手権出場となります。大会に向けての心境は
去年は初めての日本選手権で、雰囲気にのまれてただ出るだけになってしまいました。それもすごくいい経験なんですけど、今回は100mと110mHに出る予定で調子もいいので、しっかり日本のトップと争って少しでも上を目指せるように全力で取り組んでいきたいと思います。

(取材・守本咲希)

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樋口陸人
 男子110mH 第3位 13秒86(-0.3)

 

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