【ハンド】2015年関東学生ハンドボール連盟秋季リーグ戦 第8節 対立大 劇的結末!! ラスト2秒 エース・遠藤の意地のゴールで辛くも引き分ける
2015年関東学生ハンドボール連盟秋季リーグ戦 男子1部
第8節 対立教大学
2015年9月21日(月)
国士舘大学多摩校舎体育館
もう負けると後がない法大は運命の法立戦に臨んだ。立大は昨季2部を圧倒的な力で全勝優勝。今季も国士大から勝ち星を挙げるなど手ごわい相手だ。ゲームの序盤こそは法大が優勢も後半に入りリードを許す展開に。敗北寸前の場面でも諦めず、残り2秒からエース・遠藤由陽(経4)が強烈なゴールを決めなんとか引き分けに持ち込んだ。
試合結果
トータル試合結果
28 法政大学 |
16 | 前半 | 12 | 28 立教大学 |
---|---|---|---|---|
12 | 後半 | 16 |
スターティングメンバー
選手名 | 身長 | ポジション | 出身校 | 得点 |
---|---|---|---|---|
#20 高間アミン(経2) | 178 | LW | 群馬・富岡 | 2 |
#7 遠藤由陽(経4) | 177 | LB | 栃木・國學院栃木 | 10 |
#11 渡邉大貴(社4) | 181 | CB | 茨城・藤代紫水 | 5 |
#18 石川雄貴(経3) | 183 | RB | 神奈川・法政二 | 3 |
#5 竹野恭平(社2) | 170 | RW | 神奈川・法政二 | 2 |
#3 長谷川良介(社3) | 184 | PP | 茨城・藤代紫水 | 1 |
#21 柿崎雅俊(デ工3) | 183 | GK | 埼玉・浦和学院 | – |
交代選手
選手名 | 身長 | ポジション | 出身校 | 得点 |
---|---|---|---|---|
#26 内門竜之介(経2) | 178 | RB | 鹿児島・鹿児島工業 | 2 |
#13 猪俣淳三郎(経3) | 168 | CB/LW | 神奈川・法政二 | 0 |
#29 福本直也(経1) | 172 | CB | 神奈川・法政二 | 3 |
#30 黛祐貴(経1) | 177 | LB | 群馬・富岡 | 0 |
#28 田島走(社1) | 175 | RB | 茨城・藤代紫水 | 0 |
#19 北川誠人(経4) | 170 | RB | 富山・高岡向陵 | 0 |
#1 仲村充(社1) | 180 | GK | 茨城・藤代紫水 | – |
#31 深井亮太(理工1) | 180 | GK | 埼玉・浦和学院 | – |
※LW…レフトウイング(レフトサイド)、LB…レフトバック、CB…センターバック、RB…ライトバック、RW…ライトウイング(ライトサイド)、PP…ピヴォットプレーヤー
戦評
試合直前、体育館に法大の力強い掛け声が響いた。リーグも終盤、入れ替え戦に近付きかけている2チームが対戦するこの試合。なんとしてでも勝ちたい法大は気合い十分で戦いに臨んだ。
前半37秒、RBの石川雄貴(経2)が強烈なミドルシュートを決めて先制。立大も負けじと速いOFですぐに返してくる。「今日は速攻をするようにした」と佐藤監督の言葉通り、攻撃の場面になれば全員が前に向かって走り、常に先陣を切る遠藤由陽(経4)がしっかりと得点に繋げた。一方、ひとたび速攻が不可能だと判断すればセットOFへと切り替わる。司令塔となったのは福本直也(経1)。ポストを巧みに使い、自ら得点を取りにいった。守備では、スピードで攻めたい立大をことごとく止める。勢いを殺された相手は、フラストレーションが溜まるのか、パスミスやシュートミスが増えた。法大の流れのまま5点差まで開いたが、中盤は高間アミン(経2)の不調もあり、点数が伸びない。GK柿崎雅俊(デ工3)も今ひとつ調子が上がらず、26:08で13対12と追い上げられ、たまらずタイムアウト。主将の渡邉大貴(社4)がチームへ喝を入れると、残り4分で内門竜之介(経2)が2本、竹野恭平(社2)が1本を決め、プラス3点を挙げた。29:39で立大もタイムアウトを取り、シュートを狙ってきたが、打たせるチャンスを与えなかった。最後に打たれた立大#8下地賢志(沖縄・興南)のシュートは柿崎がしっかりとセーブ。16対12と、良い形で前半を終えることができた。
後半に入り、流れは一変する。立大の速攻に足がついて行けず、4点あったリードがみるみる縮まっていく。開始5分にはついに同点に追いつかれてしまうが、ここで踏ん張りを見せた。エース・遠藤の3連続得点で流れを取り戻す。だがここで逃げ切れないのがいまの法大。再度同点に追いつかれ、ついには逆転を許してしまう。ここから一進一退の攻防が始まる。残り10分を切り、先に抜け出したのは立大。リードを許し、2点差をつけられ絶体絶命の状況でチームを救ったのは第3GKの深井亮太(理工1)。カットインからフリーで放たれたシュートをファインセーブ。首の皮一枚で食いとどまる。残り1分を切った場面で再び立大に勝ち越され、なおも相手の攻撃は続く。残り10秒でボールを奪い速攻を試みるが、相手の必死のDFでシュートを打たせてもらえない。しかし、そのDFが危険なプレーと判断され、2秒を残しプレーが再開される。絶望的な状況にも関わらず、エースとしての信念は揺るがなかった。フリースローから遠藤がボールを受け、立大の壁の上からシュートを放つ。鋭いシュートは相手GKを一歩も反応させることなくネットに突き刺さった。ゴールとともにブザーが会場に鳴り響き、28対28。辛くも引き分けに持ち込んだ。
前半はリードし勝ちが見込まれたが、苦しい時間帯が続き引き分けで終わった。両校の勝ち点差はわずかに1。喉から手が出るほど欲しかった勝ち星は奪うことができなかった。この結果、順位は8位のまま変わらず。明日の明大戦に入れ替え戦回避をかけて臨むことになる。ここ2年、秋季は入れ替え戦に回っているだけに是が非でも残留を決めたい。法大が最後に2部に所属したのは2012年春季。現在の4年生が入学した年だ。苦しい時代を味わった最上級生の使命は一つ。”残留”ただそれだけだ。(宮下優希・蟹沢陽司郎)
監督・選手コメント
佐藤浩 監督
―引き分けという結果になりましたか、今日の試合を振り返っていかがですか
やはり後半の立ち上がりですね。みんなで気を付けようと言いながらも、日体大戦と同じような形で4点のリードを覆されてしまって、ほとんど負けゲームの流れになってしまいました。それは自分たちのミスからやられてしまったので、それが今回苦しいところでした。
―シュートが入らないというのが大きかったのでしょうか
そうですね。立教のGKはうまいので、当然警戒をしていたんですけども、警戒しすぎてバーに当たってしまったりとか、強く打ちすぎて外してしまったりとか。逆に打ってもキーパーの真ん中だったりとか。実際相性は悪かったのかなという感じです。あとは熱くなってしまって、冷静さが出せなかったのがポイントでした。
―速攻をしないスタイルは今日もやっていたのでしょうか
実は今日は速攻をやるようにしました。この前の逆を突いて。実際速攻が決まっていましたし、ただ外すときも速攻で外してしまってることが多くて、どっちが良かったかというのは何とも言えません。ただあまりにも速攻のミスが続くのであれば、止めようとは思ってたんですけど、意外と立教の戻りが遅かったので終始速攻がいけたのは事実です。
―GK深井選手をPT以外で起用した意図は
後半ずっと劣勢になっていて、柿崎も仲村もどっちも効果的なキーピングができておらず、DFとの連携もあまりうまくいっていなかったので、ベンチでずっと見て冷静にできそうな深井を出しました。実際ノーマークも止めましたし。
―後半2回のタイムアウトではどんなことを話していたのですか
私の方が言っていたのは、点差が詰まっているけど「落ち着こう」ということですね。それだけです。あとは選手同士で次にどうしていこうかという細かい修正をしていました。
―最後のフリースローは遠藤選手に打たせようと決めていたのですか
そうですね。ああいったときの最後のシュートはやはり4年生やるようにしています。それが一番悔いがない形で終われますので。それは当の本人たちがわかっていたし、特に何も言わなくてもそういう形になっていたので良かったのかなと思います。
―そのシュートを決めて
入って良かったですが、勝てた試合だったので、勝って入れ替え戦回避を決めたかったですね。次も勝たなければいけないです。得失点差になるとうちは厳しいので。その前にしっかり勝負つけたいです。
―明日の試合に向けて
相手のエースの#6吉野樹(千葉・市川)くん、彼が前回の試合では1試合で15点取っていたので、ベッタリDFをつけるかもしれません。そのときに残りの5人でどれだけ守れるかだと思います。
遠藤由陽
―最後のシュートを決めた瞬間はどんな気持ちでしたか
同点にしないと入れ替え戦にいってしまう状況でしたので、絶対に決めて勝ち点1をもぎ取るんだ、という強い気持ちでシュートを打ちました。
―後半は相手のペースでしたが
向こうの早いリスタートに対して受身になってしまったというのが一番良くなかったです。
―そんな中でもこれで6試合連続で30失点以下と、DFに手応えはありますか
要所で守れてはいたのですが、シューターに対する最後の場面でに当たりが弱かったり、まだまだ突き詰めないといけない部分はあるのでしっかり今日は反省して次に生かしたいです。
―今日は選手交代も目立ったが
もう少し早めに選手交代をしてもよかったのかなと思います。そこらへんはベンチにいる4年生が指示を出してやれればいいのですが…。
―今日は深井選手ら1年生のの活躍もありました
深井であったり、黛であったり、福本であったり、1年生が本当に堂々とプレーできているので、僕たち4年生がしっかりやりやすい雰囲気を作って、プレッシャーを与えずに自由にできる形を取れているのかなと思います。
―入れ替え戦争いは法立明の三つ巴の形になったが
明治も必死になってくるので、そこで受身にならずにしっかりとチェレンジャー精神を持って臨みたいです。
―次の試合に向けて
入れ替え戦を回避できるように強い気持ちを持って試合に臨みたいです。また、自分にとっては最後のリーグ戦で最後の試合なので、エースとしての自覚を持って頑張りたいです。
深井亮太
やはり入れ替え戦を回避するためには絶対に勝たないといけない試合でした。一昨日早稲田に勝って、昨日の練習のときもしっかりミーティングをして明日の立教戦は絶対に勝とうという気持ちで挑みました。
―実際の立大の印象というのは
向こうは2部から上がってきたばかりですが、個人の能力が高く、スピードもありましたね。
―PT以外でも出場がありました
今日は先輩(柿崎)と同級生(仲村)のGKの調子があまり上がっていなかったので自分が出ました。
―残り3分半のときにビッグセーブもありました
とりあえず来るシュートは全部止める気でいましたし、あそこの1点を決められていたら2点差になっていましたし、そこで止められたのはチームも盛り上がって、あそこから法政の部分に持っていけたのかなと思います。
―今季はかなりの確率でPTをセーブしていますが
PTに関してはそんなには自信はないのですが、試合は二人(柿崎・仲村)がメインで出ているので、自分はそういうところで止めてチームを盛り上げられるように心がけています。
―最終戦に向けて
絶対に勝たないといけない試合なので、今日のうちから気持ちを作って全員が同じ気持ちで臨みたいです。試合に出たらPTは絶対に止めたいです。
フォトギャラリー
- 残り2秒から遠藤(奥)がゴールを決めた
- この日のヒーローは紛れもなく遠藤だ
- ハイタッチを交わす深井(右)と仲村充(社1)
- 渡邉は苦しい場面でチームを救う
- 今季初出場を遂げた北川誠人(経4)
- 司令塔の地位を確立しつつある福本
- 石川のキレのあるフェイントも武器だ
- ゴールを決め喜びを爆発させる竹野(左)と渡邉