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【陸上競技】第97回東京箱根間往復大学駅伝競走直前インタビュー 第2回 河田太一平、川上有生、中園慎太朗

箱根直前インタビュー
2020年12月14日(月)
オンライン取材

箱根まであと5日。前回大会にも出場した河田太一平選手、中園慎太朗選手、今季急成長を遂げている川上有生選手のインタビューをお届けする。

 2度目の箱根へ向けての自信を見せた河田

インタビュー

河田太一平

一2年連続でのエントリーとなりましたが、率直な心境は
去年はそこそこ良い結果が残せたので去年以上の結果というのは最低限出していかなければいけないなと思っています。

一予選会では思うような走りができていなかったと監督から伺いましたが
予選会直前の練習ではある程度走れていたのですが、夏場あまり走れていなかったことがハーフという長い距離ではボロという形で出てしまったのかなと思っています。

一2年生の中では松本康汰選手の好走もありました
僕が走れなかった分、康汰や川上(有生、2)が頑張ってくれたので箱根にいけるという面や、これから一緒に走っていく仲間としてどんどん速い選手が出てきてくれるのは自分としてはうれしいですし、良い刺激になっています。

一希望している区間は
あまり希望区間はないのですが、できれば4区でもう一度リベンジしたいなと思っています。

一富津合宿で重点的に取り組んだことは
最後の調整の合宿なので、できる限り体の感覚を研ぎ澄ませるようにスピードを特に意識していました。

一富津合宿でのコンディションは
だいぶ良く走れているなと自分の中では思っていて、最近記録会ではあまり調子が上がっていなかったのですが、だいぶ調子が上がってきてほぼ100%の力を出せるような形ではあると思います。

一富津合宿で4区を意識した練習は
4区は割と起伏があるのですが、富津はあまり起伏がなく平坦な走りがメインなので、できる限り速いペースで楽に走れるように意識していました。

一前回出場した際の反省で生かしたい部分は
後半、足がつりそうになってしまってペースを落とさざるを得ないような状況になってしまったので、今年は給水の取る量であったり、事前に取っておく食べ物や水の量を気をつけたいと思っています。

一2年生同士で話していることや共有していることは
出雲駅伝に行きたいなというのはあって、そのためにもシード権を取らなくてはいけないので、チーム目標と同じくシード権を取りたいというのは共有しています。

一前回、1年生ながら箱根へ出場されましたが、今年1年生でエントリーされた稲毛選手、宗像選手にアドバイスは
責任であったり、尻を拭くというのは先輩の仕事だと思っているので、1年生には自分の走りを精一杯やってもらえればいいかなと思います。

一今回は例年と異なり大きなレースがない中で迎える箱根となりますが
あまり試合勘がつかめていない状態で、割とどの大学もそうだと思いますが、特にうちはあまり記録会などにも出ていないので、そこは試合にどう影響するかなという不安な面もあります。ですが、自信を持って練習ではできているので、そのまま試合でも自信を持って走りたいなと思います。

一試合勘を意識した練習は
フリーでタイムを上げる練習では競ったりしているので、そういうところが試合につながるかなと思っています。

一責任感を持って走ってもらいたいという監督の言葉からも河田選手への期待が感じられますが
監督からは2区で使うぞみたいなことをたびたび言われて緊張しているのですが、基本はどこでもいけるような準備はしていきたいと思うので、1回箱根を経験している身として、しっかりチームを引っ張っていかなくてはいけないなと思いながら練習に取り組んでいます。

一箱根への意気込み
今年は強豪の他校のエースに負けないような走りをしてチームに貢献していきたいと思います。

一最後にファンの方へメッセージをお願いします
今年はコロナ禍という中で開催も危うい状況ですが、開催される以上は全力を尽くして皆さんに元気を与えられるような走りをしたいと思います。

(取材・吉本侑樹)

河田太一平(かわだ・たいへい)
社会学部2年
2000年6月3日生まれ
165センチ・56キロ
出身校:韮山(静岡)
1万㍍自己記録:29分06秒76
座右の銘:Why don’t you do your best.

川上有生

ー初めてのメンバー入りを果たしました。発表された時の心境は
去年がエントリーできるのが16人のうち17番目で、今年はしっかり走れていたので選ばれてほっとしました。

ー予選会では学内で4位と上位でした。予選会を経て得た収穫は
重要な試合で緊張感やプレッシャーがあった中で、自分の力を出せたのが自信になりました。

ー逆にここが課題だなと感じた部分は
周回コースのラスト1周の時に同い年の松本(康汰)に結構離されてしまったので、そこが課題かなと思います。

ー全日本駅伝は出場が叶いませんでした。その中でご自身のモチベーションをどのように維持してきましたか
箱根駅伝はあると信じていたので、そこまでモチベーションが落ちるということはありませんでした。

ー昨年と比べて成長したと感じる点は
全体的にスピードもスタミナも上がりました。全体的に上がってきているとは思うんですけど、ハーフとかの試合でラスト5㌔を上げていく所が特に大きく成長できた部分かなと思います。

ー半年以上前になりますが、コロナの自粛期間はどのように過ごされましたか
実家に帰省していました。家から3キロぐらい行くと1周1キロのトラックがあるので、そこで練習したり河原を走ったりしていました。

ー富津合宿ではどのようなことを全体として取り組みましたか
2回目の富津合宿ではメンバーが既に決まっていたので、みんな自分の状態を確かめながら、調子を上げていくのがメインでした。

ー個人としては
夏場からの疲労が溜まって来ていたので、しっかり練習をしつつ疲労を取っていくというところを重点的に行いました。

ー川上選手の強みは
キツくなってから粘れるタイプなので、粘り強さです。

ー事前に書いていただいたプロフィールでは、座右の銘が「継続は命」ということですが、一般的な継続は「力なり」ではなく、「命」を選択する理由は
中学の時の顧問の先生が「継続は力なり」ではなくて、「継続は命」と言っていたからです。長距離という競技の特性自体が、継続していかないと力にならないですし、そういった面でこの競技をやっている中で大切にしている言葉です。

ー誕生日が元旦ということですが、「明けましておめでとう」と「誕生日おめでとう」どちらが先なのでしょうか
家族には「あけましておめでとう」と言われてから「お誕生日おめでとう」言われます。元旦か31日にケーキを食べます。

ー今季同期に助けられたと伺いましたが、具体的なエピソードを教えてください
同期が結構今年に入って強くなってきてて、夏場に僕が足を痛めていた時もあったんですけど、その中で同期が頑張っているのを見て僕も頑張らないとなと思えたので、そこが助けられたなと思っています。

ー尊敬している選手はいらっしゃいますか
村澤明伸(日清食品グループ)選手です。箱根駅伝で走っているのを見た時にかっこいい走りをしていて、そこから憧れの選手です。

ー希望する区間に3区を選んでいる理由は
なんで走りたいのかというのは無いんですけど、3区が海側に出てから景色が綺麗でそういったところで走りたいです。

ー最後に箱根に向けての意気込みをお願いします
チーム目標が8位というところで、前回15位で悔しい思いをしたので、今年はしっかりとシード権を取ってうれしい気持ちで終われるように頑張っていきたいです。

(取材・山岡菜月)

川上有生(かわかみ・ゆうき)
スポーツ健康学部2年
2001年1月1日生まれ
175センチ・56キロ
出身校:東北(宮城)
1万㍍自己記録:29分06秒97
座右の銘:継続は命

中園慎太朗

ーエントリーメンバーに選ばれた今のお気持ちは
前回大会でも出場させていただいたこともあって、ひとまず一安心というところと、「今年はやってやるぞ」という気持ちの2つです。

ー改めて前回大会を振り返って
前回は8区を走らせていただいて、チームとしても個人としても納得のいかない結果だったので、悔いが残る試合でした。

ー前回の課題というのは
前回は最初から勢いよく飛び出して後半に失速してしまう形になったので、もう少し冷静な判断で走るべきだったなという反省点があります。

ー自粛期間にはどのような練習を
春先は実家の方に帰って自主練習という形でやっていましたが、あまりモチベーションが上がらず、そのまま全体練習に合流してからもあまりうまく走れないことが多くて、すごく自分の中では苦労したかなと思います。

ー全体練習が始まってからも調子が戻せなかったと
そうですね。簡単に言ってしまうとスランプのような感じで、全然走れなくなってしまいました。

ーそこから調子を上げていく上で意識したことは
やはり予選会があるので焦りがありました。最悪予選会は他のメンバーを信じて任せて、自分は本戦に向けて合わせていこうというように一旦考えた時に気持ちが軽くなりました。自分らしさを少しずつ思い出してきて、そこから流れよく練習を積むことができて、結果的に参加させていただけました。本戦を走るチャンスもいただけたので、意識を変えたことが調子を取り戻した原因かなとは思っています。

ー予選会を振り返って
チームとしてはペース走を意識して、最後まで流して行くことを意識して走りました。自分自身もベストを更新するようなペースを想定していたので、走る前は焦りというか「本当に行けるのかな」という不安がありました。走り出してから集団で良い流れで走れたというのと、後半にどんどん順位を上げていけたという点で走りにも勢いがつきましたし、「最後まで勝ち切るぞ」という気持ちだったので、ギリギリで突破した感じはありますが、手応えはありました。

ー序盤はチームとしてなかなか順位が伸び悩む時間帯が続きました
今回はあまり声を出すことがよくない形だったので、ボードを出してもらって視覚的に順位とその差を確認していました。他の選手も「ちょっとやばいんじゃないかな…」となっていたので、最初はすごく焦りました。

ーその中で8位通過のアナウンスを受けた時は
最後の最後で順位を上げていることは自分たちも理解していたので、「行けるんじゃないかな」という気持ちの方が強かったです。とはいえゴールした時の前後の差が本当に少しだったので、それを知った時は本当に「怖いな」と思いましたし、突破した時は本当に素直にうれしいという気持ちが強かったです。

ー予選会を終えて本戦のエントリーに入るまでの調整は
自分は予選会が終わってからはトラックの練習には出なかったんですけど、山の下りにも多少の自信があったのでチャレンジしてみたり、あとはもう一段レベルを上げるために補強をやっていました。実践経験は少なかったですが、自分の中ではすごく充実した期間になったのではないかなと思います。

ー先日、一次合宿を終えて現在のコンディションは
予選会が終わってからは正直パッとしない感じで、急ピッチで復帰したので、たまたまうまくいったのかなという感じで練習をしていました。合宿でロードの練習を積んでいくにしたがって、走りの感覚を思い出したり速いペースに適応していく感じがあったので、充実した合宿になったのかなと思います。

ーチームとしてはいつも以上に記録会に出場されていると伺いましたが、中園選手は
今年は本当に公式大会が予選会1本だけで、自分としては他校の選手と肌を合わせて走る機会が全然ありませんでしたが、チームとしては記録会にたくさん出ていて、同期のメンバーが良いタイムを出していたので、モチベーションにはつながりました。

ー硬い質問が続いたので中園選手の私生活にも迫りたいと思います。仲の良い部員などは
基本的に今は同期といる時間が長いのでみんなと仲良くしていますが、中でも河田太一平と一緒にいる時間は長いのかなと思います。今(12月14日)の合宿も同じ部屋で、各自のジョグをするときも一緒に走ることが多いです。

ー良き友であり良きライバルということでしょうか
はっきり言って長い距離になると彼の方が秀でている才能があるので尊敬している部分もありますし、自分自身も負けたくないなという気持ちはすごくあります。色々参考になる面もありつつ、負けられない相手という面では良い存在だと思っています。

ーコロナ禍ではありますが、オフの過ごし方は
学校としてもあまり外に出ないでくれということもあり、自分としても「コロナ怖いな」というのがあるので、基本的に寮にいる休日が多いです。寮生活ならではですが、お互いに色々な部屋に行ってしゃべったり、小さなコミュニティの中で充実した休日の過ごし方はしていたのではないかなと思っています。

ープロフィールアンケートでは好きな料理に「母の手料理」とありました
そうですね(笑)。基本的になんでも好きなんですけど、おばあちゃんが作った創作料理で「みのむしあげ」というのがあって、それがすごく好きです。おばあちゃんが作れなくなってからはお母さんがよく作ってくれていました。大体レースが終わって頑張ったご褒美のような感じで夕食に出てきていたので、その料理が1番好きです。

ー今回もレースが終わったらそれが楽しみということですか
そうですね。帰省してからたぶん夕食の食卓に出てくるので、すごく楽しみにしています。

ーそれでは箱根の話に戻りますが、走りたい区間はありますか
走るからには往路で、3区に憧れを持っていましたが、今のチーム状況では往路を走れる走力を持った選手がそろってきているというのを合宿や記録会を通して感じています。やっぱりチームの目標を達成すると考えた時に、7区など復路の区間でしっかり自分の走りをして、勢いをつけたいな思っています。

ー今回のキーマンとなるのは
今回は往路もしかり、復路も本当に全員が気の抜けない区間になってくるので、自分の考えとしては全員が鍵になってきますね。1人も外さないで走ることが絶対条件になってくると思うので、走る一人一人もそうですし、サポートしてくれる部員も含めて全員がキーマンになってくるのかなと思っています。

ー今回の箱根は例年とは違い、沿道からの応援がないレースとなります
こういう機会も一生に一回あるかないかというくらい珍しいことだと思います。応援がないからダメだったという言い訳が通用しない大会だと思うので「こういう箱根駅伝もあるんだ」と、貴重な経験ができるというプラスの面で捉えていきたいです。そういう心構えで自分のモチベーションを保っていけるのかなと思います。

ー総合8位に向けての自身の役割は
総合8位になってくると、前回大会で10位に入った大学と、中央大学や順天堂大学のような圧倒的な記録で予選会を通過したような大学にも勝って行かなければいけないと思います。そういった中で自分は、どの区間でも区間1桁で走ることが必要な条件だと思っています。相手が誰であろうと一歩も引かない走りをしないといけないですし、少しでも差が開いてしまうと引き離されてしまうと思うので、『臆さない走り』をしたいです。

ー意気込みをお願いします
今回は高校の同期や後輩が、レベルの高い大学で多数エントリーされています。チームの目標を達成するというのはマストですが、個人としては他の大学の同じ高校で戦ってきた仲間にも負けられないという気持ちを持って臨もうと思っています。

ーそれでは最後にファンの皆様へ
いつもこういった状況の中でも支援や声援を頂いていて、自分としてもチームとしても励みになっています。ありがとうございます。今大会ではチームとしては8位に入ってシードを獲得するという目標を達成できるようにして、さらには前回大会に個人としては悔しい思いをしたので必ずリベンジをして、良い結果を報告できるような走りをしたいと思います。

(取材・須藤大樹)

中園慎太朗(なかぞの・しんたろう)
社会学部2年
2000年11月24日生まれ
187センチ・62キロ
出身校:八千代松陰(千葉)
1万㍍自己記録:29分56秒96
座右の銘:終わらせる勇気があるなら続きを選ぶ恐怖にも勝てる

 

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