【陸上競技】インカレ事後特集③【400m編/富田大智】

第90回日本学生陸上競技対校選手権大会
2021年9月17日(金)~19日(日)
事後取材

先月3日間にわたって行われた日本学生陸上競技対校選手権大会(全カレ)。今回は、事後特集第三弾。400mを専門としている富田大智選手の特集をお届けする

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記事

完全復活を期していた全日本インカレで、目標としていたメダル獲得どころか決勝にも進出できなかった。それでも、富田大智(2)は「悔しい気持ちもあるが、コロナ禍の影響であまり練習ができていなかったことを踏まえると、準決勝進出は自分にとってはいい経験になった」と喜びをかみしめた。

長く続いた不振からようやく抜け出した。大学1年次の最高記録は、高校時代にマークした46秒64に対して、48秒6台。一方の今シーズンは4月の法大競技会で47秒31をマークすると、1ヶ月後の関東インカレでは47秒17まで記録を戻した。富田は「シーズン後半であるこの時期に、さらにグッと調子を上げていけたらいいな」と考えていたが、今回は達成ならず。ただ、前回大会は同種目で予選敗退に終わっていることを踏まえれば、準決勝進出は上々の成績だった。

苦しい時期を乗り越えることができたのは、苅部俊二監督の存在が大きかった。「スピードはあるから、後半までしっかりと粘れるようになれば、すぐにもとの水準に戻るよ」と声をかけられた。恩師の言葉を信じて、昨冬は徹底して走り込みを行った結果、今シーズンの復調につながった。

もともとはインターハイの4×100mRとU20日本選手権の400mで優勝を果たしている実力者。来年こそは完全復活を遂げて、個人でも、今大会で4位に終わった4×400mRでもてっぺんを目指すつもりだ。そして「最終的には(400mの)法大記録やその先にある日本記録を更新したい」。悲願の日本一奪還へ向け、元高校王者は決意を新たにした。(根本成)

インタビュー

富田大智


(写真は学生選手権のもの)

 

ー 大会を終えて、率直にどのようなお気持ちですか
個人種目の400mでは、予選を走った段階で結構調子が良かったので、この調子で準決勝、決勝と頑張っていけたらいいなと思っていました。ただ、準決勝は自分が思っていたよりも走れなかった感じです。悔しい気持ちもありますが、コロナ禍の影響であまり練習ができていなかったことを踏まえると、準決勝進出は自分にとってはいい経験になったと思います。マイルリレーでは優勝を狙っていたので、優勝できなくて悔しかったのですが、ベストメンバーではないチーム構成で4位という成績を残すことができたので来年に向けて自信になる結果だったのかなと思います。

― 個人種目ではどのような目標を立てていましたか
400mでは最低限、自己ベストの更新と3位以内に入ってメダルを獲ることが目標でした。

― 個人種目の400mでは準決勝でタイムを落とす結果になりましたが、その点に関してはどのように感じてますか
コロナ禍の影響で十分に練習が積めなかった時期がありまして、そういったことから練習がしっかりできていない状態で複数本レースを走るということは相当きついものだな実感しました。

- シーズン前半と比べて、今の状態はいかがですか
今回はコンディションが悪かったわけではないと思います。シーズン全体を通してずっと同じ状態でレースをしている感じです。本音を言うならば、シーズン後半であるこの時期にさらにグッと調子を上げていけたらいいなと思っていましたが、今年は維持のままでした。

- 高校時代の水準まで調子を戻すためにはどういった所の強化が必要だと考えていますか
高校の時は結構ウエイトトレーニングをやっていました。一方で去年の冬はウエイトトレーニングがあまりできなかったので、来シーズンに向けて今年の冬はもう一回力を入れて取り組んでいきたいです。

- 昨年のシーズンベストは
48秒6台がシーズンベストで、本当に全然走れませんでした。

- マイルリレーの決勝を振り返っていかがですか
マイルの決勝は、メンバー全員が個人種目を走った状態で挑んだので体力的にしんどい部分があったと思います。その中で一人一人が最低限の走りをして、3分07秒28という好記録で4位に入ることができたので良かったです。

- マイルでの今後の目標は
来年こそは、全日本インカレや日本選手権リレーといった全国規模の大会で優勝を狙っていきたいと考えています。。

- 短距離チームは非常にレベルの高いメンバーが揃っていると思いますが、練習環境についてはどのように感じていますか
周りの選手は皆、高いレベルの選手たちなので、そういった意味でお互いにいい刺激を与えて、切磋琢磨できていると思います。元々トップアスリートのような選手たちがここに集まっているので、高校の時と比べても非常にいい環境で練習ができていると実感しています。黒川は同い年で東京五輪に出場しましたし、自分たちも黒川に負けないように頑張っていきたいです。

- 最後に今後の意気込みをお願いします
まずは自己ベストを更新したいと考えています。そして、最終的には法政記録やその先にある日本記録を更新したいです。
(取材:根本成)

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