【バドミントン】第72回全日本学生選手権 個人戦 選手インタビュー 女子シングルスでルーキー内田美羽が準優勝!男子シングルスでは嶺岸洸、男子ダブルスでは小川翔悟・佐野大輔ペアが3位!
2021年10月18日(月)~21日(木)
ロートアリーナ奈良、桜井市芝運動公園総合体育館
全日本学生選手権(インカレ)個人戦では、女子はルーキーの内田美羽(営1)がシングルスで準優勝、ダブルスでもベスト16入りを果たす活躍を見せた。男子は最後のインカレだった嶺岸洸(社4)がシングルスで悔しいベスト4となったが、増本康祐(経1)が1年生ながらベスト8、ダブルスでは小川翔悟(経3)・佐野大輔(社3)ペアがベスト4と今後に期待のかかる結果となった。今回は内田、嶺岸、小川・佐野ペアのインタビューをお届けする。(写真はインカレ団体戦のもの)
※取材は後日オンラインで実施いたしました。
試合結果
男子シングルス
選手名 | 結果 |
---|---|
嶺岸洸 | ベスト4 |
増本康祐 | ベスト8 |
一井亮太 | ベスト16 |
小川翔悟 | ベスト16 |
日光駿 | ベスト32 |
後藤サン | 2回戦敗退 |
北川史翔 | 2回戦敗退 |
長峰善 | 1回戦敗退 |
吉田昇永 | 1回戦敗退 |
佐野大輔 | 1回戦敗退 |
中島巧 | 1回戦敗退 |
男子ダブルス
選手名 | 結果 |
---|---|
小川・佐野 | ベスト4 |
吉田・一井 | ベスト32 |
江頭桜空・高柳大輔 | ベスト32 |
長峰・中島 | 2回戦敗退 |
後藤・林寿輝弥 | 2回戦敗退 |
野田好希・谷津央祐 | 2回戦敗退 |
女子シングルス
選手名 | 結果 |
---|---|
内田美羽 | 準優勝 |
宮﨑淳美 | ベスト16 |
山口萌 | ベスト32 |
海老原香澄 | ベスト32 |
櫻井理瑚 | ベスト32 |
森優紗 | 2回戦敗退 |
三輪朋香 | 2回戦敗退 |
八角実侑 | 1回戦敗退 |
女子ダブルス
海老原・宮澪里 | ベスト16 |
内田・三輪 | ベスト16 |
宮﨑・八角 | ベスト32 |
高山・櫻井 | 2回戦敗退 |
森山紗帆・堤みほろ | 2回戦敗退 |
森・山田楓 | 1回戦敗退 |
選手インタビュー
内田美羽
―準優勝という結果については
関東学生選手権とインカレの選考会で両方優勝していて、プレッシャーとかはあったんですけど、インカレも優勝したいという気持ちがあったので悔しいです。
―インカレに向けての調子は
秋リーグの時に足を疲労骨折してしまって、そこから2、3週間バドミントンができませんでした。練習を始めたのがインカレの2週間前で、正直プレーには自信がなかったんですけど、試合を重ねていくうちに(調子を)上げられたと思います。
―団体戦とダブルスにも出場されていましたが、疲労はありましたか
疲労は意外と大丈夫でした。
―シングルスではどういったことを意識していましたか
団体戦は気持ちで引いてしまったので、個人戦は自分を信じてやるしかないと思ってコートに入りました。
―準決勝までは全てストレート勝ちでしたが、試合を振り返っていかがですか
準々決勝で戦った筑波の溝口なつめさんが一つの山場だと思っていて、その時のプレーが一番良かったです。ストレートで勝って準決勝に行けたのは良かったかなと思います。
―準々決勝はどういったところが良かったのですか
溝口さんは小学校の頃、一緒にやっていた人なんですけど、正月とかも時々一緒にバドミントンやっていて。一緒にやっている分どこに来るのかよくわかるので、お互い知っている中で、絶対に負けたくないという気持ちからその時はそういった良いプレーになったのかなと思います。
―決勝戦を振り返っていかがですか
正直、身体的な疲労はなかったんですけど、精神的な疲労が少しありましたし、やる前から相手も結構乗っていたので厳しい戦いになるとは思っていました。その中で、相手がインカレの選考会の時とはプレースタイルを変えてきていて、そこに最後まで対応できなかったんですけど、決勝に行ったからこそもっといい試合をしたかったという気持ちはあります。
―今後の課題は
筑波大の選手が相手になると、がつがつ押されたりするのでもう少し体を強くしなきゃいけないと思います。また、一回勝つと相手も対策をしてくると思うので、そういった対策以上のプレーを自分で身につけていかないといけないです。これから同じような選手と戦っていくことになると思うので、レベルアップをしなければいけないと思いました。
―全日本総合に向けて意気込みをお願いします
全日本総合は限られた人しか出れない大会なので、収穫できることもたくさんあると思います。まずは自分の力を全て出し切ることを目標にして、一回でも多く勝って少しでも強い選手と対戦できればいいなと思います。
嶺岸洸
ーベスト4という結果については
優勝目指していたため悔しいです。
ー最後のインカレ個人戦でした
タイトルを取ったことがなかったので絶対に優勝したかったです。
ー準々決勝までの試合を振り返っていかがですか
正直どう転ぶか分からない試合ばかりだったので、勝ち上がれてほっとしています。
ー準決勝の相手は団体戦でも対戦していた早大の緑川選手でした。戦略や意識したことは
相手はレシーブや試合の組み立てがとても上手いので、相手のペースに飲まれないようにやろうと考えていました。
ー準決勝を振り返っていかがですか
単純なプレーが多かったと思います。
ー今大会、ご自身のプレーで良かった点は
きつい所でもしっかり踏ん張って点数が取れたところです。
ー全日本総合までに修正したい点は
自分で流れを断ち切ってしまうようなミスなどが多かったのでそこを修正したいと思います。
ー試合後に監督やコーチとはどういったお話をされましたか
全日本総合で良い結果を残すようにと言われました。
ー同期や後輩のみなさんとは
お互い4年間お疲れ様と労いの言葉を掛け合いました。
ー今年は主将を務められました。主将としての1年間を振り返っていかがですか
すごく大変でした。団体戦において自分が勝つことは当然であり、個人戦でも常にみんなの目標となれるよう努力しました。
ー卒業後も競技は続けられるのですか
実業団チームに所属して続ける予定です。
ー全日本総合に向けての意気込みをお願いします
去年は運もあってベスト8に入ることが出来ましたが、今年はしっかりとした実力で好成績を残したいと思います。
小川翔悟・佐野大輔
ーベスト4という結果について率直な感想を
佐野:これまで優勝したことがなくて今回は優勝を目指していたのですが、準決勝で負けてしまってベスト4だったので悔しい気持ちが一番大きかったです。
小川:ベスト4に入ったことはうれしいですが、自分たちは優勝しか狙ってなかったのでそこは少し悔いが残ります。ベスト8以上に入って全日本総合に出られるのが一番の収穫かなと思います。
―初戦(シードのため2回戦から)から1ゲーム目を取られてしまったり、逆に4回戦や準々決勝ではストレート勝ちを収めていたりしましたが、準々決勝までの試合を振り返っていかがですか
佐野:2回戦目から中央大の第1ダブルスと当たって、1ゲーム目を取られて焦った気持ちもあったんですけど、2ゲーム目3ゲーム目はしっかり自分たちのプレーを活かして戦ったことが勝利につながったと思います。3回戦目も日本体育大学の第1ダブルスと当たって11-2で負けていた状態から逆転勝ちできたので、自分たちの気持ちの強さを発揮することができたのかなと思います。準決勝までのあとの2回は2人のプレーをしっかり出したのでストレートで勝てたのかなと思います。
小川:佐野も言っていましたが、2・3回戦が山場で相手が強いのは分かっていました。そこを乗り切ったらベスト4はいけるかなという感じだったので、本当にその2・3回戦に照準を合わせました。両方ファイナル勝負までいったのですが、気持ちで勝つことができて良かったかなと思います。準々決勝は下馬評で言ったら自分たちの方が強いことは分かっていたので、そこは自信を持って戦えたのかなと思います。
―準決勝は次の日でしたが、準々決勝が終わった後にお二人で何かお話されましたか
佐野:団体戦でも戦った相手で、自分たちの動画を振り返ってこうしなければいけないなどを話しました。ですが、たぶん相手も僕たちのプレーを研究して分かっていたと思うので、結局向こうの強いドライブ勝負に持っていかれて自分たちが対応できずに終わってしまったので、それが敗因かなと思いました。
小川:団体戦もファイナル勝負で負けて、個人戦もファイナル勝負で負けてしまいましたが、団体戦はあと1点で勝てるところから逆転負けしました。ですが、個人戦は1ゲーム目取って、2ゲーム目3ゲーム目は差が開いてしまったので相手の方が実力が上だったのかなと思います。来年に向けて頑張りたいです。
―今大会、団体戦も通して見つかったペアの課題は
小川:団体戦は、僕はシングルスも兼ねて試合しています。なので、ダブルスに影響を与えないようにシングルスに回ってきたときにいかにストレートで勝てるかというのが鍵になってくると思います。ダブルスに影響しないように戦い抜く戦術というか、体力もそうですが、そういう面が(シングルスには)必要だと思います。(ペアの)戦術面とかは、基本的にお互いを信頼してやっていて、どっちかというと根性論で気持ちを重視してやっているペアだと思うので、お互いを励まし合いながら戦うほうが多いかなと思います。
佐野:小川も言っていましたが、小川はシングルスも兼ねていたので、第3シングルスに回さないようにという意識でやっていました。団体戦はやっぱり流れが大事で、チームに勢いをつけれるようなプレーをしていけばチームも勝てるかなと思ったので、2人で盛り上げるようにしました。
―シングルスも通して見つかった個人の課題は
小川:2試合兼ねるというのは、試合になると緊張もするので足をつったりします。今回筑波大戦(団体戦)で第3シングルスに回ってきたんですが、その相手が2連敗している相手だったのでちょっとやばいと内心は思っていました。ですが、インカレで4年生とできる最後の団体戦なので絶対に勝たないといけないなと思い、自分から攻めていけたのが良い結果につながったのかなと思います。シングルスは、その準々決勝の一試合しか出来なかったですが、来年になったら試合することがもっと増えると思うので、そこでいかに自分の体力を温存しながら勝てるかというのが鍵になってくると思います。戦い方も含めてこれからの時期で差が付くと思うので練習をしっかりやっていきたいです。
佐野:小川はシングルスもあって結構きついと思いますし、キャプテンかつエースとしてこれからやっていかなければいけません。そこでダブルスのパートナーである僕がしっかり支えていってあげて、なるべく(小川の)体力が消費しないように僕がリードしていくということが、ラスト1年間体力作りも含めて頑張っていきたいことです。
―大会後にコーチや先輩とどのようなお話をされましたか
小川:決勝までいけたのは結構凄いことだとは思いますが、自分たちは団体優勝しか狙っていませんでした。自分たちのダブルスがあと一点で勝てたんですが、そこで勝ったら自分の第3シングルスまで回ってきて、おそらく第3シングルスも勝てた相手だったと思います。本当に1点で優勝を逃してしまい、一点の重みというか勝負強さというのを養っていかないとなと思いました。そこは4年生に本当に申し訳なかったんですが、4年生は「気にしないでほしい。ここまで戦ってくれてありがとう」とかも言ってくれたので本当に頼りがいのある素晴らしい先輩方でした。
佐野:小川が全部言ってくれましたが、2ゲーム目20-19でサーブミスしたのも僕で、やっぱり自分が流れを崩してしまったなっていうのがありました。なので、先輩方にずっと謝っていたのですが、4年生は「全然気にしないで。個人は優勝目指せよ」と言ってくれました。悔しかったですが、個人に向けて切り替えて試合できたのも4年生のおかげですし、これまで僕が成長して強くなってこれたのも4年生が居てくれたからこそなので、これからもしっかりやっていきたいと思います。
―1年生の頃からペアを組んでいらっしゃいますが、改めてお二人がペアを組むようになった経緯を教えてください
小川:僕は正直シングルスだけに絞るつもりでしたが、1・2年生で遠征に行ったときに、佐野が違う先輩と組んでいてうまくいかなくて。それで自分と組んでみたら意外とはまっちゃったという感じです。
―プレーにおいてのお互いの長所は
小川:佐野は前衛でのドライブ勝負も本当にすごくて、大学でもトップクラスのドライブ勝負ができる力があると思います。僕は佐野に気持ちよく決めてもらうように配球とかをする役割なので、自分が決めるという展開には持っていけないんですが、自分たちのダブルスは佐野中心で点を取っていくという形なので、攻撃力とかに関しては本当にすごいなと思います。
佐野:小川の綺麗に返す力、レシーブから攻撃に繋げることのできる球があるのでそれに助けられています。やっぱり2人で攻めて最後決めるというのが2人のプレースタイルだと思います。
―プレー以外の精神的な面で、ペアを組むにあたって気を付けていることや助かっていることはありますか
小川:自分は普段そんなに声を出さないんですが、試合本番になると佐野は緊張しちゃうタイプです。そこは声を出して解消していくのが一番かなと自分なりに思っているので、自分も意識的に声を出すようにしてます。今回は声を出せない状況とかもあったんですが、出せるときは出していったのが、個人戦とかは勝負強さを発揮できるきっかけになったのかなと思います。
佐野:僕はメンタルが本当に弱いので、小川がメンタル強い分、自分も声を出して勢いに乗っていこうと自分なりに考えてプレーしています。小川は自分から攻めにつなげることができるプレイヤーなので、それに自分は乗っかって最後決めにいけるというのが小川と組んでいて一番助けられているなと感じるところです。
―全日本総合の目標は
小川:僕は今まで全日本総合に出れたことがなくて、高校とかでもあと一回勝てばいい所で負けていました。大学3年生で就活とかもかかってくる大事な時期なので、そこで全日本総合を決められたことは本当に嬉しいんですけど、出れたからいいやじゃなくて1・2回戦は絶対勝って、最低でもベスト8以上は狙っていきたいと思います。
佐野:僕は中学校3年生以来の全日本総合出場なんですが、まだ本戦には出たことがなかったです。今回は本戦から出られるということなので、一試合でも多く勝って就職先をより早く決めていきたいなと思います。