2022年4月13日(水)
不定期連載の記者コラムとなる『暁の勇者』。紙面やウェブサイトに書ききれなかった出来事などを担当記者がお届けします。今回は10日に本塁打を打った宮﨑秀太選手(営4=天理)と海﨑雄太選手(文4=埼玉栄)についての記事を掲載します。
『神宮の主役は俺たちだ!宮﨑秀太と海﨑雄太の進化は止まらない』
早大との開幕カードに連勝し見事勝ち点を獲得した法大ナイン。2回戦では尾﨑完太(キャ3=滋賀学園)、塙雄裕(法3=常総学院)、武冨陸(営3=日大藤沢)と、3年生投手たちの粘りの継投リレーで勝利をつかみとった。その一方で、2人の野手の活躍が勝利の鍵となったのも間違いない。宮﨑秀太と海﨑雄太の副将コンビだ。
2年春には.389と高打率を残しベストナインを獲得した宮﨑。順調に走り出したと思われたが、3年春までは打率2割未満と苦しむことに。昨季は打率.273と復活の兆しが見えたが、「良い成績ではなかった」と悔しさをにじませていた。最終学年となる今季、再びベストナインを獲得するためすべての面でのレベルアップを図ったという。そんな冬場の努力が復活ののろしを上げた。
早大2回戦、先発・尾﨑が制球に苦しみ、2点を追う展開に。法大打線も相手先発・加藤孝太郎を前に5回までわずか1安打。不安が球場に立ち込める中、6回表、先頭打者として宮﨑の打席が回ってきた。「狙い通りの球を仕留めた」と本人が語るよう、4球目、甘く入った球を見逃すことなくすかさず叩く。放たれた打球は大きな放物線を描き左翼席の中段へ。自身2年ぶりの本塁打に宮﨑はこぶしを高々と突き上げ雄叫びをあげた。そんな『お祭り男』の本塁打がきっかけとなり、流れは完全に法大に。相手の失策が絡み逆転に成功した。
そして、勝利を決定づけるダメ押しの一打を放ったのが海﨑雄太だ。強肩と安定した守備に定評がある海﨑は、最終学年となり迎えた今季も当然レギュラーで出場すると思われていた。しかし、けがの影響もあり実戦から離れている間に高原(侑希、法3=中京大中京)や内海(貴斗、人3=横浜)など打撃力のある3年生が頭角を現し開幕スタメンから外れることに。しかし、スタメンから外れても「出ている選手を鼓舞できるように」、ベンチで声を出し最前で戦っていた。
3-2で迎えた9回表、途中出場していた海﨑についに今季初打席が。ワンボールワンストライクで迎えた3球目。外角低めと決して甘い球ではなかったが、振り切った打球はどんどんと伸びていき左翼席へ。自身初本塁打は勝利を呼ぶ貴重な追加点となった。「自分のスイングを心がけた結果」だと本人も語るよう、冬場の練習が実となったのだろう。『レギュラーは誰にも譲らない』、海﨑の本塁打はそう言わんばかりの力強い一打だった。
悲願の優勝に向けて順調な走り出しを見せた法大。最高学年になった今季、ともにベストナイン獲得を目指す宮﨑と海﨑。チーム優勝に向け、『一心』で戦う姿から目が離せない。
(東夏紀)