第98回日本選手権
2022年4月28日(木)〜5月1日(日)
横浜国際プール
競泳の日本選手権が行われ、中島千咲代(現3)が400㍍自由形、800㍍自由形、1500㍍自由形の3種目に出場した。2日目と3日目に行われた800㍍自由形では日本選手権で初めて決勝に進出し8位入賞。最終日の1500㍍自由形では自己ベスト(16分40秒84)をマークして6位に入った。
記事
中島千咲代
自己ベストを連発した3月の国際大会代表選考会のような、勢いはなかった。中島は初日の400㍍自由形で約2秒、3日目の800㍍自由形では6秒近く自己ベストから遅れた。それでも諦めず、最終日に行われた1500㍍自由形で記録を更新。逆境に動じない精神力の強さが光った。
2種目のレースを泳ぎ、前半から攻めるレースは「今の自分には合わない」と判断した。そこで1500㍍は序盤をやや抑え気味に入り、後半にかけてペースアップをする戦略を採った。1200㍍地点でベストの通過タイムを上回ると、最後まで崩れることなく粘り切り、この種目1年ぶりの記録更新で大会を終えた。
「私は気持ちの切り替えが苦手。初日が良くなかった時点でこのままズルズルいってしまうと私も、周りも思っていた。ただ、今回こうやって気持ちを切り替えて最終日にベストが出せたことは今後の自信になる」と笑みを見せた。
日本選手権初出場で初入賞した前回大会に続き2年連続の入賞。昨年は決勝に残ったことに対して「すごくうれしかったと同時に不思議な感覚があった」。しかし、主要大会で実績を積み上げた今は違うという。「決勝に残ってあまりまえ。しっかり決勝で戦いたいという気持ちになっている」。覚悟を胸に、中島は先を見据えていた。(根本 成)
選手インタビュー
中島千咲代
ー 大会を終えて今はどういった気持ちですか
3月の選考会では400mと800mでベストが出ました。今回も最低でもそのタイムを更新できるようにという気持ちで臨みました。3日目までの結果は落ち込むと言いますか、最終日の1500mをどうやって泳いだらいいのか悩むことがありましたが、最後をベストで締めくくることができたので良かったです。
ー 3月の選考会が終わってからの調子はいかがでしたか
選考会が終わった直後は、「また次に向けて練習を積めるのかな」と考えることもありましたが、「一回一回の練習を大事にしよう」と気持ちを切り替えてスタートしました。練習のタイムに関してはそんなに悪いときはなくて、大会前の調整合宿の感覚では最低でもベストが出せると思っていました。
ー 初日の400mのレースを泳いだ感触は
レース前にコーチやトレーナーの方から「刺激が必要な体だと思う」との話があったので、400mに関しては守りに入るのではなく、行けるところまで行こうと考えて泳いでいました。前半はベストラップを上回るペースで泳ぐことができましたが、段々とペースが落ちてしまい、終わった直後は不安が残りました。
ー どういった気持ちの切り替えをしましたか
800m、1500mの方が得意なので400mは良い刺激が入ったという感じで切り替えました。
ー 800mのレースを振り返って
800mは決勝に残って、決勝で戦うことを目標にしていました。予選は思ってたよりもタイムが良かったので、感触としては400mの時よりも手応えがありました。
決勝は8分40秒を割ることを目指して、周りに食らい付いていこうと思っていました。ただ、400mの通過時点で予選よりも下回ってしまい、そこでレースが終わってしまいました。決勝はきつすぎて記憶がほとんど残ってないです。タイムを見た時は遅すぎて、悔しさというより恥ずかしさが出てしまいました。
ー 1500mに向けて気持ちを切り替えることはできましたか
800mの決勝は記憶がなくなるくらい追い込めた、また800mと1500mは別種目だとポジティブに捉えて切り替えることができました。また、400mと800mは今の自分には合わないレースをしていたと反省をして、1500mは余裕を持って泳ごうと思っていました。
ー 1500mはコンディションを考慮して泳いだ感じでしょうか
前半力んで泳いで、無駄な力を使うよりも、段々と上げていった方が今の自分には合ってると思ったので、後半を上げるイメージで泳ぎました。
ー タイムに関しては思うことは
タッチしてタイムを見たときは嬉しい気持ちがありましたが、16分39秒が出ても良かったなと思いました。特に最後の100mは、自分の中では出し切ったと思っていましたが、映像を見たらキツそうな泳ぎになっていたのでもったいなかったです。
ー 最終日にベストが出たことについては
私は気持ちの切り替えが苦手なので、初日が良くなかった時点でこのままズルズルいってしまうと私も、周りも思っていたと思います。ただ、今回こうやって気持ちを切り替えて最終日にベストが出せたことは今後の自信になります。
ー 選手権で2年連続の入賞となりました
昨年、初出場で決勝に残ることができた時はすごく嬉しかったと同時に不思議な感覚がありました。3月の選考会で決勝に残った時も同様でしたが、今回の日本選手権は決勝に残ってあまりまえと言いますか、しっかり決勝で戦いたいという気持ちになっていました。
ー 夏に向けての意気込みをお願いします
800mで8分40秒を割ることと、強い気持ちでレースをするということを目標にして準備していきたいです。