第98回日本学生選手権
2022年8月28日(日)〜31日(水)
東京辰巳国際水泳場最終日は男子200m平泳ぎで山尾隼人(経3)がメダル獲得を目指すも8位に終わり、悔し涙を流した。リレー種目では男女ともにA決勝に進出できず、得点を稼ぐことができなかった。学校対抗は男子が総合10位、女子が11位でともにシード権を逃す結果になった。
【水泳】第98回 日本学生選手権 1日目 鈴木菜々花・女子主将が直前のアクシデントを乗り越え、チームの先陣を切る!!
【水泳】第98回 日本学生選手権 2日目 関口真穂 意地の泳ぎで2年連続の表彰台に上る!!/1年生の荻野倖太朗は200Mバタフライで自己新入賞!!
【水泳】第98回 日本学生選手権 3日目 副主将・石原諒太郎が仲間の声援に応える力泳!!最終日に僅差の得点争いを制すことはできるか
大会結果
予選結果(女子)
種目 | 順位 | 選手名 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
100m自由形 | 43位 | 鈴木菜々花(経4) | 59秒71 | |
35位 | 松浦麻里亜(経3) | 59秒05 | ||
42位 | 水上夏鈴(経1) | 59秒60 | ||
100m背泳ぎ | 11位 | 関口真穂(スポ4) | 1分02秒93 | B決勝へ |
9位 | 石田瑠海(スポ2) | 1分02秒82 | B決勝へ | |
400m個人メドレー | 19位 | 田中瑞姫(現4) | 4分59秒10 | |
8位 | 庄司朋世(スポ3) | 4分51秒14 | 決勝へ | |
200m平泳ぎ | 12位 | 齊藤涼夏(社4) | 2分31秒30 | B決勝へ |
46位 | 猪狩彩奈(経1) | 2分37秒97 | ||
38位 | 川縁茜(現1) | 2分36秒66 | ||
800mフリーリレー | 11位 | 中島-松野-庄司-田中 | 8分18秒24 | B決勝へ |
予選結果(男子)
種目 | 順位 | 選手名 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
100m自由形 | 24位 | 佐々木駿(経3) | 50秒90 | |
36位 | 三浦颯太(社2) | 51秒27 | 自己新 | |
44位 | 竹鼻涼太(スポ1) | 51秒70 | ||
100m背泳ぎ | 31位 | 由良柾貴(社3) | 57秒25 | |
200m平泳ぎ | 7位 | 山尾隼人(経3) | 2分12秒03 | 決勝へ |
30位 | 阿部晃也(経1) | 2分15秒11 | ||
66位 | 渡邊凌(社1) | 2分21秒40 | ||
400m個人メドレー | 35位 | 佐藤颯(経4) | 4分35秒56 | |
28位 | 市川薫(経2) | 4分31秒46 | ||
13位 | 神偉雄 (経2) | 4分25秒09 | B決勝へ | |
800mフリーリレー | 13位 | 西田-三浦-佐々木-石原 | 7分30秒85 | B決勝へ |
決勝結果(女子)
種目 | 選手名 | タイム | 備考 | |
---|---|---|---|---|
800m自由形 決勝 | 5位 | 中島千咲代(現3) | 8分49秒99 | |
400m個人メドレー 決勝 | 7位 | 庄司朋世 | 4分51秒53 | |
100m背泳ぎ B決勝 | 2位 | 石田瑠海 | 1分02秒69 | |
4位 | 関口真穂 | 1分03秒41 | ||
800mフリーリレー B決勝 | 3位 | 中島-松野-庄司-田中 | 8分17秒84 |
決勝結果(男子)
種目 | 順位 | 選手名 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
400m個人メドレー B決勝 | 7位 | 神偉雄 | 4分25秒72 | |
100m平泳ぎ 決勝 | 8位 | 山尾隼人 | 2分12秒38 | |
800mフリーリレー B決勝 | 3位 | 西田-三浦-佐々木-石橋 | 7分29秒39 |
Close Up
山尾隼人
リベンジの夏にするはずだった。平泳ぎ2種目で表彰台を目指していた山尾は、これまでのインカレの中で最も厳しい結果に終わった。最終日の200m平泳ぎのレース後、「自分は結果を出してチームを引っ張っていかなくてはいけない立場なのにそれができなくて本当に悔しい」と涙を流した。
「法政のエースとして頑張れ」ー。大会前、前年度主将でチームの大黒柱だった宮本一平さんからシード奪還を託された。1年時は個人2種目で入賞も、昨年は200m平泳ぎで予選敗退。男子チームもシードを落とす結果になり、山尾はチームの誰よりも責任を感じていた。
関東インカレ後に新型コロナに感染し、10日間程練習から遠ざかったが、「それを言い訳にせず、精一杯頑張りたい」という思いだった。しかし練習不足は否めず、100mは決勝進出者を決めるスイムオフの末に敗戦。200mは決勝にこそ進出したものの、自己ベストから大きく遅れて最下位。雪辱を果たすことはできなかった。
直前のアクシデントの中でよくやったという慰めもあるだろうが、きっとエースには通用しない。1年後は「必ず個人で2冠をして、リレーでも活躍して、チームとしてもシード権を獲得したい」。自らを鼓舞する言葉を口にし、大学ラストシーズンが幕を開けた。
小野吏久人
プールから上がった小野は、スタンドの仲間からの労いに応えた。「ラスト50mでこれまでお世話になってきた方々の顔が浮かんできて、最後のタッチまで自分の100%の力を出し切ることができた」。大会2日目の400m自由形が0歳から始まった水泳人生の最後のレースだった。
主将に就任当初、個人2種目と800mフリーリレーでA決勝進出を目標に掲げたが、崩していた調子が戻らず、出場は400m自由形の1種目になった。結果は4分04秒36で予選敗退と、8位入賞を果たした大学2年時のジャパンオープンのような強さを発揮することはできなかったが、「とても清々しい思いで一杯だった」と振り返った。
個人種目を終えてからは、チームメイトの応援やサポートに徹した。3日目を終えた時点で、対抗戦は男子が総合10位、女子が11位。シード権獲得を目指した最終日が始まる前、「チーム一丸となって、支え合って戦おう」。手本として行動し、最後までチームを引っ張り続けた。
最終的に男子が総合10位、女子が11位で幕引き。男子は2年連続でシード落ちを喫し、悔しさを晴らせなかった。それでも、「最後の8継までチームが一丸となって応援している姿や選手たちが懸命にタイムを上げようとしている姿を直接見ることができて、改めてチームの良さを実感した。『このチームで良かった』と思う」。1年間主将として必死になって背中を見せてきた。もう、悔いはなかった。
(取材/記事:根本 成)