第106回日本選手権・リレー競技
2022年10月1日(土)~2日(日)
国立競技場
2年ぶりの開催となった日本選手権・リレー競技(日本選手権リレー)。今年は国立競技場での開催となった。法大は男女とも4×100mR、4×400mRに出場。女子4×100mR入賞、男女4×400mR2位という好成績を残した。
試合結果
種目別結果
種目 | ラウンド | 組 | 選手名 | 記録 | 順位 |
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男子4×100mR | 予選 | 4 | 田中翔大 | 40秒16 | 3着 |
松浦謙聖 | |||||
山路康太郎 | |||||
林哉太 | |||||
男子4×400mR | 予選 | 2 | 児玉悠作 | 3分6秒24 | 1着 |
黒川和樹 | |||||
富田大智 | |||||
地主直央 | |||||
決勝 | 児玉 | 3分06秒51 | 2位 | ||
黒川 | |||||
富田 | |||||
地主 | |||||
女子4×100mR | 予選 | 3 | 川中葵琳 | 45秒70 | 2着 |
佐藤瑠歩 | |||||
熊谷遥未 | |||||
満永朱音 | |||||
決勝 | 川中 | 46秒27 | 8位 | ||
佐藤 | |||||
熊谷 | |||||
満永 | |||||
女子4×400mR | 予選 | 4 | 田橋柚希乃 | 3分40秒02 | 2着 |
川中 | |||||
中野なみち | |||||
熊谷 | |||||
決勝 | 川中 | 3分38秒43 | 2位 | ||
田橋 | |||||
佐藤 | |||||
熊谷 |
戦評
女子4×100mR 決勝
女子4x100mR決勝に挑んだのは、川中葵琳(3)、佐藤瑠歩(2)、熊谷遥未(3)、満永朱音(2)の4人だ。予選では45秒70をマーク。タイムで拾われ決勝に駒を進め、さらなる飛躍を目指して決勝に臨んだ。1走では順調にスタートを切り、加速したまま2走にバトンパス。続く2走の佐藤は、安定した走りを見せ、3走へと確実にバトンを繋いだ。3走を走る熊谷はスタートからバトンパスまで加速した走りを見せたものの、バトンパスでもたつきを見せ、7位へと大幅に順位を落としてしまった。4走の満永は最後まで食いしばった走りを展開したものの惜しくも最下位でフィニッシュとなった。悔しさの残る結果となったが、全日本インカレで果たせなかった決勝進出を達成し、また、今後のレースにおいて躍進するための要素を得ることができたのではないだろうか。
男子4×400mR 決勝
日本インカレでは同種目にて4位と悔しい結果に終わった法大。そのリベンジを果たすためにもチームの目標である優勝を勝ち取りたいこの日の決勝は、児玉悠作(4)、黒川和樹(3)、富田大智(3)、地主直央(3)の4人で望んだ。1走の児玉が落ち着いた走りで流れを作ると、400mHで世界を経験した2走の黒川が流石の走りを見せ4位で3走の富田へバトンを渡す。ここで富田が気迫溢れる激走を見せ一気に2位まで追い上げる。最後にバトンを受け取った4走の地主は約200m地点で1位の早稲田に並びかける好走。しかし最後は再び突き放され惜しくも2位でフィニッシュ。目標としていた優勝こそ逃したものの、全国の強豪校を相手に堂々の2位という結果であった。
女子4×400mR 決勝
4×400mリレー決勝では川中葵琳(3)、田橋柚希乃(2)、佐藤瑠歩(2)、熊谷遥未(3)の4人の顔ぶれで挑戦する。序盤、1走の川中が上位で2走の田橋へと繋ぐ。2走の田橋、3走の佐藤は粘りの走りをみせ上位陣を追走する形で4走の熊谷へバトンが渡ると、得意の後半でぐんぐん加速する。怒涛の3人抜きの追い上げで2位のフィニッシュ。法大記録を更新する3分38秒43をを記録し、銀メダルを掴んだ。
関東インカレ表彰台、日本インカレ6位と大きく飛躍を遂げた女子マイルリレー。最高の形で今季ラストレースを終えた。
(記事・写真:齋藤彩名、大隈慶吾、嘉藤大太、高波映)
選手インタビュー
児玉悠作
ー2位という結果でしたがこの結果についてはいかがでしょうか
優勝を狙えるメンバーだったので、2位という結果は悔しいです。
ー日本選手権リレーにはどのような気持ちで臨みましたか
本当は全日本インカレで引退のつもりでしたが、後輩たちがもう一度挑戦する機会を作ってくれました。リレーで日本一を目指せる最後の大会だったので「優勝するぞ」と意気込んで臨みました。
ー1走を務めましたが、意識したことはありますか
全日本インカレでも1走を務めていたため、走りのイメージはしやすかったです。前半は楽にスピードに乗り、最後の100mでいかに耐えれるかを意識していました。
ー決勝での走りを振り返っていかがでしょうか
決勝はすこし興奮しすぎたかもしれません。そのため、前半に力を使いすぎてしまい、ラストは意識が飛びそうなくらいキツかったです。ですが、最後のマイルリレー、走り終わって立てなくなるくらい出し切れてよかったです。
ー3年生以下の選手たちに期待していることはありますか
今回準優勝という結果は、嬉しいよりも悔しいが勝っていると思います。走った3人はもちろん、チームとしてもタイムを向上させて来年は優勝してもらいたいです。
黒川和樹
ー決勝の走りを振り返ってみていかがでしょうか
(他の選手に)前に出られてしまい、なかなか前に出ることができず変な走りになってしまいました。もう少し前に出れていたら順位も変わっていたかなと思うと悔しいです。
ーチームとしては2位でしたがこの結果については
チームを優勝に導きたかったですが、逆に自分が足を引っ張ってしまい、優勝することが出来ず悔しいです。来年また機会があればいい走りをして恩返し出来たらなと思います。
ーマイルの難しさはどういったところですか
たった400mのなかで色々なことを考えながら走らないといけないので難しいなと感じました。
ー今シーズンも終わりを迎えますが、振り返ってみていかがでしたか
パリ五輪に向けてたくさんの経験を積んでいく中で、今シーズンは経験値としていいものを沢山得ることができました。来シーズンに繋げていけたらいいなと思います。
富田大智
ー決勝の走りを振り返って
予選の時と同様にしっかり他の選手の動きを見ながら冷静にレース運びができたと感じています。ただ、最後アンカーにバトンを渡すところで混戦になり、アンカーの地主が走り辛くなる展開になってしまったので、ラストもう一踏ん張り2位集団から抜け出すことができていたら結果も変わっていたのではないかと、少し悔しさも残ります。
ー意識していたことは
これまでのレースでは、前半にスピードを出しすぎてしまい、最後の直線の部分で急激に減速してしまうことが多かったので、今回はなるべく前半に力を使いすぎないように、最後までスピードを維持したまま走ることを意識しました。
ーTwitterではバトンの話も出ていましたが、決勝のバトンパスはいかがでしたか
予選では早く渡したいという気持ちがつい先走り、早い段階でバトンを渡す体勢に入ってしまい、減速してしまうというもったいないことをしてしまいましたが、決勝ではそこをグッと堪えて程良いタイミングで渡す体勢に入れたかと思います。
ーけがもありましたが、今シーズンを振り返っていかがですか
今シーズンは怪我から始まり、復帰後を体調不良などで中々記録を伸ばすことが出来ず、メンタル的にも苦しい部分が大きかったので、最後の最後にこの日本最高峰の舞台で準優勝に貢献することができてとても嬉しかったです。結果を出すことの難しさと楽しさを改めて実感することのできたシーズンだったと感じています。
ー来シーズンの目標は
来シーズンは学生最後の年になるので、この3年間達成出来なかった日本選手権の決勝の舞台に立つことをまず目標にしたいです。また、来シーズンは主将という立場でもあるので、主将としてチーム全体の士気も高めていけたらなと思います。
地主直央
ー決勝でのご自身の走りを振り返っていかがでしょうか
フィジカルで負けてしまって何回か外に弾き飛ばされて、体勢を崩してしまったので、落ち着きがない走りになってしまったと反省しています。
ー意識していたことやレースプランはありましたか
単純な走力はかなり今年になって上がっていたので、自信を持って走ろうと思っていました。無謀な走りをしなければ普通に前半から飛ばしても持ち前のスタミナで上手く噛み合うというレースプランで今年はやっていました。今回の大会では、予選は思い通りに走ることができました。自分の感覚でもかなり余裕があり、400mの個人の自己ベスト更新も狙えるなぁと感じるくらい上手くイメージ通りにはまって走れました。
ーチームとしては2位でしたがこの結果については
優勝はしたかったです。今年は今までよりも上位に食い込むことはできても、勝つことはできていないのでとても悔しく思っています。
今シーズンも終わりを迎えますが、振り返ってみていかがでしょうか
成長のシーズンでした。経験の面でも走りの面でも成長があり、学びがあり、何もかもがまた一歩進む素材となってしっかりと足場を支えてくれて、全力で頑張ることが出来ました。
ー来シーズンは4年生として迎えますが、目標はありますか
46秒を切ることです。イメージはもうできており、届きそうなところにあるという感覚はあります。苅部監督ともひとつひとつ丁寧に課題について話し合い、なるべく早く45秒の領域に突入し、チームに勢いがつく存在なれるように頑張りたいです。また400mブロックの強化という個人以外での目標もあります。かなりチームの400mのメンバーはタイムが上がってきて、胸を張って強いメンバーだといえるレベルにはなったと思います。しかしお互いに経験が浅いのと、練習内でのスタイルが上手く合わなくてお互い良い練習にならずに、時間だけが過ぎてしまうという時がたまにあります。これは冬季の目標にはなってしまいますが、なるべく皆が納得する練習にできるようにお互いにしっかりと意見を言いつつ、苅部監督に積極的に相談して400mブロックがワンランク上にレベルアップできるように頑張っていきたいです。
川中葵琳
ー2位おめでとうございます。この結果についてはいかがですか
まだ夢を見ているみたいです。決勝進出を目標にしていて、まさかメダルを持って帰れると思っていなかったので
嬉しいですが、驚きの方が大きいです。
ー決勝では走順が変わり1走を務めましたが、どのようなことを考えて走っていましたか
前半から飛ばしていきました。1番外側の9レーンで、ペースが分からなかったので最後失速してもいいと思いながら前半飛ばしていました。200mを通過したところで後ろの選手の足音が聞こえてきましたが、焦ることなく、落ち着いてレースができたと思います。
ーご自身の走りを振り返っていかがでしょうか
悪くはなかったと思います。全日本インカレで同じ9レーンを走り、消極的なレースをしたことの反省を活かし、前半から飛ばすという、理想のレースができました。内側から詰められていたので、戦うことができるように努力していきたいです。
ー残りのメンバーの走りはどのように見ていましたか
走って疲れてあまり覚えていないですが、どんどん順位が上がっていて、興奮していたのは覚えています。
ー陸上部女子の快進撃が続いていますが、要因はありますか
一人一人が強くなろうとしている意識が、大きな要因だと感じています。今の部活の雰囲気として1人強い選手がいるとそれに感化されて、負けないように自分も強くなりたいと思う気持ちが強く、自分達の目標に向かって練習態度にも現れています。
田橋柚希乃
ー1週間前の関東新人で優勝しましたが、日本選手権リレーに向けての調子はいかがでしたか
関東新人で優勝したことで自分に自信を持つことが出来て、日本選手権リレーは精神面でも身体面でも良い状態で臨むことが出来ました。
ー2走として意識したことはありますか
2走を任せてもらうのは大学では初めてだったのですが、とにかく前の集団から離れないという自分の役割を忘れずに意識して走りました。
ーご自身の走りを振り返ってみていかがでしょうか
前の集団からは少し離されてしまい実力不足を痛感させられましたが、自分の走りとしては良い緊張感をもってレースに挑めて、今の自分の力はしっかり発揮できたと思います。
ー今シーズンを振り返ってみていかがですか
今シーズンは、400mHでの大幅自己ベスト更新から始まり、個人でもマイルリレーでも大舞台を経験させてもらうことが出来たので、とても充実していて楽しかったです。悔しいことも沢山ありましたが、それも含めて自分自身の成長を感じられて良いシーズンだったなと思います。
ー来シーズンに向けての意気込みをお願いします
冬季でしっかり練習を積んで、個人でもマイルでも今シーズン以上の走りをしてチームに貢献します!!
佐藤瑠歩
ー2位が確定した時の気持ちを教えてください
びっくりと嬉しさ爆発という感じでした。
ー日本選手権リレーに向けての調子はいかがでしたか
夏前に怪我をしてしまった影響で足に痛みが残っていたり、なかなか練習が積めていなかったりで、インカレや関東新人などの後半シーズンの試合では調子が上がらず、思うような走りができていなかったので正直不安でした。
ーご自身の走りを振り返っていかがでしょうか
上手くいかなかったインカレや関東新人からはなんとか調子を上げることが出来て、後半シーズンの中では1番の走りが出来たと思います。
ー今シーズンを振り返ってみていかがですか
今シーズンは高校生の頃から出ていなかった100m、200mの自己ベストを更新することが出来ました。また、四継、マイルの両リレーでも法政記録の更新と全国入賞をすることが出来て、とても幸せなシーズンでした。
ー来シーズンはどういったところを目標にしたいですか
今シーズンの結果、記録を更に上回って、個人では全国入賞、リレーでは優勝を目標に頑張ります。
熊谷遥未
ー2位おめでとうございます。この結果についてはいかがですか
ありがとうございます。予選のレース前、4継とマイルで決勝に行こうという話をしており、最低限の目標を達成できてとても嬉しかったです。決勝では挑戦者の気持ちで臨み、楽しんでバトンを繋ごうという話をしていたため、2位に「法政大学」と書かれたスクリーンを見た時は驚きが隠せませんでした。去年は出場すらできていないので、大躍進をすることができたと思っています。
ーご自身の走りを振り返っていかがでしょうか
予選でラップタイムのベストを出すことができ、1日目から良い走りが出来ていました。4継もあったため疲労はありましたが、チームにとって最低限の走り、アンカーとしての役割は果たせたと思います。
ーラストの直線はどのような気持ちで走っていましたか
混戦だったので、走っている時もゴールした時も正直自分が何位か分かりませんでした。しかし、いい流れでバトンを繋いでくれた3人やサポートして下さった方、そして沢山の方の思いを背負ってると思い、最後まで粘り強く駆け抜けました。
ー今シーズンを振り返っていかがでしょうか
シーズンの始めは思うように走れず、結果も出ず、悔しい思いをしていました。しかし、関東インカレから少しずつ調子も上がってきて、夏ぐらいからはやっとこの冬やってきた事が練習や試合で体現できるようになりました。今までなかなか結果を出すことができていなく、大学3年生にしてやっと試合でも少しずつですが結果を出せてきてとても嬉しいです。しかし、まだここでは終われないため、来シーズン更に活躍出来るようにこの冬も努力していきたいと思います。
ー来シーズンに向けての目標を教えてください
今年は去年の想像を超えるほどチームとして成長出来たシーズンでした。来シーズンは個々の力をさらに上げ、インカレでは今年よりも良い結果を残せるようにチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。個人としても大きな試合で結果を残し、ベストを更新できるよう頑張ります。