東京六大学野球2023秋季フレッシュトーナメント 慶大戦
2023年10月31日(火)
神宮球場
秋季フレッシュトーナメントの初戦である慶大戦は7回コールドの大敗となった。先発を任された宇山翼(人2=日大三)が初回、慶大・権藤に本塁打を浴び先制を許すと、2番手・帯川翔宇(文2=札幌一)も3被弾で3失点。打線は慶大・先発の渡辺和にチャンスをつくるもあと一本が出ず。5安打無得点と封じ込まれ0-7(7回コールド)の悔しい敗戦となった。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
慶 大 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 7 | 10 | 0 |
法 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 2 |
(慶大)〇渡辺和、広池ー坪田
(法大)●宇山、帯川、赤間—中西祐
[本塁打]
法:
慶:権藤(1回ソロ、宇山)、横池(6回ソロ、帯川)、小山(7回ソロ、帯川)、宮澤(7回ソロ、帯川)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 出塁率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (6) | 石黒 | 3 | 2 | 0 | .667 | .667 | 遊ゴ | 三安 | 右安 | ||||
2 | (3) | 品川 | 3 | 1 | 0 | .500 | .500 | 二ゴ | 投安 | 一ゴ | ||||
3 | (7) | 池田 | 3 | 0 | 0 | .000 | .000 | 三振 | 三振 | ニ併殺 | ||||
4 | (Ⅾ) | 山下 | 1 | 0 | 0 | .000 | .667 | 四球 | 四球 | 三振 | ||||
5 | (9) | 内山 | 3 | 0 | 0 | .000 | .000 | 三邪飛 | 三振 | 一邪飛 | ||||
6 | (5) | 増田 | 3 | 1 | 0 | .333 | .333 | 遊ゴ | 左安 | 捕邪飛 | ||||
7 | (4) | 藤森康 | 2 | 1 | 0 | .500 | .500 | 中安 | 投ギ | 遊飛 | ||||
8 | (2) | 中西祐 | 2 | 0 | 0 | .000 | .000 | 三振 | ニゴ | |||||
H | 片山 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 三振 | |||||||
9 | (8) | 宮原 | 2 | 0 | 0 | .000 | .000 | 三振 | 三振 | |||||
H | 佐藤拓 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 中飛 | |||||||
計 | 24 | 5 | 0 | .208 | .269 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
宇山 | 4 1/3 | 81 | 23 | 7 | 2 | 1 | 3 | 6.23 |
帯川 | 2 1/3 | 55 | 12 | 3 | 3 | 2 | 3 | 11.57 |
赤間 | 1/3 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 |
計 | 7 | 140 | 36 | 10 | 5 | 3 | 6 | 7.71 |
ベンチ入りメンバー
13 | 赤間梢吾(キャ2=法政二) | 20 | 土肥憲将(キャ1=鳴門) | 23 | 深谷謙志郎(文1=東海大相模) |
18 | 帯川翔宇(文2=札幌一) | 33 | 佐藤拓斗(スポ2=日大山形) | 24 | 金谷竜汰(法1=東海大菅生) |
19 | 藤森粋七丞(キャ2=青森山田) | 36 | 浅倉大聖(法1=日大三) | 7 | 池田惟音(文2=静岡) |
21 | 宇山翼(人2=日大三) | 26 | 藤森康淳(営1=天理) | 8 | 宮原一綺(文2=常総学院) |
14 | 針谷隼和(営1=桐光学園) | 1 | 山下陽輔(営2=智辯学園) | 9 | 内山陽斗(文2=天理) |
15 | 伊藤要(法1=平塚学園) | 2 | 浜岡陸(法2=花咲徳栄) | 39 | 中西悠陽(法2=八代) |
25 | 菅野樹紀(法2=土浦日大) | 3 | 品川侑生(文2=三重) | 37 | 片山悠真(文1=八王子) |
27 | 中岩隼一朗(経2=法政二) | 5 | 増田凜之介(社2=春日部共栄) | マネ | 藤森創立(法2=五所川原) |
12 | 中西祐樹(法1=木更津総合) | 6 | 石黒和弥(法2=高岡商) |
戦評
3季ぶりの新人戦優勝へ向け、負けられない初戦の相手は慶大。リーグ戦では4回戦までもつれる激闘の末、勝ち点を落とした宿敵を撃破し勢いづきたいところだ。
先発のマウンドを任されたのは宇山翼(人2=日大三)。初回、先頭の小原大和を沈む変化球で空振り三振に打ち取る。しかし続く2番・権藤大に初球をライトスタンドへ運ばれるソロ本塁打で先制を許す。
さらに2回には失策と犠打で1死二塁のピンチを招くと、8番・宮澤豪太の打球はレフト線へ落ちる適時二塁打で0-2。9番・横地広太にもセンター前へ落とされると、続く小原の当たりは二遊間をしぶとく抜ける適時打となり0-3と追加点を許す。
反撃したい打線は慶大先発・渡辺和大に対し2回に先頭の山下陽輔(営2=智辯学園)が四球を選び、1死となり7番・藤森康淳(営1=天理)が中前へ落とし一、二塁の好機も中西祐樹(法1=木更津総合)が空振り三振に倒れる。
宇山は3回を打たせて取る投球で3者凡退、さらに4回はわずか5球で3者凡退に抑え流れを呼び寄せる投球をみせる。
守備のリズムを攻撃へ。3回には1死から1番・石黒和弥(法2=高岡商)、2番・品川侑生(文2=三重)の鋭い当たりがそれぞれ内野安打となると、池田惟音(文2=静岡)は空振り三振に倒れるも、山下が2打席連続となる四球を選び2死満塁。しかしこの好機も内山陽斗(文2=天理)が空振り三振に倒れ得点できず。
4回には先頭・増田凜之介(社2=春日部共栄)の振りぬいた打球が左前安打となり、藤森康が犠打で進めるも後続が凡退。
立ち直ったかに見えた宇山だが、5回に先頭に死球を与えると、犠打で1死二塁。3番・坪田大郎の打球は一塁手の頭上を越える右前安打となると、4番・今泉慶介の三遊間への当たりを遊撃手・石黒が逆シングルで好捕し一塁へ送球も適時内野安打となり0-4。続く5番・真田壮之の強烈な打球は一塁手・品川が好捕も二塁への送球が逸れピンチ拡大したところで、2番手・帯川翔宇(文2=札幌一)に交代。
帯川は二宮慎太朗を1球で右飛に打ち取り、続く打者に9球粘られるも136キロの直球で見逃し三振に打ち取る。
5回の攻撃では先頭・石黒が逆方向への右前安打で出塁。品川は一ゴロとなり走者が入れ替わり、3番・池田は2球目を振りぬき二遊間を抜けたかに思えたが、慶大の二塁手・二宮が好捕しこれが併殺打に。池田も思わず苦笑いするビックプレーで流れは慶大へ。
6回の帯川は1死から先ほど安打を打たれている横地を迎える。3ボールからフルカウントまで持っていくも、ライトスタンドへ弾丸ライナーが突き刺さり0-5。
さらに7回には4球で2死とするも、小山春にライトスタンドへ運ばれ0-6。続く宮澤にもレフトスタンド中段へ運ばれ0-7。衝撃の2者連続本塁打でさらに点差を広げられたところで3番手・赤間梢吾(キャ2=法政二)に交代。赤間は横地を投ゴロに打ち取り役目を果たす。
7点差とコールド危機で迎えた7回の攻撃は慶大2番手・広池浩成の威力のある直球に苦戦。先頭の藤森康が遊飛に倒れると、代打・片山悠真(文1=八王子)はボール球に手がでて空振り三振。最後は代打・佐藤拓斗(スポ2=日大山形)が浮いた球をセンターへ運ぶもフェンス手前の中飛となり試合終了。フレッシュトーナメント規定により7回コールドで慶大に敗北した。
(記事:矢吹大輔、写真:高橋芽唯)
クローズアップ:石黒和弥『マルチ安打の活躍、”走攻守顔”の4拍子揃う期待の2年生は “ポスト今泉”になれるか』
この日の試合、1番ショートでスタメンとなった石黒和弥(法2=高岡商)は、リーグ戦でも抜群の守備や走塁で出場を果たしていた。リーグ戦最後の打者として悔しさも見せた石黒はフレッシュトーナメントで思いをぶつける。
「楽しくやろう」と意気込み、先発宇山翼に積極的に声をかけながら、チームの士気を上げる。慶大に先制を許すと負けじと「強く振った」と2回内野安打で塁に出た。しかしチャンスを作るもあと1本が出ない。
慶大投手陣相手に翻弄されるも、守備でも活躍を見せる。あわや長打になりゆる打球を軽快なステップでアウトや単打にし、法大投手陣を支えた。「ずっとずみさん(今泉颯太、法4=中京大中京)の後ろで1年間守ってきてたので、ずみさんの1歩目の速さとかは真似は出来ないけど意識しています」と尊敬する先輩の姿を盗み、プレーした。
6回には右安打を放ち、チーム唯一のマルチ安打となる。追い上げのチャンスメイクを作り、チームに笑顔と盛り上がりが起きた。アピールポイントと話す笑顔がベース上で溢れ、チームの雰囲気を常に明るくさせた。
チームは無念のコールド負けとなったものの、石黒は次戦に向けて、「次も沢山打って守って勝ちたいです」と気合十分で意気込む。
主将・今泉からも期待を寄せられる石黒は次戦の東大戦でも持ち味を発揮し、チームを引っ張る”ポスト今泉”となれるのか期待せずにはいられない。
(高橋芽唯)
選手インタビュー
石黒和弥 選手
ー大事な初戦だったがどのような気持ちで臨んだか
楽しくやろー!って感じで臨みました。
ー3回には内野安打で出塁したが、打席で意識したことは
強く振ろうと思って振りました。
ー5回にも右安打を放ち、チーム唯一のマルチ安打でしたが
最高です!
ー好守備も見られたが、守備で意識していることは
ずっとずみさん(今泉颯太、法4=中京大中京)の後ろで1年間守ってきてたので、ずみさんの1歩目の速さとかは真似はできないけど意識しています。
ー上級生も応援に駆けつけていましたが、試合後にやり取りは
ずみさんとごはんを食べに行きました。
ー次戦に向けて意気込みを
次もたくさん打って、守って勝ちたいです。