東京六大学野球2023秋季フレッシュトーナメント 東大戦
2023年11月1日(水)
神宮球場
昨日慶大に7回コールド負けを喫し、迎えたこの日の東大戦は1-0の薄氷の勝利となった。先発の丸山陽太(スポ2=成東)が東大打線に対し8回2安打11奪三振、最速151㌔の圧巻の投球をみせる。打線は東大先発の江口直希の緩急に苦戦し5回まで無得点。しかし6回に1死満塁のチャンスで片山悠真(文1=八王子)が先制犠飛を放ちその1点を守り切った。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
東 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 |
法 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 1 |
(東大)●江口直、持永ー杉浦
(法大)〇丸山、藤森粋—川崎
[本塁打]
東大:
法大:
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 出塁率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (6) | 石黒 | 4 | 1 | 0 | .429 | .429 | 二直 | 右飛 | 遊安 | 中飛 | ||||
2 | (8) | 浜岡 | 3 | 1 | 0 | .333 | .333 | 中安 | 一ゴ | 投ギ | 右飛 | ||||
3 | (7) | 池田 | 2 | 0 | 0 | .000 | .000 | 三振 | 三振 | ||||||
H | 中西悠 | 0 | 0 | 0 | ― | 1.000 | 四球 | ||||||||
R7 | 内山 | 1 | 1 | 0 | .250 | .250 | 右安 | ||||||||
4 | (Ⅾ) | 山下 | 1 | 0 | 0 | .000 | .667 | 四球 | 三振 | 四球 | |||||
H | 浅倉 | 1 | 0 | 0 | .000 | .000 | 左飛 | ||||||||
5 | (9) | 片山 | 3 | 0 | 1 | .000 | .000 | 二ゴ | 中飛 | 犠飛① | 遊ゴ | ||||
9 | 宮原 | 0 | 0 | 0 | .000 | .000 | |||||||||
6 | (4) | 増田 | 2 | 0 | 0 | .200 | .200 | 右邪飛 | ニゴ | ||||||
H4 | 藤森康 | 0 | 0 | 0 | .500 | .667 | 四球 | ||||||||
7 | (3) | 佐藤拓 | 3 | 0 | 0 | .000 | .000 | 左飛 | 右飛 | 右飛 | |||||
8 | (2) | 川崎 | 2 | 0 | 0 | .000 | .333 | 遊ゴ | 四球 | 三振 | |||||
9 | (5) | 品川 | 3 | 0 | 0 | .167 | .167 | 右飛 | 右飛 | 三邪飛 | |||||
計 | 25 | 3 | 1 | .208 | .269 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
丸山 | 8 | 81 | 26 | 2 | 11 | 0 | 0 | 0.00 |
藤森粋 | 1 | 12 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.00 |
計 | 9 | 93 | 29 | 2 | 12 | 0 | 0 | 0.00 |
ベンチ入りメンバー
11 | 丸山陽太(スポ2=成東) | 33 | 佐藤拓斗(スポ2=日大山形) | 28 | 黒須堅心(文1=専大松戸) |
17 | 永野司(営2=倉敷商) | 1 | 山下陽輔(営2=智辯学園) | 33 | 浅倉大聖(法1=日大三) |
19 | 藤森粋七丞(キャ2=青森山田) | 2 | 浜岡陸(法2=花咲徳栄) | 7 | 池田惟音(文2=静岡) |
14 | 針谷隼和(営1=桐光学園) | 3 | 品川侑生(文2=三重) | 8 | 宮原一綺(文2=常総学院) |
15 | 伊藤要(法1=平塚学園) | 5 | 増田凜之介(社2=春日部共栄) | 9 | 内山陽斗(文2=天理) |
25 | 菅野樹紀(法2=土浦日大) | 6 | 石黒和弥(法2=高岡商) | 37 | 片山悠真(文1=八王子) |
34 | 岡島卓矢(経2=掛川東) | 23 | 深谷謙志郎(文1=東海大相模) | 39 | 中西悠陽(法2=八代) |
12 | 中西祐樹(法1=木更津総合) | 24 | 金谷竜汰(法1=東海大菅生) | マネ | 奥田琉(経2=横浜緑ヶ丘) |
32 | 川崎広翔(営1=日大三) | 26 | 藤森康淳(営1=天理) |
戦評
前日リーグ戦を制した慶大に勢いそのままに圧倒され、7回コールド負けを喫した法大。
この日はリーグ戦の経験もある丸山陽太(スポ2=成東)が先発のマウンドに上がった。立ち上がり相手1番、2番を連続で空振り三振に打ち取り、3番打者も平凡な遊ゴロに打ち取り無失点。
さらに2回、3回も危なげなく東大打線を封じ込め、3回までに5奪三振と圧倒する。
一方の打線は東大先発・江口直希に対し初回、1死から2番・浜岡陸(法2=花咲徳栄)がきれいに中前に運び出塁。3番・池田惟音(文2=静岡)は三振に倒れるも、4番・山下陽輔(営2=智辯学園)の打席で浜岡が盗塁を決め、山下も四球を選び一、二塁の好機。ここで打席には神宮初スタメンの5番・片山悠真(文1=八王子)が立つもニゴロに倒れ先制ならず。
しかしここから東大・江口直に苦戦を強いられる。チェンジアップやカーブなどの変化球と直球の緩急に苦戦し、凡打の山を築き2、3、4回と3者凡退。
5回には2死から8番・川崎広翔(営1=日大三)が四球を選び初回以来の走者となり、前日から打順を落とした9番・品川侑生(文2=三重)の当たりは大飛球となるもフェンス手前で失速し、右飛でチャンス拡大ならず。
丸山は5回に6番・伊藤滉一郎の二遊間を抜けそうな打球を遊撃手・石黒和弥(法2=高岡商)が捕球し、素早い動きで送球するも逸れ1死二塁のピンチを迎える。この場面でも自慢の速球と鋭い変化球が冴えわたり7番・杉浦海大を143キロの直球で空振り三振。続く打者も三ゴロに打ち取り先制許さず。
6回裏の攻撃。先頭・石黒が三遊間深くに打球を飛ばし内野安打で出塁、浜岡が初球で犠打を成功させる。さらに代打・中西悠陽(法2=八代)、山下も四球を選び1死満塁。この好機にまたしても打席には片山。「先輩たちが犠牲フライでもいいという場面で回してくれたので思い切って打席で振ることができました。」と語るように4球目を振り抜き、打ちあがった打球はライトへの犠飛となり1-0と先制。待望の先制点は1年生のバットから生まれた。
先制点をもらった丸山は7回はわずか8球で3者凡退。8回は先頭をニゴロ、続く打者を空振り三振に打ち取りこの日10個目の三振。さらに8番・青貝尚柾を143キロの外角直球で見逃し三振とし11個目。8回81球2安打11奪三振無四球無失点、自身最速の151キロの直球も飛び出し、東大打線を圧倒した。
9回は2番手・藤森粋七丞(キャ2=青森山田)が登板。先頭打者を直球で空振り三振に打ち取ると、テンポの良い投球で走者を許さず試合終了。
打線は3安打1得点と鳴りを潜めたものの、丸山の快投が勝利を呼び込んだ。
(記事:矢吹大輔、写真:高橋芽唯、朝長亜依)
クローズアップ:丸山陽太『フレッシュの舞台で最速更新!次世代を担う“151キロ右腕”は法大の柱となれるか』
2戦目の先発を任された丸山陽太(スポ2=成東)は、リーグ戦での苦い経験を糧にフレッシュで本来の投球を見せれるか期待された。「リーグ戦では自分のリズムで投げることが大事だと学び、投げたい球種を選ぶことも学んだ」と話す。「無四球無失点」を目標にマウンドに立った。
初回から3人で抑えるピッチングをし、攻撃のリズムを作らせない。ランナーを出しても冷静で、淡々とテンポ良くミットに投げ込み、援護を待った。
得意の直球はこの日さらに球威が増し、140キロ後半を連続でマーク。さらには会場もざわめく自身最速の151㌔を更新し、変化球もスライダーを始め、カーブやカットボールなどを投げ分け、三振を量産した。
6回には味方の援護もあり、さらにギアを上げ、先発という仕事を堂々とやり遂げた。終わってみれば8回2安打11奪三振、無四球無失点で1点を守り切る快投を見せた。丸山は「結果もですが、投球の内容もとても良かったので、嬉しいです」と笑顔が絶えなかった。
「行けるところまで行こう」という起用に応え、チームを勝利に導いた丸山の成長には目が離せない。次戦も「無四球無失点」という目標を立て意気込んでいる。将来の法大の柱と化けることができるのか、躍動を期待したい。
(高橋芽唯)
選手インタビュー
丸山陽太選手
ーリーグ戦を経験して得たことは、またフレッシュでどのように生かされたか
リーグ戦では、自分のリズムで投げることが大事だと学びました。キャッチャーの指示にずっと従うのではなく、自分で投げたい球種を選ぶことも学びました。フレッシュでは、両方のことをしっかりとやり、リズムの良いピッチングができました。
ー先発を任されたが、どのような気持ちでマウンドに上がったか
無四球無失点で抑えようと思ってました。
ー8回11奪三振無失点という結果を振り返って
結果もですが、投球の内容もとても良かったので、嬉しいです。
ーどこまで投げるというのは決まっていたか、また8回まで投げ続ける上で声かけはあったか
決まってなかったです。行けるとこまで行こうと任されてました。次の回も頼むぞと声をかけられました。
ー次戦の意気込みを
次も無四球無失点で抑えます。
片山悠真 選手
ー本日の試合を振り返って
自分たちが点を取れない中、丸山さんが粘ってくれたことが勝利に繋がったと思います。
ー自身の持ち味やアピールポイントは
自分の持ち味は初球から振れる積極性と長打力だと思います。
ークリーンナップでのスタメン出場でした
初めての神宮でのスタメンだったので少し緊張しましたがやってやるという気持ちが大きかったです。
ー東大先発の江口選手を攻略できない苦しい試合展開でした
チェンジアップやカーブなど打者の目線を外すのがうまいピッチャーでした。
ー6回の一死満塁で回ってきた第3打席では決勝の犠牲フライを放ちました
先輩たちが犠牲フライでもいいという場面で回してくれたので思い切って打席で振ることができました。
ー体大きくするためにしていることは
食事をする回数を増やすことと寝る時間をちゃんととることを意識してます。
ー明後日の順位決定戦への意気込みを
どこと試合になるかまだわかりませんが全力で頑張ります!