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【サッカーJリーグ内定記者会見】ロアッソ熊本内定・薬師田澪「僕が熊本を盛り上げる」親子で鍛えたロングフィードを武器に地元の救世主へ

法政大学体育会サッカー部内定者記者会見
12月2日 法政大学多摩キャンパス

来季よりロアッソ熊本に加入内定した薬師田澪(経4=大津)。法大で最もアツい男がついにプロの世界へ。闘志あふれるプレーで法大の守備を支えてきた。今季は主将・日髙華杜が不在時、キャプテンマークを巻き、チームをまとめあげた。最大の持ち味はボランチの経験を活かした長短のパス。ディフェンスラインから繰り出される前線へのロングフィードは必見。「父親がキックをひたすら教えてくれた」と親子でつかみ取った武器を携え、地元・熊本のために邁進する。

インタビュー

ーーオファーをもらった時の気持ちは
1月のキャンプに行ったときに、全日本に日韓戦に選ばれたり、イタリア遠征などで3日間しか練習に参加できませんでした。
5月にオファーもらった時には、本当に率直に嬉しい気持ちと、ここからがスタートだなと思いました。

ーー法政大学での4年間を振り返って
1、2年生の時は苦しい時期があったんですけど、ここで腐っちゃったら「自分も終わってしまうな」と思ったのでいろいろな法政の仲間と切磋琢磨してきました。
今こうやって、ロアッソ熊本で来シーズンからプレーすることができるので、法政の同期だったり後輩たちには本当に感謝しています。

ーー今季副将として何か意識してきたことは
日髙華杜(大津高・清水エスパルス内定)が天皇杯の予備予選で怪我してしまい、それでもなんとしても法政を1部に昇格させたいなかで「リーダーシップを誰がとる?」となって、自分がまとめることでチームも良くなっていくんじゃないかと思いました。
日髙がいなかったですけど、自分がチームを良い方向に持っていけるように、今季は副将としてやってきました。

ーー4年間で1番印象深い試合は
先日の1部参入プレーオフ慶大戦です。その前節の試合、最終節の優勝かかった試合で駒大に0-4で負けた。自分のプレーのミスから失点して、すごく悔しい気持ちで終わってしまいました。
その1週間は4年生の練習が伸びたとポジティブに捉えていました。プレーオフは引き分けでもダメだったので、「必ず勝ちにいく」という気持ちが全員強かったです。そこで勝利して昇格できました。
自分の中で味の素フィールド西が丘は聖地なので嬉しかったです。

ーー4年間でサッカー面、人間性としてそれぞれ1番成長した部分
サッカー面で成長したのは、自分のいろんな武器が出せたということです。
人間性の面は、4年間ずっと寮にいて、後輩たちと一緒にお風呂入ったり、一緒にご飯食べたりというところで後輩たちの面倒見ることができました。すごくかわいい後輩たちもいたので、そのなかでいろいろ成長したのかなと思っています。

ーー期待している後輩は
2年間相方だった梅津龍之介(経3= 鹿島アントラーズ ユース)です。
期待したい選手はたくさんいますけど、その中で自分の2年間コンビ組んだ梅津に期待したいです。
あいつには言いましたが、「どっかで一緒にまたプレーしたらいいな」とは話してました。自分がステップアップして、梅津もステップアップして、共にハイレベルな環境で「また2人でセンターバックを組もう」とは言っていたので、ほんとに梅津にも頑張ってもらいたいですし、他の選手にも頑張ってもらいたいなとは思っています。

ーーサッカー以外での思い出は
年に1回開催される学年での飲み会があるんですけど、学年で全員で集まることはできないので、そこでは仲の良さも深まりますし、サッカー以外の1番のイベントなのかなと思ってます。

ーー小さい頃から知っていて高校、大学と同じ日髙選手はどんな存在か
日髙はブレイズ熊本という熊本でも有名なクラブチームで、自分は河江FCという田舎の小学校の部活でプレーしていて、1度対戦したことがあります。
その時は日髙が10番をつけてCBをやっていたんですけど、自分は10番をつけてFWをやっていました。そこが初めてのマッチアップでした。一緒に九州トレセンだったり、FFPっていう大会に一緒に熊本県代表として6年生のとき出たこともありました。
中学ではまた離れたんですけど、高校で日髙が来ると知って、「うぉー」みたいになりました。でも、あいつ結構いじられキャラなので(笑)。自分は高校のときからずっといじっていて、嫌というほどいじっていました。
サッカーをやるときはやりますけど、日常生活でやらないときはやらないので、あいつは(笑)。でもそこはやっぱりあいつらしいなと思いますし、プライベートでも普通にご飯行ったりとかはもう高校の時からずっと行ってたので、すごく7年間共に過ごして良かったなと思ってます。

ーー高校、大学と6番だったが6にした理由
高校は、自分が高校3年生になって、トップチームで出はじめるようになった時に6番がたまたま空いていたのでつけました。
大学で4年生になって、高校つけてた6番をやっぱつけようかなと。それだけです(笑)。練習試合で使う番号が26だったのも6が入っていることもありますし、空き番号だったので26でいいやと思って26にしました(笑)。

ーーロアッソ熊本でつけたい番号は
6番です。高校、大学と付けていた番号なので、6番背負って熊本でプレーしたいなと思います。

ーー同期、後輩それぞれに伝えたいこと
同級生はほんと4年間切磋琢磨して、たくさんの同級生に支えてもらいました。プライベートとかもいろいろなことを迷惑かけましたし、同級生にも迷惑かけました(笑)。
プライベート、それこそご飯食べに行くとなると、いろいろな人にて手助けしてもらったりとか、大変なことになってしまったのでそれで、同級生にはほんと、たくさん支えてもらって。高校より大学の方がやっぱり楽しさというか、制限がなかったので、ほんとに楽しく過ごせたなと。
後輩たちは、自分が4年生、今年、今シーズンは4年生が全然試合出ていなくて、後輩たちが出る試合多かったんですけど、後ろの、やっぱり寺田周太(経3=法政二)だったり梅津だったり、保田成琉(社3=阪南大高)だったり櫻井稜(経3= 鹿島学園)だったりっていうのは、ほんとに感謝してました。いろんな場面で救ってもらったりとかあったので、もう本当に後輩たちには感謝してます。

ーーJで対戦が楽しみな選手は
大津高出身だと森田大智(早大・AC長野パルセイロ内定)ですね。
この前の後期の早大戦でキャプテンマークをお互い巻いて対決したときは、砲塔に嫌な選手で、上手くてボールも取れないです。あいつとはもう1回ボランチで勝負したいです。本当にあいつには負けたくないなと思っています。

法政の同期だったら、内定した全員です。
日髙と相澤デイビッド(ヴィッセル神戸内定)と洪怜鎭(V・ファーレン長崎内定)と大畑凜生(清水エスパルス内定)。
彼らはJ1で、自分はJ3ですけど、そこはもう関係ないと思っています。あいつらはJ1でずっとプレ一すると思うので、自分がそこにたどり着いて、「待ってろ」って感じです。待っててもらって、自分が成長した姿をもう1回見せれるようにしたいです。

法政OBだと、2個上の渡邉綾平(令5年度卒・アスルクラロ沼津)と、3つ上の萩野滉大(令4年度卒・FC岐阜)。楽しみにしています。2個上の渡邉綾平くんは、本当に2年間お世話になりましたし、たくさん学ぶものがあったので、自分が成長した姿を見せたいです。3つ上の萩野滉大くんは自分が1年生のとき、キャプテンで、1年間お世話になった感謝の気持ちもあるので、萩野滉大選手にも、成長した姿を見せるように頑張ります。

他大学の選手で言うと、流経大のキャプテン・渋谷諒太(松本山雅FC内定)と明大のキャプテン・島野怜(柏レイソル内定)。あと、東洋大の湯之前匡央(カターレ富山内定)、荒井涼(ガイナーレ鳥取内定)と、早大の山市秀翔(川崎フロンターレ内定)。
数えきれないぐらいいるんすけど、この5人は、「負けたくないな」と思いますし、涼(荒井涼)とか匡央(湯之前匡央)とかしぶ(渋谷諒太)に関しては関東Bで一緒にプレーして。山市(山市秀翔)と怜(島野怜)に関しては、全日本選抜だったり、イタリア遠征もそうですし、日韓交流戦のときも一緒にいて、あいつらのリーダーシップからは学ぶものがたくさんあって、人より先に先頭立ったり、チームをまとめていたので、学ぶことはあったのかなと思います。

ーー法大OBでロアッソ熊本所属の大西遼太郎選手とは
遼太郎くんは、キャンプの練習参加したとき「よろしくお願いします」って伝えたら「お、法政か」って言われたので、5つ6つぐらい違いますけど、優しかったです。
まだちょっとしか話してないですけど、優しい印象があります。

ーー熊本県の好きなところは
阿蘇山だったり、黒川温泉、あとはばってんの湯。自然は菊池渓谷だったりとか、いろいろなたくさんのところがあるんですけど、1番だったら阿蘇山ですね。

ーー家族への感謝は
小さい頃からサッカーをさせてもらって、感謝しています。
父に関しては、小学校のキッズサッカーからずっと監督でした。めちゃくちゃ厳しくて、その環境で育ってきました。地元の友達も分かっていると思うんですが、自分は「嫌」になるぐらいサッカー漬けでした。「遊ぶことよりもボールを蹴れ」と父に言われていたので、遊ぶことすらできなかった状況です。
それでも、ここまで来られたのは父のおかげなので感謝しています。来年からは、自分が恩返しをする立場です。たくさんお金もかかっていたでしょうし、服やスパイクなどの消耗品にも費用がかかったと思うので、そこで恩返しをしていきたいと思っています。
母は、父が監督で自分がプレーしているときの動画を撮ってくれたり、美味しいご飯を作ってくれたりしていたので、本当に色々と感謝しています。来年から両親には感謝をし、恩返しができるようにやっていきたいです。
あと、9歳上の姉がいますが、小さい頃から面倒を見てもらいました。姉がいなかったら、今の自分はいなかったと思うので、感謝しています。
来シーズンから実家から通うことになるので、10年ぶりぐらいにに家族4人が揃うということで、楽しく過ごしていきたいなと思っています。

ーー目標とする選手はいるか
自分です。目標する選手はいないですけど、自分を超えれるように常に限界までやっていきたいなと思います。

ーーロアッソ熊本にはどんなイメージを持っているか
監督が変わってしまったんですけど、サッカーが極端に変わる訳ではないと思うので、常に足元の技術を上げてやっていきたいなと思ってます。

ーーJ3降格という結果になってしまったが、どう受け止めてるのか
スカウトからオファーをもらった時に「キャリアのステップアップの場にしていいから、ここでプレーしてほしい」と言ってもらったときは本当嬉しい気持ちでした。
自分としてもJ2でプレーしたいとは考えていました。J3に落ちた瞬間は、自分はプラスに捉えていました。J3ですけど、ステップアップしてJ2、J1っていう立場に押し上げていきたいと思ったからです。
今、熊本は暗い雰囲気になっているかもしれないですけど、自分はそこでリーダーシップを持って、1年目からキャプテンマーク巻くつもりでやっていきたいと思っています。

ーープロ1年目の目標、将来の目標は
プロ1年目の目標は、「開幕スタメンから出る」ことです。
「キャプテンを誰がやるか」となったら、積極的に手を挙げて、僕が熊本を盛り上げて、チームとしても引っ張っていけるようにやっていきたいです。
1年目で開幕スタメン。常に無失点で抑えて、なおかつ点も決められる選手になりたいです。
将来の目標は、日の丸の背負って子供たちに夢や希望を与えられる選手になりたいです。海外でプレーしたい気持ちもあります。
小中高で部活動でサッカーをしてきました。ユースじゃない部活動出身でも、結果を出せることを示していきたいです。

ーーロアッソ熊本のファン・サポーターにむけて
ファン・サポーターの皆さん、来シーズンからロアッソ熊本に加入する薬師田澪です。
今年は苦しいシーズンだったと思いますけど、来シーズンから自分がこのチームを引っ張って、1年半でJ2に戻すので、必ず会場に、そしてスタジアムに足を運んでいただけたらなと思っています。
そして、近くに両親がや友人も近くにいるので、いろいろな人を招待できるように、ほんと覚悟を持って熊本に帰るので、1年目からリーダーシップ持って、キャプテン巻くぐらいの気持ちで熊本引っ張っていけるように頑張っていきたいので、応援よろしくお願いします。

(インタビュー:髙橋明日香)

薬師田と日髙華杜(清水エスパルス内定)。熊本で幼少期から知るふたりのプロでの再会が待たれる。

山禄涼平(スポ1=東福岡)との九州出身同士の2ショット。薬師田も後輩たちに「感謝している」と話す。

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