【フェンシング】関東学生リーグ戦3、4日目 男子サーブル圧倒的強さでV3達成!女子エペは1部へ昇格ならず・・・
関東学生フェンシングリーグ戦
2014年5月20日(火)21日(水)
駒沢オリンピック公園体育館
大学フェンシング界で確固たる地位を築く法大。その中でも、最も期待の集まる種目が男子サーブルだ。主将の吉田を中心にリーグ戦を制することができたのか。また2部に甘んじている女子エペは、入れ替え戦への挑戦権獲得に動き出す。
出場選手 | 試合詳細 | 最終順位 | |
---|---|---|---|
男子サーブル | 吉田健人(法4)安藤光平(法3)大崎葵一(営2) | ○法大45-18明大 ○法大45-22日大 ○法大45-25専大 ○法大45-19早大 ○法大45-27中大 | 優勝 |
女子エペ | 大石栞(法4)小林未来(文3)池田五月(文2)池田亜優(法1) | ○法大45-26青学大 ●法大44-45明大 ○法大45-18学習院大 ●法大42-45東農大 ○法大45-44慶大 | (2部)2位 |
男子サーブル 「常勝軍団」敵なしの全勝優勝!
大会3日目に登場した男子サーブルはまさしく圧倒的な強さでリーグ3連覇を成し遂げた。
法政の”お家芸”といえる男子サーブルはまず初戦の明大戦を大勝発進すると、2戦目は昨年、王座、関カレで苦汁をなめた日大と対戦。しかし、まったく危なげない試合運びで45-22とダフルスコアをつけて完勝し、今年のサーブルの強さを見せつけた。その後の試合も序盤から連続ポイントを決め、一気に勝負をつけていく。全て20点差以上をつける圧巻の戦いぶりで最終戦へ臨んだ。全勝で迎えた最終戦は主将吉田が「自分たちの次に強い」と評する中大と激突した。1セットは安藤が5-2と流れをつくり、続く吉田が一度追い付かれるもすぐさま突き放していく。5セットで大崎が捲られるがなんとか5点差で吉田につなぐと、ここからはサーブル陣の強さが目立った。
吉田、大崎、安藤がポイントを稼いでいき、再び最後回りの吉田がこのリードを守り、全勝優勝。リーグ3連覇を決めた。
昨年、圧倒的な戦力を所持するも王座、関カレは共に優勝を成し遂げることができなかった。今年は全ての大会制覇へ、この大会で見せた「強さ」そのままに4冠に向け、まず一歩目を踏み出した。
女子エペ 新チームで挑んだ1部昇格への戦い
昨年は苦戦が続きながらも、12月に行われた全日本選手権で準優勝を勝ち取った女子エペは今年、1部昇格を目指してのシーズンが始まった。
さっそくメンバーをいじってきたのは女子エペ。昨年1年生ながらレギュラーとして活躍した池田五月を2年目にして最後回りを任し、ルーキーである池田亜優をいきなりスタメンで起用した。そうして迎えた青学戦はその二人に加え、小林も安定したプレーを見せ、白星を飾った。続く試合には昨年関カレ王者の大石を起用し、明大戦へ。リードされる展開が続くが7セット目で大石が3点差を逆転。そのまま逃げ切りたいところであったが最後回りの池田が苦戦。追い付かれ、勝負は一本勝負へ、ポイントのランプが点ったのは明大。一歩届かず無念の敗戦となった。
昇格へ向けてもう負けられない法大は次戦を勝利し、2勝1敗で昨年敗れた東農大と対戦。しかし、中盤に逆転され敗北。この時点で昇格の夢はなくなった。
それでも最終戦は一進一退の攻防。そして、リードして最終セット、登場したのは明大戦で一本勝負を落とした池田五月。同点になり再び一本勝負に。「みんなの声が力になった」とリベンジを誓った池田は見事一本勝負を制し、最終戦を白星で飾った。
苦しい戦いのなかでも新戦力や新たな配置を試み、戦った女子エペ。この経験が今後の糧になるはずだ。さらなる女子エペの躍進に期待だ。(芳野史征)
選手のコメント
吉田健人(主将としてチームを優勝へ導く)
ー優勝の感想をお願いします
優勝できると思って(リーグ戦に)臨んだんですけど、(相手が)30点いかないロースコアで全部の大学に勝てるとは、正直思っていなかったです。
ー全勝優勝は狙っていましたか
はい。狙っていて、できるものだと思っていました。
ー全試合大差での勝利でしたが、その中でも気をつけた点は
リーグ戦が始まる前にメンバーと、連続で点を取られたらマスクを取るなど自分なりに気持ちを切り替えようと話し合いました。以前、切り替えができなくて自分が(点数を)まくられた試合があったので気を付けようと話をしました。結果、連続で点を取られたときに切り替えることができたので、それが気を付けられた点です。
ー全勝優勝をかけた中大戦を振り返って
最初はあまり点差がなくて、ひと回り目くらいは怖かったんですけど、徐々に点差を広げられて最後のセットは楽な気持ちで試合に臨めました。
ー相手の主将、中島選手との対戦について
正直、得意な相手ではなくて試合では対戦したくないんですけど、今回はスムーズに点を取れて、これからは良い印象で対決できそうです。
ー優勝が決まり選手たちから胴上げをされていましたね
されると思わなかったです。びっくりしました。
ーこれでサーブルはリーグ3連覇を達成しましたが
3連覇というよりは、総合優勝の方が気にかかっています。3連覇は嬉しいですけど、とりあえず(明日以降に行われる)エペに頑張ってもらいたいです。
ー総合優勝8連覇の可能性が残ります
(エペは)優勝できないメンバーではないと思うので、自分も精一杯応援して総合優勝を狙いたいと思います。
ー主将として初めて臨む大会ですがプレッシャーなどはありましたか
今まで4年になるまでは、試合の前日など緊張しなかったんですけど、4年になって最後だと思うと3日前くらいからそわそわ緊張しだしました。初めての経験であまり夜も寝れませんでした。最後のリーグ戦と考えると緊張は大きいです。
ーそれは個人のことよりもチームのことを考えて出てくる緊張ですか
そうですね。総合優勝のこととか色々考えてしまって、プレッシャーはありました。
ーチームの雰囲気は
サーブルチームは仲良く良い状態でやれています。フルーレはもう少し仲良い雰囲気でやってほしいですね。エペは良い雰囲気を作れると思います。
ー吉田選手から見て安藤、大崎両選手はどのように映りましたか
安藤は前まで団体戦が苦手だったんですけど、今は安藤らしいプレーを出せるようになって自分は安心して見ています。大崎も安定感はまだないですが、2年生ながら思い切ってできているのでこれから期待できる後輩です。
ーこれから取り組みたいことは
リーグ優勝して気を抜かずに、相手は挑戦者として向かってくるのでしっかり練習して王座でも今日のような大差で勝ちたいと思います。
ー王座に向けて
去年王座で悔しい思いをしたので、絶対に優勝を取ります。
安藤光平(チームに勢いを呼ぶプレーを連発)
ー優勝の感想は
嬉しいです。
ー今日の3試合を振り返って
全試合圧勝ではあったんですけど、所々自分が連続失点してしまう場面があったので、そういうところををなくしていければ良いかなと思います。
ー何度も対戦経験があるという中大の曽我選手との試合は
お互いやり慣れていたので、癖とかもわかっていてやりづらさもあるんですけど、結果的にリード出来たので良かったと思います。
ー今リーグを振り返って
優勝したのは嬉しいですけど実力的には当然の結果だと思うので、王座でも気持ちが緩まないように集中してやりたいなと思います。
ー今後取り組んでいきたいことは
さっき言ったような無駄な失点を無くすことですね。あと判定に納得がいかないとすぐ不機嫌になってしまうので、そこを直したいと思います。
ー王座に向けて
また圧勝します。
大崎葵一(堂々と戦い抜いた期待の2年生)
ー優勝のお気持ちはいかがですか
素直にうれしいです。
ー今リーグはどんな意気込みで臨みましたか
先輩が入院で急遽3番手として出ることになったのですが、その分頑張って先輩を王座連れていけるように必死にやりました。
ー昨年王座、関カレで破れた日大戦について
自分は見ていただけだったのですが見てるだけでも結構悔しかったので、結果大差でしたけど最後の方まで気を抜くことなくできたのでよかったと思います。
ー全勝で迎えた中大戦について
中大は昨年全日本でやっていたんですけど、その時やらかして結構やりたくない気持ちがあったんですけど、経験生かして頑張っていい結果になってよかったです。
ー自身のプレーについてはいかがですか
技術足りないと思っているんですけど、頼もしい先輩がいるので見習って、とりあえず必死に全力でやることを意識しました。
ー吉田選手、安藤選手のサーブルチームはどんなチームですか
他の大学と比べるとメンバーが揃っていて、その分競争率も高いのでとてもいいチームだと思います。
ーリーグで見えた課題は何ですか
(攻めを)急いでしまうんですよ。アタックとかも急いだり、あせったり相手に向かっていけないところがあるので、試合中は落ち着いてプレーしないといけないと思いました。
ー王座へ向けて一言お願いします
王座は昨年いっていないので今年は初めてですけど、変わらず全力でやって次につながるような試合をしたいです。
小林未来(中心選手として下級生の頃から活躍)
ー今リーグを振り返って
自分が王座に出るには今回1部に上がらなければいけなかったのですが。負けてしまったのは悔しいですが仕方ないので、来年は1部に上がって欲しいです。技術面の課題よりも一人一人の団体戦での役割や状況に合わせたプレーが出来るようにしていかなければいけないと思いました。自分は昨年からエペのキャプテンをやっているんですけど、高校でキャプテンを経験した時とは違って、上級生になってチームをまとめる大変さとか、自分の中でも不安や迷いが大きかったです。下級生に頼ってしまう部分もあったんですけど、少しずつ次の関カレ、インカレに向けてチームをまとめられる人間にならなければいけないと思いました。
ー敗れた試合は接戦でしたが
結局最後は後輩に任せる形になってしまって、すごく見てるのが辛かったですね。もっと前で余裕があれば楽に試合を出来たと思います。昨年まで最後まわりをやっていたんですけど、今年は下級生にやってもらってて、もちろん作戦もあるんですけど。でも見ていて辛かったです。
ー1ポイント差で勝利した慶大戦は今後につながる試合になりますか
直さなければいけないところが明確に見えた試合だったかな、とは思います。
ー1年生について
エペを始めてまだそんなに経っていないので、もっともっと教えていきたいと思います。エペは自分と池田の2人でやってきてやっと揃うので、しっかりエペチームとしてやっていきたいです。
ーこれからの課題については先ほどおっしゃっていたように技術的なものではない、ということでしょうか
そうですね。チームの雰囲気づくりとか気持ちの問題だと思います。
ー今後に向けて
2部なんですけど関カレもインカレも優勝する気で頑張って取りにいきたいです。全日本も出場することは決まっているので、今度は優勝出来るように課題を一つ一つクリアしながら頑張っていきたいです。
池田五月(最終セットを託され一本勝負を2試合経験)
―リーグ戦を振り返って
昨年よりも責任感を持って試合をすることが出来たと思います。
―今リーグにどんな意気込みで臨みましたか
今2部なので1部にあげたいと思って、1部に上がることを目標にやっていました。
―リーグ戦で最後回りを務めることがありましたが
(小林)未来先輩に最後から2番目でノビノビとやってもらって、自分が最後しっかり抑えられたらいいと思ったんですけど、そうは上手くはいきませんでした。
―2戦目の明大戦では最後回りで一本勝負で敗れてしまいました
あんまり覚えていないんですけど、気持ちで負けてしまって、44-44っていう場の空気にまだ慣れていなくて、相手の気迫に負けた、という感じです。
―最終戦では逆に一本勝負を見事制しました
やっぱり44‐44になると、昨日の明治戦のことが頭に出てきて、マイナス思考になってしまったんですけど、先輩たちが「リラックスして」「大丈夫」とかアドバイスをくださって、それで自分的には昨日より楽に試合をすることができました。
―今リーグの課題はなんですか
チームとしてもっと団結力が必要だと思ったのと個人個人が自分の役割をしっかり果たすことをもっと意識して試合しないといけないなと思いました。
―今後に向けて一言お願いします
関カレ、インカレと続くのでそこでしっかり優勝できるように頑張りたいです。
池田亜優(1年生にしてリーグ戦デビューを果たす)
ー初の団体戦となりましたがリーグ戦を振り返って
自分は大きな大会でエペに出たことがなかったので、すごい緊張しました。昨日は自分がやれる仕事をしっかりできなかったので、今日はしっかりやろうと思いました。自分がたくさん点を取ることは難しいと思ったので、なるべく次の選手に良い形でつなげられる試合をしようと思って頑張りました。
ー大学からエペを始めたのですか
高校はフルーレをメインでやっていて、エペは週1くらいでしかできませんでした。大学ではエペをやります。
ーリーグ戦の収穫と課題は
良かった点はあまりなくて、課題がたくさんあります。ベンチの盛り上げや、プレー面では相手に合わせて自分の動きができなくて点を取られることがあったので、次はしっかり自分の動きをしたいです。
ー先輩から何か声は掛けられましたか
試合に入る前に「緊張しないで良いよ」や「楽しんでおいで」などすごい声を掛けてくれたので、リラックスして(試合に)入ることができました。
ー大学生活での目標は
まだまだ自分は強くないので、大学で先輩方の指導をしっかり受けて団体で活躍できるような選手になりたいです。まずは、遠征メンバーに入れたら良いなと思っています。
ーこれからに向けて
練習に集中して努力を怠らずに、頑張っていきたいです。
フォトギャラリー
- 鋭いアタックが魅力の安藤
- サーブルの成長株・大崎
- 最後は一本勝負を勝ち切った池田五月
- エペのキャプテンを務める小林