【テニス】関東大学テニスリーグ 対明治大学 勝利まであと1ゲーム…まさかの逆転負けで手痛い1敗
平成26年度関東大学テニスリーグ 対 明治大学
2014年9月2日(火)
有明テニスの森公園
インカレが終わり1週間が経った。今日からのリーグ戦は団体戦、法政大学を背負い2年ぶりの王座に向けた戦いが今始まった。初戦は明治大学との対戦、勝負は終盤までもつれる展開となったが…
試合結果
トータル試合結果
4 法政大学 |
2 |
ダブルス |
1 |
5 明治大学 |
---|---|---|---|---|
2 |
シングルス |
4 |
ダブルス
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 | |
---|---|---|---|---|
D1 | ○ | 松森裕大(社4)・大友優馬(スポ3) | 6-4,6-2 | 小野陽平・諱五貴 |
D2 | ● | 中島佑介(スポ3)・塚越雄人(経2) | 4-6,2-6 | 奥田圭都・弓立祐生 |
D3 | ○ | 小林理久(スポ3)・長田和典(スポ2) | 6-4,6-4 | 西脇一樹・渋田大樹 |
シングルス
勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 | |
---|---|---|---|---|
S1 | ● | 竹内遥丞(社4) | 1-6,5-7 | 小野陽平 |
S2 | ● | 大友優馬 | 0-6,6-1,2-6 | 奥田圭都 |
S3 | ● | 小村拓也(経3) | 2-6,7-5,6(3)-7 | 熊倉周作 |
S4 | ○ | 杉本椋亮(社3) | 7-5,7-5 | 弓立祐生 |
S5 | ○ | 大塚拳之助(経4) | 6-3,2-6,7-6(7) | 渋田大樹 |
S6 | ● | 中島佑介 | 1-6,1-6 | 西脇一樹 |
戦評
まずはダブルス3組から。好展開を見せたのは、D3の小林・長田ペアだ。第1セットは互いにサービスゲームを譲らず、キープし合う展開に。4-4で迎えた明大のサービスゲーム、リターンから相手のミスを誘い、ついにブレイク。続く第10ゲームも、小林がサービスで攻めると長田がボレーを決めるなど息の合ったプレーを見せ、接戦の末にセットを奪う。第2セットは序盤に流れをつかんだ小林・長田ペアが一気に5‐2に持ち込むも、そこで相手も意地を見せる。ワンブレイクを奪い、続くサービスゲームも小林・長田ペアを寄せ付けず、5-4と迫る。ここで明大に流れが傾くかと思われたが、再び小林が強烈なサーブで攻め、ついにマッチポイント。最後は相手のリターンボールを長田がボレーで合わせ、勝ち星を得た。D1の松森・大友ペアは第1セット中盤に相手に流れを渡す場面があったものの、それ以降は安定した試合運びで勝利。D2の中島・塚越ペアは夏の関東学生テニストーナメント大会3位の奥田・弓立ペアに苦戦を強いられ、敗北。しかし、常に課題として挙げられていたダブルスを2勝1敗で終え、上々の立ち上がり。折り返し、シングルスへ臨んでいく。
シングルスは、ダブルスの疲れもあったか、中島が1‐6、1‐6で完敗。しかし、主将大塚と今夏急成長の杉本が魅せる。大塚は「一戦一戦楽しんでやっていきたい」といった言葉通り、積極的に声も出しつつ、終始良い雰囲気で試合を進める。しかし第2セットを落としてしまい、勝負は最終セットへ。序盤にブレイクされるがすぐさま取りかえし、一進一退の攻防が続く。なかなか勝敗は決せず、6-6となりタイブレークに入る。5-1と突き放すも、4連続得点で一気に追いつかれてしまう。お互いにミス待ちのラリー展開が続いたが、4年主将の気持ちの強さか、大塚が粘り勝ち。貴重な一勝をもたらした。杉本は2セットともに7-5という激戦を繰り広げ、ギリギリの状態から勝利を手にするメンタルの強さがうかがえた。ここまでダブルス3試合・シングルス3試合の計6試合を終えて、4-2。S1~S3で一つでも勝ち星をあげれば勝利、というところまで迫った。
しかし、ここからが大波乱だった。S2の大友は第1セットをまさかの0-6で落とし、第2セットは立て直して奪うも、最終セットは2-6。全日本学生テニス選手権大会ベスト4の法大の核に大ブレーキがかかった。S1竹内は、春の関東学生テニストーナメント大会決勝を戦った小野と再戦。しかし竹内も明大のエース小野に押され、第1セットは1-6と粘りを見せられない。第2セットはキープキープもしくはブレイクブレイクと互角の戦いを続けたが、最後の最後に5-6でブレイクを許し、敗戦。チームの命運は小村に託された。
小村は第1セット、長いラリーの中で先にミスをしてしまう場面が相次ぎ、2-6で落としてしまう。第2セット中に徐々に自分のペースをつかみ、デュース続きのゲームを制し、7-5と辛くもセットを奪う。運命のファイナルセット。先にブレイクを奪ったのは小村だった。ブレイク後のサービスキープに不安のあった小村だったが、何度もアドバンテージとデュースを繰り返し、粘り勝ち。その後のゲームもブレイクし、4-1に。続くサービスゲームは不安な出だしだったが、0-40から一気に得点しキープに成功する。ついに勝利まであと1ゲーム。しかし、勝ち急いだか、そこから連続してゲームを奪われてしまう。5-4のあたりからは小村の足がつり始めてしまい、動かなくなっていく。5-6でメディカルタイムアウトを取り、第12ゲームは相手のミスにも助けられなんとか立て直し6-6に持ち込みタイブレークへ。2ポイントを先取し、ベンチも一層盛り上がる。が、もう限界が来ていた小村の足は思うように動いてくれなかった。チームの声援を一身に受け両足を引きずりながらもプレーを続けたが、タイブレーク3-7で試合終了。法大シングルス三本柱が全敗し、惜しくも4-5で明大に敗れた。
初戦、それも最後まで勝利の可能性があったなかでの敗戦。選手たちも試合後はかなりショックな様子が見て取れた。しかしその中で主将大塚は涙を見せず、試合後に応援に来ていた人々にこう語った。「負けてしまいましたが、まだ初戦。僕はみんなとチームのために本気で戦っているのが何よりも一番楽しいです。だから最後まで、どんなに足がぼろぼろになっても必ず戦い抜きます。」まだリーグ戦ははじまったばかり。手痛い敗戦ではあったが、選手たちは次を見据えて、全力でプレーしてほしい。(須藤未来)
監督コメント
植村直己監督
―今日の試合を振り返って
ダブルスに関しては、大友・松森はいい形で試合できましたね。松森はいつもミスしちゃうと気持ちが沈んでしまうんですけど、今日はそういうこともなく、ああいうプレーをすれば彼らは強いんでね。サーブもよかったしストロークもよかったし、何よりも積極的でしたよね。ようやく最後にいいプレーをできたというか、ああいうプレーを他の人たちもしてくれるとよかったですね。中島・塚越は逆に気負いすぎて、体に力が入ってしまって。速いボールを打とうとしすぎていたと思うんでね。それよりも自分のボールでコートに入れたほうがよかった、ちょっとオーバーペースだったと思いますね。相手はそんなにオーバーペースにならずにしっかり自分のボールを入れて、そんなに速くはないけど浮かないボールを打っていましたね。それを彼らにやってほしかったというか、自分のペースをコントロールするのを超えてしまうようなボールを打とうとしてミスをしてしまった感じです。気持ちが先行してしまっていた部分があったかなと思います。小林・長田はいつも通りの落ち着いたテニスで、自分たちの力を出し切るテニスをしていたし、小林はサウスポーだったり長田はフォアハンドが強かったりして相手も嫌だっただろうし、何よりあの二人は試合前に物怖じしないタイプなんでね。そこはよかったですね。今日すべて終わって考えると、ダブルスが終わって2-1で勝ってて「いけるだろう」って思ってしまった部分があったのかなと。昨年は明大に対してダブルスは1-2で負けていて「(シングルスで)やらないとやられる」っていう部分があって、今年はその逆で勝っていて(シングルスは)守りに入ってラケットが振れていないなって。でも心配していた杉本、大塚が勝って。あの二人はどちらかというと厳しい対戦で、(杉本と対戦した)弓立君というのは法政に強くて、うちが苦手としていた相手で、(大塚と対戦した)澁田君というのは夏関でベスト4に入っていて今伸び盛りの選手に、ファイナルタイブレークで勝ち切ってここまではこっちの流れだったんだけれども、中島が「勝たなきゃいけない」という気持ちで守りに入ってラケットも何も振れずに終わってしまって、あとの3人は第1セットを全員落としていて、小村が2-6、竹内が1-6、大友が0-6とそこがまずかったですよね。なんでまずかったかというと、その前のコートに入っていた杉本とか大塚の試合がすごい長い試合でそれを気になって見ていたと思うんですよ。そこでもう少し自分の試合に集中してアップとかして臨んでいればなと。試合を見ていて、みんな動きが悪くてね。第1セットとられるとそこから挽回というのは精神的にきついというか、大友は第2セットとったんだけれどもそこでまた安心したのか、ファイナルセットでは離されてしまいましたよね。大塚も言っていたんですけど、「自分の仕事をしなさい」と。自分が1勝すればいいんだから、あまり気にしすぎないで集中していた方がよかったかなと思いましたね。最後小村は、明治のなかでも一番嫌な選手に当たってしまって、(小村と対戦した)熊倉君というのはトレーニングもちゃんとしていて、最近伸びてきている真面目な選手で、(小村が)ファイナルセットも5-1でリードしたけれどもリードしていても安心してしまうというか「早く終わらせたい」という気持ちが働いてしまって悪い部分が出てしまって。これもすべて結果として出てしまったのは実力ということなのでまず受け止めることから始めないと、次にいけないと思うのでね。明日は勝てるだろうではなくて今日負けたんだから気持ちをリセットさせてまだ1戦終わっただけなので、明日いいテニスをしてその次の慶應戦につなげていかないといけないのかなと思います。
―結果的には、法政シングルスのエース3人が負けてしまってチームも敗れるという形になってしまいました
リーグ戦というのは、ランキングというのはあまり関係なくなってしまうというか、特に最上級生が頑張ったときはいい結果が出るんですよね。うちとしては松森とか、大塚とか勝ったんですけど最後明治の4年生3人が結果的に勝ったというのがリーグ戦強いなと思わせるものがありましたね。
―最後小村選手の試合は監督としてどう振り返りますか
気持ちが守りにいくとラケットが振れなくなる、打っていかないとね。スピンをかけて粘っているだけで第1セットとられて、しっかり打ちだしてからはボールが伸びていって第2セットは取り返してファイナルセットもいい流れでいったんだけれども、だんだん疲れていって「早く、早く」ってなってしまって、各ゲームの1ポイント目をほとんど落としていたと思うんでね。相手が高いボールで小村に打たせないようにしてきて、本当はあれを打たなきゃいけないんだろうけど、小村のようなスピードボールにはああいう作戦はよくやってくる作戦なので小村は我慢して打てるボールがきたら打つということをしていかないといけなかったですね。もう少し打ち切れればよかったですね。
―今後の試合に関して
さっきキャプテンとも話して、気持ちが守ってラケット振れなくなると負けるし、強気でいってラケット振り切れればポイントとれるし、「勇気をもっていくしかないんだ」と。「守っていてもだめなんだ」と。とにかく切り替えて明日いいテニスして勝って慶應戦に臨もうと。こんなところで泣いてないで、王座優勝を目指しているんだからこれから全部に勝たないといけないわけで、負けは負けで受け止めてまだ実力の出し切れていない選手も多いのでそういう選手は自分の力を出し切ることですね。勝とうとか勝ち負けのことではなく、実力を出し切ること、1ポイント1ポイント全力を出し切るといいプレーがでて楽しいと思えるんですよね。だから勝ち負けよりも1ゲーム1ポイントに集中してやろうって話していました。「大事なのはいかに挫折から早く立ち直るか。テニスだけではなく今後にもつながると思うので、ここでズルズル負けるのではなくいかに立ち直るかが大事だ」とみんなに伝えました。
フォトギャラリー
- S3の小村はあと1歩及ばなかった
- フルセットの死闘を制したS5大塚
- S4杉本は法大キラー相手にストレート勝ち
- D1の松森(右)・大友ペア
- D3の小林(右)・長田ペア
- S1の竹内は第2セットは粘るも惜敗
- S6の中島だったが無念のストレート負け
- 最後まで全力で戦い抜く