【ラグビー】関東大学ラグビーリーグ戦 対日大 積極的アタックで9トライ!2ヶ月ぶりに白星を挙げる!
関東大学ラグビーリーグ戦 対日大
2016年11月19日(土)
江戸川区陸上競技場
関東学院大戦での敗戦から3週間が経った。選手権出場に向けても「絶対に負けられない戦い」が続いている中迎えた日大戦。この間にしっかりと準備を重ねてきた法大は、これまで不安だった試合の入り方を修正し、先制に成功。早い時間から試合の主導権を握る。さらに課題であったディフェンスを強化。低く刺さるタックルで相手を圧倒し、積極的なアタックで最終的には9トライを奪って57-24とし、中大戦以来となる白星を挙げた。
試合結果
トータル試合結果
57 |
33 |
前半 | 7 | 24 日本大学 |
---|---|---|---|---|
24 | 後半 |
17 |
ポイント詳細
5/4 | T | 1/3 |
---|---|---|
4/2 | G | 1/1 |
0/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
※(カッコ内)は前半/後半表します
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 西内勇二 | 経4 | 東福岡 |
2 | HO | 大澤翔舞 | 営3 | 長崎北 |
3 | PR | 金子崇 | 社3 | 東福岡 |
4 | LO | 塩見伊風 | 社2 | 長崎北 |
5 | LO | 牧野内翔馬 | 社4 | 東福岡 |
6 | FL | 斉田倫輝 | 経3 | 仙台工業 |
7 | FL | 佐々木嵩穂 | スポ3 | 桐蔭学園 |
8 | NO.8 | 増田和征 | 経3 | 京都成章 |
9 | SH | 根塚聖冴 | 経2 | 京都成章 |
10 | SO | 金井大雪 | 経2 | 深谷 |
11 | WTB | 東川寛史 | 経3 | 東福岡 |
12 | CTB | 呉洸太 | 2 | 大阪朝鮮 |
13 | CTB | 矢澤巧久留 | 社4 | 御所実業 |
14 | WTB | 中井健人 | スポ2 | 筑紫 |
15 | FB | 井上拓 | 社1 | 御所実業 |
16 | Re | 黒田圭汰 | 社3 | 報徳学園 |
17 | Re | 川越藏 | 現2 | 高鍋 |
18 | Re | 坂本大樹 | 経4 | 正智深谷 |
19 | Re | 五反田拓巳 | 経3 | 法政 |
20 | Re | 松島史弥 | 2 | 尾道 |
21 | Re | 中村翔 | 経1 | 東福岡 |
22 | Re | 山根雄矢 | 経1 | 尾道 |
23 | Re | 尾崎達洋 | 社3 | 桐蔭学園 |
戦評
気温13℃、早朝の雨でグラウンドがぬかるみ、決して良いとは言えない状況下で行われた日大との一戦。10月31日に行われた関東学院大戦で痛い一敗を喫し、全国大学ラグビー選手権大会出場に向けて「絶対に負けられない戦い」が続いている中、勝利を手中に収めたいと思う気持ちが、試合前の選手一人一人に込められていた。
法大のキックオフで始まった前半。開始早々、日大のオフサイドから法大ボールになり、22m付近からSH根塚聖冴(経2)、SO金井大雪(経2)、WTB中井健人(スポ2)と連続パスが決まり、最後は右サイドにFB井上拓(社1)が今季初トライ。幸先の良い先制点になった。スクラムから根塚がリスタートするものの、サポートが足りず中々前に行けない状況が続くが、13分、10m付近からPR金子崇(社3)が相手選手を振り切り右サイドへ滑り込みトライ。難しい角度からのゴールも金井が安定した蹴りを見せ成功。12-0とする。法大の連続得点は続く。20分、法大はラインアウトを決め、チャンスを広げる。華麗なパス回しが続き、PR西内勇二(経4)からのパスをリーグ戦初出場中井が繋ぎ、左サイドへトライ。中井は「考えすきずにプレーする」ことを心がけ、その結果チームに貢献する活躍を果たした。その後31分には日大のモールトライで点差を詰められるも、法大は直後にラインアウトを決め、根塚から金井へのハーフバック団の安定したパスが繋がり、No.8増田和征(経3)が中央にトライ。前半終了間際にも中井が今日2本目のトライを決め、ゴールも成功。33-7で前半を終える。試合後に根塚は「(相手の)ディフェンスを崩すのに手間取ってしまった時間がありました」と話したが、効率よく点を取ることのできた前半戦だった。
前半戦2トライを決めたWTB中井
後半はお互いにマイボールを獲得する一進一退の攻防になった。後半5分、ここまでディフェンス面で良い活躍を見せていたCTB呉光汰(2)が相手のタックルで痛い負傷交代となる。4分間の中断をはさみ、流れが変わりかねない場面だったがスクラムから根塚がボールを持ち出し、一気に中央へトライ。38-7とし、さらに点差を広げる。このまま法大ペースの試合展開になると思われたが、この後日大に13分、19分と連続トライを決められてしまう。アタックとキックの多さが法大へのプレッシャーとなり、38-19まで点差が詰まってしまった。それでも決して力を抜かなかったのが今日の法大だった。日大ボールから根塚がボールを奪い、牧野内翔馬(社4)、再び根塚とパスを回し、タックルで攻撃が止まるも、22分、5m地点で金井から東川にパスが回り、左サイドで日大選手をかいくぐりトライ。さらに26分、牧野内が日大ボールを奪い激走。相手にタックルされるも、根塚がパスがっちり受け取りダメ押しトライ。金井のゴール成功で52-19とし、勝利をほぼ確実なものとする。33分にはモールで押し込みHO川越藏 (現2)がトライを決めるなど途中出場の選手らの活躍も目立った。39分に日大のトライを許すも最後までリードを守り切りノーサイド。積極的な攻撃と相手の攻めにしっかりと対応し、9月18日の中大戦以来、約2か月ぶりの勝利を掴み、最終戦の拓大戦に向けて大きな一勝になった。
キレのある動きでトライを奪うSH根塚
次戦までに残された期間はわずか一週間。調整なども難しくなってくるが、今日先制トライの井上は「しんどいなかですけど、やるしかない。来週が大一番になると思うので、しっかり圧勝して良い形で繋げられるように頑張ります」と力強い言葉を私たちの前で発してくれた。法大ラグビー部の「絶対に負けられない戦い」は最後まで終わらない。勝てば選手権出場、負ければ2部入れ替え戦が現実味を帯びる。最終戦は由緒正しき神宮の杜にそびえる秩父宮ラグビー場にて行われる。スタンドを法政カラーのオレンジ色に染め、ファンも選手と一体となって応援することで、「オール法政」となり、後押しできるような一戦になることを期待している。(岡崎祐平)
選手コメント
牧野内翔馬(LO,ラインアウトの要となる)
―今日の試合を振り返って
負けたら先がなくなる試合でしたが、練習でやったことをしっかり出せば勝てると思ってました。最初にすぐトライを決めて、流れに乗ることができたので良かったと思います。
―これまでの試合は入り方に課題を残していたが
そうですね。今までの試合はトライを取ってもすぐ返されて、なかなか連続トライを取れない状況が続いていたので、今日はトライから始めることができたのは良かったと思います。練習でもずっと入り方について言われていて、あまり上手くいってなかったんですけど、今日はいい入り方でした。
―前節から修正した点は
前節はアタックの時にボールを継続してもトライを取れなくて、相手にリードを許してしまったので、繋ぎの部分をしっかりやろうと話し合っていました。
―FW陣は試合を通して低いタックルだったが
そうですね。日大のアタックが単発だったのもあるんですけど、普段の練習から取り組んでいる下に入る意識が出せて良かったです。
―雨の影響は
スクラムに多少の影響が出たのと、お互いキックが多かったですね。でも、キックだとラインアウトに持ち込んで競ることができていたので、もう少し多くキックを選択肢に入れても良かったのかなと思います。
―日大戦に臨むにあたって意識したことは
FWで負けたら試合でも負けてしまうことは分かっていることなので、タックルは意識しましたね。今日の試合では一人一人がタックルでいけていたことが勝てた要因だったと思います。
―選手権出場に向けても負けられない次戦について
負けたら入れ替え戦で、勝てたら出場の可能性も残るので、ここで負けたら試合に出てない選手たちにも申し訳ないし、情けないと思います。なので、あと1週間の練習でしっかり状態を上げることができるようにやっていきます。
佐々木嵩穂(FL,怪我からの復帰戦となるも力を存分に発揮)
―試合を振り返って
終始法政のペースになって、多少のミスはありましたが修正していけるものだと思います。
―FW中心に攻めてくる相手の攻撃への対策は
相手よりも低く刺さることを意識づけて、やってました。止めるのが難しい攻撃ではなかったので、これを止められなければ、先は見えてこないと思います。今回止められたことは良かったです。
―アタックも好調に見えましたが
今週1週間アタックの練習として、外に回して持っていく練習をしていました。FWとBKでトライを取れたので練習の成果が出ました。試合で最初から最後まで出たので、良かったと思います。
―今日は急遽スタメンでの出場となりましたが
自分は復帰戦で、その中で松村さんがけがしたということでした。前から試合に出る覚悟はできていたので、出場時間が長いか短いかの違いで特に変わったことはないですね。自分のプレーはしっかりと発揮できました。
―復帰ということはこれまではけがということでしょうか
肉離れで4週間何もできない状況でした。今日の試合に出ることをターゲットにして、アピールし続けてメンバーに入れたのは良かったと思います。
―次の試合に向けて
勝つだけです!
中井健人(WTB,持ち前のアタックでチームに大きく貢献)
―今日の試合を振り返って
前半と後半の入りまでは良い形だったんですけど、そのあとにトライを取られてしまったのでその部分を修正していかないとこれから強いチームに勝っていけないので、そういった継続力の部分の意識がこれからも課題ですね。
―リーグ戦初スタメン。ここをみせていこうと意気込んでいた部分は
特に意識はしてないんですけど、アタックが好きなのでいつも通りしっかりアタックでチームに貢献してディフェンスも頑張るという感じで、あまり考えすぎずいつも通りやりました。
―そのアタックやディフェンスは力を発揮できたか
アタックもディフェンスもまだまだいけたと思います。
―敗戦が続いていたが今までコートの外から試合をみていて
トライを取り切ることが今まで出来なくて、今日はトライを取り切れたけどディフェンスで4本もいかれてしまったという感じで。ずっとこのチームはディフェンスが悪いので、最終戦はしっかり自分たちのやってきたことを全部発揮できたら勝てると思います。
―今日の勝因は
ゲームが終わってこの3週間、ひとりひとりレギュラーの競争意識があってチームとして良い雰囲気でここまでこれたので、それが試合に出たかなと思います。
―2トライの活躍。トライシーンを振り返って
1本目も2本目も良かったんですけど、もうちょっとトライを取りたかったなというのが本音です。
―自分でいこうといった気持ちが強いですね
そうですね。自分でチャンスをつくるか、自分でトライを取るかです。
―ご自身の持ち味は
アタックですね。
―後半はCTBでの出場。WTB時の意識の差は
WTBだったら取り切らなきゃいけないんですけど、CTBだったらチャンスメイクというかゲインを切ったりそういう泥臭くやっていくというところを意識してやっていきました。
―来週も負けられない一戦。拓大に勝つためにポイントとなるのは
この1週間しっかりチームで課題を詰めていくこともそうですけど、拓大は外人もいて、向こうは外人がキーマンになってくると思うので、そこを止めたら向こうはどこも攻めるところが無くなってくると思うのでしっかりその部分を練習でやっていきたいと思います。
―次戦に向けて一言
絶対に勝ちます!
根塚聖冴(SH,今季特に積極的なプレーが目立つ)
―今日のコンディションは
ピッチのコンディションは凄く湿っていて悪かったんですけど、自分個人としては体が動いていて、キレがあったので良かったと思います。
―チームとしてはどういう風に攻めていこうという話をしましたか
今まであまり良いアタックができていなくて、次の試合からは散らしたりしていくという風な強さで勝っていこうという話をしたので、そこは練習通り体現できたので良かったです。
―前半は積極的にトライを決めていこうという攻めが見られましたが
特に前半の中盤以降からは、自分たちの練習したアタックがはまっていて、やっぱり練習した部分でトライを取れたというのは次の試合への強みになるので、良かったです。
―前半の守備面は
終盤から上にタックルがいってしまって、そこで食い込まれる部分があったので、修正していかなければならないなと思います。
―前半終了時点で大差をつけましたが、後半はどういこうとチームで話しましたか
後半はいつも入り(最初に)相手に勢いを与えてしまって、そこで食い込まれる部分があるので、今日も後半の入りでいかれてしまったので、次から直していきたいです。
―後半9分のトライを振り返って
あそこは自分の強みでもあるので、積極的にランをしていこうと思っていました。
―26分には2回目のトライを決めました
アタックっていうのが自分の強みだと思っていて、スキがあれば全部持っていこうと思っているので、そこが見せられて良かったなと思います。
―今日の相手、日大の印象は
ディフェンスでしっかり体を張ってくるチームだと思うので、そこを崩すのに手間取ってしまった時間がありました。
―2回目のトライの後に途中交代されましたが
(途中交代した理由は)タックルが下に入られて、足首の上に乗られた形ですね。次の試合は大丈夫だと思います。そんなにひどいケガだとは思いません。
―自分以外のプレーで良かったと思う選手や活躍は
今日入ってきた呉洸汰と中井健人は、決定力もあって、呉が入ったところで前後にボールを散らしていけたので、そこは新しく入った選手がしっかり活できていて良かったです。
―次の試合は選手権出場も掛かりますが、意気込みを
拓大戦、残り1試合は絶対勝たなければならないので、最高のパフォーマンスで持っていって試合に勝てるようにしていきたいと思います。
井上拓(FB,先制トライを決める)
―見事勝利となりましたが試合を振り返って
Aチームは日程が3週間空いたんですけど、そこでやろうとしてたアタックやディフェンスが良い形でできたので、良いゲームになったと思います。
―試合前に雨が降って、キックを多用するかと思いましたが、普段通り展開ラグビーを見せました
雨でもやってることをやろうということで少しいつもよりアタックラインを近くしていつもと変わりなくやろうということでゲームに入りました。
―関東学院大戦の敗戦から練習してきたことは何ですか?
アタックの形と1対1のタックルの精度を上げることと、ブレイクダウンの激しさを意識してやりました。
―具体的にアタックの形とは
バックスは「ためる」や形を意識してやりました。
―タックルの精度を上げることということですが、今日の法政のディフェンスは低いタックル刺さってるように見えましたが
練習してきたタックルはきっちりできてて良かったと思います。
―試合中にやりたかったことは
もう少し縦に走ったり、パスを繋いだりしたかったですが、日大のディフェンスが内側につめてきたりして出来なかったです。ちょっと悔しいです。
―日大の印象について
日大はディフェンスが内側に詰めてくることを意識してたんですけど…。まぁ、詰められちゃいましたね。
―日大はFW中心のアタックとキックを多用してた印象でした。相手のキックチェイスもプレッシャーをかなりかけられてましたが、キックディフェンスについて意識してたことは?
プレッシャーは結構来てましたね。HKをあげられたところで崩されたところもあったので、僕のキャッチ精度も含めて修正して次の試合に繋げられればいいなと思います。
―今日は中井選手がスタメンで出場されて、バックスリーは先週と違うメンバーでしたが連携について
選手は変わったんですけど、やってるアタックの形は誰が入っても一緒だと思うんで、そこにプラスアルファで健人さんの力が加わってくれたので、やりやすくプレー出来ました。
―先制のトライを決めましたが振り返って
秋季シーズン初トライだったので素直に嬉しかったです。
―バックスのアタックディフェンスについて
ディフェンスは機能してたと思うんですけど、アタックは今日詰めてくると言われた中であまり対応できなかったことが課題です。
―試合途中FBからWTBにポジション変更してましたが違いはあったか
そうですね。しかし、練習でも代わりながらやってるのでFBでもWTBでも自分の仕事をしっかりやろうと思ってました。
―スタメン出場が続いてますが
しっかり使ってもらってる分、自分が出来ることをするしかないと思うので、ジャージを着れることにしっかり感謝して、出場してない人の分も背負って頑張っていきたいと思います。
―選手権出場に向けて一歩近づきましたが
来週が大一番になると思うんで、しっかり圧勝して良い形で繋げられるように頑張ります。
―拓大戦は1週間後というタイトなスケジュールですが
しんどいなかですけど、やるしかないと思うんで、今日の課題を次に繋げてやっていきます。
―ご自身の母校である御所実業が奈良県大会決勝に進出してますが
明日決勝ですけど、ここまでやってきたことを信じてやるしかないので去年1点差で負けてるんで、その悔しさを感じながら1年間やってきたと思います。しんどいときも、手を合わせて全員で勝って欲しいと思います。
―最後に来週の最終戦の拓大戦に向けての意気込みを一言お願いします。
やるしかないので、絶対に勝って、このリーグ戦で終わるのではなくて、次に繋げたいと思います。
フォトギャラリー
- 今季リーグ戦初出場のWTB中井は持ち味のアタックで存在感を発揮
- CTB呉は安定したプレーをみせた
- 激走をみせるLO牧野内
- 積極的なプレーで活躍が続くSH根塚
- 法大スクラムは次戦拓大戦で圧倒出来るか
- FB井上の先制トライ
- SO金井は6本のゴールに成功
- 怪我からの復帰戦となったFL佐々木