【フィギュア】春関直前選手インタビュー
2017年6月1日(木)
法政大学市ヶ谷キャンパス
過去最多となる10人での活動が発表された法大フィギュア部門。今回はその中の6人に、新たなシーズンの始まりを迎える気持ち、そして明日から行われる関東学生フィギュアスケート選手権への意気込みを聞いた。
(取材は6月1日に行われたものです。宮田大地選手と山口萌々奈選手は取材後に大会棄権が発表されました。)
選手インタビュー
藤澤亮子主将 (文4)
ー主将になった経緯は
4年生1人だからっていうのはありますね。インカレ終わった後に宮田くんと渡邊くんと3人でこれからどうしようか、と話し合いました。その時の主将は宮田くんだったので。4年生で最後だからという理由で結構すんなり決まりました。
ー4年生は藤澤選手のみですがチームをまとめるのは大変ですか
元々人数も少なく、和気あいあいとした雰囲気でまとまっている方だと思うので、まとめなくちゃ、という気持ちはあまりないです。
ー部員数が過去最多の10人となりましたが
逆にみんなで集まることが増えました。前は人数が少なかったので、集まらなくちゃという気持ちがなかったです。それぞれの練習もあると思っていたので。でも今年は集まろうってなることが多くなりました。学校で会ったりとか全員と連絡を取ったりするようになりました。
ー今年のチームの雰囲気は
やっぱりみんなフィギュアスケーターなので一人一人個性はとても強いです。でも法政のチームは個性が強くても我が強い子はいないんですよね。だからまとまっています。
ー下級生が増えましたが注目している下級生は
1年生の男子2人(小林建斗、小林諒真)ですね。インカレ優勝もかかっていますし。多分本人たちも分かっていると思うのであんまりプレッシャーはかけたくないんですけどね(笑)。
ー最上級生として後輩に伝えたいことは
スケートはそれぞれしっかりやっていると思うので学業との両立ですね。就職も含めてしっかりやってほしいなっていう気持ちはあります。
ーFSの『Slow dancing in the big city』はどのように滑るつもりですか
渡部幸裕さん(平成27年度卒)が引退シーズンにこの曲を使っていました。だからこの曲をもらった時は渡部さんのイメージでした。渡部さんはジャンプがすごい大きくて、ゆっくりだけど壮大な部分もあって。すごく曲と動きがマッチしていて感動しました。自分で選んだわけではないんですけど、自分が演技を見てすごく感動した曲です。私も見ている人を泣かせることができるような演技にしたいです。渡部さんのような滑りに女性らしさを加えて感動的な演技になれば、と思います。
ー「女性らしさ」はどのように表現するようにしていますか
スローなところは優雅に滑ります。ゆっくりというより、スケートを滑らせるというか…。大きく滑ったりします。自分では自分の滑りは女の子っぽいものではないと思っているので、女性らしさだけでなく力強いところは力強くということを意識したいです。強くジャンプしたり、得意なスピンも頑張ったりっていう感じです。
ーSPについて
まだ決まっていないんです。やっと就職活動が落ち着いて、ショートを変えようかという話になりました。今からという感じです。福岡の先生に選んでもらっています。
ー練習と就職活動の両立は
私は両方を同時に頑張るのがとても苦手なので就活始まってからはスケートをほとんどやらない状態で(就活に)集中していました。まだ公務員の方が終わっていないんですけどね。民間の会社への準備をして、空いている時間は公務員試験の勉強をしていたので、スケートは少しの間、お休みしました。大学も推薦で入ったので公務員試験では自分の勉強次第で結果が変わるということが初めてで、試験会場の緊張感とか自分の人生が決まる場とかを社会に出る前に経験できてよかったです。
ー就職活動によるブランクへの不安は
明治神宮のホームリンクも今無くて、あまり滑っていないんですよね。場所もないし、就活の日程と練習の日程が噛み合わなくて。でもこの前本当に久しぶりに滑ってみたら、案外滑れました。ここまでは跳べるんだ、っていう感じでした。公務員試験を受けるんですけど、それが警視庁なので体力検査のためにトレーニングはしています。だから体力は衰えていないのかなって思います。不安はそんなにないです。トレーニングのおかげでスケートしていない割に太らなくて良かったです。むしろ痩せました(笑)。
ー今大会、出場しない理由は
警視庁の二次試験と日程が被ってしまったので今回は出ないことになりました。
ーフィギュア人生最後のシーズンですが、どのような気持ちですか
私は2歳からスケートリンクにいたので、スケートがなくなったら新しい人生が始まるんだろうなって思います。スケート以外で何をするんだろうっていう楽しみもあると思うし、でもスケートがないさみしさもあると思います。やっぱり最後は楽しんで終わりたいという思いが1番強いですね。
ーこれまでの演技で印象に残っているものは
1つ目が中学1年生の時のグランプリファイナルです。ショートが悪すぎて8人中7位だったんです。泣きまくりました。でも次の日ノーミスの演技をして表彰台まで上がったっていうのはすごくよく覚えています。フリーの演技中はノーミスだったということをよく気づいていなくて先生のところに戻ってから、ノーミスだったんだって実感しました。あとは、グランプリファイナルという大会の仕組みをよく分かっていないまま試合に出ていたのが今思えばチャレンジャーだなって(笑)。2つ目は2年前のインカレです。すごい久しぶりにノーミスでできたんですよね。大学の仲間や先輩が見ている中でいい演技ができました。その時は次のジャンプを跳べたらノーミスだって分かってて滑っていたので達成感もあったし、(不調から)抜け出せた感もありました。みんなで喜ぶこともできました。その時のゾワゾワした感じもよく覚えています。
ー色紙に書いた文字に込められた思いは
私のサインの下に書いてある“Tears of joy”は“嬉し涙”っていう意味です。私はこれまで演技のあとに嬉しくてガッツポーズをしたり、泣いたりしたことがあまりなかったです。演技のあとに感情を表に出さない方で。最後の演技を終えた時は自分も嬉し涙流して、みんなでも嬉し涙を流せたら1番良いなって思います。
ーラストシーズンの目標は
まずは1試合1試合楽しむことです。試合だけじゃなくてその過程も全力でやることですね。あとはインカレには絶対に出たいです。
ーファンの皆さんへメッセージをお願いします
ジュニア時代から応援してくれてる方にはがっかり、ハラハラさせてしまったことの方が多いと思います。どん底まで落ちた時もありました。それでも頑張ってねと声をかけてくださる方もいて、とても嬉しかったです。最後は応援してくださった方も泣かせられるような演技にできるよう頑張ります。法政の全部員も含め、最後のシーズン、応援よろしくお願いします。
(取材:高野茜)
丁寧に質問に答えてくれた藤澤
宮田大地(文3)
―昨シーズンを振り返って
何にもなかったですね。ずっと病院にいました。
―全日本はご覧になりましたか
いや…見なかったですね。
―練習再開はいつ頃から
いつからやってたかな。滑っていいよってなったのは2月くらいで、でもそれは本当に滑っていいだけでした。ジャンプとかはここ最近からやり始めたなっていう感じですかね。
―現在けがの具合は
やっぱりちょっと練習を始めて負荷を上げていくと腰の痛みが出てくるかなという感じですかね。
―けがの間はどのように過ごされたのでしょうか
リハビリしてました。リハビリして、教習所行って、学校行って。教習所行きました。免許取りました。
―気分転換に何かしたことはありましたか
しなかったですね。学校行って、リハビリ行って、教習所行くとめっちゃ忙しかったです。
―今季のプログラムについてお伺いしますが、まずはSPが『冬』ということで
いくつか候補を振付師さんにお渡しして、振付師さんが『冬』が好きだったからという感じですかね。
―宮田選手としては
もともと好きだった曲ですね。いい曲だなとは思っていたので。
―どのようなものを表現したいとお考えですか
うーーーん…表現…。分かんないな何だろう…。何だろうな…(笑)。
―FPのパールハーバーについて
曲が好きだっていうのと、昨シーズンよりももっとスケールが大きくなった演技をしたいなと思っていますね。色々と含めて。
―今取り組んでいることは
朝はやっぱり腰が痛いのでスケーティングの時間が多くなるのかなという感じですね。
―ジャンプはまだそんなに
そうですね。まだそんなに本腰を入れて跳べる感じではないですね。
―昨シーズンから取り入れている4回転については
どうなりますかねえ(笑)。分かりません(笑)。
―新チームは全員揃ってお会いしたんでしょうか
そうですね。一回部で集まって寿司の食べ放題に行ったんですよ!監督の奢りで!(隣の山口を指さして)めっちゃ食べてました(笑)。
―男子の後輩2人についてどんな印象ですか
どっちも練習熱心だなとは思いますね。……(長考の末)コバケンは髪をすぐ切る!(笑)めっちゃ切るもん!諒真は英語がよくできる。あいつの回答を見ておけばなんとかなります(笑)。
―今季の目標は
男子は3人揃っているので、また団体優勝を目指せたらいいなと思います。個人はやっぱりまずはけがをしないことと、パーソナルベストを更新とかですかね。
―今季の課題となる部分は
気持ちですかね。
―春関は個人3連覇がかかるということになりますが
無理でしょう、今の感じだと。まだスピンができないです。流してやろうかなと思ったら、今日めっちゃ痛くなって、監督に連絡してという感じですね。
―就活について
来年じゃないんですか。2月くらいじゃないんですか。…そろそろですよね(笑)。今日ゆっこちゃん(藤澤)から本をもらいました。自分を見つめなおそうと思います。
―渡邉選手はけがで欠場とのことでしたが
「無理すんなよ」とは言いました。
―今季の意気込みをお願いします
けがをせずに。終わったときに悔いがないと思えるシーズンにしたいです。
―ファンの皆様へ一言お願いします
これからも応援よろしくお願いします。
(取材:阿部暁野)
穏やかな笑顔を見せる宮田
山口萌々奈(通2)
―まずは昨シーズンを振り返って
昨年は結構チーム競技のほうに練習で時間を取られてしまいました。シングルの方をあまりできなかったのもあって、結果が残せなかったというのが一番大きいです。
―今季、シンクロとシングルの取り組み方に違いは
去年からチームの方でサブキャプテンをやらせて頂いていて、そのなかで気持ちにも余裕がなかったりもしました。今年はまだ要領が分かっていると思うので、自分の時間配分や気持ちの持って行き方という点ではうまく両立ができると思います。
―大学の勉強の方はいかがですか
あんまり自信ないです(笑)。
―女子も人数が一気に増えることになりました
嬉しいですね!1年生はにぎやかですし、もともと知っていた人たちが多いので楽しいです。
―チームの雰囲気は変わりましたか
変わりました。にぎやかになりました。
―後輩の阿部選手にはどんな印象をお持ちですか
阿部は…あんまり下手なこと言うと怒られそうなので(笑)。いい意味で変わった子だと思います。
―阿部選手とはもともと交流があったのでしょうか
ずっと前にシングルの先生が同じで、そのあとしばらく同じリンクで練習していました。
―今季のプログラムについてお伺いします。
『west side story』です。振付をOBの服部瑛貴くん(平成27年度卒)にしてもらいました。すごく難しいんですけど、やりがいがあります。楽しんで滑れたらいいなというのはありますし、難しい振付とかに気を取られてその他が疎かになったりしないように気を付けています。表現としては、瑛貴くんに「いい女アピールをして」と言われたので、いい女アピールができるように頑張ります(笑)。
―服部さんに振付をお願いするに至った経緯は
本当は去年曲を変えたかったんですけど、今年から変えるということで心機一転ですね。瑛貴くんが以前滑っているのを見ていて素晴らしいなと思っていたので、ぜひお願いできればと思って。瑛貴くんは表現が素晴らしくて印象に残っていたので、瑛貴くんみたいにできればなと思っています。
―『west side story』を選んだ理由は
もともとやってみたい曲リストにあって、曲の中に起承転結があって好きです。あとはシンクロで好きなチームが以前FSで『west side story』を使っていて、やってみたいなというのもありました。
―調子はいかがですか
ちょっと前まで練習できていたんですけど、実はちょっと腰を痛めてしまって。春関も出られるかどうかも分からないんです。痛くて、放置してたらやっぱり痛くて。この前病院に行って来たら「時間経ってるけどぎっくりじゃない?」と(笑)。その前まではちゃんと練習していました。
―2年目になりますが、先輩方との関係はいかがでしょうか
去年は大地くんは人見知りなのか全然しゃべってくれなかったんですけど、今年はちょっとしゃべってくれるようになりました(笑)。ゆっこちゃんはもともと同じリンクで、そんなに話すわけではなかったんですけど、最近は凄く話したりとか、LINEとかSNSでやりとりしたりとか、一緒に学食食べに来たりするようになりました。
―今季の目標は
シングルの方では、ジャンプとかは多少ブランクがあるので、それをちゃんと戻していきたいというのと、スピンもちゃんとレベルが取れるようにしていきたいですね。あとシンクロをやっていてスケーティングが多少前よりはうまくなっているので、そこを点数に反映できるようにやりたいなとは思います。
―ファンの皆様へ一言お願いします
「この人の演技を見て面白かった」とか「印象に残った」と言ってもらえるように頑張ります。
(取材:阿部暁野)
山口が演じる「いい女」に注目だ
新入生対談
小林建斗(文1)×小林諒真(営1)×阿部芙弓奈(キャ1)
―法政大学に入学した理由を教えてください
小林建斗(以下・建斗):一緒に練習をしてきた服部瑛貴選手が法政で、先輩方が残した成績を見て自分も法政に入学して良い結果を残していきたいと思いました。
小林諒真(以下・諒真):だいたいは建斗くんと一緒なんですけど、同じチームの先輩が法政大学で、4年間で普通に卒業していて社会に出られたので、見習いたいなと思っていました。
阿部芙弓奈(以下・阿部):私はあまりやりたいことが定まっていなくて、在日外国人事情について学びたかったので、そういう事を学ぶのにキャリアデザイン学部は3つの領域から学べるので、そこに入りたいと思い法政大学にしました。
―大学生活が始まって、毎日どのように過ごしていますか
建斗:僕が練習している東伏見のダイドードリンコアイスアリーナは学校の前に毎日必ず朝練が毎日あって、朝6時から練習した後に学校に行っているんですけど、正直毎日眠いです(笑)。眠いけど、ちゃんと文武両道で単位を取って4年間で卒業できるように、常に意識して生活しています。
諒真:僕も朝練があって、その後学校に来て夜練に行くって感じです。金曜日を自分の中で休みにしたかったので、金曜日はスケートに専念してそれ以外は勉強をしっかりやろうという感じです。土日にも練習はあります。
阿部:土曜を入れたら週4回の朝練で、その後学校に行ってまた夜練に戻る感じで、土日は課題があったらやって、それ以外は映画を観に行ったりしています。
―趣味やリラックス方法はありますか
建斗:高2までは都会に行ったりするのが好きだったんですけど、なんせ田舎に住んでいるもんで(笑) 高3になってから練習環境が変わって趣味が180度変わったというか、音楽の趣味が変わったし、友達と温泉に行ったり、好きな音楽を聞きながら漫画を読んだりするのが趣味ですね。
諒真:リラックスというか、あまりそういうのは考えていなくて、とりあえず寝ることが1番かなと思っています。あとは趣味としては本が好きで、小説をよく読んだりしています。
阿部:私は小説を読むことと、映画館で映画を観ることです。
―食について伺いたいのですが、スケートをやる上で食べ物に気を使っていたりしますか
建斗:自分の体質的に太りにくくて、そういう面ではこういう競技をやれていることはありがたいと思うんですけど、やっぱり不摂生な生活をしていると良いパフォーマンスもできないと思うので、苦手な物も多いので他でリカバリーできるように自分で摂れる食事は気をつけようとはしています。好きな食べ物はステーキとか肉が好きです。
諒真:毎食ちゃんとバランス良く食べることを意識していて、偏りの無いようにしています。バナナとパイナップルとか、フルーツ系が好きです。
阿部:3食バランスよく食べること、間食をしないようにってことは意識しています。間食したくなる時はしてます(笑)。好きな食べ物はホイコーローです。
―スケート選手じゃなかったらどんなスポーツをやっていると思いますか
建斗:僕は小学2年生くらいにスケートを始めたんですけど、それまで年中くらいからサッカーをやっていて、スケートをやっていなかったら結構本気でサッカーを続けていたんじゃないかなと思います。
諒真:僕は野球が好きなので、多分野球を遊びでも部活でもやっていたと思います。
建斗:僕が野球を好きになったのが諒真のおかげなんですけど、いろいろ教えてもらったりしています。
阿部 陸上の幅跳びをやりたかったです。少し体育の授業でやったことがあります(笑)。
―フィギュアの話に移りますが、これまでのスケート人生で1番思い出や印象に残っているのはどの場面ですか
建斗:高校3年生のインターハイが1番印象に残りました。高1と高2でインターハイが上手くいかなくて、優勝できるはずの試合だったのに毎回良いところで結果を逃してしまっていたんですけど、高3のインターハイで、途中までは満足がいかない部分もありましたが、自分でも思った以上の結果を残せたので、すごく印象に残っています。
諒真:僕は去年の全日本ジュニア選手権で出場は2回目だったんですけど、その前の年に予選落ちしてしまって、次の年はリベンジという気持ちで臨んで、SPとFSどちらも自己ベストを出せて、自分でもびっくりするくらいの結果を出せたので、印象に残っています。
阿部:私はそんなにないんですけど小学5年生の春の大会で、初めて不安無く自信を持ってできた試合で優勝できたので、1番心に残っています。
―高校までと現在で練習環境などはどのように変わりましたか
建斗:もともと埼玉県で練習をしていたんですけど、練習していた場所がなくなってしまって、高3で練習環境が変わり、東伏見に移って学校がなかった時期はたくさん練習できたんですけど、大学が始まると勉強もちゃんとやらなきゃいけないし。かといってスケートも偏ってはいけないから、文武両道がなかなか大変で、すごく今忙しいです(笑)。
諒真:高校は平日5日間で学校がびっちりあったんですけど、大学になると自分で授業が選択できるので、練習時間も調節できたりして、やりやすくは感じています。
阿部:高2,3年で受験勉強のためにスケートを休んでいて大学で復帰しました。高1のときは学校も厳しくて遅刻もできなかったので滑る時間が無かったんですけど、大学生になってからは朝練も1時間半最後まで滑れるので、練習時間も増えたかなと思います。
―フィギュア部門のチームの雰囲気はいかがですか
建斗:元々先輩方が緩やかというのは聞いていたんですけど、いざ一緒にすごしてみると、本当に皆さん優しい方々ですし、多分他の大学のスケート部のバチバチした感じと比べたら和やかに過ごせているんじゃないかなと思います。
諒真:先輩との上下関係はしっかりしなきゃいけないと思うんですけど、そういうのを気にせずに仲良く気軽に話せるというのが良いところだと思います。
阿部:久しぶりに復帰したので色々な手続きとかがあって、先輩方にも最初からお世話になっていたんですけど、一緒にやってくれて皆優しくて、楽しいです。
―今季これまでのコンディションはいかがですか
建斗:体の調子は万全とは言えないんですけど、今週また試合があって、そこから少しずつ体と相談しながら1番良い状態にしていきたいと思います。
諒真:春が終わってシーズンに向けてコンディションを自分の中で1番良い状態を探りながらいかないといけないと思っていて、その中でも自分ができることをしっかりやっていきたいです。
阿部:復帰してまだ2,3カ月なので、復帰したなりに頑張ります。
ープロのスケーターで憧れていたり、お手本にしたりしている選手はいますか
建斗:昔から高橋大輔選手が好きで憧れていて、あの人の滑りを見ていると「これがフィギュアスケートなのか」と思うところがあるので、良いところを沢山勉強してやっていきたいです。
諒真:カナダのジェフリー・バトル選手の2008年世界選手権フリーの演技に心が引かれて、その選手にできるだけ近づけるように頑張っていきたいです。
阿部:私はイタリアのカロリーナ・コストナー選手で、ジャンプとかスケーティングとか全てが美しくて、好きです。
―宮田選手や藤澤選手など先輩方の演技を見てどう感じましたか
建斗:宮田選手は強化選手にも入っていて世界的に名を知られているので、滑りがやっぱり自分たちと違うし、山口先輩もシンクロをやっているだけあって、演技力も普通の人と違うところがあったし、実際に見ると皆違っていて、良いところがたくさんあって、勉強になると思いました。
諒真:昔、藤澤選手の演技を見て、スケートを本格的にやろうと思ったので、とても良い滑りとか表現力だと思っています。
阿部:私は宮田選手が今一緒の練習場所で、スピードも表現力もあるのに細かいステップも上手くてすごいなと思います。
―お互いの印象を教えてください
建斗:諒真くんとは昔から一緒で、ただ仲が良いからとかではなくて、スケーティングも上手だけど、諒真くんは見たくなる感情が湧くスケートなんです。だから友達だから応援しようとかいう感じでは無くて、応援する時はとても楽しい気分になるし、ライバルだけど良い結果を出してほしいととても思える選手です。阿部さんは知り合ったのは最近で、でも今は一緒に滑る時間がすごく多くて、普通の選手は嫌な事とかがちょっとあると放り出してしまうんですけど、そういうことを気にしないでコツコツと続けている選手だと思っています。
諒真:建斗くんは昔からジャンプもすごく綺麗で、ずっと僕の上を走ってきた選手なので、小さな頃から仲良くしているんですけど、いつもいるという存在です。阿部さんは、滑っているところはまだ見たことがないので、きっといい演技をしてくれるんだろうなと思っています。
阿部:建斗くんは最近知り合ったばかりなのでよく分からないんですけど、元気です(笑)。ジャンプをすごく頑張っているイメージがあります。諒真君はまだ会って2回目くらいなのでわかりませんけど、元気です(笑)。
―ご自身のアピールポイント、見てほしいところを教えてください
建斗:ずっとジャンプをやってきていて、だから周りの人にも「ジャンプ上手だね」って言っていただけるんですけど、ジャンプだけでは勝てないレベルになってきているので、ここ1年、2年くらいで演技力をたくさん磨いていて、このシーズンは持ち前のジャンプと大学生としてレベルアップした演技力を見ていただけたらなと思います。
諒真:高校に入ってジャンプが少しずつ伸びてきて、大学生になっても伸ばさなければいけないところはあるんですけど、今年からシーズンで使ってきていた曲調とかを結構変えて、表現力が必要な曲に変えて、自分に挑戦したいと思っていて、そこらへんを上手にできるように頑張りたいです。
阿部:アピールできるところとかはあまりないんですけど、今シーズンは復帰してスケーティングとかも結構衰えている部分があるので、ジャンプだけではなくてスケーティングとかステップを頑張りたいです。
―今季の新プログラムについて
建斗:SPは昔小学生の時に使っていた曲をもう一回使って、ジャズの「Anvil chorus」という曲なんですけど、ジャズがアップテンポの中に大学生としての大人っぽい演技を生かした演技です。FSは「El choclo」というアルゼンチンタンゴの曲で、それこそ大人っぽくかっこよく踊れるような演技にしていきたいと思います。
諒真:今年のSPは去年の女子の世界選手権優勝のメドベージェワ選手がSPで使っていた「River flows in you」という曲なので、表現と自分の個性をしっかり出せたらいいなと思います。FSは「ロミオとジュリエット」なんですけど、いろんな選手が使っている曲でどの選手も素晴らしい演技をしていて、それも自分のフリーとして滑っていきたいと思います。
阿部:SPは「The greatest game ever played」というゴルフの映画の曲で、先生に選んでいただいて、映画をイメージして頑張りたいです。FSはまだ作りかけなんですけど、「ラプソディー第二番」という曲で、ずっと「ラプソディーインブルー」が使いたくて、でも使っている人がたくさんいるので、第二番にしました。
―コーチから今季はどんなアドバイスをされていますか
建斗:今、特に気を付けていることはジャンプの難易度が上がってきて、パンクというジャンプの回転数をちゃんとやらずに空中で分解してしまう失敗があるんですけど、元々そんなにやらないって言われてきたんですけど、それがここ数年ですごく多くなってしまって、何で失敗したのか原因がわからないから、失敗しても良いからまずは形を作ってちゃんと3回転なら3回転を作って、そこから失敗の原因を見つけ出していけるように、それを課題でやっていこうという風に話しています。
諒真:先生や親とも相談して、体がまだ華奢で筋力がほとんどないので、体づくりをメインにして、ジャンプの安定を図ろうということを話しています。
阿部:これといって言われていることはないんですけど、体力も筋力も2年休んで結構落ちてきているので、走って体力を付けることと、スケーティングやステップを見直しています。
―今季の目標を具体的に教えてください
建斗:全日本選手権にまず出場して、それで終わりではなくて、もちろんSPも通過して、FSでシーズン最高の点数を出して満足できる演技をすることです。
諒真:建斗君と一緒なんですけど、全日本選手権に出ることと、インカレで総合優勝したいと思います。
建斗:それ(インカレ優勝)の方が大事だよな(笑)
阿部:大会とかでの目標ではなくて、東インカレを勝ち抜いてインカレまで行くことと、曲の中でトリプルを成功させることです。
―最後に、見てくださるファンの方へメッセージをお願いします
建斗:このたび法政大学に入学させていただき、自分の個人的な目標もしっかり達成しようと努力しながら、団体として挑んでいるので自分が法政のスケート部として少しでも盛り上げていけるように精一杯頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。
諒真:大学一年生で色々わからないこともいっぱいあると思うんですけど、とりあえず頑張ります!
阿部:自分なりに精一杯練習してチームのメンバーの足を引っ張らないように頑張ります。
(取材:岡崎祐平)
取材時は常に笑顔が絶えなかった
1年生は苦戦しながら色紙を書いてくれた
書いてもらった全員の色紙
フォトギャラリー
- 「法政ポーズ」での集合写真
- 主将を務める藤澤
- 3年 宮田大地
- 2年 山口萌々奈
- 1年 小林建斗
- 1年 小林諒真
- 1年 阿部芙弓奈
- ルーキー達の活躍にも期待がかかる