【スピード】第37回全日本学生スピードスケート選手権大会 〈SP部門〉悔しすぎる入賞者なし… 4年生コンビ不本意な結果に…
第37回全日本学生スピードスケート選手権大会
2017年12月2日(土)〜3日(日)
群馬県総合スポーツセンター伊香保リンク
日本学生氷上選手権大会(インカレ)の前哨戦ともなる今大会。法大からはSP(スプリント部門)に中村隼人(営4)と阿部啓吾(営4)の2人が出場した。昨年は総合成績と入賞を果たしている両者。今大会は表彰台も期待されたが、新興勢力の台頭や自身の不調により表彰台はおろか入賞も果たせずに終わった。
試合結果(SP部門)
種目成績
種目 | 選手名 | 順位 | 記録 |
---|---|---|---|
500m(1本目) | 阿部啓吾(営4) | 9位 | 36秒52 |
中村隼人(営4) | 22位 | 37秒30 | |
1000m(1本目) | 中村 | 6位 | 1分11秒97 |
阿部 | 20位 | 1分15秒06 | |
500m(2本目) | 阿部 | 8位 | 36秒08 |
中村 | 13位 | 36秒59 | |
1000m(2本目) | 中村 | 10位 | 1分13秒97 |
阿部 | 13位 | 1分14秒46 |
個人総合成績
選手名 | 順位 | 合計点 |
中村 | 12位 | 146.860点 |
阿部 | 13位 | 147.360点 |
※SP…スプリント部門。500mと1000mを2日間にわけて2本ずつ走り、4本の合計で総合優勝を決める。
戦評
スプリント部門には、主将の中村隼人(営4)と阿部啓吾(営4)の2人が出場した。 最初は500㍍。先に出場したのは中村。得意ではない500㍍のレースで昨年とほぼ同じタイムで滑ったものの、22位と出遅れてしまう。続く阿部は500㍍を得意としていたものの36秒台のタイムで9位。昨年の同種目では2位と表彰台に上ったが、初日は精彩を欠く結果に終わってしまった。続く1000㍍は中村が得意とする種目。この種目では、まずは阿部が登場した。しかし、1000㍍でも不調が響き1分15秒台のタイムと伸び悩み、20位に終わってしまう。500㍍で出遅れた中村は昨年、この種目で1位となっており大きな期待がかかったが、結果は6位。不本意な結果に終わった。1日目の総合結果は中村が11位、阿部が16位と例年以上にハイスピードなレースを前に悔しいスタートとなってしまった。
2日目も競技は500㍍からのスタート。この日は阿部からの出場となった。初日の遅れを取り戻したい阿部は、スタートこそ前日とほぼ同じペースだったが、レース後半で伸びを見せて好記録をマークするも結果は8位。この種目で2年連続の表彰台とはならなかった。続く中村も前日から大幅にタイムを伸ばしたが13位と、目標にしていた10位には届かなかった。最後のレースである1000㍍では、先に滑った中村が得意の距離で大きくタイムを落とし、10位と昨日からさらに順位を落としてしまった。阿部は粘りの滑りで前日からタイム、順位ともに上げて13位となった。結果的に、総合順位は中村が12位、阿部が13位と2人とも昨年から大きく順位を下げた。阿部が「調整不足で体が重かった」と話すように、キレがなくスピードに乗り切れないレースが続いただけに、1月初旬のインカレにベストコンディションで臨めるように、しっかりと調整をしてほしい。(片山和貴)
選手コメント
中村隼人 主将
(1日目終了時点)
ー今日の500mの滑りを振り返って
500mは本職じゃないんですけど、少し遅すぎました。朝から体が動かなくて、駄目だとは思っていたんですけど、それにしても不甲斐ないレースでした。朝からのレースだったので、睡眠時間とかも含め調整がうまく出来なかったです。
ー1000mを振り返って
タイム的にはそんなに悪くはなかったです。でも今年は周りのレベルが上がっていて、6位という結果でした。自分の方がベストは速いので、順位としてはもう少しいけたのかなとは思います。でも今日の体の調子を考えると、とりあえず11秒台が出たので、その点では評価してもいいのかなと思います。
ー今日のレースの目標は
500mが悪すぎたので目標とかはなかったです。今日はすごい遅いんだろうな、と思ってました。
ー不調とのことですが
調子はあまり良くはないですね。連戦が続いていて、疲れがたまってしまっています。
ー他大の選手が力をつけてきていますが
どの大学も今年は結構伸びていて、法政も伸びている子は伸びています。今は夏からの練習がどうだったのかな、という疑問を持っていて。でもここまで来てしまったので、もっと考えて練習をしていかなければと思います。一応大学ではインカレがメインなので、そこに向けてもう少し、他の大学との差を埋めて上に行けるようにしていきたいです。
ー明日の目標は
とりあえず500mは専門の距離ではないので、それなりに滑れればと思います。1000mは今年1年間主体でやってきたので、1番になれるように頑張ります。
(2日目終了時点)
―今日のレースを振り返って
今年一番ダメなレースをしてしまいました。スタートもそうですけどそこからスピードも出ず、最後も粘れませんでした。悪いところが全部出てしまったなという感じです。
―原因はありますか
昨日より500mでは体が動いていたので、いけるかなという気持ちはあったんですけど、500mが終わってからの疲労と1000mのアップの仕方がが良くなかったのだと思います。500mで結構足にきていたので、アップをしすぎて足が動かなくなったのかなという感じはあります。
―昨年1000mでは優勝されましたが、そのプレッシャーはプレッシャーは
なかったんですけど、1年生から1000mではずっと表彰台には上がっていました。今日も上がれたとは思うんですけど、それは自分の力不足なので、みんなが速かったというよりは自分が遅かったという感じです。
―今大会で滑りの改善点は見つかりましたか
姿勢が高いことです。あと練習ではいい滑りができているとは思うので、それを本番で出せるか出せないかというのは気持ちの面もあると思います。レースで滑って自信がつけばいいんですけど、今はレースで滑るたびに自信がなくなっていくので、何とも言えないです。
―昨日、夏の練習での心残りがあるとおっしゃっていましたが
基本的にはウエイトと自転車を使ったロングロードなどをメインにやっていました。去年はそんな感じでやっていてみんな伸びていて、去年に引き続き今年も自分がメニューを決めていました。今年は、去年のプラスアルファの練習が少し足りなかったのかなと思います。
―全選手の練習メニューは変わらないのですか
基本的に自分が中距離なので、長距離の選手は同じメニューでやっています。(阿部)啓吾だけはメニューを変えたりとかはしているんですけど、基本的には長距離主体でやっています。
―今大会はチーム全体が不調気味ですが
今回目立っていい選手はいないですね。シーズンを通してところどころ走ってはいるんですけど、全体的にみるとあんまり良い滑りはできていません。今の段階では原因が何かはあんまりよくわからないですね。少し疲れがたまっているという事もあります。
―各地の会場で大会が行われていますが、得意なリンクは
やっぱり室内がいいっていう思いはあります。でも大学生のうちは屋外リンクの大会もたくさんあるので、そんなことは言ってられないかなという感じです。
―今後の個人の目標は
まだちゃんとは決まっていないんですけど、年末にある(オリンピック)選考会にたぶん出られます。そこで順位というよりは、自分の今年に設定した目標タイムをクリアできるように、調整しなおして頑張りたいと思います。
―目標タイムは
1000mは1分9秒台という目標を挙げています。前回、帯広で行われたジャパンカップの時の滑りにプラスアルファでできれば狙えないタイムではないと思うので、しっかりと調整したいです。
―チームの目標であるインカレ総合優勝へ向けて、調整はどのように行っていきますか
みんな疲労がたまっていると思うので、一回休んでからですね。あとは気持ちの部分で、他大学も全体的に調子がいいので、そこにどう食らいつくかということを、チーム全体で認識し、気持ちをまとめることが大事だと思います。
―インカレへ向けての意気込み
今年は4年生でキャプテンという事もあって、個人としては自分がちゃんと優勝してみんなを引っ張って行けたらなとは思うんですけど、全体としてもう少し勝つことへの意欲を高めていけたらなと。OBや指導者に感謝の気持ちをしっかりと持って、最後まであきらめないでみんな滑ってくれればなと思います。
阿部啓吾
(1日目終了時点)
―今日の滑りを振り返って
いつもと比べて全然体が動かなくて、目指したタイムには届かなくて、順位も9番で500メートルはダメでしたね。1000メートルは自分は苦手なんですけど、600メートル通過のラップタイムが27秒かかってしまったので、そこを26秒くらいで行けるようにするのが課題ですね。
―昨年のこの大会は同じリンクで総合4位でした。リンクにいい印象は持っていましたか
去年は謹慎の後の復帰戦だったんですけど、500メートルで35秒台を初めて出して2位になったのでいい印象があって、期待しすぎて残念な結果になってしまいました。
―力が入りすぎてしまったところもありましたか
それもありますけど、調整方法がよくなかったせいで体が動かなかったかなと思います。
―距離別選手権では姿勢の高さを反省点にあげていました。ここまでの練習で改善はありましたか
練習の中で姿勢を低くすることに加えて、股関節や足首を意識しながら練習していました。ただ、まだ練習期間も経っていなくて、レースになったときにうまく滑れていないので、そこはまだまだこれからだと感じています。
―他大の選手も着実にタイムを伸ばしてきています。その点はどのように感じていますか
どの種目も去年と比べてレベルが格段に上がっていて、自分のタイムの周りに何人も固まっていて、少し調子がいいと表彰台に食い込むことができますけど、逆に今日のように少し失敗してしまうと順位もかなり下がってしまいます。ただ、それも全て自分の実力のうちだと思うので、周りに負けないように頑張ろうと思います。
―オリンピックイヤーの難しさというのもありますか
学生でもオリンピックの代表を狙っている人はたくさんいるので、自分はまだそれほどの実力はないですけど、その背中を追いかけてみんなで競いあっていい記録を目指していきたいです。
―明日に向けて
今日は明日に向けてのいいアップになったと考えて、明日の500メートルは自己ベストで表彰台に上がれるように、苦手な1000メートルも10位以内を目指して頑張ります。
(2日目終了時点)
―今日の滑りを振り返って
昨日の2種目合計で順位が低かったので、早い段階での組だったので、同走の選手もそんなに早くなかったので、落ち着いて500は滑れました。狙っていた35秒台はでなかったんですけど、ミスとかもあったのでそこを改善すればもっといいレースにできたんじゃないかと思います。
―今日の調子は
調子は昨日に比べて、からだのキレもよくてよく動けたんじゃないかと思います。
―昨日の滑りを振り返っての改善点はありましたか
昨日は体が動いていなくて、気持ちが入っていなかったりしたので、今日はしっかり気持ちを入れていい順位を目指して頑張りました。
―リンクのコンディションはいかがでしたか
トップはタイムが下がっていたんですけど、中間層がけっこう上がってきていたので、リンクのコンディションはよかったと思います。僅差で順位が決まったので、自分もうまく滑れば表彰台も狙えていた距離だったので、残念だったと思います。
―今大会は法大の選手たちが苦しんでいます。どんなことを感じていますか
ジャパンカップ2戦目はみんなよかったんですけど、そのままここに繋げればよかったんですけど、そのあとは疲労からか思うような成績を残せていなくて、ただみんなも焦ってはいないと思うので、今後の大会に繋がる滑りができたかなと思います。
―今後の個人の目標は
オリンピック選考会に出れる順位ではあるので、選考には絡めなくても自分より強い人たちに勝つという目標と、自己ベストを更新して35秒50を切れるように頑張ります。
―注目している後輩は
田中がジャパンカップで自己ベストを大幅に更新したりして今すごく伸びている選手だと思うので、調子の悪い大竹達も田中には負けないぞという気持ちで頑張ってほしいです。
―1年生の上水選手は阿部選手から見てどんな後輩ですか
練習を見ている限り、弱い選手ではないですし、何かしらきっかけがあればタイムがポンと出たりすると思うんですけど、自分のなかで何を変えれば良いかもわかっていないと思うので、1年生でまだまだこれからですし、練習後も1人で自主練したりしていて根は真面目だと感じるので、今後に期待だなと思います。
―今後の試合への意気込みは
自分の一番得意な500mでもナショナルチームの選手達も出るなかで負けずに表彰台を目指して、オリンピック選考会に繋がるいいレースができたらなと思います。
フォトギャラリー
- 主将としてチームを引っ張った中村
- 阿部も本職の500㍍では健闘した
- 表彰台を逃すことなった(写真:中村)
- 昨年2位となったが今季は苦しい結果に(写真:阿部)
- 中村の本職は1000㍍だ
- 阿部も500mでは好走を見せた