【バスケ】第70回全日本大学選手権記念大会 対白鴎大 苦しい前半戦から、追い上げ見せるもリードは奪えず…。ベスト16でインカレ敗退
ベスト8を懸けて、「絶対勝つつもり」で挑んだ白鴎大戦。序盤、勢いに乗り切れない法大は苦しい展開に。しかし、後半は追い上げを見せ、一時法大に流れが引き寄せられるが、勝ち切れず。3年ぶりのインカレはベスト16という結果で幕を閉じた。
試合結果
トータル試合結果
78 法政大学 |
11 | 1Q | 22 | 91 白鴎大学 |
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18 | 2Q | 18 | ||
24 | 3Q | 32 | ||
25 | 4Q | 19 |
法政大学スターティングメンバー
選手名 | 身長/体重 | ポジション | 出身校 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|---|---|---|
#6 中村太地(法3) | 190/79 | G | 福岡大濠 | 11 | 2 | 3 |
#5 玉城啓太(法4) | 175/65 | SG | 京北 | 22 | 2 | 1 |
#34 濱田裕太郎(文2) | 186/75 | SG | 育英 | 0 | 3 | 1 |
#15 米山滉人(営3) | 187/80 | C | 湘南工科大付属 | 5 | 3 | 0 |
#24 鈴木悠介(法3) | 197/95 | C | 洛南 | 7 | 4 | 0 |
法政大学交代選手
選手名 | 身長/体重 | ポジション | 出身校 | 得点 | リバウンド | アシスト |
---|---|---|---|---|---|---|
#12 千代虎央太(法2) | 188/83 | SF | 光泉 | 9 | 3 | 1 |
#30 水野幹太(営2) | 184/78 | PG | 福島南 | 22 | 2 | 1 |
#51 金本一真(文1) | 182/79 | SF | 光泉 | 2 | 0 | 0 |
戦評
負けたら終わりのトーナメント戦。
2回戦の相手は春の大会や夏合宿で負け越している白鷗大。ここで雪辱を果たせばベスト8入りとなる重要な試合だ。しかし、序盤から攻めきれず思うように点が入らない。第1Q残り4分半にしてようやく点を入れるが、それも相手選手の反則によるものだった。その時点で9点差と苦しい状況のまま試合は進み、11点差で第2Qへ。
第1Qとは裏腹に、開始直後から#30水野幹太(営2)と#5玉城啓太(法4)のガード陣が奮闘をみせる。ディフェンスも噛み合い、法大が流れをつかんだかと思われたが、相手にタイムアウトをとられ流れをつかみきれない。点差は変わらないまま試合は後半戦へと続く。
第3Qは#6中村太地(法3)や#5玉城、#30水野らがスリーポイントシュートを決め、点差を縮められるかと思うも、そうは問屋が卸さない。こちらが入れた分相手も入れ、じわじわと点差を開かれ、19点差で最終Qへと進む。
運命の第4Qは#12千代虎央太(法2)の先制スリーポイントシュートから始まった。そこで勢いに乗ったか、#51金本一真(文1)のタイトなディフェンスが功を奏し、相手選手のこぼしたボールを拾い上げ、前を走る#12千代へパス。これ以上ないチャンスに#12千代がダンクシュートで応え、ベンチや観客席が沸き立つ。まるで、前半終了間際にダンクをきめてきた白鷗大への報復のようだった。だが、白鷗大もそれで呑まれるような相手ではない。点差は縮まらないまま、試合終了のブザーが鳴る。その瞬間、同時に4年生の引退も決まってしまった。
来年からは1部リーグで戦うことになる法大。今日の試合を糧に、さらなる飛躍が望まれる。(小倉明莉)
監督・選手コメント
佐藤俊二監督
―試合を振り返って
勝ちたかったのですが、勝つことができずに残念。その一言です。
―白鴎大戦への対策は
春も夏もインサイドのところでかなりやられてしまうところがあったので、そこに対して指導していって、プレーしてもらうっていうのは方針としてあったのですが、そこが上手くいかなくて。機能している部分もあったのですが、外国人留学生がいるチームに関しては慣れも必要ですし、そこはさらに意識して練習していかなければいけないなと思いました。
―鈴木悠介選手の善戦も見られましたが、具体的なインサイドの難しさとは
白鴎大には2m10cmくらいの選手もいて、ウイングスパンを考えればもっと差はあると思うのですが。前半は頑張っていたのだけど、はじいたオフェンスリバウンドを相手に拾われてしまったりっていうのがあったので。だからこそ、ルーズボールの対応などは大事だと話していたりはしたのだけど、それも日々の練習の積み重ねでしかないし、そういった細かいところを積み切れなかったのだと思います。残念です。
―後半は追い上げる場面もありました
もともとそういう力のある選手たちが揃っているし、今日は特に玉城(啓太)が気迫あふれるプレーというか、チームを引っ張ってくれて、ペースも速まって。相手のトラディションディフェンスがあまり良くないということは分かっていたことなので、そこで流れを作ってくれました。
―練習試合も含めて年内3回目の対戦になると思いますが、戦いぶりは
そもそも負けるような選手たちじゃないし、出だしでかなりつまずいてしまったので、そこは厳しかったのですが。上手く流れを持っていけなかったというのは僕自身のミスでもありますし、今後そうならないよに気を付けなければならないと思います。ただ、今までずっと負けてしかいなかった4年生がこの舞台まで引っ張ってくれたということが貴重なことですし、下級生はこれを糧にしてもらいたいなと思います。
―白鴎大との対戦は成長の指標となるものかと思います
今日は点は入らなかったけれど、全員が集中力が高くやれていたし、1人1人のスキルもですが、チームとしても試合中の修正力ですとか、春に比べるとかなり向上していると思います。来年は同じリーグでやるわけだから、負けていいる理由なんて何も無いので、次は勝てるようにしっかり練習していきたいと思います。
―課題は
出だしのところで、うちのシュートが全然入らないので、経験不足なのかなとも思うけれど。ノーマークでは打ててはいたのだけど、入らないっていうところで、そこが1本でも入っていれば、違った展開になっていたかなとも思うのですが。メンタルの部分とか、試合の入り方とか、リーグを通しても言っていたところですが…。今日はそこは悪くなかったと思います。リーグ戦であったようなあからさまに抜けたプレーであるとか、そういうのは一つも無かったので、そこは成長したところですね。
―精神面からくる立ち上がりの遅さは、改善されつつあるという印象も受けます
特に今の3年生が入ってきて、2部から3部に落ちてるときなんかは、上手くバスケットをやろうというところにばかりフォーカスしてて、勝つことへの執着がかなり薄かったように思います。そういったところで考えると、ここ2年、勝つということを口を酸っぱくして言ってきたし、勝つというところに価値があるという風に言ってきたので、選手の考え方も少しずつ変わってきたのかなと思います。玉城が抜けるのはかなり痛いのですが、来年は今の主力がほとんど残るので。1個のリバウンドとかファウルとか、そういうのが勝ち負けに直結してくるから、そこを練習でもっと詰めていかなければいけないと思いますし、そこの大切さをどういう風に理解してもらうかというのが課題ですね。
―下級生の活躍について
(水野)幹太は特に気持ちがすごく強い選手だし、大舞台であればあるほど実力を発揮してくる選手なので。「法政を3部から1部に上げる」っていう思いで入ってきてくれたのもあるし、来年はさらに成長して、チームを引っ張るリーダーになると思います。金本(一真)はディフェンスもかなり動けますし、シュートも入りますね。こういう舞台の経験がないっていうのが逆に強みなのかもしれません。何にしても下級生は思い切りよくやってくれれば、それが必ずチームにとってプラスになると思って試合に出しているので、変に考えすぎず、自分のプレーをやってもらえれば思います。
―インカレ優勝とはなりませんでしたが、1部昇格、インカレ出場の目標は達成しました
最低限の目標をクリアすることはできたのかなと思っています。1部に昇格できたのは良かったのだけど、僕はインカレ上位を目指していたので。今日は、最初は離されてしまったけど、徐々に詰めて、追い上げるっていう試合展開も経験できて。日本一っていうものをリアルに実感できたのではないかと思います。でも、もっとできたことがあるんじゃないかと思うんですよね。今日に関していえば多治美(篤=社4、学生コーチ)がすべて相手のスカウティングをしてくれて、それがはまってたからそこは問題なかったんだけど。出だしのところはもっとやりようがあったと思うし、結局、普段の練習が出てしまったというか。その辺は、また来年マネジメントを変えてやっていかないと、同じことになってしまうので…、改善します。来シーズン、1つでも上に行けるように頑張っていきたいなと思います。
―監督は「落ちていく法大」もご存知かと思います
スタッフの体制が違うから何とも言えないところはあるんだけど、空気感はかなり良くなっていると思います。チームとして「何かできそうな空気」「勝てる空気」を作ることが大事だと思っていて、それは作れているのではないかと思います。選手たちはその環境にいることでのびのびとプレーできるようになると思うので、スタッフも選手もその空気感をどう作っていくかは大切です。高い目標を掲げて、ネガティブなことは口にしないっていう。負けてるとどうしても気分も落ちますしね、どんな形であっても勝てば。1部は、3部や2部と違っていつまでも勝てるっていう状況ではないと思うので、勝ち負けを繰り返す中でも、ポジティブでな空気感を作り出せるように頑張ります。「古豪」と言われることもありますが、その時代もいいところばかりではないので、またゼロからチームを作って、しっかりやっていきます。
―来年の1部挑戦に向けての意気込みを
順位の面でも、ここ数年の実績を考えても、かなりハードルの高い挑戦になるかと思います。でも、しっかり練習をすれば戦えると思うので、とにかく練習を積み重ねてリーグ戦に向けてしっかりチームを作り上げていきたいと思います。
玉城啓太(法4)
―本日の試合を振り返って
僕ら4年生にとっては最後だったので、今まで4年間やってきたことを全て出し切ろうということでやりました。その部分で言えば悔いは無いのですが、試合自体は、勝たせてあげて下級生にもっと経験を積んで欲しかったと思いました。
―白鷗大の印象は
バスケット自体がちゃんとしてたといいますか、徹底していて、一人一人がチームのためにやっているという感じが強いチームでした。
―第1Qの前半、なかなか点が入りませんでしたがその要因は
やはり法政は最初は様子をみてしまうというのが結構あり、どんなチーム相手にも様子をみてからダラダラした感じでプレーに入るので、そこが今日も。今日はしっかりやろうと言っていたのですが、いつもの癖が出てしまったという感じです。
―ハーフタイムではどのような話が
10点差くらいついていて、もう様子などみていられないので、アウトナンバーや速攻などをガンガン出していけるところは全部いくというつもりでやりました。追い上げることはできましたが、やはり相手のオフェンスもそれ以上にうまかったので、そこで最初の10点差くらいを縮めることができませんでした。
―試合を通して点差がなかなか縮まりませんでしたが、やはり苦しかったですか
そうですね。やはり毎回最初にやられた10点を追ってるという感じで、1部相手とかだと10点(差を)つけられたら巻き返すのには結構苦労する部分が多いと思います。なので、こちらが先行して1ピリからガンガンオフェンスで攻めて、10点のリードを奪うくらいでやっていかなければならないと思いました。
―では敗因はその立ち上がりにありますか
立ち上がりの部分と、あとは相手のガード陣の速くくるプッシュとかを止められていなかったり、リバウンドの部分でこぼれ球のところを外人に結構叩き込まれてたので、インサイドで全員がどれだけ体を張るかということができてなかったのが敗因です。
―第3Q途中で足のストレッチをしていました
出だしから結構ガンガンいってたので、練習不足なのですが、足がつりそうだったのでケアしていました。
―最後までパスカットなどを狙いにいっていました
絶対勝つつもりでやっていました。1部(相手)は勝とう勝とうといっても、それ以上に相手も気持ちが強いですし、気持ちの部分で少し負けていたのかなと思います。
―残り5秒くらいのとき、コート端で竹内選手から背中をたたかれていました
「最後なんだからやってこい」と言われました。
―本日で引退となりますが、今の心境は
インカレ始まる1週間前とかはもう早く引退したいなって結構思っていましたが、いざ引退してみると寂しい部分は結構あります。それ以上に、こんな楽しいバスケができるのは最後なので、そこの部分に関して、もっとやりたかったなと思いました。
―今後バスケットボールは続けていきますか
はい。実業団でやっていくつもりです。
―ファンの皆様へメッセージを
僕らの代ではインカレで結果は残せなかったのですが、来年以降もっと強くなると思うので、法政のファンの皆様は今年以上に応援してくれたらありがたいです。
―チームの後輩にメッセージを
僕が抜けるだけで戦力はむしろ上がるみたいな感じですが、それ以上にチーム自体が今年もバラバラだった部分が多かったです。なので、後輩たちはもっとコミュニケーションとって、自分がやりたいことを主張したり、そこら辺をもっとチーム内で共有しあってやっていけばもっと強いチームになれると思うので、後輩たちに期待しています。
水野幹太(営2)
―今日の試合を振り返って
相手のディフェンス(ディナイ)が強くて最初はおされてて、入りが悪すぎて点差が離れたところで、自分が出てなんとか点を取ったらひっくり返そうと思ってました。全体的に良いか悪いかって言ったら今までの法政よりは良いと思うんですけど、もっと詰められた部分があったんじゃないかなと思います。
―白鷗大学の対策は
ボールを持たれた後にダブルチームとかでなるべくシュートを打たせないってことだったんですけど、やっぱりリバウンドのところの高さで負けちゃったので、そこだけ次で対応しないと1部ではやっていけないと思います。
―試合開始5分間は点数が入りませんでした
やっぱり相手のディフェンスにおされてて、自分たちが逃げ腰というか、相手が勢いに乗っちゃったのだと思います。
―ハーフタイムではどのような話を
ちょっと雰囲気が暗かったので、まだまだいけるってことで、みんなで声掛けをしていました。
―後半開始2分間で10点決められました
今日の負けた原因は試合開始の最初と第3クォーターの入りだったので、やっぱりあそこを直さないと、1部では絶対今日のような感じになって、差が開いたら絶対追いつけないってことになるので、そこだけは直していかないとなと思います。
―点差が思うように縮まりませんでした
ディフェンスは足りなかったっていう部分はあまり無いんですけど、自分たちの守った後のオフェンスとかそのリバウンドが負けてたので、そこを直せば今日みたいなゲームにはならなかったのかなと思います。
ー4年生と一緒にプレーする最後の試合となりました
4年生は試合にはあまり関わっていなかったんですけど、やっぱり心の支えやチームの支えになっていたので、すごい感謝の気持ちでいっぱいです。1部まで連れてきてくれたのも4年生なので、それを維持するだけでなく、まだまだ上にいけると思うので、しっかり頑張っていきたいです。
ー来シーズンに向けて
ガードでは、これから中村太地(法3)さんとか玉城啓太(法4)さんがいなくなるし、自分がそういうところでリーダーシップを持って、プレーだけじゃなくてチームの支えになれるように意識していきたいです。