【陸上競技】第14回世田谷246ハーフマラソン 箱根本戦に向け中堅選手の底上げが課題に
第14回世田谷246ハーフマラソン
2019年11月11日(土)
駒沢オリンピック公園陸上競技場及びその周辺
例年、中堅選手たちの箱根駅伝メンバー選考会としての位置づけが成されている世田谷ハーフ。
トップは全日本でエントリーメンバー入りを果たすも惜しくも出場を逃した糟谷。各選手が箱根に向けた熱き想いを胸に熾烈な戦いを見せた。
来る1か月半後の箱根に向けて、法大はまた1つ収穫を得る結果となった。
試合結果
個人結果
順位 | 選手名 | 記録 |
---|---|---|
16位 | 糟谷勇輝 | 1時間05分03秒 |
23位 | 奥山智広 | 1時間05分22秒 |
33位 | 中園慎太朗 | 1時間05分43秒 |
37位 | 佐々木虎一朗 | 1時間05分57秒 |
69位 | 中村雅史 | 1時間07分35秒 |
85位 | 森準也 | 1時間08分04秒 |
94位 | 強矢涼太 | 1時間08分38秒 |
105位 | 田辺佑典 | 1時間09分06秒 |
106位 | 徳永裕樹 | 1時間09分06秒 |
107位 | 清家陸 | 1時間09分06秒 |
108位 | 久納碧 | 1時間09分06秒 |
113位 | 河田太一平 | 1時間09分25秒 |
戦評
三大駅伝のうち2戦を終え、年明けの箱根駅伝へ向けた最後の追い込み期間を迎えた。
今回のレースは、これまでの駅伝でメンバー入りを果たせなかった選手たちにとって、11月後半に控える合宿、そして箱根駅伝のメンバー選考に向けてアピールする大事な位置づけである。
青学大や中大など箱根駅伝で競い合う大学の選手たちが上位でレースを進める中、学内トップでゴールしたのは糟谷勇輝(3)だ。夏合宿でスタミナ強化を重視してきたという糟谷は、後半のラップに課題が残るものの65分3秒で16位。全日本駅伝では補欠だったが、徐々に安定した力をつけてきている。2番目にフィニッシュした奥山智広(3)は自己ベストをマーク。今回が初のハーフとなった中園慎太朗(1)は、序盤から攻めの姿勢を見せそれに続いた。全体の37位でフィニッシュした佐々木虎一朗(4)までの計4選手が、65分台でまとめる結果となった。
今回のレースにおいて、タイム自体は過去の結果と遜色ないが、強豪校の選手たちと競い合えなかった点では課題が多く残った。出雲・全日本では目標順位に達することができず、上位争いをするためには、中堅層の向上やチーム全体の底上げといった課題が浮き彫りとなった。箱根総合4位を目指すためには、選手が口々にする「他大と勝負する力」をつけることが不可欠である。残り2カ月を切った箱根駅伝。チーム最大の目標である総合4位に向け、ここからどこまでチーム全体の力を高めていくことができるかが鍵となる。(守本咲希)
取材:近藤のぞみ・守本咲希・山岡菜月
監督・選手インタビュー
坪田智夫駅伝監督
―今日のレースの位置づけは
合宿の選考と、箱根に向けたメンバー選考に向けた大事なレースです。全日本組に関しては、練習の一環で走りました。補欠を含めた走らなかった選手は箱根に向けた選考でした。
―総括をお願いします
もう少し30秒から1分タイムを短縮して欲しかったです。世田谷ハーフは過去3年出てますが、糟谷のタイムは過去と比較してもそこまでチームの中では悪くは無いと思います。しかし箱根で勝負するにはもう少しいって欲しかったです。。
―メンバー選考の基準は
これ一本で決めるつもりはないです。夏からの練習や試合のタイムや作り方を含めて、総合的に箱根メンバーや合宿メンバーを選考していきたいです。
―上尾ハーフの位置づけは
どちらかというと上尾はフラットでタイムを出しやすいコースなので経験のない子達をしっかりと走ろうという位置づけにしています。
―チーム状況は
故障者が多いのですが、徐々に治りつつあるので富津には間に合うのかなと思います。しかし、中堅所がもっと頑張ってもらいたいです。
―富津合宿の位置づけは
富津に関しては強化というより、ロードに慣れることとコンディション調整という位置づけです。夏も距離を踏めているので、しっかりと感覚をつける為の位置づけです。
―箱根に向けた意気ごみをお願いします
箱根までは多少時間がありますので、今日の課題だったりややれることを修正して臨んでいきたいです。
糟谷勇輝
―今日のレース振り返られて
今日のレースは、青学大や強い大学の選手たちと戦うことを目標に掲げていました。結果として順位も良くなかったですし、タイムも悪かったので、反省点が沢山あるレースだと感じました。
―今大会の位置づけは
箱根のメンバーに入るかというのと、11月後半の富津合宿に向けてのメンバー選考でもあったので、自分の中では大切な位置づけのレースでした。
―学内トップでした
学内でトップを取るのは自分の中では当たり前だと思っていて、学内トップでも他大学の強い選手たちと戦っていかなければ、今年のチーム目標である箱根総合4位というのは果たせないので、そこに関しては何も満足していません。
―夏合宿で強化した点は
1回ハーフを走って、その後はスタミナ不足がテーマに上がっていたので、夏合宿は距離を踏むことに重点を置いてスタミナを強化してきました。
―今後の課題は
今回のレースでも5㌔ごとのラップタイムを見ると分かるように、15㌔から20㌔の落ち幅が広く、いつもハーフの課題となっているので、そこをしっかり意識した練習をしていきたいと考えています。
―箱根のメンバー入りのアピールになったのではないでしょうか
箱根総合4位というチーム目標に対して、自分の力は必ず必要になると思うので、1つ1つの練習を大切にして、チーム目標を達成できるようにしていきたいと思います。
奥山智広
―今大会の位置づけは
僕はBチームの練習に夏から参加していて、主力の故障やチーム状況で中間層の底上げが必要でした。僕は調子が上がってきていたので、僕の立ち位置的には主力に絡める走りをしようと思っていました。
―レースを振り返って
監督からは64分台が最低と言われていて、結果的に65分半ということで自己ベストではあるのですがトップを狙っていた自分にとってはパッとしない結果でした。
―調子は良かったのですか
調子も上がってきていて、練習も積めていたので大学の中で一番良い状態でした。しかしチームに勢いづける走りを今大会で狙っていたので、物足りない結果で終わりました。
―夏での練習は
去年の上尾ハーフから怪我をしていて、夏の練習もB合宿に参加できるかギリギリの状態でした。ジョグで距離を積んでいく形で人より練習が詰めていない状況だったので、8.9月トータルで他より走りこもうという意識で練習していました。
―同級生の田辺選手や糟谷選手から刺激は受けていますか
二人は出雲駅伝と全日本駅伝に絡んでいたので、その中でも外れた中村と僕が今大会に臨みました。3年生が4年生が苦しい中でも来年背負っていく意識を持たなければいけないので、押し上げていこうと思っています。
―今後の目標は
今のチームで主力にならないと来年はチームを背負っていけないと思うので、上に追いつくだけではなく主力として箱根駅伝を走れるように残り約2か月頑張っていきたいです。
―今後への意気込みをお願いします
去年箱根でアンカーを走った鈴木亮平さん(平30卒)が僕にとって原点で、社会人になっても現役と変わらないタイムで走っていて刺激をもらっています。僕も刺激を与えられるようになっていきたいです
中園慎太朗
―本日のレースを振り返って
初めてのハーフということで走り方があんまりわからない中でも、他大の主力や法政の先輩が本気を出して走るようなレース展開の試合だったので、最初から攻めていこうと思って走り出しました。結果的には最後タイムがどんどん落ちてしまって、ふがいない走りになってしまったのかな、というのが総括です。
―本日のコンディションは
1週間前から調整で、その時はあんまり調子が良くなかったんですけど、2、3日前ぐらいからだんだん状態が上がってきていました。自分の中でもある程度攻めた走りをしていこうかなと思ったので、今日のコンディションはだいぶ良い方でした。
―本日はどのようなレースプランで臨みましたか
レースプランはあんまり考えていませんでした。自分は出雲、全日本の補欠で走れずに終わってしまって、結果としてもチームの目標に届かなく、やっぱり他大と勝負する力が今の自分に必要な力だと思っていたので、特に細かいことは考えずに他の大学と勝負できるところまで勝負しようと思って今日は挑みました。
―夏での練習は
自分は身長が大きいんですが、筋力が無いので身長をいかせない走りばっかりをしていたんですけど、夏合宿で距離走であったり質の高い練習をしていくことによって、筋力自体ついてきました。それを踏まえて夏合宿ではストライドを伸ばして、身長をいかした走りをするということを意識してきました。
―箱根に向けての意気込みをお願いします
出雲、全日本とレースは走れなくて悔しい思いをしたので、箱根は必ず走って、走るだけじゃなくてチームに貢献できるような力をつけて箱根に臨みたいと思います。
佐々木虎一朗
ー今日のレースを振り返って
全日本補欠ということで先週(調整を)合わせたわけなんですけど、今週いまいち調整ができなかった中でも、ある程度自分の中では後半を除いてまとめられた方かなと思います。
ー今日のコンディションは
天候は普通に大丈夫だったんですけど、自分の前日の刺激だったり、当日になってみてもいまいちだったので、あんまり良いわけではないのかなと思います。
ーレースプランは
いつもは前半ガツガツいくんですけど、今回のレースに関しては調整も上手くいかなかったので、前半は落ち着いて、後半は維持というか上げていくイメージを意識していました。少しいまいちだったかな思います。
ー夏は何に取り組みましたか
練習を継続するっていう意味でケアや基本的な部分を意識しました。
ー箱根駅伝に向けて強化していきたいことは
自分自身今回の結果を踏まえて、練習や私生活の部分を振り返ることと、もう一回距離を踏み直すことです。
ー箱根に向けて
箱根では変わった自分の姿を見せたいと思います。
中村雅史
ー今日のレースを振り返って
夏合宿明けにけがをしてしまい、それで一度練習が途切れてからあまり時間が経っていなかったので不安はありましたが、これが箱根のラストチャンスだと思うのでしっかり走ろうと思いました。ですが、後半に少し足の痛みが出てしまい、あまり良い結果で終わることができなかったので悔しいです。
ー狙っていたタイムは
昨年の青学の8位の選手が64分半だったので、そこを目標にしていました。レースプラントとしては、最初が下りなのであまりそこで力を使わずに、後半の登りでしっかり粘って走れたらいいなというのを考えていました。
ーレース後に監督からどのようなお話がありましたか
練習が途切れてしまったのは仕方のないことだから、レースプランをもう少し考えるべきだったというのを言われました。あとがないのは仕方のないことですが、その中でも突っ込みすぎるのではなく、それでも落としすぎずにまとめる走りをしないといけないというのを言われました。
ーけが明けということですが、今後重点的に行っていきたいことは
まずはけがを完治させることと、そこから足の筋肉の強化をしてけがをしないようにしていきたいと思います。
ー箱根に向けて
あと残り1ヶ月ちょっとしかないので、しっかりチームとして箱根総合4位という目標に向かっていけるように、1日1日を大切にしていきたいと思います。
フォトギャラリー
- チームの主力に絡む走りに期待だ
- チーム内2番で力をつけている奥山
- 1年生ながら出雲全日本でエントリーメンバーに入った中園
- 全日本組は調整