【陸上競技】第99回日本陸上競技選手権大会3日目 表彰台は逃すも長田、大瀬戸が男子100mの決勝に進出!
第99回日本陸上競技選手権大会3日目
2015年6月28日(日)
デンカビッグスワンスタジアム
日本選手権の最終日に法大からは男子100mと男子走幅跳にそれぞれ2選手ずつ出場。
100mでは長田拓也(経3)と大瀬戸一馬(スポ3)が決勝に進出。
今大会では表彰台獲得者は出なかったが、レベルの高い舞台で健闘を見せた。
試合結果
種目別結果
種目 | 名前 | 記録 | 順位 |
---|---|---|---|
男子100m準決勝 | 長田拓也(経3) | 10秒55 | 2組2着 |
大瀬戸一馬(スポ3) | 10秒57 | 2組3着 | |
同決勝 | 長田 | 10秒42 | 5位 |
大瀬戸 | 10秒55 | 8位 | |
男子走幅跳決勝 | 佐久間滉大(スポ1) | 7m43 | 13位 |
松添基理(スポ1) | 7m28 | 17位 |
戦評
男子100m
男子100m準決勝には前日の予選を通過した長田拓也(経3)と大瀬戸一馬(スポ3)が出場した。向かい風が吹く中でも両選手は安定した走りをみせて、順当に準決勝を突破し、決勝へコマを進める。
迎えた決勝。まさに日本最速を決めるのに相応しいメンバーが揃う。決勝では4レーンに長田、9レーンに大瀬戸。ともに日本選手権での初の表彰台を狙う。
良いスタートを切ったのは大瀬戸。得意の前半で上位につけるが、足のけがの影響もあり、後半の伸びを欠いた。結局10秒55と、自己ベストとは程遠いタイムで8位に終わった。だが、大瀬戸自身は「けがを抱えた状態でも決勝に残れて良かった」と、コンディションが整わなかった中で、決勝まで残ったことを自己評価した。そして7月から始まるユニバーシアードで「主将としてもチームジャパンを引っ張っていきたい」と活躍を誓った。
一方で長田はスタートから前に出ることができず、後れを取る。高瀬慧(富士通)が抜け出し、川面聡大(ミズノ)、サニブラウン・アブデル・ハキーム(城西大城西高)、ケンブリッジ飛鳥(日大)と熾烈な2位争いを繰り広げ、並ぶようにフィニッシュ。しかし結果は5位。2位に入ったサニブラウンとの差はわずか2/100秒。惜しくも表彰台を逃す悔しい結果で、初めての日本選手権を終えた。
今年の日本選手権で両選手とも表彰台に登ることはできなかったが、7月上旬から開幕するユニバーシアード代表に、大瀬戸が4×100m、4×400mリレー、そして主将として、長田が200mのメンバーに選出されている。舞台は変わるが日本代表として、世界で活躍する姿を見せて欲しい。(佐々木岳)
長田は惜しくも5位となり表彰台を逃す
男子走幅跳
法大からは佐久間滉大(スポ1)、松添基理(スポ1)が登場。今季8m18を記録し、世界陸上の参加標準記録を突破している菅井洋平(ミズノ)、関東インカレで大会新記録を出した高政知也(順大)らが出場し、ハイレベルな戦いが予想された。
雨と風の影響もあり、コンディションはあまり良くない中で選手は跳躍となった。佐久間は2回目の跳躍で7m43とまずまずの記録を出す。その流れで3回目に記録を伸ばしたかったが「スピードが出なかった」と、助走でうまくいかず満足のいく跳躍はできなかった。
松添は調子が悪いわけではなかったが、「周りの選手がすごく強く見えて不安な面もあった」と今シーズン見せてきた勢いのあるジャンプを、気持ちの面から生かすことができずに跳躍を終えた。2選手ともに良い結果で大会を締めくくることはできなかったが、今大会で見つけた課題を全日本インカレまでに修正し、自己ベスト更新してほしい。(羽根田萌)
佐久間は本来の力を発揮できなかった
選手コメント
長田拓也
―準決勝のレースをふりかえって
準決勝は特に意識していたことはありませんでした。通過できればいいなという感じだったので、1、2着くらいを取りたいなぐらいでした。
―決勝については
今回スタートがとにかく良くなかったですね。あとは周りがみんなやっぱりトップレベルで、スタートが速い人たちだったのでびっくりしちゃいました。後半それで力んじゃって、いつもの持ち味を出せなかったかなというのが反省です。
―スタートから遅れしまっているように見えましたが
「あっ、抜かれた」と思ってからその後持っていこうと思っていましたが、間に合わなかったという感じです。
―タイムについては、10秒42で3位と僅差でしたが
悔しいです。表彰台に上りたかったので。タイム自体も良くないです。
―タイムが良くなかった原因は
最初から最後まで精彩を欠いた感じになってしまいました。200mも走って疲れもあったというのもありますが、一番感じたのはやはり経験の差ですね。自分はこの大会は初出場で今季からやっと力をつけてきた感じで、レースでは周りの選手たちは知っている名前ばかりで、みんなこういう場に慣れている人たちばかりだったので、その辺で経験の差というのは感じました。
―初出場だった日本選手権を終えて
経験の差というものを感じましたが初出場で2種目とも決勝に残れて、ある程度は戦えたと思います。これで来季はナショナルチームに入れると思うので、代表になるということを今後意識してやっていきたいなと。来年に絶対繋がると思うので世界を明確に意識できる大会になったなと思います。良い経験にしたいです。
―ユニバーシアードがこの後ありますが、出場が決まったときはいかがでしたか
「まじか」って思いました。個人選手権の100mの予選の日に聞かされて、そのときは試合のテンションもあってやっぱり嬉しかったですね。
―ユニバーシアードでの目標は
よくレベルがわからないので、とりあえず個人の200mは今回切れなかった20秒50を切って、リレーはメダルを取りにいきたいです。
―これからシーズン後半にむけては
100mは10秒2台が今回出なかったので、上のレベルでちゃんと安定して結果を出したいというのと、あと全カレは優勝を狙います。スピードももっとつけなきゃだめだと思います。一回10秒19を出した程度だと上のレベルには届いていないので、10秒0台を出して10秒1台で安定するくらいのレベルを目指していきたいなと思います。200mはユニバーシアードも200mですし、もう嫌だとか言っていられなくなったので、サブという意識はありますけど、それでも出場する機会があれば積極的に出ようかなと思っています。秋には400mも出ようと思っているので、距離についても意識していこうかなと思っています。スピードでガンガン200mも押していくタイプなので、経験として400mはどれだけできるのかという挑戦ですね。
大瀬戸一馬
―今日の100m、決勝を振り返って
今できることはやったかなとまずは決勝に残ることが目標だったので、自分なりには最善を尽くせたかなと思います。
―痛めていた足の具合はいかがでしたか
そうですね。ちょっと厳しかったです。準決勝から痛みが出て、ギリギリを攻めました。決勝は8番で不本意でしたけど、決勝に残れたという部分では満足なので、今回は合格点かなと思います。
―決勝を終えてから足の具合は
多少試合前より酷くなっている可能性はあるのですが、準決勝から決勝、この試合ですごく酷くなったとかはないので、ユニバーシアードがあるので、それまでにしっかり治して、韓国に入りたいなと思います。
―そのユニバーシアードではリレー代表、そして主将にも選ばれていますが、ユニバーシアードに向けてどういった調整をしていきますか
まずは主将として結果を残したいという部分があるので、現状けがをしているのでそれをしっかり治して、調子自体は悪くないと思うので、恐らく一走になると思いますが、今回の大会でもスタートは問題なくできていたので、しっかりユニバーシアードに向けて調整をしていきたいなと思います。
―今大会で100m、200mでともに決勝に出場し、ユニバーシアードにも出場する長田選手の走りはどう見ていますか
もちろん自分の励みになっていますし、一緒に切磋琢磨して2人で上を目指していけたらいいなと思っていますけど、もちろん自分は世代トップとしてやってきたので、暫くけがで負けていますけど、本調子を取り戻したら負けてられないなと思いますね。
―7月から始まるユニバーシアードへ向けて目標や意気込みを
全体の主将なのでどうなるかわからないですけど、陸上としても、チームジャパンとしても勢いづく走りができたらと思います。
佐久間滉大
―今日の跳躍をふりかえって
全体として流れはうまく作れていて今シーズンの中では一番いい動きができたと思いますが、なかなか記録に繋がらなかった感じですね。3本目でもう少し記録を伸ばしていれば決勝に進めていたので、3本目はもう少し記録を出しにいきたかったです。
―満足のいく大会では
ないです。全然だめでした。
―記録は伸びなかったということですが、フォームなどについては良かったということでしょうか
そうですね。スピードが出ていなかったのですが、それ以外のところはかなり仕上がっていたんじゃないのかなと思います。
―今大会に臨むにあたって、どのようなことを中心に調整してきましたか
自分の跳躍をしっかり取り戻せるようにしっかり見つめ直して、跳躍練習を多めにやっていました。全体的に跳躍をまとめられるように意識してやってきました。
―ご自身の調子についてはいかがでしたか
調子もすごく良くて、記録が出るのではないかなと思っていたのですが、風と雨が邪魔をしてあまりうまく跳べなかったです。
―やはり天候は気になったところなのでしょうか
そうですね。風が結構向かい風だったので、それがすごく気になりました。
―大会を終えて、課題は何か見つかりましたか
まだスピードが全然出ていないので、もう少しスピードを出せるように意識していきたいなと思います。
―3月にお聞きした際もスピードが足りないとおっしゃっていましたが、そのときよりは前に進めているという感覚はあるのでしょうか
そうですね。前には進んでいると思いますがなかなか、もう少しまだ足りない感じですね。
―これからの目標は
今年はまだ記録が全然出ていなくてあまりうまくいっていないので、しっかり調子を合わせて自己ベストをまず狙っていきたいと思います。
松添基理
―今日の跳躍を振り返って
自分的には悪くはなかったという気待ちもあったのですが、記録が出ていないので、結果から見て駄目だったのかなと思いました。
―悪天の中での試合だったことも記録が出なかった要因なのでしょうか
そうですね、でも条件はみんな同じ中で戦っているので、やはり自分の力のなさを感じました。
―初めての日本選手権の雰囲気はいかがでしたか
今まで体験したことないことが多くて、ほとんどのことが初めての経験でワクワクしたり、逆に周りの人がすごく強く見えたり、不安な面もありました。
―試合前にコーチからアドバイスは
コーチの梶川さんから助走1本終わる毎にアドバイスをいただいて、少しずつ調整できたと思います。
―学生個人の際は日本選手権にピークを合わせると言われてましたが、今回はピークを合わせられましたか
結果から見れば合わせられなかったと言えるんですけど、調子が悪いわけではなかったです。ピークはしっかりと合わせられたとは思っていたのですが、結果が出ていないので、合わせられていなかったのかなと思います。
―今回の結果を踏まえて、夏の期間に取り組みたいことは
このような悪天候でもしっかりと記録を出せるように、そういうところを練習などでしっかりと意識して、やっていき、もう少しスピードを上げることと、踏み切りでミスをしないようにしたいです。
―今大会でシーズンの前半を終えましたが、大学に入ってからここまでを振り返ってみていかがでしたか
うまくいった大会と失敗した大会、極端な結果しか今のところでていなくて、安定という言葉は今の自分にはないかなと思うので、少しずつ安定させて、狙った大会ではしっかりと結果を出せるようにしていきたいです。
―シーズン後半に向けて意気込みや目標を
シーズン後半は全日本インカレがあるので、そこにしっかりと合わせて結果を出したいと思います。
フォトギャラリー
- 足に不安を抱えつつも、決勝に出場し8位となった大瀬戸
- 長田はわずかな差で表彰台を逃し5位
- 佐久間は記録を伸ばせず上位進出ならず
- 松添もトップ8に残れず下位で跳躍を終えた
- 100m決勝のレース後。左から塚原、ケンブリッジ、大瀬戸、小谷、長田、サニブラウン