第94回関東大学サッカーリーグ戦 第14節 法大ー明大
2020年12月9日(水)
中大に劇的な勝利を収め、中2日で迎えた相手は昨年関東リーグ覇者、絶対的なライバルである明大だ。前節から引き続き同じメンバーで臨んだ法大は序盤から気持ちのこもったプレーを披露。何度もゴール前に迫り、反対に攻め入られた際には決死の守備で守り切る。しかし白熱したゲームは90分で決着がつかずスコアレスドローとなった。
試合結果
トータル試合結果
0 法政大学 |
0 | 前半 | 0 | 0 明治大学 |
---|---|---|---|---|
0 | 後半 | 0 |
試合スタッツ
時間 | 経過 | 大学 | 選手名 | 得点経過 |
---|---|---|---|---|
61分 | 交代 | 法大 | 服部→竹本 | |
65分 | 交代 | 法大 | 佐藤大→田中 | |
74分 | 交代 | 法大 | 平山→安光 | |
81分 | 交代 | 法大 | 田部井→宮本 | |
84分 | 交代 | 法大 | 長谷川→飯島 |
スターティングメンバー
背番号 | ポジション | 選手名 | 学部・出身校 |
1 | GK | 中野小次郎 | 経済4・徳島ヴォルティスY |
3 | DF | 高木友也 | 経済4・法政二高 |
5 | DF | 宮部大己 | 経済4・法政二高 |
31 | DF | 森岡陸 | 現福4・ジュビロ磐田U18 |
23 | DF | 関口正大 | 現福4・新潟明訓高 |
6 | MF | 松井蓮之 | スポ3・矢板中央 |
14 | MF | 田部井涼 | 経済3・前橋育英高 |
9 | MF | 平山駿 | 経済4・三菱養和SCY |
10 | MF | 長谷川元希 | 現福4・大宮アルディージャY |
11 | MF | 服部剛大 | 社会4・横浜FCY |
20 | FW | 佐藤大樹 | 経済3・コンサドーレ札幌U18 |
サブメンバー | |||
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12 | GK | 近藤壱成 | 経済2・ジュビロ磐田U18 |
4 | DF | 鳥居俊 | 理工4・東京ヴェルディY |
16 | DF | 陶山勇磨 | 現福3・帝京第三高 |
24 | DF | モヨ マルコム強志 | 現福1・東福岡高 |
7 | MF | 竹本大輝 | 経済4・成立学園高 |
13 | MF | 安光将作 | 社会3・ジェフユナイテッド千葉U18 |
19 | MF | 宮本優 | 現福3・清水エスパルスY |
15 | FW | 飯島陸 | 経済3・前橋育英高 |
17 | FW | 田中和樹 | 社会3・浦和学院高 |
試合後順位表
順位 | 大学名 | 勝点 | 試合数 | 勝-分-負 | 得点/失点 | 得失点 |
1位 | 早稲田大 | 44 | 21 | 14-2-5 | 48/19 | 29 |
2位 | 明治大学 | 41 | 19 | 13-2-4 | 34/16 | 18 |
3位 | 順天堂大 | 35 | 20 | 11-2-7 | 34/31 | 3 |
4位 | 桐蔭横浜大 | 33 | 19 | 10-3-6 | 31/24 | 7 |
5位 | 駒澤大 | 29 | 16 | 9-2-5 | 36/28 | 8 |
6位 | 国士舘大 | 26 | 19 | 8-2-9 | 29/31 | -2 |
7位 | 慶應義塾大 | 23 | 20 | 6-5-9 | 21/28 | -7 |
8位 | 筑波大 | 22 | 19 | 6-4-10 | 25/38 | -13 |
9位 | 法政大 | 21 | 15 | 5-6-4 | 25/22 | 3 |
10位 | 立正大 | 21 | 18 | 6-3-9 | 27/30 | -3 |
11位 | 専修大 | 14 | 18 | 4-2-12 | 26/52 | -26 |
12位 | 中央大 | 9 | 19 | 2-3-14 | 26/43 | -17 |
後期リーグ途中経過
節 | 日付 | 対戦校 | 結果 | 会場 |
12 | 10月10日 | 順天堂大 | △1-1 | 非公表 |
13 | 10月17日 | 慶應義塾大 | ○2-0 | 非公表 |
14 | 12月9日 | 明治大(延期分) | 17:30 | 非公表 |
15 | 10月31日 | 専修大 | 延期 | 延期 |
16 | 11月7日 | 筑波大 | 延期 | 延期 |
17 | 11月15日 | 立正大 | 延期 | 延期 |
18 | 11月21日 | 駒澤大 | 延期 | 延期 |
19 | 12月15日 | 桐蔭横浜大(延期分) | 17:30 | 非公表 |
20 | 12月6日 | 中央大 | 4-3 | AGFフィールド |
21 | 12月12日 | 国士舘大 | 13:30 | 非公表 |
22 | 12月19日 | 早稲田大 | 13:00 | AGFフィールド |
マッチレポート
中大に劇的な逆転勝利を飾り、全国大会出場へ向け少しでも勝ち点を積み上げたい法大。中2日で迎えた相手は、昨年の関東リーグ覇者、明大だ。前期は勝利を収めた最大のライバルからなんとしても勝ち点を奪いたい一戦だ。
中大戦からはメンバーに変更は無く、高い技術を持つ両チームらしい攻守が入り乱れるゲームとなった。中盤の1枚、松井蓮之(スポ3)が一列降り、後方からの組み立てに参加。広がったスペースに田部井涼(経3)、平山駿(経4)らが顔を出し、チャンスを演出した。服部剛大(社4)や平山、田部井が積極的にシュートを放つも、明大ゴールは簡単には破れない。反対にボール非保持の場面では、タレントぞろいの明大がボールを動かし、法大の守備ブロックを動かそうと試みるも、驚異的な集中力で中央を割らせない。大きなサイドチェンジや背後を取られゴール前に迫られる場面もあったが、森岡陸(現4)や宮部大己(経4)、ゴールキーパーの中野小次郎(経4)らが体を張ってゴールを割らせない。前半は緊張感を保ったまま同点で終了。試合は後半へ。
迎えた後半もシビアな展開は続く。一瞬の隙を突き、ハイタワー狩土名禅、爆発的スピードの小柏剛、パワフルな佐藤凌我を中心に明大に何度かゴールに迫られるが、決死のブロックでゴールは許さず。反対にボール保持の場面では、長谷川元希(現4)が運ぶドリブルで押し上げ、高木友也(経4)、竹本大輝(経4)らサイドアタッカーが勝負を仕掛ける。しかしボックス内で明大の集中した守備に跳ね返され、シュートを放つも、明大の最後の砦早川友基が立ちはだかる。後半はオープンな展開が増えるも、結局ゴールは奪えず長い笛。今季2回目の『血の法明戦』はスコアレスドローのいたみわけとなった。
「緊張感のあるいいゲームだった」と振り返るのは長山一也監督。トランジションが入り乱れ、体をぶつけあいながらも、リスペクトを持った大学サッカーらしい強度の高いゲームだったのは間違いない。今季も残るは数試合。全国大会出場への条件は簡単ではないが、選手もスタッフも決して諦めていない。次節は昇格組ながら大健闘を見せている国士舘大。この勢いのまま乗り込みたいところだ。
(記事/撮影・磯田健太郎)
勝ち点1を積み上げる結果となった
選手コメント
長山一也監督
ー今日はどのように試合に入りましたか
明治さんとやる時は僕が言わなくても勝手に気合が入るので、大学でもトップレベルの相手ですし、すごく楽しんで試合に入りました。うちとしては最後の質やアイデアが足りなかったかなと。守備のところはねばり強くやってくれましたが、もう少し崩しの場面でいい準備をして臨みたかったなと。ビルドアップに関しては、うまくいくところもありましたが、点を取るためにはもう少し前線の関わりを増やして相手を外すところを増やしたかったですね。もう少しゴール前の狙いもあれば点は取れたかなと思います。明治さんもねばり強く守ってきていて、0-0の試合ではありましたが、すごく緊張感のあるいいゲームだったかなと。
ー明大の印象は
攻守にハードワークしてきますし、縦へのスピードもあって、ランニングする距離も長いですし、攻守に迫力のあるいいチームという印象です。そこを踏まえてうちとしてはいいポジションをとって、明治さんの矢印をうまく使ってはがしていく部分を狙って準備してきました。
ー中大戦からは中2日ながら同じメンバーで臨みました。コンディション調整はどのようにされましたか
自粛明けではあったんですがけがもなくて、回復できるだろうということで、前の試合の勢いのまま戦いたいというのもあったので、メンバーはいじらず臨みました。ただこの後は連戦が続いていくので、コンディションに注意しながら、けがもさせられない子たちなので、全国大会の出場権をつかむためにも、限られた試合、与えられた試合の中で勝ち点を取るために準備をしていきたいですね。
ー明大相手にこれだけの試合ができたことについて、選手たちにはどのようなお話をされましたか
明日ゆっくり話そうということで、まずはクールダウンをさせたんですが、やっぱりよくやったと、守備のところでよく0に抑えたと。ただ攻撃のところで、アタッキングサードのところもそうですが、その前の崩しのところでもう少し前を向けると、前線でよりよい状況ができると思うので、そこのポジショニングや狙いの部分を改善しないといけないと話しました。
ー前節とはメンバーがほぼ同じ、唯一城和隼颯(社4)選手ではなく鳥居選手がベンチに入っていましたが、その理由は
城和くんは就職活動というか…練習参加で。やっぱり彼がいるともう少し中盤の選手とうまくボールが回せてスムーズにいけたかなと思いますが、守備の場面では森岡(陸、現4)と宮部(大己、経4)が体を張って守ってくれたので、違った良さを出してくれました。
ー法大と明大は『血の法明戦』と呼ばれるライバル関係ですが、長山監督ご自身はなにか特別な思いはありますか
僕が学生の時は(法大は)2部で、明治さんも2部で、やっぱり負けられない相手でした。友達もいましたし、プロになった後もOB戦とか試合する機会があって、昔からいい意味のライバルですね。ここ数年もタイトルを取っているのはうちと明治さんが多いと思うので、大学サッカーを引っ張っていくライバルとして、お互いいい刺激は与え合ってると思うので、この関係を継続して、その中でうちが勝ち続けられるようにしたいですね。
ー選手を後半かなり入れ替えましたが、スタメンとサブのメンバーの差は少なくなってきていますか
2チーム作れる準備は例年してきていて、コンディションのいい選手を使い分けられるようにはなっています。今日も途中から入った選手が自分の色を出して工夫してくれていたので、サブでも遜色のないメンバーがそろっていると思います。
ー次節に向けて
少しでも勝ち点を増やせるように、いい準備をしていきたいです。
宮部大己
―今日の試合を振り返って
絶対に勝ちきらないといけない試合をスコアレスで終わってしまって悔しい結果にはなってしまいました。ただ今年は失点が多い中で後ろ(ディフェンス)4枚とキーパーで0に抑えられたのは大きかったかなと思います。
―前節中大戦は前半で交代となりましたが、それを踏まえ今節はどのようなことを準備して臨みましたか
前節はビルドアップが自分の所でとどこおることが多かったので、今日は(周りを)簡単に使いながらという部分を意識していました。自分の強みである守りの部分は良さは出せたかなと感じています。
―明大の印象は
一人一人のパワーやスピードが、他の大学とは全然違いなと感じましたし、普段の練習から強度を上げてやってはいましたが、想像を上回るレベルの高さでした。
ー明大の猛攻がある中で森岡選手と0点に防ぎ切りました
お互い一対一には自信を持ってやっていて、それでも一対一で抑えられない場面も出てくる相手だと思うので、チャレンジ&カバーを徹底しようとは話していて、その成果が出たかなと思います。
ー今季は『運ぶドリブル』を積極的に行っています。ビルドアップではどのようなことを意識していますか
相手の立ち位置を見ながら、前にスペースがあれば狙っています。同期の城和(隼颯)が自分とは比べ物にならないくらいうまくて、自分とはまた違った良さがあって…城和が周りを見ながら運ぶドリブルをしていて、すごく参考に見ています。
ーJリーグ松本山雅に内定されましたが、周りの見る目が変わってきている意識はありますか
やらないといけない意識や、チームを自分が引っ張っていかないと、という意識はより一層強くなってきています。
ー次の試合に向けて
まだ全国大会出場が決まったわけではないので、中2日ですがいい準備をして、また0点に抑えて勝てるようにやっていきたいです。
田部井涼
ー今日の試合を振り返って
中大戦から中2日でしたが、明治さんのハイスピードなプレスに試合の入りは戸惑ったところもありながらも、だんだんと慣れていって自分たちのやりたいサッカーができたという印象です。
ー明大の印象は
一人一人が走れて球際が強くて、そこにフォーカスが当てられることが多いですが、一人一人がうまいというのが当然あって、ベースの技術が高い印象です。今日も自分と同じボランチで力安(祥伍)さん、住永(翔)さんが出ていて、力安さんはプロ内定(Jリーグツエーゲン金沢)していて、そういう選手のレベルを感じられたのがよかったですね。
ー攻撃面での具体的な狙いは
今日は(松井)蓮之(スポ3)が落ちて後ろ3枚で回そうとチームで取り組んでいて、自分はその前、少しシビアなところで受けてはたくことを意識して試合に入りました。前半はチャンスを何度か作れたのですが、後半はオープンな展開で自分が守備に回ってしまって…チームのかじ取りをして自分たちの時間をもっと増やせればよかったというのが、改善点としてありますね。
ー松井選手と中盤を組むことが増えてきていますが、攻守のバランスなどについてはどのような話をしていますか
(ビルドアップは)いつも4枚で回していて、ダブルボランチで(中央に)構えてサッカーをするイメージで、僕は前にガンガン飛び出していって、蓮之は後ろでバランスを取るのがお互いの良さだと思っています。そこでお互いの良さを出しつつやれてるとは思いますが、将来のことを考えると、お互い逆の役割も磨いていかないといけないと思います。試合中は良さを出すのも重要ですが、お互いのウィークなところを、お互い吸収しながらやっていきたいですね。
ー再開後は負けなしで来ていますが、その結果について田部井選手はどのように受け止めていますか
今日も気持ちのこもった良いゲームができましたが、今年のチームは連勝が少なくて、今日も悔しい結果にはなってしまいましたが、それをパワーに変えて、国士舘戦にいい準備をしていきたいです
ー今年から14番を着用していて、高校3年次も14番をつけていましたが、特別な思いのある番号ですか
好きな番号で、高校3年の時につけさせてもらって、自分の憧れの選手である中村憲剛選手(川崎フロンターレ)の番号でもあります。本当にうまい選手で学べるところがたくさんあって、言動であったりもしっかり考えているなと感じていて、そういった意味でも14番は好きな番号ですね。
ー次節に向けて
全国大会出場に向けて落とせない試合が続くと思うので、ここから全試合いい準備をしていきたいです。