第5日(8/20)
男子シングルス4回戦
3回戦で昨年度インカレ準優勝の田形諒平(筑波大)を破った中川が4回戦に登場。ファーストセット序盤は両者一歩も譲らずキープを続ける。しかし、第5ゲームからはミスを連発し、立て続けにブレイクを奪われる。最後まで相手に主導権を握られたまま2-6でこのセットを落とした。続くセカンドセット。相手に翻弄されながらも、粘り強くプレーする中川だったが、最後まで奮闘するも流れを掴みきれず。3-6で試合は幕を閉じた。単複優勝の目標はついえたが、気持ちを切り替え悲願のダブルス優勝を目指す。
第6日(8/21)
女子シングルス4回戦
女子で唯一、4回戦まで勝ち進んだ猪川。ファーストセットは相手のペースで進んでいく。猪川が放つ力強いストロークに対して、相手もしっかりと応戦。第3ゲームをブレイクされてしまう。さらに第9ゲームも相手に隙を突かれブレイクを許し、このセット3-6で落としてしまう。続くセカンドセット。ここから猪川の反撃が始まる。第1ゲームをブレイクすると、そのまま流れに乗り相手のミスを誘うショット連発。第5ゲームでブレイクに成功すると、「シードも格上だししょうがないと吹っ切れて打っていけるようになった」と試合後語っていたように、着実にポイントを重ね6-3で試合はファイナルセットへ突入した。勝負のファイナルセット。前半はお互いが一歩も引かず一進一退の攻防に。しかし徐々に猪川が試合の主導権を握っていき最後は持ち前のストロークで試合終了。自身初となるベスト8進出を決めた。
男子ダブルス3回戦
男子ダブルス3回戦に登場したのは、同日の試合で守屋加藤木ペアとの同行対決を制した中川大田ペア。試合は終始、中川大田ペアが主導権をにぎる形で進んでいく。楽々と第2ゲームをブレイクすると、2人の鋭いショットはますます力を増し、このセットを6-1で獲得した。続くセカンドセットでも2人の勢いは止まらず、第1ゲームでブレイク成功。しかし大田のボレーや2人の力強いストロークに徐々に相手も順応し一進一退のままキープ合戦へ。試合が動いたのは、第9ゲーム。2人の息のあったプレーが光りブレイクに成功。佐野高清水ペアに勝利した相手にリベンジを果たす結果となった。
田中・矢島ペアの3回戦の相手は、関西学生春季トーナメント準優勝の河野甲斐・田口涼太郎ペア。どこまで食らいついていけるのか。注目の試合が始まった。ファーストセット序盤は拮抗した展開に。しかし第5ゲームから相手のスピード感あるプレーに翻弄され、2-6でこのセットを落としてしまう。続くセカンドセット。粘り強くプレーを続けるものの、圧倒的な力の差を見せつけられ、1-6で試合は幕を閉じた。試合後、矢島は「不甲斐ない結果でしたが、自分自身のテニスが成長している実感を得ることができた」と晴れやかに語った。
(取材/鳥越花音・溝口真央)
選手コメント
猪川結花
―接戦でしたが試合ふり返っていかがですか
関西の中でも強い選手で、もともとキツいだろうなというのは思ってました。今日あまり調子は良くなかったんですけど、思ったよりも自分のプレーができたので良かったかなと思います。
―勝利のポイントはどこだと思いますか
セカンドの4-1で攻めていっていった中でミスをして4-3になったときですかね。そこで相手はシードで格上だし、しょうがないと思って吹っ切れて打っていけたことが最終的にはポイントに繋がっていったのかなと思います。
―今大会を通じてコンディションはいかがですか
もともと春関のあとにあった国体の試合で足首を捻挫してしまってサポーターしながらプレーしてる上に、踏ん張るときに必要な両足親指の付け根に水膨れができてしまってめっちゃ痛いです(笑)。なので足がボロボロであんまりコンディションは良くないですね。メンタル面は、シードは付いてるんですけど特に気にせずチャレンジ精神でいけてるなって思います。
―試合後、監督やコーチと話したことは
もっと前に出ろと2人ともに言われました。あとは体力をつけるために、もう少し走りとかラインタッチとかのトレーニングしなさいと(笑)。春関は雨で1日おきの試合だったり、今回もありがたいことにスリーセットが10ポイントだったりするのでまだ大丈夫なんですけど、もともと体力がないので今後改善していきたいです。
―次の対戦相手は昨年インカレ女王の阿部選手ですね
インカレインドアで当たったときに負けてしまったので、まずはいい試合になるように頑張ろうと思います。無理に打ちにいっても取られるし、いけるところはすくっていって、もっと前に出ながら頑張ります。
田中諒弥・矢島淳揮ペア
ー2回戦から試合を振り返って
田中: 2回戦は、春関も同じような雰囲気で負けてしまう試合が多かったので、少し僕が足を引っ張ってしまった部分もあったのですが、勝ち切れたことはすごく大きかったです。3回戦の相手は個として力があるペアだとわかってはいたのですが、思った以上にサーブとリターンが良く、ストロークでのびのびとやられてしまったので本当に完敗という感じですかね。何も出来ませんでした。僕たちのリターンとサーブの確率が上がれば、もう少しキープできたと思うのですが、思った以上に相手のストロークが良く、やられてしまいましたね。
矢島: 2回戦は、ファーストセットはほぼ完璧に近い状態でプレイができました。完璧な状態でプレイができたのは僕らが良かったというよりも、相手が勝手に落ちてくれて、相対的に僕たちが上がることができたからだと思います。セカンドセットは相手の調子が上がってきたので取られてしまったのですが最後のセットを取れた要因は引かずに、リスクを負ってでも自分たちからポイントを取りにいけたことだと思います。最後11球という接戦で勝てたことはすごい経験にもなりましたし、自信にもなりました。3回戦は本当に完敗です。仕掛けられているわけではありませんでしたが、基礎の部分でとても差があったので、駆け引きの部分にもなりませんでした。そのため、僕たちもいつもの自分のペースよりも良いボールを打とうとしてミスをしてしまったりして。本当に完敗でした、それしかないですね。
ー敗因はどの部分にあると感じていますか?
田中: 敗因と言う敗因はなくて。僕たちはサーブとリターンが入っていなかったので、そこをもう少し良い形で入れていくことができれば、ゲームとして競ることができたのかなと思います。ゲーム内容的に見ても、基礎的な部分の差で力負けしていたところはあるので、きちんと練習しなければなと思いましたね。
矢島: ファーストサーブが入らず、セカンドサーブになると相手に良いリターンを打たれ、こちらが後手に回ってしまう場面が何回かありまして。何とか打開策を見いだすなら、よりファーストサーブの確率を上げてリターンから攻めさせないということを選択すればよかったのだと思いました。ですが、相手のプレッシャーがあって、そこまでファーストサーブを入れることができなかったことが1番の敗因だと思います。
ーコンディションはいかがでしたか
矢島: 初戦は良かったと思います。3回戦は調子が良い悪いというよりは相手のプレーの質が高く、「いつもよりも良いところに良いところにサーブを配給しなければ」というプレッシャーからミスをしてしまったという感じですかね。
ー事前にペアで考えていたプランは
田中: 形として、淳揮が後ろにいて僕が前にいるという。そして、僕が動いて淳揮がストロークをする形が僕たちの理想ではありました。ですが相手のストロークを返す際、淳揮が押されてしまったり、僕がボレーに動けなかったりして。ストロークも強く、サーブも良くて、ボレーもあまり我慢できずにという感じでしたかね。
ー試合後、監督と話したことは
田中: 力負けしていたというような話をしていました。ですがやはり基礎的なところで差があったので、そこを練習するしかないなと言われました。
矢島: 監督も実力差があると思っていたようで。勝つことは正直難しかったと言われたのですが、もっと良い試合ができたはずだと言われました。今後このような相手に良い試合をしていくためには、日ごろの練習でただ練習すると言うより、自分にプレッシャーをかけ、より追い込むことで、自分たちのレベルを上げられるように練習した方がいいと言われました。
―今後の課題
田中: 技術的よりは、気持ちで負けないような準備をしたいと思います。
矢島: ファーストサーブの確率を上げて、セカンドサーブを叩かれないようにすることがまず1つ。加えて、ダブルスでもシングルスでもポイントの取り方がわかってきて。去年と比べ、自分から組み立ててポイントできるようになったので、そのパターンを増やすというよりかはそのパターンの質を上げて、強い相手にでも通用できるようになることが課題です。
ーインカレの総括をお願いします
田中: 僕はシングルス予選の決勝で負けて、ダブルスは3回戦敗退という形になりました。シングルスはインカレ本戦出場、ダブルスはベスト8以上を目標にしていて。目標に1勝届かず力不足だったのかなと思います。去年も僕はダブルスベスト16で、やはりベスト8の壁の高さを思い知らされたので、普段の練習を変えていかなければならないといけません。リーグ戦また頑張ります。
矢島: 去年はベスト16で、今年はベスト32なので、結果的に見るとシングルスは去年の方が成績が良くて。今回負けた相手は高校時代から1度も勝ったことがない相手でしたが、あと2ポイント取っていれば勝ちというところまで行けました。なので不甲斐ない結果でしたが、自分自身のテニスは成長しているなという実感を得ることができました。ダブルスに関しても、僕は12歳からテニスをやっているのですが、ダブルスの全国大会に出たのが今回初めてで、それでもこの初全国大会できちんと初戦勝つことができたので、成長を感じました。また努力して、来年この舞台で今回よりも良い成績を残せるように頑張りたいと思います。
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