• HOME
  • 記事
  • テニス
  • 【テニス】2021年度王座出場校決定トーナメント3位決定戦 対明大 最終戦はまさかの結末。オーダー不備で敗戦確定も、4年生が懸命なプレーで新体制へバトンをつなぐ。

【テニス】2021年度王座出場校決定トーナメント3位決定戦 対明大 最終戦はまさかの結末。オーダー不備で敗戦確定も、4年生が懸命なプレーで新体制へバトンをつなぐ。

2021年10月16日(土) 
2021年度王座出場校決定トーナメント
3位決定戦 対明大

王座出場権をかけて行われるリーグ戦。昨年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となったが、今年はトーナメントという形で実施された。関東1部に所属する大学が2つのブロックに分けられ、各ブロックの勝者が王座に出場する。慶大に敗れ王座出場を逃した法大は、明大と現体制最後の試合に臨んだ。シングルスのオーダー提出不備があり、ダブルス終了時点での敗戦が決定したものの、両チーム合意のもと試合を続行。最後まで懸命にプレーする姿を披露した。


ついに現体制での最終戦を迎えた

試合結果

トータル試合結果

1

法政大学

1

ダブルス

2

8

明治大学

0

シングルス

6

ダブルス

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
D1 中川舜祐(社4)・大田空(スポ2) 6-1,6-4 北岡志之・森大地
D2 守屋達貴(人3)・加藤木塁(経2) 6-7,6-4,2-10 藤永啓人・副田温斗
D3 佐野有佑(経4)・高清水研人(経4) 6-2,5-7,5-10 横田大夢・飯田翔

シングルス ※オーダー提出不備により0-6、なお試合は決行

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
S1 中川舜祐(社4) 6-1,6-2 田中瑛士
S2 矢島淳揮(スポ3) 6-2,3-6,7-10 町田晴
S3 佐藤太耀(現2) 1-6,6-2,10-8 徳航太
S4 新井翼(スポ1) 4-6,2-6 河内健
S5 田中諒弥(経4) 6-1,5-7,8-10 藤川悠
S6 佐野有佑(経4) 6-2,7-6 太田翔

戦評

ダブルス

王座予選順位決定戦の第一陣を任されたのは中川・大田ペア。ファーストセット、いきなり中川がサービスエースを決めると、このゲーム3本のサービスエースを決め、幸先の良いスタートを切る。さらに、驚異の9連続ポイントを挟みつつ、第2・第4ゲームと相手のサービスゲームを確実にブレイクした。第6ゲームこそキープされたものの、ゲームカウント6-1でファーストセットを奪取した。続くセカンドセットはお互い一歩も引かず、第7ゲームに局面が大きく動く。第6ゲームから第8ゲームまで、この試合2度目の9連続ポイントで第7ゲームのブレイクを果たすと、勢いそのままに6-4でセカンドセットを奪い、見事勝利。重要な場面で確実にポイントを奪取する素晴らしい集中力で相手を圧倒した。

ダブルス2番手として登場した守屋・加藤木ペア。加藤木の鋭いサーブで幕を開けたファーストセット。前に出て積極的に攻めるも、相手ペースで試合が進んでいく。流れが変わったのは第9ゲーム。1ポイントも与えずにキープすると、そのまま次のゲームをブレイク。激しい相手の攻撃にも冷静に対処していき、タイブレークに突入した。しかしこのセットは惜しくも競り負け落としてしまう。続くセカンドセット。両者粘り強いプレーで、ブレイクを互いに取り合う展開に。しかし最後は守屋・加藤木が意地を見せ、6-4でこのセットを獲得。試合はファイナルセットまでもつれ込んだ。セット序盤から相手に6連続ポイントを奪われたものの、隣コートまで走り、丁寧にボールを拾い上げていく。その後も最後まで前を向き果敢に攻めたが、2-10でゲームセット。リーグ戦で勝利を収めることはできなかった。

ダブルス3番手を任されたのは4年生同士の佐野有佑・高清水研人ペア。勝利で有終の美を飾りたいこの試合。ファーストセット、佐野の力強いサーブと高清水の鋭いリターンで相手を翻弄し勢いに乗ると、そのまま4ゲームを連取。その後、試合中盤でブレイクを許すものの、流れを渡さず多彩な攻撃で相手を圧倒。6-2でこのセットをものにした。続くセカンドセットでは、相手に主導権を握られリードを許す展開に。一時は追いついたものの、最後は相手にブレイクを許しこのセットを落とした。運命のファイナルセット。着実にポイントを積み重ねていったが、相手の勢いに押され、5-10でゲームセット。惜しくも勝利とはならなかった。


4年間ともに戦い続けた佐野・高清水ペアも最後の試合を迎えた

シングルス

エースとして今大会最後の試合に臨んだ中川。いきなり4連続ポイントでゲームをキープすると、第2ゲームではその強烈なストロークでリターンエースを次々と決めブレイク。その後も相手を全く寄せ付けない完璧な試合運びでゲームを連取していく。わずか6ポイントしか相手に与えず、ゲームカウント6-1でファーストセットを獲得した。そのままセカンドセットも勢いに乗りたいところだったが、ファーストセットとは打って変わって互いに一歩も引かない攻防戦となった。試合が動いたのは第5ゲーム。キープされる直前でデュースに持ち込み、そのままブレイクに成功。膠着状態を打破し、勢いを取り戻した中川はセカンドセットも奪取。粘られはしたが、最終的には相手を圧倒し、自身ラストゲームを有終の美で飾った。


主将としてチームをけん引した中川は勝利でラストゲームを飾った。

シングルス4番手を務めたのは1年生の新井。期待を背負ってコートに立つが、上級生を相手にファーストセットの序盤から苦戦を強いられる。第1ゲームこそブレイクを果たすも、相手の粘り強いプレーを前に集中力を乱し、第2・第4ゲームと連続してブレイクされる。7連続失点するなど、試合を自らのペースへと戻すことができず、ゲームカウント4-6でファーストセットを奪われた。なんとか反撃の狼煙をあげるべくきっかけを掴みたいセカンドセットだったが、相手のファーストセットの勢いを止めることができず、ブレイクを許してしまう。さらにロングラリーでの体力の消耗も相まってか、試合が進むにつれてミスも目立つようになり、そのまま2-6でセカンドセットも奪われ、悔しいストレート負けとなった。

シングルス5番手として登場した田中。ファーストセットは早々にブレイクを許す苦しい立ち上がりに。しかし、直後の第2ゲームでブレイクバック。その後は力強いスマッシュで相手を圧倒し、6-1でこのセットをものにした。続くセカンドセット。このまま逃げ切りたい田中であったが、立て続けにブレイクを許し0-3に。しかし冷静に追い上げていき、5ゲームを連取。コートを広く使って相手を翻弄するも、なかなか決めきれない田中。その後も流れを取り戻せないまま5-7でセカンドセットを奪われた。試合はファイナルセットへ。互いに一歩も退かず、ポイントを重ねていく。8-7まで拮抗した展開を見せたが、相手の方が一枚上手であった。その後は3ポイントを連取され、試合は8-10で惜しくも幕を閉じた。

シングルス6番手を任されたのは、ダブルスにも出場した佐野。ファーストセットは力強いサーブを武器に4ゲームを連取。勢いに乗った佐野は止まることなく、6-2でこのセットをものにした。続くセカンドセット。このまま流れに乗りたい佐野であったが、立て続けにゲームを落とし追い込まれる。しかし、第6ゲームを皮切りに反撃を見せ5-5と追いついた。試合は一進一退の膠着状態となるも、相手の隙をついた鋭いショットを決めるなど、インカレで発揮できなかったと語る「勝負強さ」を見せ勝利。試合後、「勝因は仲間のサポートと終始攻めの姿勢を貫けたこと」と語った佐野。悲願の勝利を手にし、佐野の最後のシングルスは幕を閉じた。


慣れないシングルスで勝利を収めた佐野。試合後には仲間への感謝を語った。

                                (取材:溝口真央、大石直槻)

監督・選手コメント

植村直己 監督

ー今大会の総評をお願いします
インカレの成績が、今大会の結果にも表れてしまったかなと。もちろんチームワークは大事なんだけれど、王座行くためにはやっぱり個人の力がなければいけない。それには練習やトレーニングはもちろんなんだけれども、法政に足りないのは試合経験だと思う。競った時に何をすべきかというのを実際の試合で覚えないといけないかな。あとは大学テニスも大事だけど、もっとを上を目指さなきゃいけない。全日本選手権に出るような選手を育成しないと他大学のNo1とかNo2とまともに対戦できないと思うし、そういう選手がいることで他の選手もレベルが上がって、練習も目的のあるものに変わってくると思います。学生の試合だけに留まらずに、海外遠征をするなど、大きな目標持って選手を鍛えていかないといけないかな。これで代は変わってしまうけど、矢島をはじめとした主力の選手を中心に、個人として強くなって欲しい。そこは来年に期待したいです。

ー選手それぞれへの評価はいかがですか
中川は本当に中心になってチームを引っ張ってくれました。中川・大田のダブルスがインカレチャンピオンに勝ったりして良い流れを作ってくれたんだけど、他の選手がまだ経験不足だったことは否めません。競るんだけど大事なところで弱気になってしまう。ただ才能のある選手が多いので、もっともっと練習して個人の能力を上げていければいいかなと思います。

ー選手の皆さんに一言お願いします
今回は4年生の佐野・高清水や田中に頑張ってくれたのが良かったのかなと。あとインカレが終わった後に4年生が「うちのチームはバラバラだ」ということで、何度かミーティングをしてお互いに言いたいことを言いあったりして、だんだん4年生にまとまりが出てきたのが非常に良かったかなと思います。彼らは1年生の時は強くなくて、上級生が「この代になったらダメだ」と心配してたんだけど、それがだんだん2年3年と経つうちにみんな強くなってきてね。3、4年とコロナであまり練習ができなかったのにも関わらず、ここまで成長してくれたことに、強くなってくれたことに感謝しています。

中川舜祐

ー試合を振り返って
最後負けは負けだけれど、しっかり勝って良い雰囲気のまま終われたことが良かったです。そして、最後1人で自分が試合をしていた時もみんなが声を出して応援してくれたから勝てました。

ー本日はどのような気持ちで臨みましたか
負けられない相手で、「絶対勝つ」という気持ちで臨みました。

―今大会の反省点は
慶應戦もですが、ダブルスの2、3番手が取れない。そこがチームとしての反省点だと思います。

ー今後に向けて一言お願いします
部活としては、キャプテンも終わってしまったので、次の主将に引っ張ってもらおうかなと思います。自分はテニスを続けるので、学生の間にタイトルを取りたいと思います。

佐野有佑

ーシングルスの試合を振り返って
まず試合に出させていただいたことに感謝しています。そして僕にとっては最後の戦いだったので、何が何でも勝ちたいと思っていました。試合内容は、ダブルス同様出だしがとても良く、ファーストセットはロースコアでものにできて、セカンドセットも劣勢でしたが何とか立て直すことができました。ファイナルセットは避けたいと思っていたので、しっかり取りきれて良かったです。

ーセカンドセットの中盤はどのような気持ちの変化がありましたか
焦りがありましたが、ベンチコーチにいた西森が「最後だから楽しめよ」と励ましてくれましたのがとても響きました。追い込まれた状況でしたが、珍しくポジティブに考えることができました。受け身にならずに自分からポイントを取りに行く姿勢を貫けました。

ー勝因はどこにあると思いますか
支えてくれたベンチコーチや、仲間の声もすごく力になりました。周りのサポートもそうですし、自分自身も終始受け身にならなかったところだと思います。

ー最後の試合を終えていかがですか
シングルスの公式戦は春関の予選で負けたきりだったので、思わぬ形でしたが久々で楽しみでした。本当に最後の最後だったので、悔いなく全て出し切りたい思いもありました。

田中諒弥

―今日の試合を振り返って
ここぞという所で決めきれない試合の難しさを痛感しました。同時に、最後のマッチポイントの1点が近いようですごい遠く感じました。

―今日の敗因は
相手は大事なところで前に入ってボレーしたりしていたんですけど、自分は引いてしまって勝負することができず、弱さが出てしまいました。

―試合にはどのような気持ちで臨みましたか
王座の切符を掴むという目標がなくなってしまって、チーム全体のモチベーションが下がってしまっていました。なので4年生としてチームを引っ張っていって、勝って後輩にバトンを渡したいという気持ちでいました。声掛けなど、テニス以外の姿勢の部分でも引っ張っていきたいと思っていました。

―シングルス最後の試合でした
僕自身ダブルスで頑張っていたので、シングルスで試合に出るとはあまり思っていなかったですが、機会を与えてもらったので、勝って終わりたいと思っていました。それでも現実はやっぱり厳しくて、結局負けてしまって、チームの負けも自分が決めてしまいました。自分の1勝があればまた違っていたかもしれないです。やりきったというよりも悔しさが残ることになってしまいました。

―夏関に向けて
(ペアの)佐藤のためにがんばります。

佐野・高清水ペア

ー試合を振り返って
佐野:いつもより出だしが良く、ファーストセットを取れたところまでは良かったのですが、その後相手も吹っ切れたのを実感しました。セカンドセットは一気に立場が逆転して。自分たちが受け身になってしまいましたし、相手がプレイスタイルを変えてきたことに動揺もしました。それを対処しきれなかったことが敗因になったと思います。勝ちたかったので悔しいです。

高清水:インカレから本当に調子が上がらず、ただ本番は何とかなるかなと思っていましたが、なんともならなかったので、もう少し入らないショットを練習すれば良かったと思います。

ーペアとして最後の試合にどのような気持ちで臨みましたか

佐野:今日は最後の試合だったので、本当に勝ちたかったです。負けてしまいましたが、研人がいなかったらダブルスの主戦力になるきっかけはなかったので、すごく感謝しています。

高清水: 今日はあまり深く考えずに試合に臨みました。まだ実感はありませんが、こうして終わりを迎えてしまうのが残念です。今まで、片方調子が良ければ片方が悪く、最後も僕の調子が上がらず終わってしましました。もう一度どこかでリベンジがしたいですね。

ー夏関に向けて
佐野:出るからには上位に入りたいです。引退までに後輩にしてやれることは自分たちが経験してきたことや技術を伝えていくことなので、先輩らしく試合をしたいです。

高清水:遊ぶ予定もたくさんありますが、きちんと部活に来て頑張ります。

安田忍 トレーナー

―今大会に向けてどのようなサポートをしてきましたか
選手たちのトレーニング指導と治療のサポートをしてきました。

―試合後には選手たちにどのような声をかけましたか
テニスの技術的な指導は全くせず、気持ち的な部分で次へという声掛けをしました。

―選手たちへ
毎年言ってるんですが、10年近く王座に行けていないので、来年こそは王座へ行ってほしいです。

フォトギャラリー

試合の写真は、スポーツ法政新聞会の公式ツイッター、また公式インスタグラムに掲載いたします。

関連記事一覧